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Exquisite Dream  Exquisite Dream/極上の夢。ルーシェベルギアスの国営報道機関です。
9月 10 (火曜日) 2013
【シオン総主教庁への公式回答】 23:10   
【シオン総主教庁への公式回答】

・問い合わせ内容

17623:総主教庁 > 旧アヴァシンにおける信教の自由も本国に準ずるのでしょうか。 (シオン総主教庁)



・イニストラードの君主、ルティーナよりの回答

シオン総主教ユダ13世猊下へ。

わたくしルティーナは先日、アヴァシンの民の願いによりアヴァシンの君主となりました。その過程については先頃からの発表の通りです。

イニストラードの外交部は機能しておりませんので、アヴァシン教会から付与された君主大権として回答致します。

ルーシェベルギアスとイニストラードは援助国、被援助国という立場の差はありますが、本国、属国という関係ではありません。

両国は異なる歴史を歩み、周囲を取り巻く外交的立場も、使用言語も、法体系も、通貨も異なります。両国はその往来にビザとパスポートを必要とします。そしてその肝心な──宗教政策も異なります。



イニストラードはつい先日まで、長らく教会、宗教、信仰の権威による統治が行われておりました。新政府はその法体系を引き継いでおりますので、アヴァシン教会の教えが国教ということになります。

アヴァシン教会の教義はイニストラードの文化、生活の隅々にまで染みついており、彼らの世界観を構築しております。

現状に於いて、残念ながらイニストラードでは信教の自由は保障されておりません。ですが、布教を禁じるという法もありません。正教の信仰が受け容れられるかはともかくとして、宗教活動を行うことに問題はないと存じます。活動に当たってはシオンの地でゾロアスターを布教するかのような困難を伴うかもしれません。無視や無理解や偏見に襲われるかもしれません。それでもよろしければ、シオンの宣教師様を君主ルティーナの客人としてお迎え致します。

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【イニストラード(新アヴァシン)の近況に関する報告】 20:46   
【イニストラード(新アヴァシン)の近況に関する報告】



*1:ガヴォニーとイニストラード新政府

首都スレイベンを含み、多くの人口を擁し教会勢力の強いガヴォニーは、ルティーナ殿下の存在もありもっともはやく混乱から立ち直った地域である。

教会と信仰の権威のもと、ルティーナ・エルツ・ルーシェベルギアス殿下はイニストラードの君主として旧政府と各地有力者を統合しての新政府を形成した。ルティーナ殿下は現実的な政治手腕については持ち合わせてはおらず、その政策のほとんどすべてはアクアマリンのリエラ・エアリーヌ元少女王と、成蘭連邦王国の黒石治宗王太子、そして旧政府閣僚の助言と提案に従っているとされる。

ルティーナ殿下は専らパーティや会合などで有力者からの支持を集めている。殿下はイニストラード人の美的感覚から照らしても衆目美麗であり、流暢なアヴァシン語を話すために特に教会関係者や富裕層、知識人階級には支持が厚いようである。

今後、政治及び経済の安定と難民の問題への対処が終了次第、イニストラードは半鎖国体制へ移行する。国際連合への加盟を試み、国交は同君国家であるルーシェベルギアスと国連加盟国とのみ行われる。

教会指導者であるミケウスは月皇の地位から失脚してはいるが、投獄などがされているわけではなく、現地の新聞を通してルティーナ殿下への支持を表明している。



*2:ネフィリアと経済恐慌

恐慌の直接の原因はイニストラードの経済の中心地ネフィリアの機能不全である。イニストラードでは鎖国経済特有の金本位制の制度が取られていたが、金と銀の交換比が国際標準のそれと差異があったために大量の金が国外に流出した。アヴァシン旧政府は交換比の改定を試みたが、それは経済混乱を助長するだけとなった。日々の取引は停滞し、為替の決済は破綻した。商品があっても売れず、現金があっても買えない状況が何日も続き、情報や輸送も停止した。経済不安は地域の治安の低下を引き起こし、相次ぐ暴動が旧政府に止めを刺した。

ルティーナ殿下は旧政府の債務をすべて引き継ぐと宣言し、カベルネ・ソーヴィニヨンから実務者を招集して経済安定に当たらせている。



*3:ステンシアとウラン鉱

険しい山峡と羊飼いの地域であるステンシアはもともと人口も少なく、いわゆる田舎と呼んで差し支えない地域である。伝統的な自給自足の生活で成り立っていたこの地域は政府崩壊の影響をほとんど受けることが無かったが、外交という別の問題が同地域で燻っている。

ここでは開国に伴いラトアーニャ君主共和国の提案と援助のもと、ウラン鉱山の調査プロジェクトが予定されていた。旧政府の崩壊により頓挫し、イニストラード新政府は半鎖国政策の為にラトアーニャとの交渉を打ち切る方針である。

しかしながら世界的な燃料不足も背景にあり、ラトアーニャはウラン鉱山開発の権利主張を崩していない。



*4:ケッシグと難民問題

イニストラード最大の穀倉地帯。零細な農家が多く、今次混乱の影響をもっとも悲惨な形で迎えた地域である。開国に伴い流入した農作物の質と量は同国の数世代遅れた技術では太刀打ちができず、それは農産物の値下がりと同時に、技術や機械の導入、大規模化圧力による土地の招集、肥料他生活物資の値上がりにより農村は壊滅した。

大量の経済難民が発生し、その多くは近隣のスオミ王国に流入している。スオミでは保守的な宗教勢力がある程度の発言力を保持しており、難民の排除が真剣に検討されている。ルティーナ殿下はイニストラードの生命財産の守護者の肩書きをアヴァシン教会から付与されており、スオミ政府に対して難民政策の柔軟な対応を要請した。

農耕地は継続的なメンテナンスを必要とし、彼らの帰国とその生活の保護は急務とされる。

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