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Royal family story in Seiran

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2013/6/11 22:17
ゲスト    投稿数: 0

467年1月28日 AM10:16
国王は宮殿の庭園にあるベンチに腰掛けながら、先ほどの主治医の説明を回想していた。
「つまるところ、余命は幾何なのだ?」
主治医は国王から目を離さない、というか離せない。
「そうですね・・私の経験から考えますと5年でしょうか。もちろん誤差は生じますが・・.」
「手術を受ければ、余命は大幅に伸ばすことができると。」
「はい。しかし、ご説明した通りリスクも伴います。何分、国内では執刀を経験した医師が少ないもので。やはり、普欧やティユリアの大病院で手術をお受けになった方が良いのでは、その方がリスクも軽減でき・・」
国王は言葉を遮る。
「私は成蘭の人間だ。成蘭で手術を受け、療養することが成蘭人としての義務であり責任だろう。」
主治医は手元の資料を見ながら話し始める。
「仮に、成功したとしても声を失うことは必至です。また、視力、聴力も大幅に減退いたします。申し上げにくいことですが、陛下としての御公務はほぼ困難になりますが・・」
「構わん。その為に王位継承論争を焚き付けたのだ。」

今日は清々しい青空だった。外さないことで世界的に有名な、成蘭気象局の発表によると数週間はこの快晴が続くという。側でうつらうつらしていた侍従に呼びかける。
「君、執務机にある手紙をルーシェの治宗に渡してくれないか。渡航費用は私のポケットマネーから出そう。」
「私なんかでよろしいのですか・・・」
「君だからよいのだ。下手に護衛隊員や情報機関員に託せば面倒事になるのは必至だからな」
「では、休暇を頂いて、出向いてまいります。それはそうと、陛下。記者懇談会の時間が迫っております。会見場にご案内します。」
「そうだったな、では行こう。」

同日 AM11:00
宮殿内に設けられた特設会見場では記者たちが待ち構えていた。メディア嫌いで知られる国王が初めて会見に応じたということで、国内はもちろん、世界各国の記者も駆け付けた。
テロ対策もあって、武装した兵士が会見場周囲を警備しているが会見場の内部は比較的和やかな空気が流れている。
「陛下がご入室されます。ご起立でお迎えください。」
司会役の侍従総長が呼びかける。
国王は侍従数名と銃を携えた護衛隊員1名を引き連れ、入室する。中央にある椅子は記者席よりも一段高く、また威厳を漂わせる、まさに国家元首としてふさわしい座席だった。
国王が座ると、侍従総長が会見を始める。
「では、国内報道機関を代表して、成蘭時事通信の記者さんからお願いします。」
記者が手元のペーパーを見ながら、手を挙げる。
「先日、秋津に対する非難声明が発出されましたが、陛下にご報告等はあったのでしょうか?また、陛下はこの問題に対しどうお考えでしょうか?」
国王は即座に答えはじめる。
「事後報告ではあったが、首相と外務長官から経緯を含め説明を受けた。私は即位当初より原則として個別の問題には介入せず、全て行政府に任せている。首相がリーダーシップを取ってやっているのは非常に好ましい」
別の記者が重ねて質問する。
「陛下は秋津皇国に対してどうお考えでしょうか?また、どういう対応をお望みでしょうか?」
「どういう考えと抽象論的な質問されても困るんだが・・・」
だから、メディアは嫌いなんだとばかり言いたげな表情を浮かべながらも
「まあ、中立性というのを秋津皇国は重視しておられるようだが、中夏や秋津と不可侵条約を結び、主権尊重を謳っているのは他でもない我が国だけだろう。どちらかに肩入れすれば、一方に対する不可侵条約に違反することは明白なのだから、我が国が両国にとって中間の立場になると考えるのは自然であろう。」
外国人らしき記者が手を挙げる。どこの社か誰も知らないようだ。
「王位継承問題に関して陛下の御見解をお聞かせ願いたい。」
「今日は、その問題に関して触れないという通達を出しただろう!どこの社だ!」
国王は怒り狂う侍従総長の言葉を遮り、答えはじめる。
「王位継承順位というのは参考資料に過ぎない。ともすれば、第二王太子が継承するのも、あるいは傍系王室から継承者が出たとしてもこれは問題ないというのが私の持論だ。記者諸君の中には王位継承順位を絶対視する考えの持ち主もいるようだが、そんな前時代的な考えを改めた方がよいだろう。」
「陛下・・。とりあえずこの会見は打ち切りだ。この会見で陛下が発せられたお言葉は全てオフレコとする。」
国王は椅子に座りながら、騒然とする記者席を眺めていた。
この中にもルーシェ系の報道陣が混ざっているだろう。
「治宗に伝わったらよいのだが・・・」
国王の独り言は戸惑う侍従にも、頭を抱える侍従総長にも、そして携帯電話やパソコンで連絡を取り合う記者たちにも届かなかった。
‐続く(?)‐ 

(中の人 自己満足の文章です。文才なく見苦しい表現もあるかもしれませんがご容赦くださいませ。王位継承ssは鎖国終了後、いつか完結したいと思います。)

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2013/6/16 17:00 | 最終変更
ゲスト    投稿数: 0

473年7月2日 国王宮殿・特別室

早朝だというのに、侍従総長が慌てて駆け込んできた。
「陛下、このような記事が!」
ルーシェ紙、そして国内最大手の成蘭新聞の一面トップにルティーナ公爵と治宗第一王太子が接吻を交わしている写真が掲載されている。
国内でも人気が高いルティーナ殿下と将来の国王筆頭候補である第一王太子が恋愛関係にあるというのは以前から報じられているが、ここまで決定的な証拠が出ればもはや色恋沙汰では済まないだろう。
議会、行政府からも王位継承議論が噴出することはもはや免れまい。
「このままでは、王室の品位は失墜します。一刻も早くご決断を!」
侍従総長のいう「ご決断」とは恐らく第一王太子の継承権はく奪のことだろう。
「・・これを以って品位が損なわれたというのは考えすぎではないか。むしろ他国の君主と懇意にしていると考えれば、良いことだろう。」
国王は第一王太子を守ろうとするが、侍従総長にはそのような陛下の考えが理解できないようで
「申し上げにくいことですが、陛下のお考えは楽観的すぎます。それに、国王としての能力は第二殿下の方が優っております。」
国王は新聞を読みながら、秘めた考えを話し始める。
「近いうちに私自身がルーシェベルギアスを訪問し、第一王太子と面談しようと思う。もちろん、両国当局には隠密にした上での話だ」

473年2月15日 成蘭国際空港
国王から手紙を託された新人侍従はルーシェベルギアス行きの航空機を待っていた。
もちろん、公費ではないのでエコノミークラスだし入出国審査も外交特権は使えず、通常の観光客と同様だ。
「それにしても、まだかな・・・」
ルーシェベルギアス付近海域が悪天候の為、出発が見合わせとなっているのだ。
侍従は託された手紙を読んでみることにした。幸い封印などはされておらず、読んでもその形跡が残らないようになっていた。


ルーシェの生活はどうだ。警護隊員からは健康的に過ごしていると聞いているが・・
前置きが長くなっても仕方がないので用件を書いてしまおうと思う。
先月、医師団から余命5年を宣告された。ただし、大手術を行えば寿命まで延命することができるそうだ。ただし、国王としてはもう復帰できないだろう。
私は、最後まで国王でありたいと思う。だから手術は受けず天の赴くままに死を迎えるつもりだ。
そこでだ。次の国王を予め決める必要がある。お前も知っていると思うがかつて王位継承をめぐり血が流されたこともある。
二度とそのような事態にならない為にも生前決定する必要がある。
私はお前を次の国王として指名しようと思っているが、国内、とりわけ政治上の圧力がそれを許さない。
どうやら、王族の中でお前に反発する人物が動いているようだ。
お前が5年以内に、国王としてふさわしい働き、動きをすれば私は次期国王としてお前を推薦できるだろう。しかし、そうならなかった場合、お前は国王に即位できず、最終的には王族の地位も危ぶまれるだろう。
ルーシェに残るのもいいだろう、あるいは成蘭に帰国するのも一つの選択肢だろう。また、王位継承権を放棄するのももしかしたら幸福な選択なのかもしれない。
とにかく、お前が5年以内に「力」を示す必要がある。どうか、頑張ってくれ。
近いうち、直接会いに行こうと思う。それまでに答えを用意しておいてほしい。


どうやら手紙は書きかけのものらしい。まだ続きの手紙があるはずなのだが・・・
国王から渡された鞄の中を探るが、やはり他には手紙は入ってなかった。
「どうなってんだ・・・」
その時、アナウンスが流れる。
「お客様にお知らせ致します。ルーシェベルギアス行きに御搭乗予定のお客様、出発時間が迫っておりますのでお急ぎくださいませ。繰り返しお客様・・」
侍従は急いで手紙を片付け、立ち上がる。
「コネも推薦状もないのに、第一殿下に面会できるのだろうか・・・」
≪続く(?)≫
※外交、報道には全く影響しません。ゼッタイに。次の投稿は鎖国終了後になると思います。

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