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公方府公報 石動第三帝国公方府公式報道 | ||
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4月 30 (木曜日) 2015 | ||
【国際】海軍、ラングラード海賊討伐に出撃【寄稿】洞院公子外務次官 | 17:59 | |
【国際】海軍、ラングラード海賊討伐に出撃 589年5月中旬、我国はラングラード=カルス帝国が海賊討伐のために砲弾輸入を急募している旨の声明を確認した。我国が開発支援を行った石材産出国である同国の安全確保は急務と判断した我国は、同国政府の許可を得て海軍の空母いざなみを急行させ、海軍航空隊による同海域への空爆を敢行した。 以下はラングラード=カルス帝国政府の公式記録である。 ターン21219:石動第三帝国がラングラード=カルス帝国(16,16)地点に向けて68発のSPPミサイル発射を行いました。(有効1発/怪獣命中0発/怪獣無効0発/防衛0発/無効67発) ターン21219:-(16, 16)の海賊船に命中、規模が減少しました。 ================[↑フリューゲル暦 21219期589年 5月下旬↑]=================== 攻撃結果は、68発もの対艦ミサイルを使用し命中弾はわずか1発という無様な結果であった。幸い海賊は同国における金品・食料の強奪は行わず、そのまま逃げ去っていった模様である。 攻撃に参加したいざなみ艦長は「我がいざなみと精鋭航空隊に恐れをなして逃げ去ったのだ。南無八幡大菩薩」などと語っていたが、海軍軍令部では今回の件で露呈した海軍航空隊の練度不足を問題視する意見が支配的であり、伊坂三依名誉終身連合艦隊司令長官は「(航空隊の)実戦経験が無いというのは言い訳だ!一に訓練二に訓練、三四が訓練五に訓練だ!」と一括した。 空母いざなみは補給及び交流のために同国に一週間停泊したのち、我が国へ帰還した。 【寄稿】このフリュゲールで最もおぞましい国家とは 筆:外務省事務次官 洞院公子 読者諸兄は、「インフラ」と言われて何を想像されるだろうか。インフラとは「インフラストラクチャー(infrastructure)」の略称であり、国民の生活・経済活動の維持・発展のためには無くてはならない公共施設の事である。具体的に言ってしまうと、これは学校・病院・道路・港湾・工業用地・公営住宅・橋梁・鉄道路線・バス路線・上水道・下水道・電気・ガス・電話を指す。つまり「インフラ整備」とは、以上の施設の十分な施設や維持を意味するのである。 惑星フリューゲルにおいては、各国のインフラの整備状況は100を最大値とした統一指数によって数値化されている。我が石動第三帝国のインフラ整備指数は93であり、ごく一部の地域に下水道が行き渡っていない以外は、ほぼ完全に全土に上記の様なパイプラインが施設・維持されている。 フリューゲルの主要先進国を見てみれば、ほぼ全ての国家が90以上の数値を示しており、先進国らしい豊かで充実した文化的な国民生活が伺い知れる。ある一カ国を除けば。 その国家こそ、アルドラド帝国である。 同国のインフラ指数はなんと「0」である。つまり同国には、「学校・病院・道路・港湾・工業用地・公営住宅・橋梁・鉄道路線・バス路線・上水道・下水道・電気・ガス・電話」などの国民生活に必要な公共設備が一切整備されていないのである。人口1億人、商業人口7000万人を超える大国のインフラ指数が事もあろうに「0」とは、考えただけで身も毛もよだつ話であり、かの国の内情はまさに想像を絶する状況と言える。事実、同国の幸福度は26と、先進国中では抜きん出て低く、爆発寸前の国民の不満を、秘密警察によって辛うじて押さえつけているという劣悪な国民生活が想像できる。 さて、ここで平和と自由と正義を愛するフリューゲル万国の諸兄に問いたい。かように自国民を不当な環境に縛り付けて憚らぬ、人権意識の希薄な大国に、自国や自領域の貴重な財産を売り渡す事ができるであろうか。残念ながら、我が国の答えは「No」である。 ここで589年4月下旬(21216期)のアルドラド帝国の鋼鉄購入申請に関する我国と同国の問答を見てみよう。 まずは経緯を確認しよう。ご存知のとおり我国は旧南朝である嘉川島を近江宮流皇帝家の荘園(佐貫大島荘)として認定する際、大国に同島の鋼鉄などの物資が流出することを危惧し、「鋼鉄輸出に本国の承認を要する」という条件を課したのである。 それからしばらくして、アルドラド帝国が我が国に鋼鉄輸出申請を行った。南北動乱や幹半島情勢への対応に追われて間もなかった当時の我国は、同国の国情をよく把握しておらず、「貯蔵資源の買い占めを防げばよい」という判断により同国に佐貫荘の鋼鉄貯蔵量の半数の輸入を許可した。 公開情報から同国の異様な国情を公方府が察知したのは、それから暫くしてからであった。将軍殿下はじめ公方府首脳陣は同国に鋼鉄輸出を許可してしまったことを大きな失態と判断し、以後、同国の申請は極めて慎重に判断しなければならないという点が公方府・外務省内で厳重に確認された。 そして589年4月、再びアルドラド帝国が我が国に鋼鉄購入申請を行った。 21216:アルドラド帝国外務省 > 佐貫大島荘より鋼鉄を輸入する交渉を行う許可を頂きたい。返答を待つ。 (アルドラド帝国) まず本申請には問題点がある。我国が「軍事目的での輸出を許可しない」という声明をすでに発していた時分に、同国の申請文はその使用用途を何ら明らかにしていないのである。ここでこの36期前にノホ・ヘレコ連邦が送付した極めて模範的な申請文を同時に紹介する。 21176:ノホ・ヘレコ連邦外務府 > 佐貫大島荘より鉄鋼4億トンを輸入したい。用途は防災都市の建設を中心に使いたいと思っている。 (ノホ・ヘレコ連邦) 21176:ノホ・ヘレコ連邦外務府 > そのため、貴国による鋼鉄輸出の審査を要請します。 (ノホ・ヘレコ連邦) さて、この様な外交プロトコールを満たしているとは言い難いアルドラドの申請文に不信感を抱いた我々外務省は、公方府にまずは同国に使用用途を問うよう提言した。 21216:第三帝国公方府 > 鋼鉄の使用目的を明らかにして頂きたい。 (石動第三帝国) これに対するアルドラドの回答はこうである。 21217:アルドラド帝国外務省 > 隕石災害によって失われた防災都市復興に向け最低でも1億6千万トンを輸入したい。 (アルドラド帝国) 一見すれば、極めてまっとうな輸入理由と言えるだろう。しかしよくよく思い出していただきたい。同国には防災都市以前にインフラが存在しないのである。なぜ同国は、劣悪な自国のインフラを放置し、すでに54hexにまで存在する防災都市をさらに増やそうとしているのだろうか。残念ながらインフラが国民の幸福の最低条件と理解している我々には理解不能であるし、鋼鉄購入のための方便と取られても仕方がない状況と言えまいか。よって我々外務省と討議した公方府は、以下のように回答した。 21217:第三帝国公方府 > 軍事目的でない点は了承したが、貴国の防災都市普及率は既に十分である様に感じるし、貴国が先進国でありながら国土の根幹たるイ (石動第三帝国) 21217:第三帝国公方府 > インフラ整備を全く行わず国民の幸福度が非常に低い点は極めて不審である。 (石動第三帝国) 21217:第三帝国公方府 > 以上の点からも貴国が必ずしも鋼鉄を軍事目的に使用しないとは我が国としては断じ難く、今回の貴国の購入申請を却下させて頂く。 (石動第三帝国) 我が国と同国は同盟関係にも経済協定関係にもなく、はっきり言って我国は同国の鋼鉄輸出申請を承認する義務を全く有していないのだ。よって我々は、本案件はこれで終了し、想定されるのはアルドラド帝国の「遺憾の意」程度だとばかり思っていた。しかし同国の対応は悪い意味で我々の予想を裏切った。 21218:アルドラド帝国外務省 > 我が国は貴国の要請に従い詳細な使用目的を提示したつもりであるが、その上で軍事目的に使用する可能性があるとし輸出を規制する (アルドラド帝国) 21218:アルドラド帝国外務省 > のであれば、先の要請自体に何の意味があったのだろうか?使用目的を問うた以上は答えによっては輸出を行う意志がある筈であり、 (アルドラド帝国) 21218:アルドラド帝国外務省 > 災害によって被害を被った都市の復興すら信用できないと返すのであれば、一体どのような回答であれば輸出を認めたのか、参考まで (アルドラド帝国) 21218:アルドラド帝国外務省 > にお聞きしたいところだ。 (アルドラド帝国) 驚いたことに、同国は我が国の指摘した矛盾点には一切触れず、逆に「使用目的を問うてきたのであれば輸出する意思があったはず」などと自身の思い込みを根拠に、言葉は悪いが「逆上してきた」といったところであろう。まるで「災害を被った我が国の輸出申請は承認されて当然だ」とでも言わんかのような口ぶりである。これに対する我が国の回答はこうだ。 21218:第三帝国公方府 > そもそも我国が軍事目的での輸出を制限している以上、使用用途は申請時に詳らかにすべきであり、我国はそれを促したに過ぎない。 (石動第三帝国) 21218:第三帝国公方府 > よって使用用途を問うた時点で我が国に輸出意思があるとするのは貴国の曲解である (石動第三帝国) 21218:第三帝国公方府 > 我が国としては電気・ガス・上下水道等の、国家に最低限必要なインフラの整備も行わず市街の防災都市化に傾倒する貴国の姿勢には (石動第三帝国) 21218:第三帝国公方府 > 極めて不信感があり、かかる状態の国家は到底鋼鉄輸出を承認できる信頼度を有しているとは言えず、今回の申請を却下させて頂いた (石動第三帝国) 21218:第三帝国公方府 > 次第である。我が国としてはこれ以上の回答は持ち合わせていない。 (石動第三帝国) 以上で我が国とアルドラドの問答は終わった。同国外務省が「残念でならないが、かの国の対応には不信を抱かざるをえない」などという声明文を発していたが、これについては「鏡を見よ」の一言に尽きるだろう。 ここで万国の読者諸兄に、今一度かの国の存在をよくよく思い返して頂きたい。残念なことにこの惑星フリューゲルには、インフラ皆無という劣悪な国土に国民を縛り付け、国民から搾取した札束をちらつかせて新興国の資源を買い占めていく、世にもおぞましい国家が存在するのである。もはやかの国の内情は、自由と人権を尊重しているはずであろう我らフリューゲル諸国民への果敢な挑戦とは言えまいか。貴方がたが資源を輸出したり、軍事的・経済的な庇護を受けている国家に住む人々の現状を、今一度思い起こして見るべきではないだろうか。 了 | ||
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