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シェロジア共和国・テークサット連合間の解釈談義

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 .2 .3 .4 .5 .6 .7 .8 .9 | 投稿日時 2015/8/11 16:24 | 最終変更
ゲスト    投稿数: 0

606年9月4日、テークサット連合観光都市ラベンの高級ホテル「ティエール・ラベン」にて。
この会合は、連合外務省たっての訪問依頼に、友邦シェロジア共和国メドリシア・シェゼナ大統領閣下が直々に応じて下さったことにより実現した。

ここでは「先進国とは何か」という問題について両国の解釈の相互理解を深めることを目標とする。
結論の如何にかかわらず両国の利害が対立するようなものではないため、「会談」のごとき大仰な語を用いずに「談義」の呼称を用いさせて頂くこととした。

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2015/8/11 16:27
ゲスト    投稿数: 0

我が連合からは、テークサット連合政府首席大臣エーグナ・タッタ、外務副大臣アヌルファ・ナンミャが出席いたします。

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2015/8/11 21:28 | 最終変更
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シェロジア共和国大統領:メドリシア・シェゼナ】
直々に私が出席いたしますわ、どうぞよしなに

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2015/8/12 17:36
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テークサット連合首席大臣:エーグナ・タッタ】

貴下の最初の公的外遊先として選定して頂き光栄であります、メドリシア閣下。

さて、昨今のフリューゲルでは、貴下を含む両国政府内からの発言により、「先進国」という言葉への解釈についての議論が巻き起こっております。
そこで、解釈を一致するまで必要ではないにしても、今後も関係を深めていくであろう両国の間の些細なすれ違いはこの機会に解消するのが良いと考えた次第です。

まず、我々は先進国として考慮すべき要素を次のように考えております。
・国際経済指標において先進国(Developed)と判定されている
・他国に過度に依存しない自衛力を有する
・高水準な生活環境を維持し、幸福指数も高いまま安定している
・近年に経済危機を経験していない(明らかに国際情勢や他国に起因するものを除く)
・民主的で健全な政治および外交が行われている
・積極的な情報開示を行っている

悠久の歴史と高尚な文化は、たしかに簡便な指標ではありますが、先進国という語義からは外れるものであると思われます。
改めて、貴下の具体的な意見をお聞かせ願えますか。

ちなみに、上の指標のいくつかに明らかな不備を持つことから、我が連合自体は先進国であるという認識は持っておりません。

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2015/8/12 21:04 | 最終変更
ゲスト    投稿数: 0

 

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2015/8/12 21:12 | 最終変更
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やや過激な発言になりましたが、私の言いたいところは指導者の立場からして国民を幸福にするための指標を達成するのは当然の義務であり、その当然の義務を果たしただけで先進国と称するのはあまりに浅慮ではないかということです。
先進国という意識が内外に定着するにはしかるべき時間、すなわち歴史を要するものではないでしょうかと。

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2015/8/12 22:11 | 最終変更
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テークサット連合外務副大臣:アヌルファ・ナンミャ】

我々の考える先進国においては、国民は平和で快適な生活をおくれることが第一条件ではないかと思われます。それを実現するのは先ほど首相が申し上げたとおりの要素であり、閣下が仰るとおりそれは「あまりにも無難すぎる」政策目標でありましょう。

しかし、凡庸以下の指導者ではそれすらも達成不可能でしょう。この点、閣下の認識には甘さがあるのではないでしょうか。
進歩的な開発、安定した福祉、国民の幸福。これをすべて推し進め、さらにこれをたゆまぬ外交と軍事の努力によって守護する。すべてを成立させるのは、一人の天才か能力の堅実なリレーです。

「無難」とは「才能」です。乱を起こしてはそれを潰すということを繰り返す者、それこそが「無能でない指導者の最低限、あくまでも下の上です。
難を未然に防ぎ、すべてをポジティブな方向へと円滑に進め、そのノウハウを後継者に受け継ぐ。そんな「無難な指導者」は、むしろ国民からも歓迎される「最高の天才」と言い得るのではないのですか。

貴国は建国間もなく、経済発展に成功した国を多く上に見るからそのように軽い事を言えるのでしょう、大国を築き上げた名政治家達が目に入らぬのでしょう、閣下も国土開発の艱難辛苦を味わってから云々



テークサット連合首席大臣:エーグナ・タッタ】

(警備兵を呼ぶ)おい、アヌルファのアホを下がらせとけ
いやはや、見苦しいところをお見せしてたいへん失礼しました。外務副大臣は老臣なのですが、少々頭に血の上りやすい体質でして。いや数々の無礼申し訳ない。あれには保冷剤を渡して頭を冷やさせましょう。

彼の言った、問題が起きてはそれを防ぐという典型的なパターンとはまさしく我が連合の事であります。今のこともそうで、本来ならソファート外相が来るべきところ、アゼロティータへ派遣中ということで副大臣を連れてきたのが間違いでした。今からでもムーックディン・ヤルナ教育相を呼びましょう、あの温厚な方なら貴下との対話の任に堪えうるはずだ。

貴下は国家としての経験を指標とされますか。その国を推し量る上で、経験則の元たる歴史と、その集大成である文化は確かにその国を端的に示すことにはなりましょう。
しかしながら、外務副大臣が先に申したとおり、何をおいても国民が先進的で多幸な暮らしを送れる環境、という条件が我々の前提認識で、歴史文化とは必ずしも共に存在しないと思うのです。というのも、世界には様々な国家があるもので、長い歴史を持ちながら戦乱の呪縛から解放されなかったり、高い文化を持ちながらその実態は国民の貧窮の上に成り立っていたり・・・そのような国家が、名は挙げませんが事実として存在するのです。

さすがにこれは否定されると信じながら、貴下にお尋ねしたい。「太古から長く戦乱に明け暮れる、困窮した悲壮的な状況から文化を紡ぎだす国家」は、「平凡で新興だが国民が安寧を享受する国家」に比べて、先進的といえるのでしょうか。先進国という意識をもつ資格が、果たしてあるのでしょうか。

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2015/8/13 22:11
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シェロジア共和国大統領:メドリシア・シェゼナ】
ええ、否定しますわ。そのような太古から今もなお困窮した状態に甘んじる国家はいわゆるマケグミですし、先進国として論ずる外にある存在ですしょうね。

しかし、あなたの主張には欠落があります。
今現在その数値を達成できていても、次の政権が瞬く間に無に帰してしまうかもしれない、という不安を隠しきれないということです。真の安寧とは数代にて築かれるものではない。それはあなたが仰る通り、リレーなのです。
そのリレーが途切れる可能性が十分あり得る話です。浅い歴史、文化しか持たない我々には特に。
次の時代の安定に確信が持てなければ先進国とは呼べない。

私は先ほど述べました。無難な統治も行えない者は指導者失格ですとね。なぜなら数値を満たすことは既に他の先進国が達成した内容であり、後発の我々はそれを真似ればよいからです。
いわばゲームや兵法で言うところのルールを抑え、定石を打つ、ということですわね。
成功した他を見て真似ることすらできない盲目な者は端から資質がないのは当然のこと。
では真似ることさえできればいいのか。そうではない。その成功した他は数値とは別にそれまでの過程を辿る歴史と文化、すなわち経験値を持つ。
ルールを抑え、定石を打つだけではアマチュアどまりで、師匠に勝利できない。あなたがもし師匠になりたければ、時間と労力を掛けてできるだけ経験値を蓄積し、試行錯誤してこそ、その手腕に近づけるのです。
師匠となれる国家こそ先進国であるわけです。
だからこそ我々は経験値を重視するのですわ。

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2015/8/16 14:16
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シェロジア共和国大統領:メドリシア・シェゼナ】
申し訳ありません。
相互に価値観が異なるものと理解し、平行線を辿ることは容易に予想でき、これ以上の議論が深まらないものと考え、また本国では問題が山積しており一時も無駄にはできないため一旦私は帰国させて頂きますわ。

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2015/8/17 19:36 | 最終変更
ゲスト    投稿数: 0

シェロジア共和国大統領退席後に交わされた私的な会話―ラベン特別区行政府にて)
以下はゴシップ雑誌に掲載されたもので、正確性を立証するものは何もない。

・・・

エーグナ・タッタ首相「いや、もう少しお前に話させるべきだったな」

アヌルファ・ナンミャ外務副大臣「事前情報でシェロジア人は疑り深いと聞いておったが、少々の休憩時間で退席してしまうとは・・・
ありゃ本物の国際会議に出席できる器じゃねぇな ワシも出たことは無いから分からんが」

首相「あれじゃ議論を深めるも何もない。
マージが例の会議の状況を送ってきたが、あっちでも代表がやらかしたらしいぞ」

・・・

ムーックディン・ヤルナ教育相「ありゃ、遅れましたかな」

外務副大臣「いや、大統領(笑)が勝手に帰っちまったんだ。『歴史と文化が無ければ先進国に非ず』の一点張りでな」

教育相「歴史?文化?本当にそんなこと言ってたんですか?自国の歴史も書けない国の長が?超大国レゴリス帝国の歴史を一世紀読み違えるあの国の長が?」

(笑)

外務副大臣「大使から来る情報には呆れるばかりだ。インフラ整備は予算委に無視され、市場はいつも品不足。そのくせ高級住宅地の整備に手を出して格差は広がる一方、早くも国民の支持が離れて暴動や民の国外流出が止まらないとか。まあどこの国も通る道だがな」

教育相「(泣き出す)で、でも、私のときは見せ掛けのパレードなどには頼りませんでしたぞ!」 
(補足:教育相は首相在任時に支持の崩れを止められず政権交代を許した)

首相「それが卿の悪いところですな。しかし、あの時の踏ん張りが今の発展を呼んだのです。それは胸を張るべきでしょうよ。」

外務副大臣「未だに前近代的な粛清やらカチコチの封建制がまかり通ってる某国が持ち直せるかどうか甚だ疑問だがな」

首相「今回の談義のキッカケになった大統領(笑)の発言を覚えているか?『最早先進国と呼ぶに値せず』だってよ、まさかこれまで連合を先進国だと思ってくれてたってのか?残念残念」

教育相「『先進国は6つ』とも言ってましたが、中身がどう転んでも、実体を伴うものはせいぜい5カ国でしょうなぁ」

(笑)

・・・

首相「そうだ、例のブツはどうなっている?」

担当官「連絡先が判明した32カ国に送り、その内11カ国から回答を得ました。
国交の無い国には第三国を経由して連絡を取った国もあるため全てにおいて回答者がはっきりしているわけではありませんが、4カ国については政府の公式見解であるとのことです」

外務副大臣「ふむ、世界的に信用が定まっていない我が連合としては上々の割合だ。
ちなみに、テークサット連合を先進国と言ってくれるお人よしはいたのか?」

担当官「ええ、2カ国ほど」

首相「それについては絶対公表するな、報道するなとパーナマ通信に念を押しておけ。我が連合は先進国でなど決してない。
・・・ちなみに、シェロジア共和国を認めたのは?」

担当官「ゼロです。ある国曰く、『政体、財務、幸福、経営、外交力、成熟度・・・
何にもまして、『歴史』と『文化』において論外だ』・・・と。」

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