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ティアラ・タイムズ  
5月 20 (月曜日) 2013
【社説】スオミ情勢分析 01:41   


【社説】スオミ情勢分析

フリューゲル暦470年4月初旬、

スオミ情勢を巡る緊張はミッドガルド帝国のスオミ進駐を受けて最大限に達した。



今回のミッドガルド帝国の進駐は非常に不可解なものである。

1度は局外中立を宣言しておきながら、またアクアマリン王国側から再三の介入を慎むよう要請を出していたにも関わらず、

突如としてスオミ王国と相互防衛条約を締結するに至った。

条文を見てもミッドガルド帝国がバルト海に介入する意図があるのは明白であり、

平時にも関わらずスオミ国内に部隊を展開させ緊張を煽っているのはその証拠である。



バルト海問題は普欧帝国を主導としたバルト海協定の締結を持って終焉へと向かう所だっただけに、

政府はスオミ王国に対して不快感をあらわにしている。

そもそも、バルト海協定交渉中からスオミ王国とミッドガルド帝国の間では頻繁に機密通信が行われ、

一時期は両国の観光者通信が機密文章で殆ど埋まると言う異常なものであった。

これは、スオミ王国の二面外交の証拠であるばかりか、事態収束ではなく、

事態拡大を狙ったミッドガルド帝国とスオミ王国の姑息なる陰謀に他ならないものであると断罪する。



また、政府は公表を控えているが、

同時期に突如強気になったスオミ王国側から脅迫めいた要求があったと言う噂があり、

これが真実であるならば、ミッドガルド帝国の後援を得て反転攻勢に転じたと見るのが妥当なところであろう。





軍事評論家のグレゴリ・マッカバーン氏は以下の様に分析する。



今回の事態は地球で発生した第2次世界大戦開戦直前と非常に似たような情勢であると言える。

バルト海協定をミュルヘン条約とするのであれば、今回のスオミ進駐はミッドガルド帝国によるチェコスロバキア併合に等しい行為であり、

ダンツィヒ要求に等しいものがスオミ王国側からの脅迫である。

ナチスドイツがミッドガルド帝国に該当するなら、スオミ王国はその尖兵たる傀儡政権スロバキアであろう。

スオミ進駐が行われた時点でスオミ政府はミッドガルド帝国の傀儡となったと見るのが妥当だ。



対するアクアマリン王国はいわばポーランドに等しい。

普欧帝国は第二次世界大戦ではポーランド独立保障に該当するアクアマリン王国に対する安全保障確約を出しているし、

聖マズダー教国はアクアマリン王国と生死を共にする覚悟を既に示している。

さしずめイギリスとフランスと言ったところであろうか。

反スオミ姿勢が強いノ連は暫く直接的な介入は無いと思われるが、これこそまさにアメリカの位置に該当するであろう。

開戦するとなれば、普欧帝国と条約を結んでいるティユリア連合王国、中夏民国も連鎖的に

参戦する可能性が非常に高いだけに、1歩間違えれば大規模戦争になりかねない危機的状況である。



ナチスドイツことミッドガルド帝国はATO内でも孤立気味であり、

イタリアに該当する国の支援も無ければ、大日本帝国に位置する味方のいない状態である。

政府筋の情報では既にATO2カ国が外交ルートを通して中立を宣言しているらしく、如実にATO情勢を表している。

こうした不利な状況の中、ミッドガルド帝国が孤立無援の暴走を続けるのか、それともスオミ情勢から手を引くのか私は注視している。



ミッドガルド帝国にすれば今回の行動はオストマルク民主連邦への宣戦布告で失墜した国際的な立場を

巻き返す狙いがあったのであろうが、

このまま介入を続け開戦になったところでミッドガルド帝国に勝ち目はなく、

スオミ情勢から手を引いたところで1度は手を貸したスオミ王国を見殺しにすることなる。

何れの選択をしてもミッドガルド帝国の更なる国際的立場の失墜は避けられないはずだ。



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