先のクーデター事件の首謀者であり、警察国家推進派だったハインリヒ・ハイデン(元ドクツ警察長官)が大幹帝国の蔡洲島に逃亡、大幹帝国への亡命を企てていたことが判明した。ドクツ外務省は連絡を受け大幹帝国外務院と処遇について話し合い、ドクツ警察への身柄引き渡しで合意した。

レーティア・アドルフ総統閣下は「大幹帝国は我々の恩人だ、大幹帝国とは積極的に友好的な関係を築いていきたい。」と記者会見で話した。

ハインリヒ・ハイデン容疑者が逃亡に使用したのはドクツ唯一の港にある小型連絡船で、オーナーの男性とその家族を銃で脅し強奪したものと後の捜査で判明。ドクツ警察は被害者家族からも引き続き事情聴取を行う予定。

【クーデター犯の裁判はいかに？】

すでに本件の裁判は開始されており、クーデターの指揮系統に位置する7名は終身刑、協力者のほとんどが最低でも懲役40年以上を宣告されている。また、計画の首謀者であるハインリヒ・ハイデン容疑者は唯一の死刑になる可能性が高いと噂されている。



48名は現在ヴェルリン刑務所に全員収監されているが、数ヶ月以内に孤島に建設される新刑務所に移送される予定だ。

―――ドクツタイムズ

国の政治体制を決める帝国議会が難航していた中、ハインリヒ率いる警察国家派がクーデターを行おうとした。

ハインリヒはドクツの治安維持・改善の命を受け全ドクツ警察長官として就任した。

ハインリヒ派は拳銃や自動小銃で帝国議会を急襲、総統閣下を射殺し警察国家樹立を宣言する計画を企てていた。

しかしクーデターは失敗に終わり、ヴェルリン警察がハインリヒ派47名を緊急逮捕した。

【事件の推移】

この日、帝国議会では三回目となる政治体制に関する討論が予定されており、ハインリヒ派は討論を重ねるごとに劣勢を強いられていた。

焦ったハインリヒは予備計画としていたクーデターを行うことを決意、ドクツ警察内部の協力者に実行を命令した。

議会にレーティア・アドルフ総統閣下が入った後、ハインリヒ派が議会の警備に当たっていた武装警察官を襲撃、この時点で6名が負傷し、2名は未だ集中治療室に入っている。

議会に侵入したハインリヒ派は総統閣下の護衛に付いていた親衛隊により鎮圧され、拘束。

計画の詳細を知った総統閣下が反逆者の逮捕を直ちに命令し、47名の協力者の逮捕、合計11名の負傷者を出し事件は幕を閉じた。

逃亡したハインリヒ容疑者は未だ見つかっておらず、ドクツ警察は全力で捜査・逮捕すると発表。

ヴェルリンでは未だに厳戒態勢が敷かれている。

【その後】

レーティア・アドルフ総統閣下は事件後すぐにヴェルリンにて声明を発表した

以下がその声明文の一部である。

ハインリヒによるクーデターは失敗に終わり、我々民主主義派が正しいことが証明された。

国民の支持なくして国家は成り立たず、支持を得ていないハインリヒの野望は見事に砕け散った。

ドクツが建国してから初のこの大きな壁を、我々は乗り越えたのだ。

ドクツ国民よ、これから先も様々な壁や困難が待ち受けていることでしょう。

しかし我々は必ずそれを協力して乗り越えることができる。

それを我々は国際社会に証明していかなければならない。

民主主義を国民が勝ち取った瞬間である。

ハイル・ドクツ！(ドクツ万歳！)



声明を聞きに集まった数万の市民はこの声明と民主主義の勝利に熱狂した。

ジーク・ハイル！ハイル・アドルフ！(勝利万歳！アドルフ万歳)と総統閣下に敬意を示した。

数日中に民主主義国家として正式な手続きが行われ、議事堂が立てられる予定だ。



ドクツタイムズ