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ヴェールヌイの報道  ヴェールヌイ社会主義共和国メディアの報道を集約して紹介
6月 26 (月曜日) 2017
共和国の対ノ宣戦について(ブルースター紙論評) 21:54  ヴェールヌイ社会主義共和国 
【共和国、対ノで初の海外武力攻撃か】

~性急な攻撃参加に疑問符・共和国はスラヴ主義を支持するのか?~

720年7月中旬、共和国はノイエクルス自由国に対し宣戦布告することを声明した。政府は声明の中で、先のガトーヴィチ帝国によるノイエクルス連邦への宣戦に伴って、北ヴォルネスクも含む当事国の被害が予想される中、紛争の早期終結を目的として参戦する趣旨の説明を行っている。共和国は過去にも、フランドルの化学兵器使用問題で、関係国によるフランドルへの武力攻撃が予想される中、これを回避する目的で同国に便宜上宣戦布告し国際調査等を支援、結果として関係国の損失を防いだ例があるが、今回は当時と状況が大きく異なっている。政府は平和解決努力を働きかけるとしながらも、同時にノイエクルス連邦軍の無力化を言明しており、ガトーヴィチに追従しての"武力攻撃ありき"の方針とみるほかない。建国以来の平和外交路線を大きく逸脱した急転直下の宣戦は、多くの人民大衆にとって理解に苦しむものではないか。

そもそも、スラヴ主義を掲げて近年急速に民族主義が政治外交の意思決定に強力に作用するようになったガトーヴィチの目指すものは、北ヴォルネスクにおけるインフラ問題や人権問題が事実でこそあれ、つまるところ特定民族の優越を企図した多民族国家への分離・吸収工作なのであって、あまつさえそれを武力を用いて達成しようという企てに与する事は、共和国の純粋社会主義を軸とした国家主義思想とも、平等なる国際協調を推進する立場からも反していると言わざるを得ない。

共和国は、ここ数十年にわたって政治経済外交ともに鈍化が問題視され続けており、近年では大規模暴動が首都圏で見られるなど一時的混乱に見舞われた。ガトーヴィチ発のスラヴ主義の喧伝が、積もる不満に火をつけ、人民大衆の一部を動揺させた事は事実だろう。政府が今回の声明の中で、本事態が"人民の強い関心下にある"ことをあえて付け加えたのも、昨今の国内世論に配慮した結果だといえる。だがしかし、人民大衆の大多数がスラヴ主義に傾倒している事実はないはずであり、党と政府もそれは望まないはずである。にも拘わらず、ガトーヴィチに追従した対ノ宣戦はなんであるのか。我々が望むのは、地に足ついた理性的外交努力による、国際の友人たちとの平和的協力関係の拡大であって、その姿をもってして社会主義共和国の尊厳を守り高めることではなかったか。(ブールスター紙)
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