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ノイエクルス通信  ノイエクルスの民間報道機関
6月 27 (日曜日) 2010
【国際】モルダバイト、代議院選挙を強行他 02:09  ノイエクルス自由国 
==【国際】モルダバイト、代議院選挙を強行==

(6日ノヴィルキウス)モルダバイト共和国は不正選挙疑惑を払拭できずやむなく解散に追い込まれた革新党政権の下、総選挙を強行した。この選挙においては我が国のIDOCを中心とした選挙監視団の受け入れを同国は表明していたが事前に外交ルートを通じて正式に選挙日程は告知されず、我が国の選挙監視団とオーレリア合衆国からFEUを代表して派遣された選挙監視団総勢900名は現地入りすることが出来なかった。連邦最高評議会はモルダバイト共和国のこの対応について「真剣に対応策を検討する必要がある」として休暇中の副担当評議員らを呼び戻し、最高評議会を緊急に開くことを決定した。
モルダバイト革新党政権は先の総選挙から僅か1年のうちに再び総選挙に踏み切ることで先の選挙結果に自信がない事を世界に知らしめた。もちろんこれは我が国の指摘どおり彼らが不正選挙を行っていたか、少なくとも重要な論点を隠して先の選挙に臨んでいた証拠である。今回一度は受け入れを表明した国際選挙監視団の到着報道を待つことなく選挙に踏み切ったことはモルダバイト政府が国際監視下での公平な選挙を嫌がっている紛れもない証拠であり、革新党政権勝利の報道も政府によるプロパガンダであることは疑いようのない事実と言えるだろう。



==【国際】FERU諸国、モルダバイト問題に無関心==

(6日ノヴィルキウス)FERU諸国は今回のモルダバイト問題に関して不自然なほど沈黙を守っている。そもそも革新党がFERU加盟という外交方針を隠して先の選挙に臨んだこと、そしてその勝利を確実にするためにFERU指揮下で不正選挙を働いた可能性が指摘されている現状を考えれば利害関係者であるFERUの沈黙は実に不自然である。
FERU内の一部国家が独自に声明を発表はしているもののFERUの代表ともいえるマグザム共和国は不自然なまでに不干渉であり、革新党政権とFERUの間で一定の合意が出来ていることを疑うには十分であろう。



==【国内】スピリタリア連邦特別自治区行政長官退任==

(4日スピリタリア首都州)ピエトロ氏が10年以上に及んだスピリタリア連邦特別自治区行政長官職を退き、近く本国に帰還する予定であることが発表された。自由国政府はピエトロ氏に国民議会終身議員身分を提供する見通しであり、またピエトロ氏は自由国国民議会終身議員資格に基づいて連邦最高評議会の一員に選ばれる公算が高まっている。
かの高名な行政長官の下スピリタリアの経済は大きく成長を遂げ、社会不安を掻き立てる一部反乱分子の排除も滞りなく進んだことからピエトロ氏はスピリタリア市民の間でも人気が高い。ピエトロ氏の後任にはエルナンデス・カストロ自由国内務省次官が就任することになっており、ピエトロ氏の帰国と併せてスピリタリアに到着することになっている。



==【社説】二転三転する主張、モルダバイト革新党政権の欺瞞==

(政治部ディオヘネス編集主幹)今フリューゲルに浮かぶ小国、モルダバイトが政治紛争でゆれている。同国は人口1400万人、近年急速な商業化、都市化が進んでいるが依然として国民の半数は農村地域に暮らす貧困層だ。道路や水道は整備されておらず、首都モルスァでさえ断水や停電が断続的に続く遅れた国である。建材と燃料の輸出以外取り立てて産業は無く、マグザムへの燃料輸出で経済を支えるこのバナナ共和国で昨年総選挙が行われた。
この総選挙をめぐって今世界を揺るがす大騒動が巻き起こっている。選挙では主に経済面を中心とした政策が争点となり、外交政策は殆ど争われなかった。事実各党が発行した政策集を見ても外交政策に触れたものは1つもない。その結果貧困層に支持された国家主義的な革新党が議席を伸ばし、かくしてこの小国は愛国主義と貧困の幸福な結婚式を実現したはずであった。
政権を獲得した革新党は早速政策公約に従いある重要課題に着手した。すなわちFERUへの加盟打診である。ところでこの重要課題は同党の公約の何処に記されていたのだろうか。外交政策を大きく転換するような重要政策である以上、この政策は総選挙時に国民に対して提示されてしかるべきであったし、またごく初期の民主主義国であってもそうしたであろう。
この点に関連して、以前には非常に勢力があるように思われた保守党が凋落した理由について疑念が発生した。もちろん政党勢力が変わることは往々にしてあることだ。外部から大きな圧力を加える団体があればなおさらだろう。誤解のないようあえて(注:と言うのも善良で常識を備えた一般的なノイエクルス市民のみならず、この記事は海外に向けても配信されているため)付け加えておくと本紙はFERUによる選挙干渉や不正選挙幇助がなされたと主張するわけではない。ただそういった大きな団体は色々な手段で圧力をかけたり結果を有利に操作することが一般的に可能であると言っているに過ぎない。
しかしモルダバイト政権にポーカーの名手は居なかったようだ。彼らは我々の優秀なる研究機関、IDOCが調査結果を突きつけ慎重な調査を要求すると一度ははねつけながらも、ほぼ即決で再度総選挙を行うことを決定した。これこそ先の選挙結果に自信がない事の現れであり、心の底では革新党政権は民意に基づいていないことを理解しているものたちの行動と言うしかないだろう。
かくして再度の選挙と相成りノイエクルスからの監視団も派遣され、一応の公平が守られる結果が出ればこの問題は幕を閉じるはずだった。しかし結論から言うと読者もご存知、そうはならなかった。モルダバイトは土壇場で選挙監視団の受け入れが怖くなったのか、連邦側に選挙日程を告げないまま選挙を強行したのだ。考えてみればモルダバイトには連邦による選挙監視団受け入れを最優先事項とした上で選挙日程を組むくらいの知恵が必要だったのだろう。その上でその日程でいいかどうか、連邦に伺いを立てて承認を頂いてから公示するくらいの慎重さが必要だった。全く軽率としか言いようが無いが、おかげでモルダバイトはついに馬脚を現すこととなった。
もはや一刻の猶予もならない。選挙監視団を派遣するという連邦の好意に足で泥を引っ掛けるようなマネをされてまで、連邦市民がおとなしくしている道理はない。今すぐ最高評議会議長はノイエクルス自由国軍全軍緊急大集会を召集し、戦時動員体制、並びにモルダバイト平和維持活動を議案として扱い承認するよう求めるべきである。
それこそが、大いなる神と科学技術に祝福された文明の旗手たるノイエクルスとして、かつての南瓜のごとき連邦化以前国家(注:連邦化=インフラ整備などによる飛躍的な経済発展、連邦化以前国家=最後進国)を貧困と抑圧から救い出すための唯一の方策なのだと私は確信している。
今こそ行動のときである。



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