ゾロアスター教

概要

ゾロアスター教(英　Zoroasterianism)とは、旧世界において「ゾロアスター」によって開かれた創唱宗教である。
火を尊ぶため「拝火教」とも呼ばれる。
成立過程において、さまざまな宗教との習合を繰り返したため、信仰は一枚岩ではなく、多くの分派が存在する。

教義・教理

• 聖典「アヴェスター」
  開祖ゾロアスターの言葉をまとめたとされる書物。ゾロアスター教祭式の方法や呪文、教義の根幹部分が記されている。
  原本は教皇庁所管のペルセポリス図書館に収められている。

• 教義の概要
  ゾロアスター教の教義の大きな特徴は「善悪二元論」と「終末論」である。
  アヴェスターによると、この世界は最高神アフラ・マズダーと悪神アンラ・マンユの闘争の場であり、人間は善行を積んで、アンラマンユに敵対すべきであると説く。
  世界の終末には「最後の審判」が行われる。そこでは生者も死者も改めて選別され、善行を認められたものは、すべての悪が滅んだ新世界「神の国」での永遠の命を与えられる。

主要な神々

教会組織

ゾロアスター教の最高指導者はエーラーン教皇であり、代々「ゾロアスター」の名を襲名する。
教会組織全ての最上位には「エーラーン教皇庁」が位置する。

全世界のゾロアスター教会の連携を図るため「ゾロアスター教公会議(ZEC)」が設立された。「ZEC」は独立教会首座主教により構成され、「ゾロアスター教公会議憲章」の理念に則り、世界中のゾロアスター教徒のための活動を行う。

主教座が設置された教会について、その裁量が及ぶ範囲を「教区（主教区）」と呼ぶ。（大主教座、府主教座が設置された場合はそれぞれ「大主教区」「府主教区」と呼ぶ。）
それらの教区が複数集まったものを「管区」と呼び、その中で最も位階の高い主教は「首座主教」として管区における指導的地位が与えられる。
公会議憲章に基づき、原則として１つの国に１つの管区が設定される。（たとえばエーラーン管区において首座主教はエーラーン総主教（＝教皇）であり、他の教区はその指導下にある。）

組織図

ゾロアスター教会における位階・職階など

概説

ゾロアスター教会における聖職者には大きく分けて「輔祭」「司祭」「主教」が存在し、必ずこの順に叙聖(任命)される。また、それらの中にも細分化された位階があり、主教には「総主教」「大主教」「府主教」「主教」、司祭には「首司祭」「長司祭」「司祭」、輔祭には「首輔祭」「長輔祭」「輔祭」が存在する。これらの細分化された位階については叙聖ではなく「昇叙」という表現を用いる。（例えば、「主教叙聖」と言うが、「長司祭叙聖」とは言わず、「長司祭昇叙」と表現する。）なお、叙聖されるためには必ずしも細分化された位階の最高位である必要はない。（例えば、長輔祭が司祭叙聖されることもあり得る。）

聖職者その他の位階・職階

各地域における状況

他宗教との関係

ゾロアスター教から派生した宗教が複数あるほか、古くから信仰されてきた宗教との接触により問題が起こり得る。