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Re: フリューゲル異伝スレッド
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Recurring Nightmare (ゲスト, 2013/6/3 1:05)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/6/3 1:06)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/6/3 1:07)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/6/3 1:07)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/6/3 1:07)
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- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/6/3 1:08)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/6/3 1:09)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/6/3 1:09)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/6/6 0:27)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (レゴリス帝国, 2013/6/9 21:35)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/6/11 0:13)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/6/12 19:14)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/7/3 21:38)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/7/10 22:10)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/7/20 1:58)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/7/23 19:14)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/7/25 0:35)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/7/26 23:12)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/7/26 23:50)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/8/14 15:54)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/9/10 21:18)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (レゴリス帝国, 2013/9/16 2:41)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/9/24 19:42)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (レゴリス帝国, 2013/10/13 18:29)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/10/19 0:32)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2013/10/30 2:54)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (レゴリス帝国, 2013/12/17 23:36)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2014/7/1 21:21)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2014/9/6 0:57)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (ゲスト, 2014/9/12 21:50)
- Re: フリューゲル異伝スレッド (レゴリス帝国, 2017/7/4 23:35)
== Flugel Another Story vol.8 ======
陥落は近い。
自分は──成蘭の王太子、黒石治宗は屈服の一歩手前にいる。
"ホームステイ"した宮殿の主、ルティーナ・エルツ・ルーシェベルギアス公爵は、自分が寂しい時に側におり、一人になりたい時には視界から消える。その教養は自分の社会学や絵画の話についてこれる程で、しかし知識をひけらかすことなく、頭の回転は自分よりわずかに低く。他人の前では自分の顔を立て、二人きりであればあらゆる求めに応じてくれる。まことに都合のいい存在だった。
そして何よりも誰よりも、彼女は儚く美しく優しい。ルティーナの側にいることは、幸せで暖かく優しい時間であるという事。
一日の間で、彼女の事を考える時間が徐々に増えてゆく。
今や自分の中で、ルティーナ公爵はもっとも重要な人物の一人として君臨している。
愛の言葉を捧げれば、おそらくは相思相愛の恋人になることができるだろう。それは恋愛の成就という、人間が一生をかけても得がたいもののひとつ。それが手の届く場所に置かれている。しかしその対価として自分はルティーナに魅惑され、その思考は麻薬中毒のように彼女のことで埋め尽くされるのだ。
自分がまだ彼女の愛の虜にされていないのは、幼き頃からある対人恐怖症と女性恐怖症の影響であるに過ぎない。女性は値踏みをする。嘘をつく。陰口を言う。試す。化ける──。
そんな後ろ向きな恐怖心と嫌悪感が最後の砦として機能している。
成蘭に帰ると言えば、あるいはもう会いたくないといえば、ルティーナは寂しそうな顔をするだろうが逃がしてくれるだろう。
だがそれで彼女から逃げられるのだろうか。彼女に会えない一日を過ぎるごとに、禁断症状のごとく精神が苛まされるのではないか。そんな状態で彼女に会ってしまったら、自分は完全に彼女の虜になる。
「ルティーナ様は夢魔なんです。夢と幻と運命を操る魔のモノの一種。犠牲者の絶望と苦悩と後悔を啜って生きているんです」
公爵付きの侍従エーファ・ブルーンスが、部屋に引きこもった自分に食事を運びながらそう言う。
「夢魔は人間の心の弱ったところにやってきて、"慰め/comfort"という業を使って心の中に依存の種を植えるんです。それは犠牲者の精神の中で発芽して、美しい薔薇に成長します。薔薇は精神を蝕み不安をもたらしますが、夢魔の事を考えたり、夢魔に会ったりすると幸福感を与えます」
「つまり、僕は公爵の餌という訳なのか」
「それが、人間と夢魔の関係なんです」
「……難儀な方だね」
暗き闇の中で。帳の中で。閨の中で。
「ルティーナ公爵」
「はい。私の王子様」
「ルティーナ公爵」
「はい。私の王子様」
「ルティーナ」
「はい。私の王子様……」
※上記文書はイメージであり実際の外交に影響を及ぼしません。
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