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普欧帝国宣伝部  普欧帝国の広報機関
1月 30 (月曜日) 2012
イスアード戦争に関する軍発表他3号 19:17   
(例によって長文ですが御容赦頂きたい。なお、本記事の下に1号、2号がありますので、先にそちらを御参照下さい。cruis)



【軍事】イスアード戦争に関する軍発表⑤

フリューゲル暦392年6月6日、悪天候の回復を受けて派遣軍はイスアード南部への進撃作戦「Ackerbau(耕作)」を開始、

派遣軍は南部最大の都市サバランを目指すにあたって山岳部を避け海上機動を展開、イスアード地上軍の背後に回った。

背後を取られたイスアード地上軍は狼狽しつつも的確に反撃、我が軍は足止めを受けるも予備として温存されていた装甲部隊と

近衛砲兵連隊の猛攻により防衛線の突破に成功した。突破後の急速な浸透と航空攻撃による指揮系統の破壊により

イスアードの南部防衛部隊は組織的戦闘力を喪失、各所で孤立し我が軍に各個撃破された。

10日には派遣軍はサバランと中部の都市カルビオラを結ぶ連絡道路の遮断に成功し、

イスアード地上軍残党は連絡路を絶たれ各地で孤立することとなった。



【軍事】イスアード戦争に関する軍発表⑥

道路遮断の後、派遣軍はすぐさまサバランへの攻撃を開始、目的はイスアード現政府首脳部の身柄確保である。

サバランは我が軍による半包囲を受けており、派遣軍司令官のフリードリヒ大将はサバラン守備隊の脱出を期待していたものの、

同守備隊はあくまで死守の構えを見せており、やむなく派遣軍は市街戦に突入した。

派遣軍は市街戦突入と同時に特殊部隊「ブランデンブルク」連隊とイシュトルード義勇軍の一部をイスアード大本営への奇襲に

投入することで政府首脳の拘束を狙ったものの、大本営は既にもぬけの殻であった。

このためサバラン市街戦は完全に空振りとなり各部隊は撤収を命じられたが、守備隊の頑強な抵抗により戦況は混乱しており、

近接戦闘で我が軍は思わぬ損害を被る結果となった。特に「ブランデンブルク」連隊は連隊長ヒッペル中佐が戦死するなど

敵中に突入しただけあって損害も大きかった。しかしこの戦闘でサバラン守備隊も壊滅しており、同日中にサバランは

我が軍の占領するところとなった。なお、サバラン守備隊は兵士の部隊章からイスアード最強を誇る近衛師団を中心に編成

されていたことが判明している。



【軍事】派遣軍兵士とノイエクルス連邦軍兵士との交歓に関する記者のレポート

編集部注:これは現地の戦場記者から送られてきた記事を掲載したものである。



(本写真はあくまでイメージです。現地で撮影されたものではありません。)

6月のイスアード南部に対する攻撃の後、派遣軍はイスアード中部における掃討戦のため北上、

旧バルダード特別行政区でノイエクルス連邦軍のイシュトバーン師団と接触した。同地は既に彼らの制圧下にあり、

ゲリラによる襲撃もなかったことから派遣軍司令部は消耗した部隊の補給と再編を同地で行った。

Mondsichel作戦とサラバンでの戦闘で消耗した「ブランデンブルク」連隊等は同地で休養に入り、

イシュトバーン師団の兵士と我が軍の兵士が交歓する光景が随所で見られた。双方の兵士はタバコなどの嗜好品の交換や

トランプ等に興じており、総じて穏やかな雰囲気である。その中で記者が興味を抱いたのはそれぞれの糧食の試食であった。

我が軍の糧食は複数種存在するが、その中でも我が軍の兵士に好評なのが戦闘糧食Ⅲ型である。

一方、イシュトバーン師団の兵士に好評だったのはⅤ型であった。この違いはどこから来るのだろうか。

Ⅲ型とⅤ型の内容物を比較してみたい。左側から項目、Ⅲ型内容物、Ⅴ型内容物である。

缶詰パン ライ麦パン 乾パン(白パン)

メイン1  野菜とジャガイモとソーセージのシチュー ハンバーグのえんどう豆添え

メイン2  えんどう豆とジャガイモのシチュー 鶏肉のトマトソース煮込み

冷肉   豚肉と脂のソーセージ 野兎のパテ

これ以外の内容物は共通であり、以下の品目が含まれる。

副菜   ザワークラウト

飲料物  オレンジ、グレープフルーツ、アップルジュース、コーヒー

その他食品 バター、マーガリン、チーズ、各種ジャム、蜂蜜、チョコレート、穀物ビスケット、ガム、キャンディ、各種栄養剤

なお、食器やマッチなどの備品は割愛した。

おおよその傾向としてイシュトバーン師団の兵士は脂っこい食事を好んでいないようである。これはノイエクルス自由国が

温帯に属しており、寒冷気候に属する我が国とは食生活が異なることから生じた嗜好の差ではないだろうか。

なお、ノイエクルス連邦軍の糧食は民生品が多く、品質保存や調理の利便性は極めて良好であり、味も悪くなかった。

しかし、味に関しては我が軍の糧食の方に軍配が上がると感じるのは記者の舌が普欧人のそれだからであろうか。
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