ローレル共和国・アルビオン連盟王国首脳会談

674年12月15日、アルビオン連盟王国女王メアリー3世はローレル共和国首都ラウーヌ市を電撃的に訪問した。

メアリー3世：初めましてリルール大統領閣下。元首として貴国を最初に訪問できたことを光栄に思います。

エレーヌ・リルール大統領：初めてお迎えする外国要人が女王陛下であること嬉しく思います。諸国から頂いた援助物資や資材があちこちにあふれかえっておりますので、足元にお気を付け下さい。

メアリー3世：おっとこれは失礼。これらの物資が早く帰国のためになることを切に願います。さて、外は寒いので中に入りましょう。

メアリー3世：まずは建国おめでとうございます。王国臣民一同を代表して祝賀の言葉を述べさせていただきます。まず貴国に置かれましてはつい先日いずれ諸国から経済的に自立していくことを述べられておりました。非常に良いことです。資源国に甘んずることなく向上心を持つことは国民全体の士気にかかわることです。ましてや貴国のような勤勉な国民がこれから国家を建設していくのですから発展はそれほど日を待たずに達成されるでしょう。そのために我が国は貴国に対して惜しみない支援を行いたく思っております。昨今事実上のひも付き援助を行う国が横行しているようですが、我が国は王道を歩むという国是から掛け値なしの支援を行いたく思っております。借款や融資や条件付き援助だとどうしても財布の中身が気になりがちです。財布の中身を気にすることなく開発に専念してもらいたく、かねてより打診があった支援協定についてこの場で提案させていただきたく思いますがいかがでしょうか？

エレーヌ・リリール大統領：
女王陛下の温かいお言葉、是非とも国営放送で国民に知らせたいものです。きっとアルビオンに対する親近感が増すことになるでしょう。
さて、支援協定について既に実務者協議で一定の合意形成がなされているものと思いますが、重要な二国間協定で万が一にも相違があってはなりませんのでこの場で確認致しましょう。

メアリー3世

光栄なことです。後ほど議会を表敬訪問させていただきますのでその際の演説中にでも引用させていただきますわ。

では実務者協議中の貴国のご指摘を受けた修正案を提示させていただきます。

ローレル共和国とアルビオン連盟王国の通商及び航海に関する条約

ローレル共和国とアルビオン連盟王国は相互の主権を尊重し、円滑な通商及び交通保護を実施するために以下の条文に合意した。

第1条　本条約はローレル共和国とアルビオン連盟王国（以下締約国）との間に締結される通商及び交通保護を実施するための条約である。
第2条　締約国は相互の主権を尊重しなければならない。その上で、円滑な通商を実施するべく締約国の施政下の領域において相手国民の生命・健康の安全を確保すること、財産への不当な干渉を防止するために必要な法的措置の実施を義務付ける
第3条　締約国は自国の主権の及ぶ範囲において自国の法令に基づいた商工業活動を保障する。
第4条　締約国は一方の締約国国籍の船舶及び航空機が主権の及ぶ領域を通過するにあたってこれに対する活動を阻害することはできない
2項　上記の交通手段について、締約国の軍籍に属する者に関してはこの限りではない
第5条　締約国はもう一方の締約国に対して最恵国待遇をもって接しなければならない。
第6条　いずれの締約国の国民も一方の締約国政府から不当な迫害を受けることがなく、また、自国領内において人道的見地に基づいた保護活動を速やかに実施する。

この条約は批准されなければならない
条約は〇年〇月〇日、ローレル共和国ラウーヌ市大統領官邸において調印された。

ローレル共和国のために

アルビオン連盟王国のために

付属議定書
アルビオン連盟王国はローレル共和国が自主的な開発を実施できるように以下の項目を実施する。

一、アルビオン連盟王国は開発に関してローレル共和国の要請があった場合に限り助言を行う。ローレル共和国は助言に関しては参考程度にとどめ、最終決定権はローレル共和国政府に属する。
一、アルビオン連盟王国は、定期的（６T毎）に1兆Vaの経済支援を実施する。この措置は、ローレル共和国が自立できたと判断した時期まで行われる。資金は返済不要である。
一、アルビオン連盟王国はその他必要に応じた支援を実施する。

エレーヌ・リリール大統領：

支援協定案に何ら異論はございません。このような支援を提供して頂けることに感謝致します。国際社会への参画の中で、援助が生かされるよう努力してまいりたいと思います。

ローレル共和国とアルビオン連盟王国の通商及び航海に関する条約
及びその付属議定書に署名します。

ローレル共和国のために

ローレル共和国大統領　エレーヌ・リリール

ところで、陛下、我が国において議会は未だ設立されておりません。というのも、建国直後の慌ただしさでなかなか手続きが進んでいないのです。
官邸前の広場には女王陛下を歓迎する者たちが集っております。警察、軍には警備を手配致しましたので、ここで演説をお願いしてもよろしいでしょうか。

御同意いただけて光栄です。
我が国も署名いたします。

アルビオン連盟王国のために

アルビオン連盟王国女王　マーガレット・メアリー・エリザベス=カーディフ

ではバルコニーからでも皆様にご挨拶申し上げましょう。

ローレル共和国国民の皆さんごきげんよう。
連盟王国女王である私メアリーが王国臣民に成り代わりましてこの場でご挨拶させていただきたく思います。
本日首脳として初めてこの国の大地を踏ませていただいたこと、そしてこのような機会を与えてくださったことは誠に光栄です。
先ほど大統領閣下とお話いたしましたがこの国の国民は非常に勤勉であると聞いております。官邸までの道程でも活気に満ち溢れた民衆が明るく国家を建設している様子を見てこの国の明るい未来が見えたような気がしました。
昨今資源国を支援漬けにしその発展を阻害するような思想がいたるところに散見されますが、我が国はそのようなことには否定的な見解を見出しております。ことに、この国の国のように途上国に甘んずるべきではない国にとっては自立し殖産興業で立国していくべきだと思います。
というのも我が国もかつては資源輸出だけで身を立てていた国家でした。
その当時の我が国は他国の支援なしには国家を維持することも能わず、自存自衛とは程遠いものでした。
無論発展のためには元手が必要です。我が国も元手を出してくれた国家があったからこそこうして発展を遂げることができました。ですので、今度は我が国が、この国の発展のために掛け値なしで支えとなりたいと思うところであります。
この国には新興国特有の、いかなる物資にも劣らぬ資源があります。それは希望です。
国民の皆様がたは大切に大切に、希望が枯れることなく続くよう明るい未来を築いていってくださいませ。
以上を私からのごあいさつに代えさせていただきたく思います。
ご清聴ありがとうございました。

メアリー3世：

さて、貴国のことについていろいろお聞きしたいことがあります。まず貴国がこれからどのような国づくりを目指しているのかです。今後のビジョン次第でもいろいろ対応が変わってきますので是非お聞かせ願いたいものです。
工業国であれば我が国にもノウハウがありますからいろいろと協力させていただける部分も多かろうと思いますし、商業国志向であれば我が国の商品を貴国に輸出して経済を潤すことも可能です。

それと貴国は西ヨーロッパ系の民族・言語が中心とのことですが、具体的には独仏系でしょうか？
ちなみに我が国はイギリス系でございます。地球時代はヨーロッパの諸国間は戦争の歴史がありますがフリューゲルではぜひ手を取り合っていきたいものです。

エレーヌ・リリール大統領：

女王陛下直々に演説して頂けるとは、光栄です。
いつか私が貴国に訪問した際にも貴国国民に語りかけることができればと思います。

国づくりについて、政府が特定の産業を主導、誘導する政策を採用する予定はございません。
国際図書館(Wiki)にて記載の通り、政府として今後、埋め立てと整地を進める中で国内土地の約65％を外資(ここには外国政府も含まれましょう)に開放する方針です。
その過程で、我が国にとって最適な産業も自ずと定まってくると考えています。
もちろん、その為にはあらゆる技術、経験が求められることから人材交流、アドバイスなども参考にさせて頂きたいところです。

調査を進めている段階ではありますが、現時点では主にフランス人にルーツを持つ者が多いとみられます。私の祖先はパリ警視庁の警察官だったようです。
もちろん、ドイツ人やイギリス人が祖先だと主張する者もおりますから、このあたりは多民族国家といえるかもしれません。
我が国としても、アルビオンとの友誼は大切にしていきたいと考えております。