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2016 | 05
合州国国際放送  
5月 02 (月曜日) 2016
《社説》トロピコ戦争・第二次ヴァノミス戦争に正当性は見られない 13:11   
《社説》トロピコ戦争・第二次ヴァノミス戦争に正当性は見られない

ウェールリズセ連邦共和国、コーデクス共和国、テークサット連合及びレゴリス帝国ら四ヵ国によってヴァノミス連邦のヴァルデリア条約違反に対する制裁を事由とした同国に対する武力行使が開始された。

しかし、同日、エルツ帝国及びアルドラド帝国はヴァルデリア条約に基づき同国への武力行使に対する防衛を宣言し、ついでSLCNとして同盟関係にあるエーラーン教皇国が参戦する形となり、事実上第一次ヴァノミス戦争における共同参戦国同士が衝突する展開となっている。

この複雑怪奇な状況を鑑みて、はたしてこれはヴァノミスを守る戦いなのか、罰する戦いなのか。かつてこれほどまでに国際社会の意思に分断が見られたのはここ数年で存在しただろうか。

当紙の主張は”既に制裁という目的を逸していると評価せざるをえない”ということだ。

レゴリス帝国の言葉を借りれば制裁行動を行う諸国はヴァノミス市民の解放を目指すらしいが、我々の見方は異なる。

戦争による解放という言葉は行動主体がその地域の民族自身に委ねられていなければならないのであり、独立戦争のようなものだけを指すはずだ。他者からの解放戦争は”侵略”に等しいのである。甚だしい誤用のもとで宣戦を布告する行為は許されるはずがない。

よって我々としてはこの戦争に正当性はなく、ヴァノミス市民を戦禍に陥れ、難民を生み出すだけの不毛で不正義な争いであると見ている。

また同時期にトロピコ共和国への戦争も行われている。この種の制裁戦争について我々は必要性自体は否定しないものの、同国が係る問題について積極的に調査協力しなかったかといえば否であり、国際社会においても評価が二分していると考えている。

その状況下で強硬に同国に制裁行動を推し進める一部の諸国の行為は国際外交における交渉の柔軟性を失わせ、瀬戸際に追い込まれた際においての受諾か拒絶かという二者択一を迫ることを是としかねない非常に由々しきものである。

加えて観光で経済を成り立たせている以上、武力行使による破壊は同国に深刻な影響を与えることは容易に分析でき、制裁が与える副作用においても配慮に欠いている。戦後復興は途上国への多大な負担であり、極力被害を抑えるべきであるのは当然であろう。

トロピコ、ヴァノミスいずれの件にしてもまさか戦争に発展するとは思えない事例である。彼らは果たして参戦諸国らに脅威を与えるほどの大国なのだろうか。

特にトロピコは忠実に国際社会に答えようとする姿勢があると受け止められた。同国が示した善良な心の芽を容易く刈り取って潰してしまう一部の先進諸国らに対し新興国の市民は大いに不信感を抱くことは間違いない。

新政府発足

我が国は先だって帝国を廃止して合州国として新体制を発足させたばかりであるが、直後に勃発したトロピコ戦争や第二次ヴァノミス戦争に関する対応に追われているため祝賀ムードが抑えられ、新憲法の下で粛々と国政選挙の実施が行われた。

選挙結果は即日開票にて公表され、ニルフェル氏率いるボアーズィチィ独立党(IBP)が議席数で筆頭となり、次に議席を多く獲得した連合労働党(ULP)と連立を組んで政権を担うこととなった。

ニルフェル氏は統一首相としての就任会見で外交面では帝国のものを基本継承しつつも国民の指導者として新時代の即した体制へと生まれ変わらせ、経済と社会の躍進を目指すことなどを表明した。

またトロピコ戦争、第二次ヴァノミス戦争に対して中立を採る方針を固めているが、第二次ヴァノミス戦争に関し、準同盟関係と言えるエルツ帝国が参戦しているため、参戦や物資支援の要請があった場合においては中立を破棄する選択肢を排除しないとしている。
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