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2011
| 02
飛燕通信公社 天鶴帝国発信 | ||
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6月 27 (日曜日) 2010 | ||
国際通信紙 第十七号 | 03:50 | |
我らが祖国の輝ける指導者、天鶴帝万歳 【本日の紙面】 [国内]天川灯台が稼働 [国内]南夏電波塔の謎 [国内]国内工業の稼働制限へ [国外]混迷を深めるFERU =============================== [国内]天川灯台が稼働 我が国最大の港湾施設を備える伊津南海峡では、近年の食糧輸出の 急増に伴い領海内において最も船舶交通量の多い水道となっています。 大型の穀物運搬船の往来激しいこの海峡では船舶同士の接触事故や 接触を回避しようとして座礁するケースが絶えませんでした。 この問題に関し、国防省海運局は『海峡を航行する船舶を管制しうる 施設』として管制設備を備えた灯台の試験的運用が伊津南海峡北側に おいて行われています。 海運局の中間報告によると「現在のところ運用性に問題は無く、秩序 ある海上交通が実現している。」との事で、現在は今後も増加が予想 されている海上交通に対しより合理的で効率的な航路を提示できる 管制システム開発の必要性が示唆されているということです。 =============================== [国内]南夏電波塔の謎 都島西部にて発電所の増築に伴う工事の中で発見された用途不明の 超巨大電磁波放射施設について調査を行っておりました政府機関に より当該施設がかつてフリューゲルに存在した"南夏王国"によって 開発された電波塔の一種であるとする調査結果を公表しました。 100年以上の時を経てかつ無人でありながら現在も不明な周波数帯 の電波を発するこの施設は、通信施設ともECM施設とも言われています。 しかし前者の説は同様の施設が存在する南瓜共和国との交信が現状で 成功した例が皆無であり、また後者の説にしても現在天鶴国内で使用 されている電子機器に対して目に付くほどの電波的障害を生じる事が ない為にその存在理由については未だ仮説の域を出ていないのが現状 であるということです。 =============================== [国内]国内工業の稼働制限へ 世界的な燃料不足に伴い、帝国内政府は燃料節減の為に国内に存在する 工業系産業の一部生産施設に対しその稼働を制限する方針を表明しました。 これによる大幅な燃料消費の軽減が見込まれていますが、量よりも質 を頼り1の燃料に対して2以上の商品生産力を割り振る事に成功した 我が国にとって商品生産力の極端な低下も懸念されています。 当初は内政府内においてもソ・ラド・ツ・レゲーレン公国を始めとする 商品輸入国に不信感を与えかねない政策であるとして反対意見も多数 存在したとされ、辛うじて帝国議会に提出されたものの議会は紛糾。 最終的に議案は帝国議会の要請により招集された重臣会議によって 陛下の御前へと持ち込まれる過去にも例を見ない一大事となりました。 一昼夜を通して続けられた御前会議は「差し迫る燃料危機の中で 月間30億tに達する食糧輸出の維持を図る為には稼働制限も 已む無し」とする結論に至り、本件の公表が決定されたとの事です。 懸念された商品の輸出維持についても「輸出は維持できるのか?」 という陛下のご下問に対し外政府交易省の美ヶ島春樹長官が「絶対に 維持できます」とお答えする事によって帝国の商品備蓄量に全責任を 持つ事で大勢が決着したとされています。 =============================== [国外]混迷を深めるFERU 帝国外政府筋の情報によるとマグザム共和国を中心とする経済圏連合 FERUでは重度の燃料不足に端を発する経済恐慌の最中にあるとの 事です。民間経済学者の分析ではその原因は無秩序な開発により 悪効率のまま肥大化した産業とそれらによる天然資源の無為な消耗、 それに加え天然資源確保を焦った強引かつ強硬な外交姿勢に資源産出国 の反感を買うといった外交的失策にあると推測されています。 彼らは本件に関する結論として「FERUの現状はその設立理念とは 真逆にある」という共通の認識を示しFERUという経済圏の存在に 疑問を投げかけました。 また外政府国防省では本件に付随する問題として燃料不足による経済 停滞に対して何ら手を打つ事無く軍事訓練にのみ血道を上げるFERU のマグザム共和国や貴重であるはずの燃料を消費してまで砲弾の製造 を行っているシャイボ王国の動向を挙げて"万が一の事態"が起こりうる のではないかと懸念を示している事も明らかになりました。 この件について本紙の取材に応じた帝国国防軍のとある少佐は 「燃料不足による経済危機、焦った彼らが短絡的な行動に出ようと しているのではないかな?我々軍人は常に最悪のケースを想定して 動かなければならないからね…当分、家には帰れないかもしれないな」 と嘆息しながらも国防に携わる者としてその義務を全うする事を誓って おられました。 =============================== | ||
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