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公方府公報  石動第三帝国公方府公式報道
3月 30 (水曜日) 2016
【政治】土岐元統参総長、武器流出により銃殺刑。新統参総長に細川之子中将ほか 15:53   
【政治】土岐元統参総長、武器流出により銃殺刑。新統参総長に細川之子中将

 643年9月20日、嘉川道観音寺市郊外で南朝軍残党勢力の拠点が嘉川憲兵隊司令部により摘発された。同拠点は雑木林にカモフラージュされた地下施設であり、中には戦車や小銃をはじめとする大量の武器弾薬類が隠遁されていた。憲兵隊・嘉川道警合同発表によると、これらの武器弾薬はほぼ全てが国産兵器であり、少なくとも十年以内に製造されたものが多数を占めており、軍内部から流出を手引きした者がいると断定された。これにより憲兵隊が内部調査に乗り出した結果、流出を指示した首謀者が土岐康之統合参謀総長(写真左)その人であったことが、偽装命令書や通信記録などのなどの各種捜査資料から明らかになった。644年1月、土岐統参総長は免職の上陸軍中央軍法会議へ更迭となり、同年10月、軍籍・栄典等全てはく奪の上、銃殺刑が求刑された。土岐元統参総長は容疑を認めており、「南朝残党に武器を供与し我が国を南北朝状態へ引き戻し、混乱の中で我々の勢力に近い別の将軍を立てようと思っていた」などと供述している。

 またこれにより同月、滿子将軍殿下は後任の統合参謀総長として、前管領の陸軍嘉川総軍司令、細川之子中将(写真右)を指名された。土岐元統参総長ら反細川派の武家により管領の座を追われた細川元管領が、今回の事件により再び将軍殿下の御許へ舞い戻る格好となった。細川新統参総長は「帝都での政争に敗れた私は地方鎮護の身で終わるものとばかり思っていたけど、まさかこの様な形で殿下のもとに戻ってこられるとは思わなかったわ。殿下の御恩情には感謝してもしきれない」と涙ながらに語られた。



【国際】ベルサリエーレ王国滅亡

 644年5月、瓦帝の侵略戦争によってその国土を痛めつけられた友邦ベルサリエーレ王国が遂に滅亡してしまった。政府は海軍一部部隊を派遣し、邦人救出及び難民の受け入れを行った。

 ここに於いて将軍殿下は「かつて専制的な王政社会によって比較的安定した統治が行われていたベルサリエーレは、民主主義という不安定な体制を瓦帝に強要され、遂にその不安定な治世を克服できずに滅亡してしまいました。瓦帝の苛烈な賠償もさることながら、今回の件は民主主義という一体制が、西洋人らが他の国家にもそれを押し付けるほどに盲目的に崇拝されている程には、全ての社会に適応する完璧な体制とは言い難いという事を明確に示したことでしょう。この事実は我が石動帝国の、第一帝政期の立憲君主制の衆愚政治化による無様な崩壊が物語っている所でもあります」と述べられた。



【国際】グロリアーナ国際スポーツ大会、帝国はメダル14枚獲得。うち金6枚

 637年4月から9月まで開催されたグロリアーナ国際スポーツ大会において、帝国は実に14枚ものメダルを獲得した。うち金は6枚、銀は7枚、銅は1枚であった。今回のグロリアーナ大会からは一部の競技が団体戦と個人戦に分けられており、こうしたことが今回のメダル獲得数の多さにも繋がったものと思われる。

 大会に於いてもっとも注目の集まっていた野球については、出場前にすでに代表監督に指名されていた、前山岡大会でも監督を務めた可塑川ティターンズ監督の浄御原和博氏が、危険ドラッグ使用の容疑で警視庁に逮捕されたため、練習計画に大幅な狂いが生じ、出場が困難となり、見送られた。石動の野球ファンたちは大いに落胆し、浄御原容疑者に激しいバッシングを送った。

 しかし石動には柔道などの格闘技や強豪として名高いバレーボールがある。今回柔道では個人をレゴリスに許してしまったものの、団体では金を獲得。また剣道では成蘭勢に敗退し銀に留まったものの、テコンドーでは和寧人選手たちが見事に団体・個人ともに金を勝ち取ってくれた。テコンドー個人代表の朴星日選手(大工重工社会人選手)は、「今回長い歴史を誇るテコンドーによる一世一代の舞台に立てた事を大変うれしく思います。今回私をこの場所に立たせてくれた石動と大工重工の皆さんに胸を張って金メダルを持ち帰りたいと思います」と語った。

 また、「東方の魔女」として名高いバレーに於いては、今回遂に三冠を達成した。バレーのみ、伝統的に異色の男女混合チームで参加している石動は、男子ウィンドスパイカーによる怒涛の攻撃と、女子ミドルブロッカーによる鉄壁の防御によって無敵の布陣を誇っており、今回石動の比類なさが改めて証明された。今回の試合が最後の出場とみられていた石動代表の名セッター、木村小百合選手は「三冠という重い期待に応えられるかどうか心配でしたが、みんなと一緒に遂にこのメダルを勝ち取る事が出来て、本当に安心しました。これで心置きなく引退できそうです」と涙ながらに語った。





【国際】航空宇宙軍、テークサット国立宇宙局に技術者団派遣。

 616年3月10日、池田俊美航空宇宙卿は、テークサット国立宇宙局への技術者団派遣を明らかにした。今回の技術者団派遣は同国のシェロジア問題に関連する国際法違反が問題視され打ち切られた技術協力の再開であり、技術者団代表として、宇宙開発研究部門飛翔体統括研究ユニットリーダー、木山春海中佐相当官(写真)が指名された。木山中佐相当官は「石動の宇宙開発はイレギュラーの打ち上げを除きほぼ全ての課題が解決されている。我々の今回の技術協力によって、停滞していたテークサットの宇宙開発に必ず大きな進歩がもたらされるだろう」と語った。



【国際】フリューゲル仏教徒連盟結成。

 645年5月1日、山岡府の石動仏教会本部において、フリューゲル仏教徒連盟憲章が発表された。石動仏教会会長の臨済宗管長、天竜寺住職、由利瑞雲軒仙嶽宣浄聖人と、テークサット仏教協会会長のタイフーテン寺住職、チー・ガンチャン上人がそれぞれ憲章に署名を加え、フリューゲル仏教徒連盟の結成が正式に宣言された。仙嶽宣浄聖人は「この連盟によって、これまで存在の知られていなかった多くの仏教徒や、新たに仏教への道を志す人々と共に、フリューゲルに於ける仏教伝道を一層盛んにしていければと思う」と語った。また既にテークサット仏教協会との間で、石動での第一回仏教徒会議の開催が合意されており、近いうちに記念すべき第一回仏教徒会議がここ石動に於いて開かれるものと思われる。



【国際】スコッチランド革命50周年式典



 643年1月15日、盟邦スコッチランド共産主義同盟に於いて、革命50周年式典が行われた。我が国からは直衣宮第一皇女殿下、将軍殿下、ならびに将配日野康時公、洞院公子外務卿が出席された。式典祝辞に於いて将軍殿下は、「盟邦スコッチランドの素晴らしい発展を目の当たりにし、愈々勇気と活力を頂いた次第です。我が石動とスコッチランドは政体こそ違うけれど、人民が人民のために国家を築き、盛り立てていくというその精神に変わりはないわ。石動とスコッチランドに、さらなる飛躍と発展があらんことを」と仰せになり、会場から喝さいを浴びられた。また式典後、将軍殿下は駐蘇武官やスコッチランド高級軍人と共に、パレードに参加したスコッチ軍の戦車を興味深く見学されていた模様である。



【寄稿】新国家援助に関する所感

文責:洞院公子外務卿

 現在フリューゲルに於いて、我が国を含む一部の国家により、建国間もない新国家への鉱山開発をはじめとする多くの援助がおこなわれている。これは決して悪い事ではない。建国間もない彼らは開発に足る十分な資金や資材を有しておらず、我々先進国が資金ほか多くの資材を供与し、それらの国々の発展を支援することは、国際経済にも利する行為である。

 しかしながら我々は、ここで今一度慎重に思慮しなければならない。ここで我々が新国家に援助する「多額の」国費は、我が国の国民が汗水流して労働し、国家へとその用途を託した貴方がた国民の血税なのである。よってこの国費の用途に関しては、国家は慎重に協議したうえで決断を下さなければならない。特に国費が国民の血税によって購われたものであるからには、この用途は自国の利益―ひいては国民の利益に利するものでなければならないことは明白である。

 我が国の新国家支援は勿論これに則った上で実施されている。例として昨年建国されたラシニア社会共和国への鉱山開発支援を挙げよう。我が国の燃料輸入先の一つであったエウシウワンジャ共和国の滅亡は、我が国の燃料事情に暗い影を落とした。ここで我々外務省は、ラシニア社会共和国へウラン鉱山の開発支援を実施し、その上で同国に燃料定期輸出の優先取引権を付与してもらい、燃料の安定供給を図ろうと企図するに至った。外務省はすぐに将軍殿下に事を上奏し、殿下は立法会議評定院を招集。協議の結果「取引優先権が認められる場合に限り援助すべし」との結論が出され、同国との支援交渉に入るに至った。また協議の中で「同国は国家情報を未だ開示していない正体のわからぬ国家であるから、交渉に際して同国への国家情報開示も促すべし」との方針も固められた。そして支援交渉の結果、同国への支援協定は無事成立。同国は我が国からの支援金および支援物資を、我が国は同国の燃料に関する取引優先権・並びに同国が少なくとも三年後までには国家情報を開示するという合意を勝ち取るに至ったのである。

 ここで重要なのは、この支援によって我が国が同国の取引優先権と、同国の国家情報開示の確約を勝ち取ったという点にある。もし今回の支援が同国に対し取引優先権の如きものを一つも求めず、また同国が正体のわからぬ国家でいることを放置したままの交渉であったなら、我が帝国の臣民は「外務省は国民の血税をドブに捨てた」と、大いに憤慨したことであろう。

 しかしながら世界には、この様な多額の国費を、何の見返りも得られないような条件で、あるいは突発的に、あるいは協議を経ながら行う、理解に苦しむ国家が存在している。しかも驚いたことに、それらの「無秩序な」支援を行う国家は多くの場合民主主義体制を採る国家なのである。「部分的民主主義体制」であることを自他ともに認めている我が国が言えることではないかもしれないが、何ら見返りの得られない条件でできたばかりの新国家―時には国家情報が開示されていない様な国家にまで―に対し、国民の血税たる国費を無秩序にばら撒く国家に於いて、国民や、国民の代表である議員たちは、その様な無秩序な援助に本当に賛同しているのであろうか?

 さらにこの様な無秩序な援助が積もり積もれば、それは援助をうける国家までもが、経済的自立を勝ち取れない、支援漬けの国家に成り下がってしまうという危険すら懸念される。フリューゲル諸国民の諸兄に於かれては、あなた方の政府が新国家に対し如何なる支援を行っているのか、今一度精査する必要があるだろう。





【社説】新興商業国の無秩序勃興が圧迫する市場経済

 現在、ここ数十年のうちに勃興した国家のうちのいくつかが、既に大規模な商業国として成長しつつある。しかしその一方で、先のミッドガルド帝国の崩壊や瓦帝の鎖国による工業国の滅亡・貿易停止が目立っており、世界市場はまさにモノをつくる工業国とモノを買う商業国の相対関係が逆転しようとする情勢を呈している。ここにおいて私は、近年勃興した新興商業国が、世界経済に於いて求められている役割と逆行した道を歩んでいるのではないかとすら感じられる。商業とは、モノを作ることなくこれを取引することにより利益を生む、考えようによっては「甘い汁」と言えなくもない産業である。しかしこれはモノを作る工業がなくては成り立たない。しかしながら昨今の新興商業国の無秩序な勃興は、この大前提を無視するかのように際限ない商圏拡大を齎している。しかしながら、我が国の様に既に遥か昔から商業を国家の根幹事業としている国家に、突如産業を工業へ転換することは不可能である。現在これから発展を志向する国や、発展の途上にある国家は、今一度世界経済に於いて求められている役割を認識するべきではないだろうか。(経済部主筆:田村均)
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Referer  (1)
3月 19 (土曜日) 2016
独自通貨「貫」制定 00:23   
 643年5月20日、公方府は独自通貨として新たに「貫」を制定することを発表した。

 これまで石動は国際通貨として知られているVa(ヴァローレ)を石動国内で兌換した「石動Va」を自国通貨として位置付けていた。これは信頼性及び貿易の利便性を考えての処置であったが、滿子将軍殿下は「今や世界経済の一翼を担う石動にいつまで経っても独自通貨が存在していないのはおかしいことだわ。この通貨改定を期に帝国臣民の皆さんも石動の発展を実感すると共に、石動人としての誇りを今一度再認識していただきたいと思いますわ」と仰せになられた。

 新たに制定された「貫」はVa本位制をとっている点では石動Vaと変化がないが、100Va=1貫とする固定レートが採用されている。端数通貨は「文」とし、1貫を100文と定めている。

 今回石動Vaに対し順次兌換される紙幣・貨幣は10貫札・5貫札・1貫札・50文硬貨・10文銅貨・5文銅貨・1文硬貨の全七種類。中でも10貫札(写真)には地球時代の室町初代将軍足利尊氏公が、5貫札には足利尊子初代征夷大将軍が、1貫札には南北朝期の忠臣として名高い故・今川範邦元管領が印刷されている。
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3月 02 (水曜日) 2016
640年までの主要ニュース 22:03   
【国際】大和寧帝国崩壊。旧和寧皇族朴枖原殿下亡命。



 616年11月、兼ねてより政府機能が低下していた友邦大和寧帝国の崩壊を受け、公方府は海軍部隊を派遣、同国の邦人・難民受け入れを行った。レゴリス帝国・ガトーヴィチ帝国からも邦人受け入れのための部隊派遣が行われた。同国は中夏大陸武装勢力から核兵器(同地に温存されていた戦術核兵器か)による攻撃を受け全土が核汚染されていおり、各国派遣部隊は半島への上陸はならず、半島近海に於いて和寧より脱出した邦人・難民の受け入れを行った。またここにおいて旧和寧皇族の朴枖原氏および両班の亡命を受け入れた。朴枖原氏は女子ではあるが和寧皇帝家の皇統に近いという理由により、皇帝陛下は同氏を当主として王皇族に叙位。和寧皇帝家の存続が成った。

(写真=派遣された第一機動艦隊旗艦、強襲揚陸艦ほのいかづち)



【社会】旧大和寧帝国軍石動守護師、陸軍本土防衛団として編入。事実上の外人部隊へ。



 620年2月、帝国本土に残留していた石動守護師のうち、希望者を以て帝国陸軍に編入することが決定した。希望者は陸軍本土防衛団として再編成され、正式に陸軍指揮下に入り、事実上の外人部隊として活動することとなった。





【社会】航空宇宙軍、防衛衛星「ベイマタラ」打ち上げに成功。

 624年4月、航空宇宙軍は石動5機めの人工衛星となる防衛衛星「ベイマタラ」の打ち上げに成功したと発表した。

 防衛衛星ベイマタラは軍事衛星「ゴウガシャ」に次ぐ二機めの軍用衛星で、フリューゲル全土の偵察任務のほか、弾道ミサイルの早期発見や、石動上空での強力な妨害電波散布による弾道ミサイルの再突入運動の妨害などを任としている。なお機体名「ベイマタラ」は仏典「大方広仏華厳経 巻第四十五 阿僧祇品第三十」に於ける命数法による数「鞞麼怛羅(べいまたら)」より取られた。これは10の1008806316530991104乗に相当する数で、無量大数よりも大きな数の一つである。



【国際】将軍殿下、瓦帝の侵略戦争を非難。

 635年、瓦帝は友邦ベルサリエーレ王国への苛烈な要求を辺国が拒否したことを理由に、瓦帝に対し宣戦を布告した。ここにおいて将軍殿下は635年12月の会見に於いて「そもそも国王の退位要求など、近世の様な野蛮な要求を盛り込んだ勧告を主権国家であり君主国家であるベルサリエーレが受け入れられるはずが無く、今回の一連の勧告は「民主主義」「国際的正義」の美辞麗句に包まれた瓦帝民族主義極右政権の露骨な拡張主義的侵略策動であると言わざるを得ません」と語られた。成蘭・レゴリスの参戦に関しては「成蘭に関しては同国と相互安保関係にあったための行動であり、まさに瓦帝の暴力的侵略策動に巻き込まれたという形でしょう。よもや成蘭もかの国と安保条約を締結した折には、かの国がかかる野蛮な侵略国家と成り下がることを夢にだも思って居なかった事でしょう。またレゴリス帝国の参戦についても、成蘭の参戦如何では結果はまた違ったものとなった事でしょう」と語られた。

 残念ながら友邦成蘭の参戦により我が第三帝国は友邦ベルサリエーレを野蛮な侵略者の手から護ることはできなかった。しかしここに於いて明らかになったものがある。民主主義の大義名分を振りかざし他国へ浸食の魔手を伸ばす極右民族主義者瓦帝の醜悪な肖像である。彼ら極右民族主義者ファグネルスキー政権は、200年を数える(我が国には及ばないが)瓦帝の大義の伝統と歴史を、一度の宣戦布告によって地に貶めたのである。瓦帝極右民族主義者と我々は最後まで決別するし、かかる蛮行を許容することは永久にないであろう。



【国際】石蘇同盟成立。

 636年3月、石動第三帝国・スコッチランド共産主義同盟の両国は、山岡府室満京市中央区公方府庁舎において「石動第三帝国とスコッチランド共産主義同盟の政治及び軍事に関する同盟条約」に調印。「石蘇同盟」が誕生した。

 石蘇同盟は単なる相互安保に留まらず、両国の政治的な連携と内政の不干渉を厳密に規定した「攻守同盟」の形をとる同盟であり、今後、高い軍事力を誇る両国の緊密な連携による国際社会への貢献が期待される。

 同盟締結に際し将軍殿下は「この同盟は昨今の擾乱の国際社会に於いてわれら二国が生き残るための、大きな一歩となりましょう。ことに、民族主義者が同じ君主国家に君主退位を要求し侵略戦争を突きつける昨今に於いては」と語られた。
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