エーラーン教皇国・クラーシェ誓約者同盟間の会談

エーラーン教皇国とクラーシェ誓約者同盟の代表者による会談は
エーラーン教皇国首都ペルセポリスにあるタージマハル・ホテルで開かれます。

クラーシェ誓約者同盟から、選帝侯の総代にして皇位継承予定者。
オルレアール候、シャルル・リュシー・オルレアールが出席。

この度、会談の場を設けて頂いた事、感謝申し上げます。また、教皇聖下、マリアリア妃殿下の間に皇子殿下が
誕生なされた事、同盟政府を代表し祝意を表します。先の大戦やカールスラント戦役以降、悪化の一途を辿る
両国関係ではありますが、この会談が両国関係の改善の切欠となる事を切に願います。

エーラーン教皇国からは国務省長官兼首席枢機卿である
ユルゲン・シュトイデ枢機卿が出席。

遠路はるばるようこそお越しくださいました。
お祝いの言葉を頂き、ありがとうございます。教皇聖下にもお伝えいたします。
この会談が実りあるものとなり、国際平和への一助となることを期待します。

それでは早速、本題に入りましょう。

先の大戦――我が国では、オセアニカ・アースガルド戦争若しくはフリューゲル世界大戦と呼称していますが、大戦以来、貴国と我が国の方針の違いや思想の違い等から
両国関係は冷めて行き先のカールスラント戦役では完全に対立する形となってしまいました。

我が国として以下の事が関係悪化の主要因と考えております。
・宗教に対する思想、若しくは捉え方の相違。
・国際平和に対する見解の相違。
またその過程で両国の外交代表が通信などで激しく罵り合う有様となり、これもまたひとつの原因ではないかと存じます。

我が国は宗教に関し特に規制を設けておらず、信仰の自由を認めておりますが
宗教に対する嫌悪感を持つ国民が一定数いる事も事実であり、評論家や我が国が任命した外交官が
そのような差別的な表現を用いた事について大変遺憾に思っておりました。
これに関しては同盟政府として正式に謝罪申し上げます。
また先の大戦や戦役において「国際平和とは何か？」という事に対し、貴国は貴国なりの、我が国は我が国なりの信念があり、
それが原因で対立が生じてしまったものと存じます。
従って、我が国は両国間交流を推進する事で国際平和に貢献する道を模索、共に国際平和を維持する路線を追求したく存じます。

貴国のお考えをお聞かせ下さい。

我が国としても大戦以降、特にカールスラント戦役以降に貴国との関係が疎遠となっていたことを憂慮しておりました。

我が国はゾロアスター教を国教とし、政府も教皇庁が兼ねているのですが、思想・信仰の自由は保障しております。世界中には様々な考えの人間がおります。宗教を嫌う者もいるでしょう。しかし、だからといって他人の信じるものを否定してよい事にはならないはずです。
貴国が宗教を差別する国家でなかったことに安堵しております。

我が国は国際平和を求めるのに、先進国による積極的主導を良しとしません。彼らは力を有するがゆえに独善的になりやすく、国際平和への道を見誤りがちであるからです。
我が国は、助けを求める者に手を差し伸べる。このような受動的先導を先進各国は行うべきであり、これこそが国際平和を実現する方法であると考えます。

貴国とパルシアが問題を抱えているようですが、これは我が国が関与するものではありません。我が国は助けを乞うものに道を指し示すのみです。

我が国は無論、宗教を差別する国家ではありません。
あの忌まわしきカルト、テロリスト集団たるシオン主教は徹底的に排除いたしますが、我が国に害をもたらさない健全かつ、ましてや長い歴史を持つゾロアスター教やその他の宗教を差別・迫害する理由などありません。

貴国の受動的先導のお考え、大変感服いたしました。
新興国が多い国際社会において、そのお考えは国際平和に大きく寄与するものでしょう。我が国も多いに見習いたく存じます。
その為にも、途絶えた両国関係を改善、国交を再樹立しまた軍事的な緊張を抑え国際平和に寄与すべく貴国との間に相互不可侵中立条約の締結を行うことを提案いたします。

パルシアは残念ながら、シオン主教による暗躍のためにパルシア国民は洗脳されてしまったようです。世界には多くの宗教が存在しますが、厳格なイスラム教を汚すパルシアや、由緒ある正教を穢す異端、シオン正教などが多く困ったものです。

貴国との国交樹立を歓迎します。両国の発展の助けとなりましょう。
むぅ、相互不可侵中立条約ですか…
我が国と貴国はこれまで正式な国交がありませんでした。それにも関わらず、いきなり条約締結とは、性急ではないでしょうか?
無論、我が国は貴国の領土の保全を尊重しますし、貴国との戦争は望むところではありません。
しかし、貴国の突然の提案を受け入れるには、あまりにもお互いが相手について無知であると考えます。
両国の交流が深まった後、時機を見てから改めてお話ししたいと思います。

国交樹立に感謝申し上げます。

そうですね、時期尚早やもしれません。それでは、この話はまた後日ということにいたしましょう。
今回の会談で両国関係が改善された事、うれしく思います。