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ウィリーツェン会談
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- ウィリーツェン会談 (ゲスト, 2015/10/24 14:34)
- Re: ウィリーツェン会談 (ゲスト, 2015/10/24 14:43)
- Re: ウィリーツェン会談 (ロムレー湖畔共和国, 2015/11/1 23:19)
- Re: ウィリーツェン会談 (ゲスト, 2015/11/2 19:31)
- Re: ウィリーツェン会談 (ロムレー湖畔共和国, 2015/11/10 8:53)
- Re: ウィリーツェン会談 (ゲスト, 2015/11/23 19:48)
- Re: ウィリーツェン会談 (ロムレー湖畔共和国, 2015/11/28 19:22)
- Re: ウィリーツェン会談 (ゲスト, 2015/11/29 17:22)
- Re: ウィリーツェン会談 (ロムレー湖畔共和国, 2015/12/3 23:56)
ウィリーツェン会談
msg# 1 フリューゲル暦619年 1月下旬、ウェールリズセ共和国プラエトリア直轄州南部のウィリーツェンの地において、ウェールリズセ共和国・ロムレー湖畔共和国の外交実務者間における会談が行われる。
関係国は本スレッドをご利用下さい。
※関係国は本スレッドを使用してください。
Re: ウィリーツェン会談
msg# 1.1【ウェールリズセ共和国/外務省外務次官補:ルーベン・ヴェンデッタ】
(事前協議で懸念された部分については太字部分をお読み頂くだけで十分です、その他はただ長々と喋っているだけです)
ようこそ、ウェールリズセの地へ。ウェールリズセ共和国より、私ルーベン・ヴェンデッタ(Ruben Vendetta)が本協議に携わらせて頂きます。
ウェールリズセ共和国外務省において外務次官補を拝命しております。本協議にあたっては、ENECについて、忌憚のない意見交換が為される事を願うものであります。
長旅でお疲れの事と存じますので、先ずは一杯、お茶等どうぞ。茶葉とは不思議なもので、国によってその味わいも深みも異なります。
我々や貴国が奉ずる所の民主主義も同様で、国によってその味わいと申しましょうか、本質的な部分、その色合いは異なります。
どれが良いというものはありません。民主主義に優劣はなく、どのような民主主義の形態であっても学ぶ事は多いものと存じます。
本協議において、ENECのみならず、両国間の学びの場とする事が出来れば幸いです。
前置きと長話が過ぎました。申し訳ありません。
さて、事務段階の協議において貴国から寄せられた懸案は"ENEC加盟によって得られるメリット"と"ENEC加盟によって失われるメリット"を天秤に量った時、どちらがより重いものとなるかについてでありました。
この点についてご説明申し上げるならば、ENEC加盟によって得られるメリットは複数御座います。単純に列挙するのであれば
1.ENECへの参入により、ENECレートの改訂等、国際経済及び自国経済に確実に影響を及ぼす案件について、非加盟時と比較すれば加盟時の方がより自国の主張が通り易い。多数決であるため、大国の意見が小国の意見に優越することがない。
2.ENECが定めた第三議定書に基づき、ENEC開発投資計画における優先権の獲得及び投資要件が緩和されるため、短期間での飛躍的な経済発展を遂げる事が可能。
3.ENECによる集団防衛制度が確立されている。また、加盟国そのものが増加することにより、軍事力そのものを行使せずとも、平和的に抑止力を高める事が出来る。この制度は、侵略行為に資するものではない。
4.採決プロセスが合理化されており、採決が滞ることがなく常に時代に適応した改革が行われているため、自国の政策決定も円滑に行われ易い。
5.3項に挙げた自国防衛に関する条項はENEC憲章として定められているものの、準加盟制度を利用する場合においては、第三議定書の批准義務があるのみでENEC憲章の批准義務はなく、開発投資計画の優先権、及び議長国及び主任理事国投票における投票権を得られる。
6.オブザーバー制度の導入により、国際政治における政治的中立性及び組織の透明性が保障されているため、大国間の争いに巻き込まれる事は少ない。
他にも複数御座いますが、とりわけ重要であると考えられる部分を列挙いたしました。
失われるメリットについては殆どなく、憲章を批准すれば義務も多少なりと課されることとなりますが、準加盟であればレートの履行義務に留まり、レート自体が柔軟性を持つものですので、自国産業に損失を与える類のものではありません。
また準加盟により、ENECにおける会議への意見表明は勿論ですが、ENECにおいて重要な役割を果たす議長国と主任理事国の選出に自国も携わる事が出来、自国の意見をENECにより反映させやすいのではないかと存じます。
正規加盟か準加盟かは貴国が選択するところであり、準加盟で様子を見てから正規加盟、という形も可能であります。
【ロムレー湖畔共和国・外交局事務次官テランス・ルドワイヤン】
ご丁寧にありがとうございます。
確かに、共和国からこの国までの旅路、確かに事前の事務手続を含めるとやや煩瑣なところがありました。そのほとんどは共和国内の事情に起因する問題によるものではありますが。
実に、共和国の入出国管理はその手の非効率性を幾分抱え込んでおりますが、このような問題は今後ENECに加盟することとなれば改善されていくものと私は期待しております。
また、出発直前に貴国との通信ネットワーク上の諸問題について解決をみるなど、幾つかの懸念事項の解決を見ており、この会談も円滑に行えることでありましょう。
ふむ、紅茶の要素は香り、渋み、甘みなど様々に分けられますが、その複雑な構成要素の調和が個々の要素だけでは説明できない味わいと深みを作り出すもの。
香りも苦みも甘みも味わってこそ、深みのある民主主義が醸成できる、というところでしょうか。
少なくとも、「民主主義に優劣はなく、どのような民主主義の形態であっても学ぶ事は多い」ということには私も強く賛同するところです。
地球時代の歴史ある民主制国家、スイス原初同盟の伝統を継承する共和国として、最も静穏なる共和国ヴェネツィアの継承者たる貴国とは、その点において友好関係を築けるものと存じます。
共和国の政治において、貴国の共和制から学べることは大変多いものと考えておりますし、僭越ながら、共和国の議会制が貴国の政治上においていくらかの参考資料くらいは提供できますことを願う次第であります。
同時に、前置きというものも重要なこと、物事を論理的に説明するとかそういった技能は確かに外交官の基本的な能力であるかもしれませんが、私は外交能力の真価が試されるのはこういった雑談の部分であろうと考えています。
その点、外交会談における導入のスタイルというものは、共和国が最初に貴国に学べるものといえるものになるかもしれません。
さて、ともあれ、私も前置きはこのあたりに致しましょう。
貴国の説明は真摯なもので、一般的には満足のいくものと考えますが、ここで共和国固有の事情について説明しておく必要がありましょう。
およそ共和国中央議会において懸案とされるところは以下のようになります。
・誘致の選定基準について
共和国をENECに誘致いただいたこと、大変光栄に存じてはおりますが、最初の誘致接触時点はもちろんのこと、現時点においてすら共和国は最貧国であり、そして、現時点ではENECが共和国以外の同じような建国してあまり時間の経っていない国家に誘致を行っている様子は見られません(水面下では行っているのかもしれませんが…)。
共和国としては、このようなENECの新規国家の誘致がどのような基準で行われているのかについて関心を寄せています。
これはENECに共和国が加盟した場合にその後共和国がいかなる国を友邦として迎え入れるかということに繋がる議論であるため、単なる好奇心を超えて中央議会でENEC加盟を議論するにあたって意味を持つものであろうと存じます。
・投資と経済的な発展について
この機構は新興国の発展に資することを主たる目的として結成された国際機関であり、また投資計画もそのために存在するものであると存じております。
そして、無論のことではありますが、共和国も共和国国民の生活水準の向上のため、様々な施策を実行し、発展への道を歩もうとしております。
一方で、現在の共和国が求めており、必要としているものは、投資や開発援助を受け入れて帳簿の黒字額を増やすことではなく、人的資源の開発、様々なノウハウの入手といった、下から共和国の発展を支えるものをますます醸成させていくことです。
…というより、現在の共和国においては、国内の教育機関や社会資本の整備の進捗が青天井の資源輸出部門の収入に追いついていない状況にあり、むしろ、直接的な援助の投入を消化できません。
そしてもう一つ、というよりこれが本題ですが、国民の間では急速な経済成長に突入することへの不安感、というより一時的にそれを巡って社会不安が起こりかけたほどなのですが、ともかく、飛躍的な経済発展について、共和国民は懸念を持っている、ということがあります。
飛躍的な経済成長が可能であること、それがそうしなければならないことを意味するわけではならない、というのは論理的には自明でありますが、ここについては確認をしておかなければなりません。
これは、場合によっては共和国の持つ目的そのものがENECの目的に反するものである可能性がありえる、という点で、重大な問題となります。
この点においては、外交的な摩擦を回避しともあれ加盟国として迎え入れるために行われるような表面的な回答ではなく、その根本的価値に基づく真摯な回答を望む、というのが本国の強い要望であることを付言しておきます。
・政治思想について
初めに民主主義というものについていくらか言葉を交わしましたように、我々の間では民主主義というのは共有する価値であり、また、現時点ではENECの間でもそれは同じであると考えております。
わけても特徴的なのは民主制と共存する純粋社会主義を掲げるヴェールヌイ社会主義共和国でありましょうか。
さて、ここにおいて問題となるのは、民主政体ではない政体を求める思想や、非民主的な政体、これをどのように判断するか、それも我々の間で、のみではなく、ENEC全体として、そのようなことであります。
ただ、これについては懸念というよりは幾分リラックスした確認のようなものです。共和国は議会主義的な民主主義国家でありますから、民主政を高く評価するような組織に共感を以て遇するところであり、そのあたりは初めにも申しました通りではありますが、これについてENECそのものは中立的な態度の組織であると表明したとしても、これは共和国が加盟を検討するうえで問題として論われることになるであろうような性質のものとはならないと考えております。
・他のENEC加盟国の対共和国の見解について
共和国は少なくとも貴国とは既に国交を樹立しておりますが、現時点ではその他の全てのENEC加盟国との国交を有しているわけではありません。
共和国がENEC加盟を目指すにあたっては、それら他加盟国との了解関係を成立させることが必要不可欠となります。これは、加盟後を見越すとなおさらのことです。
これは加盟を申請する場合において本来共和国が確認するべき事項でありますから、貴国に無理に回答を求めるものではありませんが、可能でしたら貴国の見解を伺いたく存じます。
ここからは私見ですが、全体的に見て、国内世論はENEC加盟国各国との協調が共和国に資するところは大きいであろうが、それを直接的にENECに加盟するメリットと結び付けられない、ENECの議論に参画し、これら諸国との共通見解を持ち続けることは有益であろうが、あまり多くは求めないし、求められても困る、というところです。
これはENEC憲章及び追加議定書に照らしますと、共和国にとっては加盟あるいは準加盟よりもオブザーバーの地位のほうがむしろ好ましい…というところになりましょうか。
実際、中央議会ではオブザーバーの地位であればこの場でそのまま加盟手続きに入っていい、というように議決を受けてはおります。
私個人としてはこの意見が現在のENECにおける議論の結果に反するものであることは充分承知しておりますので、これは参考程度のものですが。
Re: ウィリーツェン会談
msg# 1.2【ウェールリズセ共和国/外務省外務次官補:ルーベン・ヴェンデッタ】
通信ネットワークに関してはこちらの省の不備もありましたので、この場をお借りして深くお詫び申し上げます。
民主主義の考え方について、少なくない部分で共有出来た事は大変嬉しいものです。
外交会談における前置き、あるいは雑談とは私もまた不可欠であると考えております。というのも、こういう場を除いて、殆どの場合互いの国の理念、あるいは事象に対する考え方というものは中々知り得ないものです。
民間レベルでしたら交流のしようもありますが、政府間ともなれば難しいもので、政府間の対話においてこういった雑談を行うことは多くの場合、大きなメリットをもたらすものと考えております。
ただ冗長と感じる方もいらっしゃるかと思いますので、殆どの場合は軽い一言二言で済ませてしまうのですが…ルドワイヤン閣下はお嫌いではないようですね。会談が終わりましたら是非お話してみたいものです。
さて、貴国の懸案について個別にお答えいたします。
(1)誘致の選定基準
フリューゲルという暦が誕生してから600年以上の時を経ていますが、その間に興り、滅亡した国の数は最早数え切れないほどとなりました。我が国のみならず、この原因が何であるかは答えがほぼ出ているかと思いますが、多くの場合は内的要因によります。外的要因、戦争による滅亡の事例は実は歴史の中で見ればごく一部です。
それに比して、内的要因、つまり国家が抱える問題――これは指導者がその地位に不適格であるとか、政府組織が十全に機能しない、あるいは治安状態が内戦レベルにまで達している、他にも多々御座いますが内的要因による滅亡は非常に多い状態です。
さて、ENECは本来新興国が手を取り合い、国際紛争や大国との経済摩擦を新興国が連帯して対処する目的で設立されました。608年の設立以来、多くの問題を解決し、改革を経て現行の組織が成立しております。
しかしながら、ENEC加盟国の殆どはすでに経済的地位でいえば先進国、あるいは上位中進国に分類されるようになってきました。各国の指導者や政府組織は次々と改革の方針を打ち出しており新興国という定義には未だ当て嵌まりますが後進国は一つとして存在していない状況です。
私達は国際問題に対して非常に敏感ですし、未だ新興国という、国際政治を牽引する重要な地位を占める一角であるとの自負がありますが、先年開催された会議においては今後もそうでいられるか?という問いに直面することとなりました。つまりは組織は常に新しい血を欲しており、古い血のみが組織の血脈を循環する状況の打破に迫られています。
この一環として、ロムレー湖畔共和国を始めとする経済的には発展の余地が存在する国家に対する投資は若い血を組織に取り入れる意味でも、国際政治の活発化という意味においても非常に重要ですし、ENECという組織自体は仮に発起人の一人であるウェールリズセ共和国が100年後に何等かの要因で消滅していたとしても、連綿と受け継がれていくべきであると考えております。
しかし投資にあたって、先述した"内的要因による滅亡が起きる可能性がある国"を慎重に見極める必要があります。私達が提供する、あるいは投資する資金や資材は国民の不断の努力によって賄われるものですから、それが例え1%であっても溝に捨てられる訳には行きません。従って選定基準を明確にお答えするならば、経済後進各国に限って申し上げるならば"外政に対し無関心でなく、国家ビジョンに対する内政の継続的な改善努力が行われており、かつ国家の情報開示が段階的に進んでいると思われる国家"という事になりましょうか。無論貴国以外にもいくつか有望な国家は存在する所でありますが、多くの場合、上記三条件の一つが欠けているという場合が殆どです。
また、経済的に中高度に発展しており、堅実な国家運営が為されている国家に対しても、我々は助言を求めるオブザーバーとして、あるいはENECの一員として国際経済/政治への健全な影響を保つため、加盟を求めている状況です。
(2)投資と経済的な発展について
かつて地球時代にインドという大国が存在した事はご存知かと思いますが、かの国は人的資源という意味でも、経済的ポテンシャルという意味でも飛躍的な発展を遂げることが出来たにも関わらず、飛躍的な発展を遂げず地道な、持続的な発展を遂げました。これは文化と経済の共存を望んだからである、との一説があり、往古より続く文明を破壊してまで経済の発展をインドの人民は求めなかったという説です。
ウェールリズセ共和国はこの在り方を支持いたしますし、ENEC諸国としても異存はないものでしょう。経済発展のスピード自体は各国の裁量に委ねられるべきであると存じます。しかしENEC各国が貴国と同程度の経済規模であったとき、直面した問題は圧倒的な資材不足による開発の難航でした。これは社会的基盤を整える上でも同様でした。国家ビジョンを建てるにも、資材がなければ建てようがなかったのです。仮にビジョンを立てたとしても、それが国家理念や国際経済にそぐわないものであれば、議論が尽くされた上で柔軟に変更する必要がありますが、これもまた資材がなければ容易ではありません。変革は時として深刻な破壊をもたらします。
この投資はENECが望む国家像への変貌ではなく、貴国の国民が望む国家の在り方を現実のものとするためのステップの一つに過ぎません。そしてそのビジョンが明確で、国際社会に悪影響をもたらすものでなければ、ENEC諸国は惜しみない支援を約束するでしょう。そして、そのビジョンを実現するための適切な助言者を、オブザーバー国という形で迎えております。
(3)政治思想について
政治思想とは難しいもので、我が国は民主主義を支持しておりますし、これが国際的潮流であるべきとの考えは建国以来一貫しております。しかしながら、思想のみで国家は建設され得ず、国家というものは思想と同時に、ある程度の合理性を併せ持つ必要があります。初期共産主義は富裕な官僚を排除しましたが、それは国家の骨格の破壊でした。結果、彼らは国家の再建のために長年国家に仕えてきた官僚を呼び戻さざるを得ず、そしてその試みは成功しました。彼らが嫌った官僚制という矛盾を抱えながらも、共産主義は成長しました。別例としては、白人官僚を排除し黒人官僚のみで形成された国家と、白人官僚を排除せず、黒人官僚も取り入れた国家が辿った結果はどのようなものであったかといえば、後者が成功いたしました。これは政治思想とは少々異なりますが、国家はやはり各々にそぐう枠組みが必要であり、蓄積されてきたノウハウを消し去ることは国家の機能に致命的打撃を与えます。民主主義の理念がいくら完成されたものであったとしても、国家にそぐわないものであればいずれは破綻をきたします。
その意味では現在独裁政治を敷いている国家を一概に否定はいたしませんし、事実我が国はアルドラド帝国がかつて独裁政治を敷いていた頃に、その独裁政治の急進的な改革には反対の立場でありましたし、事実かの国は、数多の国家の支援により段階的な民主化プロセスを踏みました。
そしてENECという組織においては、思想を超越して、求められるものは国際社会の連帯及び健全な秩序の形成であります。仮令、独裁政治を敷く国家であってもその枠組みから外すことは対話の放棄であり、許されざる怠慢です。少なくとも我が国はそのように考えておりますし、ENECという組織において独裁制が問題視された事例はありません。ただ、昨今のテークサット連合やガトーヴィチ帝国の騒乱については我が国は非常に憂慮しており、これに対する憂慮を内々に表明してはおります。
(4)他のENEC加盟国の対共和国の見解について
これについては我が国の専権外であり、個別の回答は差し控えるところでありますが、ENEC各国に内々に上程した上で個別に回答を行うよう諮ることは可能です。
我が国としてはENEC憲章は国家間の対等を明示しており、ENEC加盟国の国交は無くてはならないものであるし、存在するべきであるとの立場であります。
以上が回答となります。
ENEC加盟国各国との協調が共和国に資するところは大きいであろうが、それを直接的にENECに加盟するメリットと結び付けられない、ENECの議論に参画し、これら諸国との共通見解を持ち続けることは有益であろうが、あまり多くは求めないし、求められても困る
ENEC各国と協調することとENEC加盟のメリットは結びつける事は確かに難しいものがありますが、ENEC加盟によりENEC加盟各国との協調が"より"深まるという点では結びつける事は可能であると存じます。またENECは各国の活発な意見を求めるものではありますが、これは自国とENECの関係を良好とするためのもので、自国の立場を踏まえた上でENECに様々な案件を提議する事は可能です。組織は自己犠牲の精神で成り立つものではありません。組織をどう有効活用するか、という点を各国は考慮すべきであり、またその有効活用の方法について我が国もENECも特段定めるところではありません。
またオブザーバー国ついては、原則"良識ある助言者"としての立場を求めており、これに貴国が不適格であるとは考えませんが、建国間も無い貴国を助言者として判断し得るかどうかはENEC各国は判断に迷うところであると、客観的に判断する限りにおいてはそう考えられますし、また貴国も助言者としての立場を求められても困惑するものと思われます。我が国としては加盟は行わずとも、準加盟という形で議論に参画して頂き、自国の立場もENECにある程度反映させる権利を得る代わりに、ENECが特定の国家に不利益をもたらさない、中立的な組織である事に一定の役割を果たして頂けないものかと考えております。
【ロムレー湖畔共和国・外交局事務次官テランス・ルドワイヤン】
ふむ、この会談は公開会談でありますから、閣下がこの会談を楽しまれているとしても、第三国がこれを読もうとすることも考えますと、彼らのためにも冗長さは確かにあまり美徳とは言いがたいかもしれない、というのはありますな。ただ、共和国の中央議会を見渡すだけでも様々な者がおります。修辞の術を尽くして複雑な事柄を簡潔に短く提示するのは、優れた弁論の士の持ちうる技ではあります。中央議会にはそうした類の弁士も何人かおり、当然彼らは受けるべき名誉を受けています。しかし、私は弁論家として名を馳せているのではなく、実務能力によって外交局における実務上のトップになったのでありますから、そのような術ではなく、可能な限り共和国の考えを理解していただけるよう、言葉を尽くすことを礼儀としてこの会談に臨むことと致しております。
その上で閣下が望まれるのであれば、会談終了後に私人として話をするのもよいでしょう。
(1) 誘致の選定基準について
国際社会における役割、ENEC憲章の理念、そういったものと照らし合わせても理に適った基準と存じます。
まず、フリューゲルの歴史、私も断片的に聞き及んではおります。
多くの国家が興り、そして潰えていった、それはかつての地球でも同じでありましょうが、時として政情が安定していたはずの国家が突如として混迷に入り、そして滅びていった事例というのは、なかなか地球の歴史よりもこのフリューゲルの歴史で特に頻繁に見られるものである、ということは、興味深くはあります。それも内的な事情のみで、となりますと、それについて考察することは大きな意味を…いや…これは学者たちに任せておきましょう。
その他の事項にも、まあ求められているわけではありませんが、一応若干の見解を示しておきましょう。
外交への積極性について、そもそも共和国が外交的に積極的かどうかという命題、ここについて本国に持ち帰ればなかなか中央議会の議員が困惑するかもしれません。共和国の外交努力は未だ甚だしく不十分であり、今後の向上を図るべき事項であるというのは、中央議会と政府各局の共通理解でありますから。ともあれ、それでも現時点の共和国の外交姿勢を貴国が評価していただけるというなら、帰ってから私の部下の努力が実を結びつつあることを労わなければならないでしょう。いや、これは貴国には関係のないところかもしれませんが…。
情報開示については、実に、共和国はこの重要性を高く重んじています。いかなる交流を行うにせよ、相手を知ることなしに交流は不可能です。共和国は積極的な情報公開を推進し、国際的な地位を確かなものにしていく所存でありますし、共和国は小国であるとはいえ、第三国にもそうするよう、出来る範囲で推奨して参ります。
国家ビジョンに関する問題は、共和国の事情から見た評価は第二の議論と関連するので後述しますが、少なくとも第三国に適用される場合において、当然そのようなものを持っていなければ、ある意味で新興国は新興国たりえない、と考えることも可能な程に意味を持つものであると考えます。
また、オブザーバーに関する基準も、おおむね適切なものと存じます。その健全さを保とうという姿勢は、国際社会において重要な意味を持つでしょう。
(2) 投資と経済的な発展について
インドの事例は、人的資源に恵まれた国家の問題ですから、単なる事例として提示されたものであるとはいえ、量的な人的資源に乏しい共和国民としてみると、なかなか厳しいものを孕んでいるような気もいたしますな。
ともあれ、背景が異なっているだけで、その考えるところはかなり近いところがありましょう。そのようなあり方に伴って出てきた経済学は、標準的な経済学にとってのある種のオルタナティブとして、一定の意味を持っている興味深いものと思います。このあたりは私の専門からは外れるので、あまり詳述できるものでもありませんが。
さて、念のため、恐らく閣下はその聡明さから既に理解なさっていることと存じますが、申し上げておきますと、我々の持つビジョンの視野のうちにあるのは、共和国の完成形であるとか理想形ではなく、その変化の過程にあります。
共和国民は何か理念を描き、そこへ向かって進もうとしているわけではありません。共和国も必要な段階を踏み、適切に舵をとれば、大国の地位を得ることができるかもしれませんが、ロムレーの国民にとってそれは、無価値とまではいかなくとも、それほど価値のあるものではありません。それよりも漸進的に、今ある問題を一歩ずつ着実に進むことこそ、真正に価値あるものであります。何事においても早くすることは、それが多くの局面でよい効果をもたらしえることは理解しておりますが、共和国とロムレー人にとってはそれほど美徳ではありませんし、それほど好まれるものでもありません。
共和国は既に国民の必要とするだけの充分な自由に祝福されてここにあります。そこに教育によって理性の光を少しばかり当ててやる必要があると考える者であるとか、経済的な輸出への依存状態の脱却を求める者なども一定、いや相当数おります…というより私も前者の一人でありますが、仮に高度な文明を持つ超大国であるとしても自由のない社会で生きるよりかは、この共和国でゆっくりと生きていくことを、共和国民は好むでしょう。
遥かな未来を夢見、遠い理想へ向かって進むことは、無論高邁なことではありますが、共和国は、少なくとも現段階においては、そのようなあり方をしようとは考えておりません。
共和国の国民にとって理想形はある意味既に実現されているのであって、あとはこのささやかな満足をつぶすことなくして、現在繁栄を謳歌している先人たる諸国の道を可能な範囲でゆっくりと歩む、これこそが現在の共和国のビジョンであります。早さではなく遅さこそが、それを彩るでしょう。
…いや、無意味に語ってしまいました、失礼。次の話に参りましょう。
(3) 政治思想について
これは国際社会において責任ある地位にいる国家に相応しい、立派な態度でありましょう。
原理原則主義は純粋さという尺度では悪くないのかもしれませんが、現実に対応する指針として、まったく馬鹿げたとしか言いようのない結論と結果を招来したという例は枚挙に暇がありますまい。いや、話が逸れました。
ともあれ、共和国は貴国のこの点に関する意見が建設的なものであると理解し、ENECのそれも充分に理のあるものであるものであると考えます。
現実に起こっている事例については、現時点では共和国はENECとは無関係な国家であることからあまり深く論評できません。ENECという枠組みが、それらの諸問題についてよい方向性に作用することを祈るばかりです。
とはいえ、ENECへの参画が果たされたとなれば、共和国も責任ある主体としてそれらの案件に関与し、国際社会の改善のために務めを果たすでしょう。
(4) 他のENEC加盟国の対共和国の見解について
無論、加盟申請の間にENEC各国との国交樹立への努力は共和国の手によって行われなければならないでしょう。実際、今この間にも外交局は諸国との交渉を持っていると聞いています。
このあたりは貴国の善意に委ねるところではありますが、ENEC諸国との外交上の折衝を幾分円滑化できるよう、可能な範囲で構いませんから貴国のお力添えをいただければ幸甚に存じます。
さて、共和国が実際にオブザーバー国として加盟を目指すにあたっては微妙な問題がいくつか存在し、加盟国や準加盟国としての加盟を目指すのが適切であるといえる点があることは確かでありましょう。
ところで、中央議会にも様々な派閥がございます。ENECへの加盟ないしは準加盟をするとなると、中央議会の承認を得なければなりません。そのためには、当然、中央議会において過半数の賛同を得られる何かを持ち帰らなければなりません。
これまでの貴国の対応は我々の期待するものを充分に満たしており、私としても満足のいくものではあります。現段階までの会談の内容を報告書として提出すれば、これは中央議会においても好感を以て迎え入れられましょう。少なくとも、ウェールリズセ共和国とは、建設的な対話のできる相手であるということは、中央議会を介して広くロムレー国民一般の理解を得られる事柄となります。
一方で、期待するものを得たからといって、中央議会のENECに対する態度が、加盟すべしという点で一致するか、というと私には微妙に思われるところです。それを求めるには、何かもう一押しが必要になると考えます。
無論、更に国内で熟議を重ねて、議会の趨勢が変化するのを気長に待つというのも一手ではあります。その間に行われるENEC各国との交流も、それを後押しする大きな要因となるでしょう。そのほうが共和国民の性質にはあっておりましょう。少々迂遠ではありますが。
ともあれ、このような国内事情については一応貴国に一定の理解は求めておきます。国家ビジョンのところで少々言及いたしましたが、急かされることはロムレー人の性質に合いませんゆえ。
なお、オブザーバーとして助言者としての立場が共和国に求められた場合にどうであるかについてですが、困惑を以って迎えられるということはないと私は考えます。逆に、国際社会においては私のような長広舌を好まない類の国民というものがいるというのはあるかもしれません。もっとも、適切に短く助言をせよ、というのであれば、中央議会はそれにあわせた行動をとりえるでしょう。まあ、回答の早さ、という意味ではやはり私たちは田舎者でありますゆえ少々問題があるというのはあるかもしれませんが…。
むしろ、自国の立場をENECに反映させる権利を得る、つまり、実際の投票権を与えられたほうが困惑を招くものでしょう。ENEC諸加盟国との相互理解は、これから深めていく段階であり、現時点で誰がどのような考えを持っているのか…無論表面的なところではなく本心においてですが…を、私を始め外交局の人間も、中央議会の人間もほとんど理解できておりませんから。もし、それに重きを置くのであれば、むしろ加盟について現段階ではより慎重な立場を選ぶべきであるという中央議会にいて有力な意見の地位を高めてしまうことになりかねますまい。
Re: ウィリーツェン会談
msg# 1.3【ウェールリズセ共和国/外務省外務次官補:ルーベン・ヴェンデッタ】
公開会談ですのであまり差し障りのない発言になってしまいますが、外交官というものは単なる実務者以外の要素を持ち合わせてなければならないように、私は時折考えます。
英国の巨人パーマストン子爵と独の大宰相ビスマルク。時代を遡れば墺の傑物メッテルニヒ、その好敵手たる仏のタレーラン。これらの偉大な人物が私人としての魅力に満ち溢れていたように。
無論彼らは私達のように外交官という実務的な職を専とする人物ではなく、あくまで政治家ではありますが、外交官にもそうした能力があってこそ様々な人脈を築き得ましょう。その辺りは後ほどゆっくりと。
(1)及び(3)においては大幅な部分で、両国間に見解の一致が見られたものと思われます。
しかし(2)投資と経済的な発展についてではあまりご理解が得られなかった、正しく言い換えるならば焦点をどの地点に置くかにおいて、相違点が見られます。この点については我が国が詳述する事に避けるものであり、貴国の人民がどのような選択をするのか、選挙あるいは議会において今後議論を経て大筋の結論が下されるものと存じます。ただ誤解のないように触れておくのであれば、我々ENEC――少なくともウェールリズセ共和国は、国家の主権というものは外部に決して影響されてはならないと考えている、ということです。国民の意思の集合体である貴国がどのようなあり方を望むのも自由です。私達はそれに僅かばかりの一助となれれば、と申し上げているに過ぎません。
貴国が完全に自立しており、今後も他国の援助なしに継続的な発展が可能な状態にある。そして、他国に可能な限り影響を受けたくないということであれば、ENECという組織に加わる必要性は率直に申し上げれば"無い"でしょう。これを申し上げるのは身も蓋もありませんが、これが事実であれば貴国は完全に独立した経済を有しているということでしょうから、外交すら不要です。しかし世の中というものは上手いこと行かないもので、必ず何等かの不和をもたらす存在は何処にでも、どの時代にも現れます。欲というものは際限がないものですから。
ウェールリズセの国内でさえ、そのような輩が現れないという保障は出来ません。その時に、外部とのあらゆる接触を絶っている状態――嵐の中で、一人取り残されたままという状態は、思いの他堪えるものです。我が国は貴国にENECへの加盟を無理強いするつもりは毛頭ありませんし、それは貴国の自由意志に基づくものであるべきです。ただ、ENECのみならず、国際組織というものは少なからずコミュニティとしての側面を有します。いざという時に、相談に乗る事が出来る、あるいは共に問題を解決するパートナーとしてのENEC、という提案に今回は留めさせて頂きます。
(4)については我が国としても異存はありませんし、可能な限り調整を行う事といたしましょう。
貴国の政情に関して口を差し挟む事は出来ませんが、国内事情に関しては重々承りました。国家間の関係を恋愛に例えるのは宜しくありませんが、押して駄目なら引くべし、という言葉もあるくらいですから、熟慮の上で判断を下されることを願います。
オブザーバーについては、こう申し上げる事は貴国の体面を傷つけないか、という点で不安が残りますが、率直に申し上げるならオブザーバーの役割を果たせるか、について、ENEC加盟国の間でも議論は大いに別れるのではないか、このように我が国は考えております。私どもは今回の会談でロムレー湖畔共和国の政府と国民が賢明であり、高度に成熟した価値観を有している事を知る事が出来得ました。しかしながらその認識は他のENEC加盟国には共有出来ているとは言いがたい状態です。相互理解があまりに不足しているのです。宇宙漂流を経て尚、貴国の文明・価値観その他が遺失されていない事は明らかで、これに経済力が伴うものであれば、貴国は先進国の中でも高度な成熟性を持つ国として認識されるでしょう。
しかし現状では、フリューゲル漂着から日が浅いために、また貴国の展望が必ずしも明らかではないために、貴国の今後を予測する事が困難な状態です。これは我が国も同様です。仮に今、我が国がオブザーバーとしての役割を求められたとしても、我が国はこの職責を果たせるかどうかにおいて、大いに不安が残ります。翻って、ヴェールヌイ社会主義共和国やガトーヴィチ帝国は、現在までに国際政治において、少なくない実績を積み重ねており、前者はフリューゲル史に特筆されるべき経済体制を築き上げ、後者はフリューゲル最大の工場としての地位を築いております。外交的にも経済的にも軍事的にも実績があるからこそのオブザーバー国といえなくもありません。
もし貴国が、自国の立場をENECに反映させる権利を得る事に困惑を覚えるのであれば、加盟が今すぐ行われる必要は、必ずしもないと我が国は考えております。私共から見ても、貴国からみても、理解が不足しているのであれば、顔見知りとしての関係を友人としての関係にまで発展させることが先決でしょう。単なる顔見知り同士で形成されたコミュニティほど脆いものはありません。
【ロムレー湖畔共和国・外交局事務次官テランス・ルドワイヤン】
ふむ、共和国は、一人当たりの指標で言えば豊かであっても、結局のところ取るに足らない小国であり、共和国が既に持つ幾つかの大国との安定的な外交関係、これは非対称的な関係にならざるを得ません。そしてただちに危機に直面しているわけでもないし、国際社会において与える影響もそれほどではなく、外交上の責任というものも限られ、更に国際社会からの影響をそれほど受けずにいられる、となりますと…。
その上で、しかしながら貴国の言うことは確かに尤もなものです。
私から見ても、共和国の将来において嵐となりえるものはいくらでもあります。一例を挙げますと、このフリューゲルは隕石災害を始めとする災害が頻発する場所のようですから、そのようなカタストロフィーのリスクもありましょう。現状では保たれている国内の平穏も、もちろん時として崩れえる可能性のあるものであります。外交的な問題も、一体何が起こるのか私にもなかなか想像できるものではないですが、何が起こるかわからないのが外交というものですから、決して可能性のないものではありません。そのような危機に陥った時には、慎重な共和国民であってもパートナーの必要性を理解するでありましょうし、ENECへの加盟にも大きく近づくことが出来るでしょう。無論、それは一言で言い表すならば泥縄であり、全く滑稽この上ないことになりますが、その点は致し方ありますまい。行動が遅いことは一般的にあまり賢明ではないかもしれませんが、何もしないよりはまし、という話になります。少なくとも、共和国民は与えられた温情を無視する性質は持ち合わせていませんから、一度そのようなことになれば国内の世論はまとめやすいものになるでしょう。あるいは、だからこそそれが必要以上に他国との影響を受けることを拒む原因になっているという側面もありましょうが。そのような危機は近い将来のことではないでしょうから、恐らくは私はその時にはもはや外交官ではないでしょう。あるいは、歴史というものは皮肉好きですから、その状況においてもう一度私を外交の表舞台に立たせるかもしれませんが、その時はその時であります。
あるいは、もう一つのシナリオを示唆するならば、その鍵は我々ロムレー人がこのフリューゲルに降り立ってからまだ20年と経ってはいないことにあります。私にとっては長いようで短いようではありましたが、そのような個人的感傷はおくとして、共和国がこれから長くこのフリューゲルに存続しつづけるならば、共和国にとってはこの時間は極めて短い時間になります。後世の歴史から見れば、やっとの思いでたどり着いた新天地におけるほんのわずかな小休止、ちょっとしたコーヒーブレイクの時間ととらえられることもできましょう。未だ着陸後に生まれた世代は社会人になってはおらず、宇宙を彷徨う経験をしてきた多くの者たちは小国なりに豊かな共和国の現状に満足し、中央議会はENEC加盟に慎重な意見が強い情勢になっています。しかし、それは現状の話に過ぎません。時が来れば、共和国を大国に押し上げよう、という動きが出てくる可能性は否定できるものではありません。その時には、そのような道をかつて辿った先達であるENECの力を借りようという動きは、国民的な運動となって、中央議会は容易にゴーサインを出すようになるでしょう。危機がなくとも、自発的に現状が破れ、世論の潮目が変わる、ということは実際起こりうることです。
この会談の結果、共和国がただちにENECに加盟する、とはならないでしょうが、ENEC加盟が有効な手であること、どのように有効な手であるか、についての理解は深めることができました。閣下の言うところの「単なる顔見知り同士のコミュニティの脆さ」という視点からしますと、散漫な議論の結果なんとなく加盟申請が行われることよりも、集中的な議論によって一定の相互理解がもたらされること、これは有益な議論ができた、というふうにみてよいのではないでしょうか。あとは互いの本国においてこの議論がどうとられるか、というステップになりましょう。
そんなところで、今回の共和国のENEC加盟に関する実務者会談としては、概ね議論は尽くされた、と考えますが、閣下としては他になにか、共和国のENEC加盟をめぐる論点として付け足しておくべきことはありませんでしょうか。
Re: ウィリーツェン会談
msg# 1.4【ウェールリズセ共和国/外務省外務次官補:ルーベン・ヴェンデッタ】
今後、貴国がENECに加盟するか否かは、貴国の選択次第となりましょう。ENECに加盟している国は、我が国だけではありません。例えばコーデクス共和国、テークサット連合。オブザーバーならば、ヴェールヌイ社会主義共和国、ガトーヴィチ帝国。先にも触れましたが、単なる顔見知りという関係ではコミュニティは中々成り立たないものですから、これらの国と議論の機会を持つこともまた、ENEC加盟の検討にあたって、非常に有意義ではないかと、このように考えられます。
私達は敢えて加盟に関して"要請"は行いません。あくまで"提言"です。その提言に基づき、どのような決断を下すかは各国の判断によります。ENECとは別の道もあるでしょう。あらゆる選択肢を放棄せず、吟味をした上で貴国が賢明なる判断を下される事を願うばかりです。
私からは以上となります。ルドワイヤン事務次官閣下から他になければ、本会談はこれくらいとなりましょうか。
【ロムレー湖畔共和国・外交局事務次官テランス・ルドワイヤン】
よいでしょう。あとは、この会談の報告書を確認した上で本国中央議会がどのように判断するか、ですな。
他のENEC加盟国との更なる議論については興味深い提案と存じます。これについては本国に持ち帰り、外交局として検討するとしましょう。
では、公開会談としてはこのあたりでお開きといたしましょう。お疲れ様でした。