気象大気観測局は8月14日、ヨリクシ島の南西部から北西部にかけて、きわめて強い地震が発生したと発表した。この地震による津波被害は無いと伝えた。

死傷者は少なくとも30万人を超えるとみられ、50万人に達するとの見込みもある。

この地震を受け、マトラ州、ナウラ州のCIA(臨海工業区)では全域に災害非常事態宣言を発表し、余震に備えて住民の避難指示を出した。また国防省に軍の災害出動を要請した。

この地震は現在進められているオルホン島の開発の影響で発生したと指摘する有識者もおり、国民の間では更なる災害の発生への不安感が広がっている。

ついに来期、638年2月中旬より開幕する第三回国際スポーツ大会グロリアーナ大会野球部門で、ヨリクシ共和国代表が最後の練習を行った。

オープン戦(207回)ではリーグ暫定1位となったが、アルデロイト・ポポワ首相兼監督は「(本番は)蓋を開けてみなければ分からない。それだけに練習は積んできたつもりだが、課題も多い」と、得点力の低さを挙げた。両者譲らず、たとえ勝っても延長戦の末、という試合内容が目立つのは確かだ。

「序盤に得点して主導権を握れる試合が少ない。チーム方針が投高打低とはいえ、これではいけない。もっとクリーンナップが存在感を出さないと。一試合あたりの選手の負担も増える」と続ける。また、「本番は練習とは空気が違う。全ての相手チームが絶対的ライバル。相手の気迫に飲まれてはいけない」とも述べる。

しかしリーグトップである8連勝を例に挙げ「勢いに乗ることができれば(初優勝への)可能性は高まる。選手を信じている」とチームへの期待を垣間見せた。

今年に入り、国歌も旧世紀の野球球団歌「We love marines」に変更し期待十分。テレビでも代表選手の特集や応援歌を大々的に放送するなど、国民の関心も高い。ヨリクシ全土の期待を背負った公式戦は、来週から開幕する。

国民議会は368年1月20日、4年ごとの定期選挙を行うことを決定した。

634年10月に開催されて以来の2度目となる国政選挙。

アルデロイト・ポポワ首相は「(選挙は)4年間の総決算。国民に政策がどれだけ響いたかがポイントだと思う」とコメント。

建国以来舵取りを担ってきた与党か、その政策に厳しい批判を突き付けることで論陣を張ってきた野党か。この4年間の政治内容が問われる。

637年11月16日、カルセドニー島共和国とヨリクシ共和国との間で工業化支援協定が締結された。

アルデロイト・ポポワ首相は「近く工業国化を目指す我が国にとって大切な援助となるだろう」とコメントした。

637年5月3日未明、シュミト海の広域で大規模な津波が発生した。気象大気観測局が伝えた。

被害としてはクラ州沿岸部。農村に甚大な被害が出ている。死傷者は1万人に上るとみられる。

また早朝から訓練航海を行っていた遊覧船が沈没する被害が出たが、乗員は全員脱出した。

軍には出動命令が出ており、救助活動を行っている。また遊覧船に関しては海軍が展開している。

度重なる災害により国民の不安が高まっており、抜本的対策が求められている。

気象大気観測局は12月1日午前5時ごろ、コゼイン州とクラ州で地震が確認されたと発表した。

これまでのところ、コゼイン州の軍事工場、クラ州の農村で被害が発生しており、死傷者は7万人近くにのぼるとみられる。

政府は被害地域での救助のため、軍に災害出動を命令。また気象大気観測局では余震に気を付けて今後の動きに十分注意するよう呼びかけている。

11月21日、特別国会にて「ヘイトスピーチ・ヘイトクライム等の規制に関する法律案」が可決された。

施行は来年の7月1日よりとした。

この法案ではヘイトスピーチを「民族・国籍・宗教・ジェンダーなどをステレオタイプ化した上で、弱者を意図的に貶め、過激な差別的表現を煽り立てる組織的宣伝活動」と定義し、またヘイトクライムを「(上記の)差別や偏見に基づき行われる諸犯罪」と定義した。法案はヘイトスピーチやヘイトクライムを行った人物・団体・組織などに対して制裁を加えるもの。最高刑は懲役2年。対象は国内の事案にのみ適用される。また第三者機関として「ヘイト法制監視委員会」を設ける。

ヨリクシ国内では昨年ごろより過激政党による少数民族への著しい差別的発言とそれに伴う政党間の抗争が問題となっていた。

一時はセビーリャ問題の外交責任を問われ、首相の懐刀と言われたアーチスタン・ボルゴール通商大臣(当時)が辞任に追い込まれるなど、与党には厳しい時期もあったが、なんとか成立に漕ぎ着けた。

首相は法案成立後「長い戦いだった。人々の生活を言葉の圧力と憎悪で侵害することは到底許されるものではなく、民主主義国家として取り締まられるべき」と述べた。

投票結果は下院で有効票数400票のうち賛成327票、反対73票、棄権0票。上院で有効票数100票のうち賛成76票、反対24票、棄権0だった。

636年10月2日、気象大気観測局は北西シュミト海の沖合に、巨大隕石の落下が確認されたと発表した。

この隕石による被害は今のところ確認されていないが、同局は念のため北西部での津波に気を付けることとした。付近の海上を遊覧船が航行中であったが、波は感じたが被害はなかったという。また、ヨリクシ漁業協同組合でも落下地点付近を航行する船舶は無いとのこと。

隕石の落下は去年12月に引き続き2件目。

国内では、いつか陸地に落下するのではという不安の声も大きい。

5月30日、アルデロイト・ポポワ首相は「ヘイトスピーチ・ヘイトクライム等の規制に関する法律案」を下院に提出した。同法は国内の諸ヘイト問題を取り締まることが目的。国内では右翼団体「ラン・ジャパール」を支持母体とする極右政党「人民国粋党」による少数民族への暴言が問題となっていた。



与党内では既に賛成一致した同法案。「人民国粋党はこれまで議会の内外で排他的な言動を繰り返してきました。これに対して共産党、反ヨ戦線が応戦する形で議会が紛糾。まともな議会運営が危ぶまれたこともあります」(政府高官)。

そもそも反ヨ戦線の民族差別の主張に「そのような事実はない」と繰り返し述べて看破してきた現政権。しかしここに来て、人民国粋党の言動により虚構が事実となりつつあるのも事実だ。

「これらの政党は議会外でも抗議活動を行っています。特に今年に入ってからは過激化してきていて、刑事事件に発展することも珍しくありません」(同上)。

そんな状況に警察当局は従来の騒擾罪などで対処せねばならず苦慮していた。実際に警察保安省が法整備を強く求めてきたこともあったという。

また国内の暴動へ発展しかねないとの懸念もあり、財界・産業界からも働きかけがあったとみられる。



同法案に対し最大野党・労働党は「政府へのデモ抑圧の恐れは無いのか」と論陣を張る。

これに与党側は正しい法運用がなされるかチェックするための第三者機関として「ヘイト法制監視委員会」を設けることで応戦。

本法案は早ければ今期議会中に成立する見通し。

5月28日、ヨリクシ国防省は新たに海軍を創設することを発表した。創設は6月中旬の見込み。これで既に設置されている陸・空軍と併せて3軍体制が確立することになる。

昨年3月に臨時の海上戦力として編成された広域特種船舶部隊については「海軍が吸収する見通し」とし「人員については3軍で協議する」と語った。

創設式典は「現時点では延期する予定。国際社会に配慮する」と瓦辺戦争に配慮を見せた。