477年7月11日発行

【政治】混迷する国内情勢

476年3月に大総統府より発令された政党統一令以後政情は不安の一途をたどっている。

５月には野党が立法院にて大総統令の無効決議を採択し、11月には政権側のカウンターとしてクーデターが発生した。

そして先日天杏門広場で行われた共産党議員主催による反政府集会に国軍戦車が突入しついに流血の事態に至った。

集会の内容は政府による諸外国への恫喝外交、度重なる借款と財政赤字への批判、議会の再開を促すものであったが、次第にエスカレートし、現政府打倒を叫ぶ声が大きくなった。

戦車が突入したのはちょうどその時であった。ある集会関係者は「群衆の中に当局の人間がいて、その人間の合図であろう」と語る。



【政治】李政権の支持率が39％に急降下

【政治】共産党本部で党職員が治安当局と乱闘。

【国際】フリューでクーデター。政府は即時承認。共産党「革命の第一波として中夏革命の船頭とならん事を」

【政治】立法院選挙国民党大敗。PAPが躍進で単独過半数獲得

74年11月9日立法院総選挙が行われ、人民行動党が単独過半数を獲得し、単独政権の樹立が確実となった。

一方でこれまで政権与党であり続けた国民党や旧人民政府を構成していた共産党は国民の支持を集めることが出来ず大敗。両党とも議席数を半数近く失い、立法院における中級政党となった。

その他、民進党、帝政党が若干数議席を伸ばし、一定の勢力を保っている他、史上初の無所属議員が誕生する等、今回の選挙は異例続きの展開となった。



（定数800）

()は選挙前の議席数



人民行動党 403(170)



国民党　131(240)



共産党　112(241)



民進党　103(92)



帝政党　29(26)



民族統一戦線　25(31)



無所属　1



【政治】首班指名選挙、PAPの陳福通氏が氏名される。



【国際】李大総統が秋津からの撤兵を明言。75年3月を目処に実施。



【社会】大総統府、対ゾロアスター教徒特別取締体制の解除を命令

大総統府は秋津諸問題に関して以下のような談話を発した。



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昨今東方にて主に政情が安定しているのはひとえにEC等域内安保及び経済連携の強化の成果であると我が国は確信している。

そもそも秋津皇国をこれまで支援してきたのは混乱に喘ぐ秋津列島に統一政権をもたらし、秋津人民に平穏をもたらさんとしたためであり、それこそが我が国にとっての、また、東方諸国に取っての利益につながると考えたためである。

秋津が混乱に至っている間、我が国沿岸には秋津系の海賊船が頻繁に出没し、その取り締まりを要請する秋津国家が混乱にあっては我が国としては当然同国の政情安定のために統一政権を樹立を促進する必要性に迫られていたという理由もあるが、それよりも隣人の困窮する姿を見て助け舟を出さないというのは東方の安定を掲げるEC加盟国としてどうなのか、という焦りが最大の要因である。

また、秋津現政権も、政権奪取という最大限の利益を得た上に、我が国との交易黒字や無償援助で少なくない国益を得ていたはずである。それを我が国の外交姿勢のみをもって断固批判し始めるというのは往々にして恩を仇で返すがごとき愚挙としか言いようがない。

また秋津皇国は我が国を強引な外交をしている東洋の暴君と罵倒しているが、秋津皇国こそかつては華夏大陸及び龍鮮を侵略し、直接支配下においていた「悪の帝国」ではなかったのか。鼠壁を忘る壁鼠を忘れずというがこれほどまでに健忘症が激しいと我が国としても憤慨を通り越して愕然とするばかりである。

さらには盟邦普欧を、ノ連からの軍事援助で恫喝しようとしていたことは普欧国民に取っては記憶に新しいことだろう。その外交姿勢は場合によっては世界大戦を誘発するような政策である。幸いノ連も普欧も良識的な国家であるが故に最悪の事態はおこることはなかったが、これは世界平和に対する重大な挑戦であると我が国は認識している。

我が国の故事には「天網恢恢、疎而不失」という言葉がある。身の程をわきまえぬ「虎の威を借る狐」はいずれ自らに災いを呼び寄せるであろう。

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【政治】立法院選挙が大総統選挙と同時実施が決定

【国際】王大総統がルーシェベルギアスに出発

【政治】安瑞蘭元国家主席が刑を待たずして獄死。共産党政権最後の大物逝く。

【政治】李首相が民族自治法改定案を立法院に提出。公約の「連邦制実現」の第一歩となるか。

今月王大総統が来年の任期満了を機に勇退を表明。

33年間にわたる王政権に終止符が打たれることになった。

王大総統は440年に国民政府主席に就任。(440年9月20日～462年10月15日)462年に共産党との内戦に勝利し臨時大総統となり、463年から正式に大総統として政権を担当してきた。33年という長期政権の間に中夏民国は世界の大国の一角として急成長し、国民からも愛され続けてきた。しかしその間に政権内部の腐敗度が上昇し、民政をおろそかにしがちという批判も相次ぐようになってきている。



特集「次期大総統候補たち」

王大総統の引退表明に伴い、後継者候補が積極的に政界で活動を行っているようだ。今回は有力候補をピックアップし、分析していきたいと思う。



・王恵月大総統府首席秘書官（無所属）

王賢之大総統の実子で有力候補の一人。普欧への大学留学も経験しており、実務に直接かかわっているだけにその能力は高いと思われる。

しかし年齢が17歳で被選挙権ぎりぎりと若く、また、権力の世襲という批判も免れないだろう。

普欧への留学をしていることから外交政策では普欧寄りの政策を重視している模様。



・李マリア=クリステル泰北市長（人民行動党）

李クリスティアン首相の一人娘で安京総合大学出身。こちらも25歳と若いが、泰北市長として辣腕を振るっていることもあって政治経験は充分。

また、「美しすぎる市長」としてメディアで紹介されるなど知名度も高いので選挙戦で有利な要素を持っている。

マイナス要素としてはぜんそく持ちで健康面で不安があるという点が指摘されている。

ノ連で生まれ育った経緯から同国への思い入れは強く、外交政策に影響を与えるものと思われる。



・馬隆奇（国民党）

現副総統で大総統の側近。知名度が高く、現職で政権中枢にいることから政界での地位は高いが、スキャンダルが多く国民からはすこぶる不人気なのがマイナス要素。

外交政策は王大総統のそれを引き継ぐものと思われるが、以前から対外強硬派で知られており、マズダーへの宣戦布告もかつて主張していた。

記者：本日はよろしくおねがいします。



陳：よろしく



記者：早速ですが、陳教授は先日ご自身のブロウでアクアマリン企業の格付けに関して公平性に描いていると指摘されましたが。



陳：ええ、はっきり申し上げまして、参考資料にすらならないと思います。まず第一に評価の基準が曖昧かつ不明瞭。また、アクアマリンの評価が実際の国力以上に過剰に評価されている点を鑑みまして、これは国際的評価に値しないプロパガンダという見方が強いのです。



記者：たとえば外交の欄では最高評価を付けておりますが。



陳：自慢の超一流の外交力があるならばスオミとの交渉ももっと円滑にいっていると思いますよ。そもそもこれから友好を結びたいと言いながら我が国への災害に弔電一つ送ってこないのは外交手腕があるとは言えませんけども（失笑）



記者：経済欄では我が国の評価が低いという指摘がありますね。



陳：一方で秋津は我が国よりも高いですね。確かに我が国の経済は先進国家の中では高いとは言えないでしょうが一時的な備蓄だけで経済を語るのもちゃんちゃらおかしい話です。そもそも生産性というものを無視しているんだからこれを作った人は経済というものを知っているのか甚だ疑問です。



記者：ご意見ありがとうございました。またよろしくお願いします。



陳：お疲れ様でした。



【国際】アクアマリンが我が国を名指しで「三流国」と侮辱。政府、同国へ勧告。

アクアマリン王国による我が国に対しての侮辱行為が政府内で大きな話題となっている。

商務部の先日のアクアマリン企業に対する批判表明に対してのことであると推測されるが民国政府は午前中の行政院閣議で同国政府へ厳重に抗議するとともに適切な措置がとられざる場合の措置を検討すると発表。

情勢は一気に緊迫化する運びとなった。

465年7月13日、アラークィ・サッダーヴォ陸軍大将らが座乗する航空機が安京国際空港に着陸し、我が国への亡命を申請した。

サッダーヴォ将軍は本国における政争に敗れ我が国に亡命したとの見方が強いが、先日マズダーで勃発した青年将校による反乱を支持していたとされ、首都警務部では取り調べを行っている。

王耀外交部長は「高度に政治的な問題であり対応を慎重に検討したい」と述べている。



【政治】王大総統が国民大会欠席。

大総統府は王大総統が国民大会を欠席すると発表。国民大会における大総統権限は馬隆琦副総統が代行するものと思われる。



【社会】第二次衛星打ち上げ計画

科学技術部は第二回衛星発射計画が政府内で検討されていることを発表。来年度中にも打ち上げが行われると思われる。今回の衛星は地殻観測衛星であり、この打ち上げが成功すれば津波地震などの災害の脅威から我が国は守られることになる。

現地メディアの報道によると464年7月14日未明　救世陸軍ミサイル基地から多数のミサイルが発射された。ミサイルが到達したのは国の中央部の農村地域の広範囲に及び、死傷者はあわせて150万人以上と推定される。



死傷者の中には中夏民国国籍の観光客も多数含まれているという情報もあり、現地大使館は情報収集及び法人の保護活動に追われている。

現地の張慢正大使は大使館付近に着弾したミサイルの破片で負傷したものの命に別状はなかったとのこと。また、詳細な安否情報は不明だが現在確認されている分の死亡者リストが一部公表された。



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閑西省　李源基(67)　貿易会社社長

直隷　陳福龍(29)　ロックバンド歌手

節江省　史丁功(33)　自営業

安京市　謝英仙(42)　会社員

安京市　朱鈴蘭(38)　主婦

安京市　謝元友(12)　小学生

安京市　謝元棟(7)　小学生

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現在死亡が確認されているのは以上の７名、情報が錯綜しているが、現地に知人や親族が渡航している場合、今後の情報に留意するように心がけてもらいたい。



【国際】龍鮮国王在位20周年奉祝式典開催される

龍鮮国にて朴安哲国王の在位20周年祝賀式典が開催され、各国から多くの要人が集まった。

我が国からは王賢之大総統が安京国際空港から京城空港に政府専用機で向かった。

王大総統は現地で朴安哲国王に祝賀の挨拶を交わしたあと王族並びに現地の要人らと歓談し終始和やかな雰囲気だったという。

大総統は祝賀式での祝辞で

「歴史と伝統ある万世一系たる龍鮮王家の今後の繁栄をお祈り申し上げます」と述べている。



【国際】王大総統が邦人死亡事件に関して声明

龍鮮国王奉祝式典に出席している王賢之大総統は今回の邦人死亡事件に関して以下の声明を発表している。

「非常に心が痛む事件。犯人は決して許されないし、いやしくも国家機関に属する人間が『異教徒殲滅』などという前近代的理由で多人数を殺傷するということは決してあってはならない。宗教とは人を幸福に導くものだ。それが人を不幸に導こうものならばもはやそれは単なる危険思想である。亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げるとともに、今後このようなことのないように現地当局には鋭意努力してもらいたい。」

最高法院は旧広州祆教軍閥首魁マルセル・フンク以下30名を反国家分裂法違反で告訴しこれを裁判し、死刑判決を下した。処刑は翌日執行され、30名は銃殺刑に処された。

まず反国家分裂法とは諸外国で言う反乱罪に該当する。反乱や国家分裂を取り締まらない主権国家は存在しないであろう。

我々は最高法院という正規の司法機関で裁判を行いその最高司法機関で我が国の法令に照らした上で死刑という判決が行われたのである。

無論これは今後旧共産党幹部にも適用されうる。裁判中に被告らがよく口にしていたが、「我々は宗教を掲げているから見逃してくれ」などとはあまりにも虫の良すぎる話である。

そもそも祆教教徒は広州全人口の1％にも満たない少数派である。その少数派が99％の異教徒を一方的に支配し、広州で祆教徒の国家を作り、さらにマズダー国の属領にするというのは民主政治の歴史的観点から言っても全く正統性がなく、侵略だと非難されても何も反論出来なかろう。

さらにマズダー政府は「華夏人は～」などとレイシズム的発言をはずかしげもなく行った。血のみを以てその民族全ての思想信条に関係なく一括りにしてレッテルを貼る行為こそレイシズムである。慈愛を掲げて設立した教団が同じ口でこのような発言を行う等とは我々ならば恥ずかしくて自殺するレベルであるが、まさに厚顔無恥とはこのことであろう。対して我々が行ったのは反乱を実施した前科を持つ団体に対する予防的措置及び処分でありこれは区別と呼ばれる。これすら理解出来ないのならばまずは国際共通語を高等教育に導入すべきであろう。

元々祆教徒が共産党政権時代に高度な自治まで与えられてかなり優遇されていたことは、我々国民政府の調査でも明らかであるが、そのなんの不満もない状態で分裂騒ぎを起こしたということはやはり野心があったとしか見ることは出来ないし、「圧政下の祆教信者保護」という名目での保護領化もまったく言い訳にもならないのである。

以上の事案をもって今後我が国において祆教教団による布教活動は許可することはできないであろう。

国民党軍は北西部閑陽近郊にて共産党軍と戦い、10万の犠牲を出したものの、閑陽の占領にまでいたらなかった。

これにより４月以来続いていた国民党による攻勢が頓挫したことになる。

また、泰湾海峡での海戦で共産党海軍が勝利し、制海権を取得した。泰湾の国民党勢力はこれで大陸との連絡を絶たれ孤立したことになる。

しかし一方で、東進する国民革命軍第3軍は進軍を続けており、紅京から約3キロ地点にまで到達。近日中にも市街地への攻撃が行われる見通しだ。しかしながら、共産党中央政府は既に商安市に拠点を移しており、首都を攻略して内戦が終結するという楽観視はできない。



【国内】広州教団国家が国民党へ承認を要請

広州の祆教国が国民政府への主権承認を要請した。国民政府は「自治」の約束をしたが、独立容認は明言せず、また、祆教政府に対して兵力及び物資の供出を要求した。

昨今問題となっているフリュー問題であるが、フリューソビエトの支離滅裂ぶりに党首脳は多いに呆れている。

まず彼らの人民は現在の生活に満足しているという主張の根源となっている人民の幸福度、これはすでに極端に低下し破綻、即ち完全に論破された。

次にフリューの産業力、これはまったく話にならない。今まで何をしてきたのかと言わんばかりの能無しぶりである。きちんとした社会主義理論に基づいた計画経済を展開していれば少なくともオストマルクレベルの工業国にはなっているはずである。

インフラに至っては最悪だ。社会投資はほとんどなされておらず、国民の識字率は20％前後と非常に低い。さらに電力もないと来たものだ。かつてレーニンは電化こそ革命の推進力となると言ったが、それすらも彼らは理解していない。いや、理解していないというよりはそもそも彼らは資本論を読んだ事があるのであろうか。まあもっとも、読んだ事があるのであればこのような愚策は行わないのであるが。

以上の事を持って、華夏共産党はこの怠惰な自称革命家、基、ルンプロ集団「フリュー共産党」を断固批判し、かれらに自己批判を促す。



【国際】フリューソビエト書記長銃撃さる。外交部長「今までのツケが回ってきただけ。自業自得である。」



【政治】朱総理退任。新総理に国民党主席の王賢之氏が就任。連合政府は改憲作業に着手。