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5月 29 (木曜日) 2014
パラベラム通信第14号『ウィンティアに置ける完勝』 14:23   
532年5月5日



素早く予備戦力とフィルデリア=ランドハルト国境に集結させた同盟軍は(近衛軍2万、フリュー軍赤軍28万、ルバニア王立軍2万、約32万人)セルヴィナ・アンドロポフ・ユリスキー フリュー赤軍陸軍元帥の指揮の元フィルデリア=ランドハルト地方に侵攻した。初戦においてアルバート・フォン・ウーフー准将の指揮する、『ヴェアヴォルフ戦車師団』はセミョフ・オルヴァ・ロンヌイ赤軍中将の指揮する『トチェス重騎兵旅団』と共同し臨時政府の置かれるフィルデリア=ランドハルト首都『ケリャニャ』まで迫った。

一方で北部のウィンティア方面から突破を試みた狙撃師団、重戦車師団から構成される赤軍20万もの軍集団は5月8日の時点で早くも侵攻を阻まれることとなるウィンティア地方は海に面しておりエデレス海軍による苛烈な沿岸砲撃に晒されたのである。

この沿岸砲撃にはエデレス海軍の誇る戦艦 HMS インヴィンシブル級『インヴィンシブル』、2番艦の『インコンパラブル』さらに大型軽巡洋艦 HMS リベンジ級『リベンジ』、戦艦 HMS ユナイテッド・ステーツ級『ユナイテッド・ステーツ』の現存戦力の動員可能な主力艦を全て動員した大規模な物であった。同盟軍側には対処出来るだけの海軍戦力が存在しなかった。



さらに5月時期でも豪雪地帯であるフィルデリア=ランドハルト地方の特異な気候がさらに赤軍にとって不利に働いた。特にウィンティア地方はインフラが劣悪であり整備された道路は極めて少なかった、重戦車や大型の火砲を有する赤軍は一本道の道路を細々と進軍するほか無かった。



20万の赤軍軍集団に対して連合軍は僅かに3万人規模しか配備されておらず(フィルデリア=ランドハルト貴族軍1万、エデレス軍1万、フリュー白軍1万。これはモルクグラード方面の戦力移動が遅れたためと首都『ケリャニャ』方面の防衛を再優先した結果であった)またもや圧倒的に不利な戦いを強いられた。



しかしスキー兵による襲撃や、重戦車、超重戦車をカモフラージュした待ち伏せ戦法によって赤軍軍集団は混乱の極みに突き落とされる。さらに夜間にはエデレス海軍によって絶え間なく砲撃が行われ、シェルショックに陥る将兵が続出した。

さらにウィンティア方面を指揮する『ナー・クレメンテア・ピートニス・クレベア・ニコレー・プレンタ・カーワイー元帥』フィルデリア=ランドハルト第二護国卿はゲリラ戦術を得意とし、やっとの思いで村を占領した赤軍部隊は民兵に返り討ちにあう羽目となったのである。とはいえ、戦力に乏しいウィンティア方面軍はついに反攻に出ることはなかった。











同年5月15日にはモルクグラード地方から連合軍10万人(フリュー白軍4万、エデレス軍4万、フリュー傭兵軍2万)がウィンティア地方の赤軍軍集団を攻撃、5月30日に降伏。(赤軍兵10万人が捕虜となる)

6月4日には首都『ケリャニャ』方面の同盟軍も包囲を警戒して撤退。(ケリャニャ方面の同盟軍戦力は約近衛軍2万、フリュー軍赤軍28万、ルバニア王立軍2万、約32万人、フィルデリア=ランドハルト国境に集結させたほぼ全戦力)ケリャニャ方面は赤軍と王立軍の秩序のとれた集中攻撃により崩壊の危機があったものの北部のウィンティア地方の赤軍が敗北すると同時にその脅威は消え去った。



6月30日にはサー・ラインメーデ・グレッグ・フォーミーリアー・チャーチルの提案によりルバニア王国の王都『ルヴァンシュヴァ』への強襲上陸が行われた、『ルヴァンシュヴァの戦い』

この戦いにおいて今度は同盟軍が劣勢に立たされた、同盟軍2万(赤軍1万、ルバニア王立軍1万)に対して連合軍は10万人もの規模の戦力を投入した。(エデレス軍8万、フリュー白軍2万)



しかし同盟軍側は精鋭旅団の『8月5日』、ルバニア武装親衛師団『ツヴァイ・ルバニア』を有しておりその練度と装備は極めて優れていた。また、連合軍の強襲上陸を予想していた同盟軍はすでに上陸にたいして防衛戦を敷いていた。

同盟軍指揮官はルバニア国王『ブラード・ウェルブ・フォン・ヴィルガーズ』



対する連合軍指揮官はエデレス海軍卿『サー・アークディントン・エリーザベート・デイブリン』海軍元帥であった。



橋頭堡を確保することには成功した連合軍であったがその後は、被害を抑えつつ反撃する同盟軍に対して始終苦戦を強いられた。これはエデレス陸軍兵の練度不足、下士官を狙撃されることによる指揮系統の一時的な混乱(エデレス士官は勇敢すぎる傾向にあった)が主な要因であった。

7月2日からは海軍による援護砲撃が本格的に行われ始める。戦艦インヴィンシブルと2番艦インコンパラブルによる51.8cmの砲撃は効果的であり、軍都『ルヴァンシュヴァ』の防衛設備に壊滅的な損害を与えた。



しかし、一方で陸戦における劣勢は好転しなかった、7月4日には白軍新鋭旅団である機甲旅団『ニアコフ騎兵旅団』が4割もの戦力を失い実質『全滅状態』に陥り同日撤退。

さらに7月6日には近衛軍8万が増援として到着し一転して攻勢に転じた同盟軍により連合軍は撤退せざる負えなくなった。

この戦いにおいて連合軍は5万人もの死傷者を出し、同盟軍は民間人、正規軍含めて1万人に過ぎなかった。





撤退直前のアイアン岬ビーチ



両軍はここにきて両者とも決め手を失い、7月20日にはポートランド=カントリーサイド帝都である『ライシャワ』において両軍の首脳陣によって和平条約が結ばれた。



辛く長い内戦は終わりを告げた。

兵士諸君は家に帰るのだ。
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