石動第三帝国・大幹帝国間首脳会談

【553年4月3日　石動第三帝国公方府庁舎　応接室】

足利尊子「ようこそ丁閣下。このたびは我が国初の原子力空母「いざなみ」進水のためにお越しいただき、誠に嬉しく思います。貴国の暖かいご支援のお陰で、我が国もいよいよ過去の栄光を取り戻すことができそうです。」

今川範邦「管領の今川範邦でございます。丁閣下にお目にかかる事ができ、まことに恐悦でございます。

さて此度の会談でございますが、将軍殿下は昨今の政争の事などもあり、あまりお心の具合が宜しくありません。閣下と将軍殿下とのご会談ではございますが、わたくしと、こちらの殿下掛かり付けの精神科医の者が同席させて頂くこと、どうかご了承賜りたく存じます。」

丁純憲「はじめまして、足利大君殿下、今川管領閣下。『いざなみ』のご竣工、誠におめでとうございます。貴国の海防力強化が東方全体の安定と平和につながるものとして歓迎します。
大工造船社をはじめとする貴国の技術者や海軍関係者に敬意を表すると共に、弊国民が貴国の防衛力向上に貢献できたことを誇りに思います。

皇帝陛下から宸翰を授かって参りましたので、お受け取りください。

『比心深地慶賀貴國海軍的新鋭航空母艦伊耶那美的下水
有榮光的石動帝國的復興因為東方全部的和平非常可喜
幹帝國很強地祈禱貴國跨過困難的時局復興偉大的文明的同時末了長久地協力
幹帝國皇帝天安君石動國大君殿下説寒暄

癸酉　天安四十年　鳥月』

また、大君殿下のご心労もいかばかりかとお察し申し上げます。」

足利尊子「「いざなみ」竣工には、多くの大幹帝国の方々のご尽力がなければ実現し得ませんでした。改めて、石動を代表して、李順臣提督やクレッチュマン一尉など今回の建造にご尽力くださった方々への謝意を表したいと思います。

まあ！皇帝陛下直々のご宸筆ですか！ありがとうございます。すぐに真備宮陛下にご進上し、ご返礼をお書きいただきましょう。

…精神面の問題については、お恥ずかしい限りです…。今まで支えてくれた直を裏切ってしまったようで…かといって高野が精一杯尽くしてくれて、今の私がある事も事実ですし…最近は毎晩、どうすることが本当に正しかったのか考えてしまい…」

精神科医「…話題を変えた方が」（小声で）

今川範邦「「いざなみ」をご覧になっていかがでしたか？全長260mと、原子力空母としては敢えて小型に設計しておりますため、いささか心もとない見かけではありますが…。ええと、艦載機数は…70機前後だそうですね。我々が参考にさせていただいた貴国の君丹級と比べてみると如何でしょうか？」

足利尊子「あっはい、それについては私から。
いざなみの設計思想はずばり高機動と行動能力の両立です。戦闘艦並の機動力で艦隊運動を行い、尚且つ補給を殆んど必要とせず、絶大な行動範囲を有する。その結果形となったのが、一見軽空母の様な小型船体を持った原子力空母なんです！」

今川範邦「おぉ！さすがです御所様！さすが元幹国海坊次尉！」

丁純憲「なるほど！この設計思想は弊国の海上防衛隊でも研究すべき内容です。以後も弊国の防衛産業と貴国の軍需産業の協力体制を深化させて、両国共々技術力を向上させていきたいものです。

ところで、海防隊内から足利殿下に「大幹帝国海上防衛隊名誉領帥」の称号を贈呈しようという動きがありまして、殿下が御希望されれば、領帥杖・領帥刀・領帥礼服を献呈いたします。」

足利尊子「まぁ！私が名誉領帥ですか？身に余る光栄です！海防次尉だった頃は想像もしませんでした…領帥杖や礼服まで頂けるんですか！今から楽しみにしてお待ちさせて頂きます！」

丁純憲「分かりました、領帥叙仁の準備を致しましょう。

では、続いて弊国からの提案に移らせて頂きます。
現在、弊国は『仁河国際スポーツ大会(メインは野球→http://tanstafl.sakura.ne.jp/gekipawa2/gekipawa.cgi)』と『麗瑞商工博覧会』の開催を計画しています。
貴国には是非、強力なバックアップをお願いしたく思います。」

足利尊子「まあ！すばらしい計画ですね！フリューゲルの文化の源流、大幹帝国に相応しいイベントと存じます。わが国と喜んでご支援させていただきます！

我が国では特にバレーボールとサッカーが盛んでして、国内リーグの放映は毎年高視聴率を記録していますね。国民もさぞかし興奮することでしょう。」

丁純憲「ありがとうございます。貴国の御支援は百人力、いや万人力です。
必ずや成功させたいと思います。
私からの提案は以上ですが、閣下から何かあれば、お願い致します。」