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Re: フリューゲル異伝スレッド

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なし Re: フリューゲル異伝スレッド

msg# 1.10
depth:
1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2013/6/6 0:27
ゲスト    投稿数: 0

== Flugel Another Story vol.10 ======

 レゴリス帝国の一地方、スリューフェン。
 その州都の郊外に、ノルティスという製薬会社の研究所が存在する。
 ノルティスは帝国成立と同時に成立し、多くの医療機関に繋がりを張り巡らせている。フリューゲルでも有数の製薬会社。
 その研究所は、国家から援助により近代的な設備が整い、優秀な人材の集まった、帝国の医療技術を支える一大拠点。

 最近では学校の社会科見学にも利用されるなど、一般の人々にもオープンな姿勢が取られている。
 だがこの研究所の真の目的が、薬物投与や心理操作をも視野に入れた洗脳及び自白誘導の技術の研究であることは知られていない。被検体として秘密裏に書類上は刑が執行された死刑囚たちが運び込まれていることも。帝国の闇に潜む魔術組織/Lemegetonの機関の一つであることも。
 
 
 
「主任。昨日のテストの解析結果がでました」
 コンピュータの青い画面のみが照らす薄暗い部屋で。
 プリンターから吐き出されるカルテに目を通し、その白衣の研究者は薄ら笑いを浮かべる。特別な被検体がやってきてからというもの、行き詰まっていた彼の研究は急速に成果を上げつつある。組織でのさらなる地位も約束されるだろう。
「よろしい。被検体の方は……」
 研究者の問いに、モニタの数字に見入る助手が返す。
「"姫/Princess"の方は、睡眠時間は七時間強、朝食も残しておりません。疲労も感じていない様子」
「よろしい」
 研究者は無数の動物実験を繰り返し、その後十を越える人体実験の失敗により死者と廃人を量産しデータを蓄積してきた。
 今回の被検体は死刑囚ではなく、上層部が送り込んだもの。上層部の意図はわからない。そのうちその意図に触れる権限も手に入るだろう。
 
 
 
 プリシラ・アルヴィドソンという十三歳の美少女は死んでしまいました。
 ではどうしてモノローグを語っているというと、プリシラの人格は一度破壊されて、新しい可愛いプリシラとして再構成されたのです。いろんな女の人の記憶や知識が渦巻いて。学者としての知識も、母親としての経験も、殺人鬼の恍惚もプリシラの中に。
 主任さんが知らなかったのは、新しいプリシラは娼婦であり、魔女であり、そして魔のモノであったこと。
 さよなら幼い私。さよならお姉様。さよなら主任さん。そしてこんにちわ、淫魔/Lilithの私。──狂おしい恍惚への衝動を、プリシラは抑えることはできませんでした。
 
 
 
「……だからといって、死刑囚たちを解放してまわることはなかったじゃないの」
 リーゼロッテがはっちゃけた悪戯っ子に苦言を呈する。魅了/Charmの業により研究員たちは次々と死刑囚たちを解放し、そして次々に殺害された。数十人のサイコパスたちはいまだ行方がしれず、血塗れの惨劇の跡が残るのみ。ノルティスの被った損害は計り知れず、その後始末も容易ではない。
「ごめんなさい。プリシラは罪を犯すのと、罪を犯させるのが快感なの。もちろん許してくれますよね」
 恐れを知らぬ小悪魔が微笑む。知識や経験があっても、精神年齢は即座に上がったりはしないらしい。使い途はあるが、扱いには苦労しそうだ。
「歓迎はしないけれど、魔力があることは認めるわ。【暴食/Gluttony】を名乗りなさい。貴方に利用価値があるまで生かしておいてあげる」
 
 
※上記文書はイメージであり実際の外交に影響を及ぼしません。
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投票数:1 平均点:10.00

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