共同管理区域クイーンズ統治委員会

　国際法による裁定（管理人裁定）が下されましたので、速やかに共同区域クイーンズに対し面積を安全基準まで削減するように指示を行いました。指示に従わない場合は、駐屯軍に陸地破壊弾頭搭載のミサイルを無人の荒地に発射するよう命じ、これによって面積削減を行います。貴国の強力な軍隊による支援があれば尚早いものと考えておりますが、強制敗戦に伴う国際法上の処理がどのようなものになっているのか（エーラーン教皇国がこのまま共同管理区域クイーンズに陸地破壊弾を発射しても問題ないのか）、不透明ですので、一先ず指示に従わない場合は我が国の駐屯軍に行うよう指示するものとします。
　大フリューゲル帝国政府の残党によって構成されている同地における自治政府を僭称する輩については、これを速やかに掃討するよう駐屯軍に指示した所であります。

　貿易については、面積基準の削減完了及び今後の統治方針（開発及び統治形態）を委員会で決せられれば、駐屯軍に命じて治安の安定を確保した上で、速やかに貿易を行えるようにしたいと、このように考えております。同地の開発及び統治形態について、如何なる考えをお持ちでしょうか？
　我が国としては同地において、民主主義の種を撒いたとしても、すぐに食い荒らされてしまうか、或は枯れ果ててしまうものと考えていますので、ある程度強権的な、統治委員会が指導を行う政府の樹立も止むを得ないのではないかと考えております。同地の教育水準は大変低く、そのために斯様な事態を引き起こした訳でありますから、現代的な道徳観ですとか、倫理観ですとか、"人"として最低限必要なものを身につけさせた上で、フリューゲル世界の平均から考えると最悪かつ最低に近い知的水準の底上げを行う事が必要でしょうから、両国の間で官僚等を派遣して同地における教化に努めるべきではないかと、このように考えております。
　開発については全土の掌握が完了した後、調査を行い必要とされる産業を育成するよう指示を行えば良いものと考えております。

　地盤沈下を防ぐための方法として、陸地を抉るほどの能力を持った兵器による攻撃を行うことが考えられます。このような兵器の使用は倫理面から極力避けたいところではありますが、場合によって地盤沈下阻止という人道的な使用も考えられるでしょう。
　貿易規制に関しては、貴国のお考えはもっともであると思います。できるだけ早く外国人の安全が保障できるようになり、健全に貿易が再開できるよう我が国は最大限の努力を行う所存です。

　我が国も貴国と概ね同様の見解を有しております。旧大フリューゲル帝国の政府は政府の解体を未だに行わず、それどころか自治政府を名乗り、クイーンズの支配を思うがままとしています。
　我が国がクイーンズ領海に展開している艦隊からの報告によれば、条約の履行を渋るばかりか、自治政府を僭称する輩は国際的な面積安全基準（地盤沈下が起きないライン）を大幅に超過する国土の開発を行っており、この目的が地盤沈下を何等かの方法で人為的に引き起こし、同地の善良な市民を自然災害を装って虐殺することにある事は疑いようもありません。最終通告の後、尚従わないようであれば、軍事力の行使も念頭に入れる必要があると存じます。

　経済については、恐らく貿易規制に関する条文を指すものであると愚考しますが、同地の統治権の完全掌握後、速やかに貿易を、どのような形であるかは別にせよ、再開させる事に異論は御座いません。現行の状態で再開させる事は外国人の安全を保障出来ない以上、消極的な立場であります。

最優先事項は今回の騒動を引き起こした政府の徹底的な解体です。我が国の立場としては、今回の元凶はあくまでも政府であり、ほとんどの民衆には非はないものと考えております。したがって、民衆の生活に大きな影響を及ぼす恐れがあるため、統治委員会が強権的に経済に介入することには消極的であります。

なお、我が国は現在も戦争状態を継続しており、いつでも実力の行使をすることが可能な状態であります。本統治委員会の意向が反映されないようであれば、即刻軍事力を動員する用意があります。

　エーラーン教皇国による委員会設置への賛同に謝意を表するととも、この場を用いて戦後処理について話し合いたいと考えます。
　連邦政府からは、アルフレード・ヴァンタドゥール外務参事が本会議に出席いたします。

・同地の今後の方針は如何様にすべきか？

　一先ずはこの議題で参りましょう。ビツィンガー枢機卿猊下の見解をお聞かせ願いたく存じます。