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Re: フリューゲル異伝スレッド

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なし Re: フリューゲル異伝スレッド

msg# 1.26
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1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2013/10/19 0:32
ゲスト    投稿数: 0

== Flugel Another Story vol.20 ======

 まがりなりにも夢魔を自称するルティーナの寝室は豪奢の一言に尽きる。夢魔にとって寝室は聖域。内装、寝具、照明…すべて最高のものを揃えている。唯一、部屋の主が毎夜別の男を、あるいは女を連れ込むという習慣からいまや淫魔という有難くも無い二つ名まで付いていることが唯一の汚点ではあるが。
 今夜、夢魔の帳を越える栄誉を賜ったのは、ルティーナが王子様と呼ぶ黒石治宗という若者。二人が出会ってからもう何年も経つ。交わした言葉、共にした夜は数えきれぬほど。治宗はイニストラードの統治、大戦の停戦会議を支え、今や夢魔の愛人、恋人、主従、親友──盟約者としての地位を得ている。
「盟約者なんて持ったのは数百年ぶりなの。名誉なことよ」
「ほんの少し──複雑な気分だね。僕の前にも君と盟約した者がいると思うと」
「夢魔の思い出は上書き保存。前の盟約者のことはもう何も思い出せないわ。ふふ、だから今のルティーナには王子様だけ」
「…そして、僕もいつか忘却の彼方に消えるのか」
「ええそうよ。王子様は人間だから。あと50年も経てばおじいさんになって、100年も経てばお墓の中。死が二人を分かつまで、ルティーナの側に置いてあげる。きっと貴方のために泣くでしょう。でもしばらくすれば新しい盟約者がでてくるわ。数百年も前の恋人を覚えているなんて──それは妄執。」
「手厳しいね。永遠を生きる君に永遠はないと」
「永遠より刹那。今この瞬間はルティーナはあなたのもの」

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