神桜帝国における虐殺疑惑の調査報告書

我々レゴリス帝国政府は神桜帝国における虐殺疑惑の調査が終了したた事を発表すると共に、調査団が纏めた調査報告書を国際社会に公表するものである。
以下が調査報告書の内容である。

　当事国を一切排除した、公平かつ中立な立場からの調査を実施した結果、神桜帝国における虐殺疑惑は事実でないと結論付ける。
　確かに同国において「演習場」は設置されたが、有人型演習場ではなく都市、住民に可能な限り似せた演習施設に過ぎない。仮に有人型であり、住民が虐殺されたのであれば同国の在外公館は亡命者であふれかえっていることだろうし、家族を失った神桜国民が反乱まではいかなくても、何らかのアクションをとるはずである。現在、そのような状況が起きていない以上、同演習場で実際に人民が殺戮されたという主張に根拠は乏しい。
　そもそも、神桜帝国に住民を標的として虐殺する動機がない。同国は外国からの難民を一切受け入れておらず、虐殺をするのであれば自国民を殺害することになる。ここで、自国民を軍事攻撃で殺害した場合、政府への怒りはもちろんとして経済力への悪影響も計り知れないだろう。政府がわざわざ経済的自殺を試みる理由は全く存在せず、また、何ら根拠が示されていないのは言うまでもない。
　また、政府ぐるみでの数値の操作も確認された。この点について、経済指標の改ざんに及ぶ可能性も否定できず、国際的非難を浴びることは避けられないだろう。とはいえ、前述したとおり、虐殺の事実が存在しないのだからこれを以って虐殺の証拠とするのは不適切であり、数値操作問題は別問題として非難されるべきだろう。
　以上より、我々、レゴリス帝国政府調査団としては虐殺疑惑が事実ではないと結論付けるものである。