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Re: フリューゲル異伝スレッド

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レゴリス帝国

なし Re: フリューゲル異伝スレッド

msg# 1.11
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1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2013/6/9 21:35
レゴリス帝国  一人前   投稿数: 84

Flugel Another Story Regolith Side vol.1

「2人の魔女/witch of Two」

レゴリス帝国の帝都ブリンスト。
帝都ブリンスト中央区にあるレスタディアン通りには帝国の官公庁が面しており、この通りが帝国の中枢と言っても過言ではない。
その通りの一番区には総統公邸と呼ばれる大規模な屋敷がある。歴代の総統らはここに居を構えた。
そして通りを挟んだ向かい側には、総統が政務を行う建物として総統官邸がある。

その総統官邸の総統執務室。

壁にはこの総統執務室で度重なる決断を下したであろう歴代の総統らの大きな肖像画が飾られている。
執務室はかなり広く、400平米もの広さを誇っている。所々には来賓らとの会談に臨むソファーや観葉樹等が置かれている。
そして、執務室中央奥に置かれた執務机の席には、その立派な椅子に見合わない小柄な人物が座っていた。
彼女は外見こそ幼い10代前半の少女の外見をしているが、実際は年を取らない"不老不死の魔女"である。
その彼女の名はリーゼロッテ・ヴェルトミュラー。この惑星フリューゲルに於ける3大超大国の1つとして数えられる国家、レゴリス帝国を統べる総統だ。
そして、ヴェルトミュラーには裏の顔もある。レゴリスを影から操る魔術機関レメゲトンに於いて【色欲/Begierde】を司る大魔術師という顔が。

ヴェルトミュラーはここ数日、総統公邸の喫茶室でヴェルトミュラー自ら召喚したアンラ・マンユの化身である夢魔の王ジャスリー・クラルヴェルンとの会話に興じていた事もあり、執務が滞っていた。その為、ヴェルトミュラーは執務机で溜まっていた書類をひたすら処理していたが、それも先程終わり、今は息抜きとして聖マズダー産の紅茶を飲み、ティータイムに興じていた。

その時、ヴェルトミュラーの視界に1人の女性が現れた。
その女性の名前は黒枝鼎。現役将官の中で唯一元帥杖を持つ軍人だ。
彼女はヴェルトミュラーと同じ年齢なのにも関わらず、未だに10代後半の外見をしたままだった。
その原因は、ヴェルトミュラーと同じ。詰まる所不老不死の魔女だからだ。
魔術機関レメゲトンにも所属しており、【憤怒/Zorn】を司る大魔術師でもある。

「・・・忙しい筈の帝国軍統合作戦本部総長がこんな所にいて大丈夫なのかしら?」
「無問題よ。リズ。私が居なくても統合作戦本部は廻り続けるもの」
そう言って鼎は総統執務室の一角にあるソファーに腰掛けた。
「そう・・・。ところで、何をしに来たのかしら?よもや紅茶を飲みに来たとか言わないで」
「まさか。報告しに来ただけよ。エルジアにおける軍事クーデターが終結したわ」
「あら、早いわね。てっきり1.2年は掛かるものだと思っていたのけれど」
事実、ヴェルトミュラーはそう思っていた。軍事クーデターというのは簡単には終結しないものだ。
実際にレゴリスでは何度もそのたぐいのものが起きているが、それらは1年以内に終わった試しがない。
「ええ、エルジアのクーデターに対応して即座に軍を出したけど、それを見てクーデターを起こした連中は顔面蒼白になったらしいわ。で、即座に降伏したそうよ」
「エルジアのクーデター起こした連中、意外と弱かったのね」
「でしょうね。お陰で輸送に掛かったコストが無駄になった・・・。エカテリーナの怒る顔が目に浮かぶわ」
「そうね」
ヴェルトミュラーは心から同意しつつ頷いた。
レゴリス帝国の現財務大臣はエカテリーナ・ガイドゥコフというロシア系の女性だが、彼女は財政に関しては非常に厳しい。
その厳しい姿勢は総統たるヴェルトミュラーすら少し恐れる程である。かつて財政に関して彼女と意見が対立した時の剣幕が未だに忘れられないらしい。

「そういえば・・・。秋津皇国が我々と成蘭王国連邦が派遣した国際調査団に難癖をつけたそうだけど、それは本当なのかしら?」
「そうよ。この惑星フリューゲルは確実に世界大戦に向かっているわ。私の望む通りに・・・」
「確かにそうね。この問題は最早秋津皇国の譲歩無しには解決できないし、その渦中の国は譲歩する気は皆無のようだし。後は武力で解決するしか無いと思うわ」
「ふふ、今から起こるだろう惨劇が楽しみだわ」

「・・・そう言えば、リズが外務省の無能連中が出した報告書を見て、呆れを通り越して涙を零したという話は本当なのかしら」
それに対するヴェルトミュラーの返答は引き攣った笑顔だった。
「そして、後で密かに外相を粛清しようとして、リズの夫の駆に『粛清だけは止めよう』と言われて渋々中止したという話は本当なのかしら」
ヴェルトミュラーの顔は更に引き攣った。何故何時も鼎だけには情報が駄々漏れなのかと思いつつ。

※上記文書は実際の外交等に影響を及ぼしません。

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