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Re: Prologue of Tragedy
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Prologue of Tragedy (ゲスト, 2013/6/23 11:51)
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Re: Prologue of Tragedy (ゲスト, 2013/6/23 11:57)
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Re: Prologue of Tragedy (ゲスト, 2013/6/23 11:59)
- Re: Prologue of Tragedy (ゲスト, 2013/6/23 12:23)
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Re: Prologue of Tragedy (ゲスト, 2013/6/23 11:59)
- Re: Prologue of Tragedy (ゲスト, 2013/9/16 3:56)
- Re: Prologue of Tragedy (ゲスト, 2013/11/9 14:35)
- Re: Prologue of Tragedy (ゲスト, 2013/12/18 1:19)
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Re: Prologue of Tragedy (ゲスト, 2013/6/23 11:57)
【プロファイル No.XX 魔法使いの世界】
――エリーゼ・シェルストリア。
その名前は、ティ・ラフィールの歴史やラトアーニャの歴史を紐解いても見当たりません。
しかし人々は、悠久の時を生き続ける"魔女"がいるらしい、と言う事を知っていました。
そんな魔女の、わずかな足跡の記録。
神様が不在の、堕天使と夢魔と黒騎士がいて、魔物が人々を脅かす世界で、生きてきた少女。
その世界には、ほんの僅かな幸せしかありませんでしたが、彼女は幸せでした。
ですが、悪い魔物に心を蝕まれた少女は、少しずつ、少しずつ。大切なものを失いました。
大切なものが何であったのかは、今となっては誰にも分かりません。
ですがある日、彼女は願いました。三つのものを、欲しました。
最初に少女は、「知恵」を望みました。
すると、知恵を手に入れた彼女は、あらゆる事象を知り尽くす事が出来ました。
そして、次に「勇気」を望みました。
すると、一人であっても、大きな壁を越えられるような勇気を手に入れました。
そして、次に「心」を望みました。
すると、魔物に蝕まれ、失いつつあった「人間らしい心」を、彼女は取り戻しました。
そして、やっと。「彼」と同じ、あるいはそれに近しい所に立てると思いました。
それは彼女が愛した、童話の世界のようでした。ブリキが心を、案山子が知恵を、ライオンが勇気を手に入れる事を願う物語。
しかし、三つの願いを全て叶えて間もなく、「彼」は死んでしまいました。
その原因は、今となっては誰も分かりません。
少女は、彼の死によって、考える事を放棄しました。そうする事で、現実から目を背けました。
そして少女は、知恵を失いました。欲したはずの、知恵を。
少女は、彼の死によって、強い意思を失いました。自分を蝕む、魔物に立ち向かう意思を。
そして少女は、勇気を失いました。欲したはずの、勇気を。
少女は、彼の死によって、自分を見失いました。自分と向き合う事を放棄したのです。
そして少女は、心を失いました。欲したはずの、心を。
かつて少女は、願いました。古今東西、誰の手によっても叶える事の出来なかった願い事。
「死者の蘇生」を。
あの時に、再び戻りたい。今は失くとも、必ずいつか。兄や、最愛の人や、仲間達がいる世界。
それは彼女が愛した、童話の世界のようでした。ある女の子が、元の居場所に帰りたいと望む物語。
彼女もまた、ほんの僅かな幸せしか無い世界であっても、今は失き人達がいる世界に戻りたいと望みました。
多くの人が、その為の犠牲となりました。しかし少女は、願いのためならばどんな犠牲をも厭いませんでした。
ティ・ラフィールの血。ラトアーニャの血。タールウィルの血。ルセナールの血。メイスナーの血、キルヒアイゼンの血。
多くの血を、「彼」を蘇らせる為に、貪欲に集めました。
しかしその願いは、叶えられませんでした。今まで、誰の手によっても叶えられなかった願い。
それは少女であっても、叶える事は到底無理だったのです。叶えられないと知った少女は、最後に――
「世界の終わり」を、願いました。
しかしその願いは、「彼」の手によって、叶わぬものとされました。それが少女にとって幸せだったのかは分かりません。
ただ言える事は、長い長い、色褪せた空はその色を取り戻しました。
かつて少女は誓いました。
これ以上の血が流れない国――あるいは世界を作り上げる事を。かつて国を想い、斃れて行った人々に誓いました。
赦しを請うことや、自分の行いを償う事はしませんでした。
その後の話は、誰にも分かりません。それはこれから先、綴られていく未来のお話。
◆あとがき
書く事と投下することが辛いです。ぼくにも知恵と勇気をください。
忙しくて心を亡くしかけているので心もください。
オズの魔法使い、中学生の頃に英語の教材としてよまされた記憶があるんですがなかなか好きな童話です。
暇があればご一読をば。