609年５月１日、開催期間から２ヶ月の遅れを出しながら、国際スポーツ大会山岡大会は表彰式を以て終了した。大会会長を務めた甕宮王殿下は「各国の皆様のご協力により、この素晴らしい大会を成功に導くことが出来た。会長である私はこの87名の、名誉あるメダリスト達を讃えることによってこれが礼に代えたい」と仰られ、全29種目87名のメダリスト達に直接メダルを授与された。各国のメダル獲得数は出場種目数なども関係してかまちまちとなったが、我が国は金３枚、銀３枚、銅１枚と、計７枚のメダルを獲得することが出来た。惜しくも野球に於いては選手の調整などが難航し試合数を稼げず10位となったが、伝統的スポーツである柔道や、大幹移住時代の影響により競技人口の多いテコンドーで金を獲得したほか、第一回国際スポーツ大会で他の追随を許さぬ比類なき強さを発揮し見事金メダルを獲得したバレーボールは本大会で二連覇を果たした。帝国臣民らは「東方の魔女の再来」と評し大いに歓喜した。今回代表チーム最年少だった古河紗理菜選手(18)は「初めての世界大会ですごく不安でしたが、絶好のコンディションで先輩たちといい試合ができました！みんなで金が取れて本当にうれしいです！」とはにかみながら語った。

　また、意外にも銀に終わった競技として、本大会で新たに追加された銃剣道があった。銃剣道は地球時代に日本で編み出された武道であるが、その性質上このスポーツは日系国家に細々と伝わるのみで、競技人口が最も多いのは石動と思われていたが、銃剣道はルールさえ順守すれば海外の銃剣術と応用が可能で、銃剣道を知らない西洋系国家も大いに善戦し、結果エルツ帝国に金メダルを譲る形となった。銃剣道代表の石動銃剣道協会師範、佐古博史氏は、「エルツ代表の強さには驚いた。こうして銃剣道というスポーツが世界に広まって欲しいものだ」と語った。



【国際】国債販売するも急遽中止



　610年当初、帝国は友邦和寧帝国の荒廃による燃料不足・商品不足から重篤な経済危機を迎えており、評定院は急遽国債の対外販売開始を可決。エーラーン教皇国が名乗り出るなどした。ところがその直後ミッドガルド帝国が石動第三帝国に150兆Vaの無償支援を決定。国債発行などで負債を抱えるべきではないとして将軍殿下は直ちに国債の販売中止を指示した。急な販売中止でエーラーン側での不信感が高まっている。洞院外務卿は声明に於いて「当時それだけ財政状況が逼迫していたという事で、まさか当時は他国から無償支援が得られるとも思っていなかったので、これはやむを得ない処置である。国債の販売中止についても我が国の今後を考えればやむを得ぬ判断であり、すでに購入を表明していたエーラーンに対しては聊か無配慮な行為であったかもしれないが、同国に対する外交的敵対行動の如きものでは無いという点どうか御理解いただきたい」と答弁した。