公爵殿下をアクアティアラに御迎え出来れば、
どれだけ名誉な事となるでしょう。
その時が来る日をお待ちしております。

弊国の情報はお役に立ちましたでしょうか。
東洋国家の情報には弊国も疎く、
どれだけお役に立てたか心配でございましたが、
そう言って頂ければ光栄です。

さて、何からお話致しましょうか？
アクアティアラから持参いたしました
御菓子が公爵殿下の御口にあうと宜しいのですけれども…

ルティーナは甘い物であればなんでも。
お茶を入れさせましょうか。せっかくのお姫様同士。少しばかり優雅な会談にしても構わないでしょう。リアラ様の緊張もほぐれるでしょうし。

本会談に際しては、"スカンジナビアの情勢に於ける弊国の立場について"というお話を頂いております。
弊国はアクアマリン、スオミのみならず、それら関係国である普欧帝国、ミッドガルド、聖マズター教国とも友誼を結んだばかりとなります。そして、カベルネ・ソーヴィニヨンは諸国からの観光者たちによって成り立っております。
諸問題によって関係国の緊張が高まっているとのことでございますが、皆様にはどうか仲良くしていただき、平和を維持することがルーシェベルギアスの利益であり、願いであります。

また弊国は政治的問題から「スオミ問題」という呼称については使用を避けたく存じます。スオミ・カレリア副王殿下もこの国にいらっしゃいます故、どうかご理解ください。

リエラは少し緊張しているくらいが丁度良いのです。
いつもこのくらい大人しくしてくれると良いのですけれど。

私は公爵殿下との親睦を深めに参りました。
政治的なお話は公爵殿下のその御言葉を頂いただけで十分です。
ですが、もし…
弊国とスオミ王国の会談実現に公爵殿下のお力添えが頂ければ
これほど心強い事はございません。
この滞在中にスオミ王国の副王殿下と会談する機会が持てればと考えておりましたが、
弊国の力だけでは中々実現しそうにはないのです…

公爵殿下は副王閣下の滞在場所は御存じではございませんか？
副王閣下が警戒されるのでしたら私1人で副王閣下の元に向かうのでもかまいません。

弊国の立場についてご理解頂けたことに感謝致します。
また、少女王陛下のご希望につきましては、ルティーナよりカレリア副王殿下に申し伝え致しましょう。

親睦といえば、ルティーナはエアリーヌの王室について興味がございます。代々の国王たちは全員が女性で、血の繋がりもなく、在位は短ければ五年という理解でよろしいでしょうか。
アクアマリン王国ではすべての少女たちがエアリーヌ候補となるのでしょうから、少女たちはとても大切に扱われているのでしょうね。
アクアマリン王国として少女たちへの特別な施策があるのなら、差し支えなければお教え頂ければ幸いです。

ありがとうございます。
カレリア副王殿下に思いが届けば良いのですが…。

王室についてですが、公爵殿下のほぼ御想像通りで差し支えございません。
しかし、15歳で枢機卿に連れて来られたものは、
国王の退位を待ってからの即位となるので在位期間は5年よりも少し短くなってしまいますね。

即位までは王宮で殆ど過ごす事になりますし、
即位後は公務が忙しく、自分の時間を満足に持つ事は叶いません。
私は即位期間が少しでも短い方がこれから国王に選ばれていく少女達にとっては幸福ではないのかと思うのです。

弊国の少女達への施策についてですが、
政府として特別な事は特にしていないのが現状なのです。
次期国王候補探しも、国中を枢機卿が宝石アクアマリンの欠片を手に適合者を捜索すると言うものです。
そうですね…地球と言う国に伝わる古いおとぎ話。
ガラスの靴に関するお話に似ているのかもしれません。
もっとも、宝石に選ばれても王子様と一緒になる事は叶いませんし、
数年間に渡る重圧に耐える日々が待っているだけなのですけれども。

～リエラが割り込む～

リエラはとっても大切に育てて貰ってたよ！
周りの女の子も同じ年の男の子よりかは大事にしてもらってたかも。
それにえーちゃんはあんなこと言ってるけど、国王にならなければ
ふおー帝国の王子様と出会う事も無かったし、
ガラスの靴のおとぎ話に出てくるシンデレラそっくりの道を歩んでると思うよ。
最近よく、ふおーの方向見てはため息ばっかりついてるし、
退位後はふおーに永住するらしいからきっとなにかあｒ…もがもが。

～エアリーヌに口を抑えられる～

失礼しました…。
どうか、気にしないでくださいね。

ご説明有難うございます。
少女王陛下の見識や行動力から、英才教育のような制度があるのかと思っておりました。退位間近ということでございますが、これまで数多くの困難を乗り越えられたものと存じます。今後はよい人生を。
リエラ様もエアリーヌとしての役目について既に理解しておられるようでございますね。即位の式にはルティーナもご招待頂ければ幸いでございます。

私は宝石アクアマリンの御意志に従っているまでです。
レイア族の極々一般的な家庭に生まれた私に神託が下らなければ、
今も普通の娘として暮らしていたのでしょう。
そう考えると、不思議なものですね…。

リエラは初めて選定のプロセスを経て選ばれた次期国王ですし、
私に比べると王宮に入ってから国王としての教育はしっかり受けていると思います。
少し直情的と言いますか、もう少し冷静になってくれると私も安心出来るのですが。

即位式には勿論、公爵殿下を招待致します。
アクアティアラをお気に召して頂ける事を願います。
私も即位式には出席致しますので、公爵殿下と当日お会いできるのを楽しみにしております。

さて、難しい話はここまでと致しましょう。
リエラは明日帰国予定ですが、私はあと数日滞在させて頂きます。
スオミ王国からの返答を待つのもございますが、
折角ですので公爵殿下とワインの杯を交わしながら政治以外のお話もしたいものです。

それでは会談はお開きに致しましょうか。
今夜は三人だけの夜会を設けましょう。
持参頂きましたお菓子、大変美味しゅうございました。

それと、先ほど側近に確認させたところ、大変申し訳ないのですが日程の都合上スオミ外交団の時間が空くのは弊国との会談後となります故、リエラ様、少女王陛下の帰国後となってしまいます。会談の開催については難しいと思われますことご了承ください。

御菓子をお気に召して頂けた様で幸いです。

また、スオミ王国との会談についてですが、
公爵殿下の御支援のお陰でスオミ王国側から使者が届き、
帰国後、会談に向けた調整を行う事になりました。
公爵殿下の御協力に感謝申し上げます。

では、夜会もございますのでこれにて失礼いたしますね。
今夜は長い夜になりそう…。とても楽しみですわ。