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Re: ウィリーツェン会談

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なし Re: ウィリーツェン会談

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2015/11/23 19:48 | 最終変更
ゲスト    投稿数: 0

ウェールリズセ共和国/外務省外務次官補:ルーベン・ヴェンデッタ】
 公開会談ですのであまり差し障りのない発言になってしまいますが、外交官というものは単なる実務者以外の要素を持ち合わせてなければならないように、私は時折考えます。
 英国の巨人パーマストン子爵と独の大宰相ビスマルク。時代を遡れば墺の傑物メッテルニヒ、その好敵手たる仏のタレーラン。これらの偉大な人物が私人としての魅力に満ち溢れていたように。
 無論彼らは私達のように外交官という実務的な職を専とする人物ではなく、あくまで政治家ではありますが、外交官にもそうした能力があってこそ様々な人脈を築き得ましょう。その辺りは後ほどゆっくりと。

 (1)及び(3)においては大幅な部分で、両国間に見解の一致が見られたものと思われます。
 しかし(2)投資と経済的な発展についてではあまりご理解が得られなかった、正しく言い換えるならば焦点をどの地点に置くかにおいて、相違点が見られます。この点については我が国が詳述する事に避けるものであり、貴国の人民がどのような選択をするのか、選挙あるいは議会において今後議論を経て大筋の結論が下されるものと存じます。ただ誤解のないように触れておくのであれば、我々ENEC――少なくともウェールリズセ共和国は、国家の主権というものは外部に決して影響されてはならないと考えている、ということです。国民の意思の集合体である貴国がどのようなあり方を望むのも自由です。私達はそれに僅かばかりの一助となれれば、と申し上げているに過ぎません。

 貴国が完全に自立しており、今後も他国の援助なしに継続的な発展が可能な状態にある。そして、他国に可能な限り影響を受けたくないということであれば、ENECという組織に加わる必要性は率直に申し上げれば"無い"でしょう。これを申し上げるのは身も蓋もありませんが、これが事実であれば貴国は完全に独立した経済を有しているということでしょうから、外交すら不要です。しかし世の中というものは上手いこと行かないもので、必ず何等かの不和をもたらす存在は何処にでも、どの時代にも現れます。欲というものは際限がないものですから。
 ウェールリズセの国内でさえ、そのような輩が現れないという保障は出来ません。その時に、外部とのあらゆる接触を絶っている状態――嵐の中で、一人取り残されたままという状態は、思いの他堪えるものです。我が国は貴国にENECへの加盟を無理強いするつもりは毛頭ありませんし、それは貴国の自由意志に基づくものであるべきです。ただ、ENECのみならず、国際組織というものは少なからずコミュニティとしての側面を有します。いざという時に、相談に乗る事が出来る、あるいは共に問題を解決するパートナーとしてのENEC、という提案に今回は留めさせて頂きます。

 (4)については我が国としても異存はありませんし、可能な限り調整を行う事といたしましょう。
 貴国の政情に関して口を差し挟む事は出来ませんが、国内事情に関しては重々承りました。国家間の関係を恋愛に例えるのは宜しくありませんが、押して駄目なら引くべし、という言葉もあるくらいですから、熟慮の上で判断を下されることを願います。
 オブザーバーについては、こう申し上げる事は貴国の体面を傷つけないか、という点で不安が残りますが、率直に申し上げるならオブザーバーの役割を果たせるか、について、ENEC加盟国の間でも議論は大いに別れるのではないか、このように我が国は考えております。私どもは今回の会談でロムレー湖畔共和国の政府と国民が賢明であり、高度に成熟した価値観を有している事を知る事が出来得ました。しかしながらその認識は他のENEC加盟国には共有出来ているとは言いがたい状態です。相互理解があまりに不足しているのです。宇宙漂流を経て尚、貴国の文明・価値観その他が遺失されていない事は明らかで、これに経済力が伴うものであれば、貴国は先進国の中でも高度な成熟性を持つ国として認識されるでしょう。
 しかし現状では、フリューゲル漂着から日が浅いために、また貴国の展望が必ずしも明らかではないために、貴国の今後を予測する事が困難な状態です。これは我が国も同様です。仮に今、我が国がオブザーバーとしての役割を求められたとしても、我が国はこの職責を果たせるかどうかにおいて、大いに不安が残ります。翻って、ヴェールヌイ社会主義共和国ガトーヴィチ帝国は、現在までに国際政治において、少なくない実績を積み重ねており、前者はフリューゲル史に特筆されるべき経済体制を築き上げ、後者はフリューゲル最大の工場としての地位を築いております。外交的にも経済的にも軍事的にも実績があるからこそのオブザーバー国といえなくもありません。
 もし貴国が、自国の立場をENECに反映させる権利を得る事に困惑を覚えるのであれば、加盟が今すぐ行われる必要は、必ずしもないと我が国は考えております。私共から見ても、貴国からみても、理解が不足しているのであれば、顔見知りとしての関係を友人としての関係にまで発展させることが先決でしょう。単なる顔見知り同士で形成されたコミュニティほど脆いものはありません。

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