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2018 | 10 | 11
王国通信  王国通信はトラハト=ラシュハ連合王国の公共報道機関である。
11月 30 (金曜日) 2018
国会開会及びその他 19:12  トラハト=ラシュハ連合王国 
【国会開会】

 両院の議員が集う貴族院において、マンフレート三世陛下が国会開会を宣言いたしました。前国王陛下の御崩御を受けて即位された陛下にとって、この儀典は初めてのことですが無事に終了しました。

 なお共産党の民衆院議員はこの式典を欠席しました。



【キンスキー首相続投】

 開会直後には民衆院議長、副議長の選任投票が行われ、議長には与党第一党である保守党議員が、副議長には野党第一党である愛国党議員が選任されました。

 続いて、首班指名選挙が行われ、保守・自由両党の支持によりキンスキー首相の続投が決定しました。なお、首相指名は民衆院の専権事項であるため、貴族院では行われません。

 選挙直後には議席減の責任をとって辞任するのではないかという観測がなされました。ですが選挙から国会開会までの日程が短く、保守党内部の反キンスキー派が自由党にも支持される対立候補を決定する時間がなかったことが要因としてあげられます。



【共産党禁止法案否決】

 愛国党が民衆院に共産党禁止法案を提出しましたが、保守・自由党などの圧倒的多数で否決されました。なお、両院の規則では法案提出には総議員数の一割(予算を伴う法案、内閣不信任案等は二割)の署名が必要ですが、愛国党は直前の選挙で躍進しこの要件を満たしています。

 また保守党の一部議員には採決に参加せず棄権する動きが見られました。



【ガトーヴィチ帝国との間で貿易規模が拡大】

 ガトーヴィチ帝国との間で商品輸入協定が結ばれました。商務省高官によりますと、この措置は商品供給源多様化の一環であるとのことです。
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11月 15 (木曜日) 2018
民衆院議員選挙実施 22:13  トラハト=ラシュハ連合王国 
 民衆院議員選挙が行われ、与党保守党が第一党を保つも、愛国党が躍進し、共産党が初議席を獲得しました。

【簡単に分かる 民衆院議員選挙の仕組み】

 民衆院の議席数は300。うち250が小選挙区であり、各選挙区の有権者数がほとんど等しいように区割りされています。残りの50は半分ずつがトラハト地方と、ラシュハ地方に割り当てられています。各政党の得票数に応じ、比例方式で分配されます。比例名簿は拘束名簿方式で、小選挙区との重複立候補も認められています。



【選挙の争点1 貿易協定】

 今回の選挙の大きな争点の一つはヘルトジブリール社会主義共和国との長期にわたる貿易協定でした。

 各政党のこの問題に対する姿勢は二分しましたが、既成の有力政党が総じて賛成に回りました。協定を結んだ当事者である保守党が賛成なのはもちろん、自由貿易を謳う自由党は強く賛成しています。また、工業地帯ではないラシュハ地方の地域政党であるラシュハの声も条約に賛成の立場を取ります。

 一方で強く反発したのが愛国党でした。党首のブランク・トット議員はこう演説し、同党への支持を訴えました。

「貴重な銀がヘルトジブリールに流出し、雇用が失われる。そんな馬鹿な条約を結ぶ政府はヘルトジブリールの犬だ。それにヘルトジブリールは共産国家だ。共産主義者は嘘つきで危険だ。国を守れるのは愛国党だけだ」

 また共産党も国内の雇用を守るためとして反対の立場です。



【選挙の争点2 軍事政策】

 貿易問題と並ぶ争点が軍事政策を巡る政策の違いでした。キンスキー政権は怪獣撃退実験や軍事衛星の打ち上げを目指していました。この政策を軍事費抑制を唱える自由党、建国初期に軍によって弾圧された歴史から軍の権力増大を嫌うラシュハの声、共産党が批判しました。一方で愛国党はこれを支持し、さらなる軍事費増大を訴えました。

 また自由党の一部の議員と、共産党は動物の権利の観点からも怪獣撃退実験を激しく非難しています。



【選挙結果】

 確定した選挙結果は以下のとおりです。鍵括弧内は選挙前議席です。

保守党   106(152)

自由党    98(102)

愛国党    60 (11) 

ラシュハの声 27(26)

共産党    1 (0)

無所属 8(9)

 愛国党が躍進し、保守党は単独過半数を割りました。さらに伝統的に二大政党と連立を組むことで存在感を発揮して来たラシュハの声を足しても、二大政党のいずれも過半数を確保できないという異常事態に陥りました。

 愛国党の躍進は工業地帯である南部が中心であり、それだけ貿易協定への同地域有権者の反発が強かったことを示しています。



なお貴族院の勢力図は以下のとおりです。

保守党    110

自由党    66

ラシュハの声 52

愛国党    10

無所属    62 



【選挙後の政治情勢】

 連立交渉は難航を極めました。保守党と自由党は長年対立関係にあった上に、第三党の愛国党は保守党と自由党を激しく非難しているからです。結局、貴族院副議長の斡旋もあり、保守・自由の大連立政権が発足しました。これは王国史上はじめてのことです。なおキンスキー首相は、選挙結果の責任をとって辞任するという観測に反し、続投を表明しました。

 数の上では両院で圧倒的勢力を確保した連立政権ですが、長年の対立が解消されているとは言えず、しかも選挙では敵対した関係です。今後の政治情勢は混乱が予想されます。

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11月 09 (金曜日) 2018
国王陛下御崩御 22:20  トラハト=ラシュハ連合王国 
【国王陛下御崩御】

王室・貴族庁は以下のように発表しました

「国王陛下におかせられましては、本日未明、御崩御あらせれました。国民各位が御承知のように陛下は数年来体調がご芳しくなく、医師団は御高齢による老衰死と診察しています」

また事前に準備されていた国民に向けた御遺言が発表されましたので、一部を抜粋します。

「一個人としては健康面での幸運に恵まれ、大病を患うこともなく九十年以上を生き、子宝に恵まれた幸福な人生でした。最貧国だった王国が順調に発展していったのは、ひとえに国民の皆様の努力の賜物であり深く感謝します。王国に、平和と王室が永遠に続くことを心より祈祷します」



【マンフレート三世陛下御即位】

マンフレート二世陛下御崩御を受け、王位継承法による継承権順位に基づき、直ちにマンフレート三世陛下が御即位なされました。陛下は前陛下の、長男の長男、つまり孫に当たり現在四八歳であられます。王国の王位継承法は、王位の頻繁な変動による政治、社会的混乱を避けるために六〇歳以上の継承権保有者の継承順位を繰り下げる措置をとっており、前陛下の四人の御子息、御息女より優越するためです。



全閣僚が出席した御前会議において陛下は以下のように宣誓なされました。

「伝統と憲法を遵守し、王国、国民、王室を守護し、いかなる苦難も乗り越えます」



【延命治療に批判の声】

前陛下は御崩御一ヶ月ほど前から意識を失われており、医師団による決死の延命治療が実行されていました。これに対し、一部の医療関係者から回復の見込みがない治療であり、前陛下の苦痛を増加させただけであるとの批判が出ています。今のところ、この批判に対する医師団の反応は有りません。
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