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Re: フリューゲル異伝スレッド

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なし Re: フリューゲル異伝スレッド

msg# 1.20
depth:
1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2013/7/26 23:50
ゲスト    投稿数: 0

== Flugel Another Story vol.17 ======
 
「リエラはルティーナ様のお人形」
「リエラはルティーナ様のお人形」
「リエラはルティーナ様のお人形」
 
 成蘭の宮廷から充てがわれたその部屋で、可憐なる少女は膝を折り、瞳を閉じ、手を組んで祈りの言葉を紡ぐ。
 
 それは聖なるものに祈りを捧げる聖女。少女王。
 
 しかしその祝詞は聖石アクアマリンへのものではなく、平和への祈りでもなく、自分が人間であった事すら忘れたかのような、魔のモノへの爛れた忠誠の言葉だった。
 
 所有の刻印は犠牲者の上で猛威を振るう。主人を思い浮かべ忠誠の言葉を紡ぐ度に、リエラの精神は幸福感に満たされ、全身に性的にも似たえもいれぬ快感がもたらされる。
 
 しかしながら、魔のモノの眷属となってもリエラ・エアリーヌは信仰を失ってはいない。彼女には聖職者としての日々や、アクアマリンの神託、愛と平和と、現実との折り合いの努力の記憶が残っている。
 
「…ごめんなさい、エアリーヌお姉様。ごめんなさい、ユリティアちゃん」
 
 聖姉妹たる彼女らが今のリエラを見たら、一体どんな顔をするだろうか? 姉妹への裏切り。アクアマリンへの裏切り。国民への裏切り。それらは間違いない彼女の罪。
 
「ルティーナお姉様……リエラは心も身体もお姉様の物です……」
 
 主人を想うだけで罪悪感は快感に変換される。だから、リエラは罪悪感を感じるために信仰を捨てない。本末転倒だとリエラはその聡明な知性で感じている。自分が壊れていくことを、主人への依存が深まっていくのを自覚する。愛しいルティーナ様は闇の力を与えてくれる。美しい衣装を与えてくれる。幸福と快楽を与えてくれる。その上不老まで与えてくれるのだから。
 
「ふ……ぁ」
 
 リエラは自らの身体の内にドロドロとした欲望が渦巻いているのを感じていた。肉欲、情欲、性欲、あるいは淫欲。聖姉妹を穢す妄想を一瞬でもした自分の堕落に恐れおののき、それが快感に転換されたときの絶頂は今も忘れられない。
 
「……」
 
 敬虔なる祈りを捧げる少女。だが堕ちたるリエラにとっての祈りとは、今や自慰に近しい意味を持つ。だがそれに気がつけるものは多くない。外面は完璧に、内面だけが腐っていくのだ。

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