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Exquisite Dream  Exquisite Dream/極上の夢。ルーシェベルギアスの国営報道機関です。
5月 21 (火曜日) 2013
【寄稿】完全平和主義とはどの程度の平和主義か? 19:44   
【寄稿】完全平和主義とはどの程度の平和主義か?



アクアマリン王国が来たる10月の新国王即位式典にて、「完全平和主義」を宣言予定という報道はルーシェベルギアスのスオミ人コミュニティにおいても論議を巻き起こした。

ご存じの通りルーシェベルギアスは軍隊を保持していない。

しかしそれは、別に国民がことさらに反戦、反軍思想の持ち主だからというわけでは無い。ミニ国家という特殊な政治事情からくる現実的な選択であり、仮にルーシェベルギアスの領土と人口が今の50倍あれば、何らかの防衛体制が構築されるだろう。

また当然ながら、軍隊を持つ国家が先軍政治、暴力賛美、軍国主義であるというわけでも無い。



仮にルーシェベルギアスが他国からの宣戦布告や軍事的攻撃を受けた場合、ルティーナ公爵は即日で他国に亡命し、カベルネ・ソーヴィニヨンの奪回に他国の軍事力を頼ることだろう。

ルーシェベルギアスは軍隊を持ってはいないが、それを誇りに思うことはしない。その重要性は重々に承知しているのだ。



アクアマリン王国の完全平和主義が、単なる専守防衛であれば何も問題はない。しかし、もし同国の平和主義が、「諸国民の信義に信頼する~」などといった国軍の解散を伴うものであった場合、同地域の軍事的バランスに重大な変化が発生することは必至である。アクアマリン政府には平和主義宣言という耳障りは良いが非現実的な政策を実行に移す前に、慎重な討議と検討が求められる。



【投稿者:キュオスティ・ランジェル。軍事評論家、スオミ国籍。】









== Flugel Another Story vol.4 ======



 自分がルーシェベルギアスに留学したのは、必ずしも自分の本意ではなかった。宮廷を離れて静かに暮らしたいと父王に告げると、次の日にはこの国への移住を勧められたのだ。

 留学という体裁を採ってはいるが、期間は無期限であり、宮廷語で翻訳すると「戻って来なくとも良い」らしい。ルーシェベルギアスを成蘭連邦に組み込む布石か、或いは自分と違って覇気も才能もある弟への王位継承への布石か。父王の思惑は解らない。



「ルティーナ殿下」

「はい」

 自分を見下ろしながら、美少女が微笑む。

 目的の宮殿に辿り着いて挨拶も早々に、自分は飛行機酔いと時差酔いにより倒れ伏したのを覚えている。目が覚めたのは公爵の膝の上。

 言うべき様々な外交的、あるいは儀礼的言葉が浮かび、彼女の微笑みの前で消えて行く。

「ご気分は如何ですか?」

「……まだくらくらしています。お恥ずかしい……」

「お気になさらないで。出会いは記憶に残った方が」

 人と話すのは得意ではない。ましてや年頃の異性など。そんな自分に比べて、この白い肌の、箸より重いものを持ったことのなさそうな虚弱な少女が国家一つを支え、各国首脳との会談に応じているのかと思うと内心忸怩たるものが無いわけでも無かったが、三半規管が未だに悲鳴を上げているのは仕方が無い。

「王子様。これから毎日ルティーナを可愛がって下さいね」

 公爵が手を握り、耳元に甘い声で囁く。その声と表情の妖艶さに息を飲む。

「……殿下?」

「ルティーナは悪魔ですから。王子様を誘惑して虜にします。鬱病だった頃のことなんて思い出せないようにしてあげましょう」

「……私を気に入っていただけたと解釈してよろしいでしょうか」

「はい。これから毎日、王子様の思い描く理想の女の子を演じてあげます。そして貴方は恋という罠に囚われて、心の底から私を愛するようになるの」

 変わった子だと思った。そして恐らく彼女の言う通りになるのだろう。自分はもう囚われて、逃げられない。逃げ続けた人生の終着駅がここだ。





※上記文書はイメージであり実際の外交に影響を及ぼしません。

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5月 20 (月曜日) 2013
【外交】スオミ王国との首脳会談が開催 22:35   
【外交】スオミ王国との首脳会談が開催

【経済】外交活発化により投資熱向上

【文化】大手レストランがロイヤルティアラ社のパンヌカックの取り扱いを開始。



== Flugel Another Story vol.3 ======



 エーファ・ブルーンスが魔術結社/Lemegetonのメンバーになってそろそろ一年が経つ。

 わずか十四歳の少女の、この一年は常に恐怖と忍耐と不安で目白押しであった。動物や人間の血や組織の採取など、生理的嫌悪感を伴う仕事は数ヶ月で慣れた。それまで何度吐いたり食欲不振になったり夢に見たりはしたが。

 結社を抜け出さなかったのは単に「来る者は拒まないが、去る者は絶対に許さない」という組織の掟があったからに過ぎない。



 そんなエーファの現在の役職は"レメトゲンの幹部にして、レゴリス総統リーゼロッテの侍従"という。

 一見して栄誉ある役職であるが、名前通り小間使いだ。しかも一ヶ月続くのがまれといわれるほど危険な仕事であり、前任者の数は知れず、総統の不興を買えば人体実験係(被験者の方だ)や生贄係に飛ばされることすらあるという。

 そんな役職を2ヶ月もおっかなびっくり続ける事ができたのはエーファの才能か、それとも幸運か。





「お呼びでしょうか、我が主」

 黒いレメトゲンの魔術師の法衣を着て、エーファが頭を垂れる。

 頭を下げる角度は忠誠を示す上で重要だ。そして声を掛けられるまで面を上げてはならない。

「……」

 リーゼロッテは椅子に座り、無言で茶を啜る。

「……」

 気まずい沈黙。非常に不本意な事だが、エーファは主が不機嫌になっていることを感じざるを得なかった。

「エーファ」

「は、はいっ!」

「貴方はルーシェベルギアスに向かい、夢魔の監視役になりなさい」

 主の口元から爆弾が飛び出した。ルーシェベルギアスの夢魔といえば、あのルティーナ公爵しかいない。暗黒神アンラ・マンユの下僕の一つ。つまり悪魔だ。



「お、恐れながら我が力量では手に余る役目かと。それにルーシェベルギアスも遠くございます」

「エーファ」

 震える少女の声にリーゼロッテが優しい声で応える。

「私と夢魔、どちらが真に恐怖するべき存在かわからないかしら? そして私の命令はたかが距離のために軽んじられる程度のものかしら? 答えなさい」

「す、すぐに出立致します!」



※上記文書はイメージであり実際の外交に影響を及ぼしません。

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Referer  (1)
5月 16 (木曜日) 2013
【国内】 成蘭連邦王国黒石治通国王陛下来訪。ルティーナ公爵と会談。 22:48   
【国内】 成蘭連邦王国黒石治通国王陛下来訪。ルティーナ公爵と会談。

【外交】アクアマリン王国、スオミ王国とも元首級会談を予定。

【内政】明日より各国通信システムの復旧見込み。ルーシェベルギアスの扱いは未だ未定。もし登録であれば埋め立て無しでの運用。











== Flugel Another Story vol.2 ======



 フリューゲル最高の魔術機関レメゲトン。

 レメゲトン最高の魔術師。

 不老不死を極めた、レゴリスを統べる黒き魔女。

 誤って強大な力を得てしまった哀れな人間。

 世界の因果の特異点のひとつ。

 その名はリーゼロッテ・ヴェルトミュラー。

 薄暗い部屋。そこにあるのはかつての母星から伝わるゾロアスターの文献。魔術書。魔導書。秘本。聖火。アーティファクト。

 無数の蝋燭が部屋を照らす。香炉からは濃厚な香が立ちこめ、それはこの儀式の主たるリーゼロッテの鼻腔をくすぐる。一体何人分になるかもわからない大量の血による魔方陣の中で、彼女は祝詞を詠い続ける。

 彼女の望むものは更なる魔力。知識、そして若さ。既に彼女は人の限界に達している。ノイエクルスの世界律の中で許される限界まで。

 彼女の力の根源は闇。

 圧倒的な闇。究極にして絶対の悪。止むこと無き堕落。不条理なる運命。あるいは邪神。すべてを汚し、犯し、壊すために存在する忌まわしき力。

 儀式もたけなわ。リーゼロッテの魔力も限界にさしかかった頃、香炉からの煙が魔方陣の中で人に似た姿を取り始める。



「私を召喚したのは貴方? フリューゲルのウィザード」



 煙が全て消えたとき、そこには女が存在していた。純白のドレスを纏った、触れれば消えてしまいそうな、優雅で儚い雰囲気を持った女性。

「我が身に似せて、神は人を作ったというけれど」

「期待外れですか? 貴方が望むなら化け物にもなれますが」

「いいえ。あれっぽっちの生贄で召喚に応じてくれて感謝するわ」

「貴方の抱く絶望が夢魔の門を開いたの。必ずしも血は必要ありません」

「謙遜しなくていいわ、アンラ・マンユの化身。夢魔の王ジャスリー・クラルヴェルン。それで、喚び出したからには世界を破壊してくれるのかしら」

「そんな横着をするにはあと千年は早いです。ウィザード。私は貴方の間違いだらけの召喚に応じたのでは無く、齢にして百年にも満たない幼子の泣き声に、ほんの僅か気が向いたから来たの」

「アンラ・マンユにしては随分と慈悲深いのね。マズダーの宣教師どもの言など当てにならない。でも貴方の存在意義はアンチ・アフラ・マズダーではなくて?」

「私は人間に危害を加えませんよ。人間を殺すのは人間のお役目。私は貴方に望む知識を授けましょう。代わりにフリューゲルに災いを撒き、憎悪と絶望を私に捧げて下さい。世界大戦をみせてください。そして貴方が破滅するとき、その魂は私の虜になる。それでよろしい?」



※上記文書はイメージであり実際の外交に影響を及ぼしません。



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5月 14 (火曜日) 2013
【国内】エレンドラ宮殿にて宮廷舞踏会が開催 03:07   
【国内】エレンドラ宮殿にて宮廷舞踏会が開催

 ルーシェベルギアスの外交開始と各国との国交樹立ラッシュを受け、ルティーナ公爵の主宰により、エレンドラ宮殿に各国大使とその家族を招いての宮廷舞踏会が開催された。

 舞踏会の詳細については不明だが、大使間の連絡及び交流のために定例化していきたいと宮廷広報部の談。







== Flugel Another Story vol.1 ======

 今夜もエレンドラ宮殿の夜は遅い。

 この宮殿は迎賓館を兼ねている。外国から訪れた賓客をもてなすため、ベッドルームや娯楽施設、ダンスホールが整っている。

 今夜のパーティは数十名の小規模なものだ。ルーシェベルギアス公爵と、各国の駐在大使とその家族の親睦を深めるという、挨拶の要素を多分に含んだもの。

 各国の料理が並び、高価なワインが封切られ、参加者たちはカベルネ・ソーヴィニヨンでの新生活や気観光名所、自国の人事の話をこそこそと。

「皆様、楽しんでおられますでしょうか」

 やがて甘く幼い印象を与える声と装いの少女君主、ルティーナ・エルツ・ルーシェベルギアスが現れる。歩く度に清楚な白いドレスの裾がひらりと舞う。妖精の女王のごとく可憐で、しかしどこか酷く妖艶な雰囲気を漂わせている。



「成蘭国王陛下はどういったお方でしょうか」

 ダンスの相手を務める成蘭の大使へ、ルティーナが問う。

「気になりますか」

「怖い人でなければよいのですが」

「そうですね。私どもの間では恐怖帝と呼ばれております。即位一週間で生きている閣僚がいなくなりました。目を逸らしたら粛正だとか」

「まあ…怖い」

「冗談です。遠路はるばるやってきて、ご婦人を泣かせることだけはありえません」

「大使様は紳士でいらっしゃいますね。ですが国家というものは得体の知れないものです。国益の為に言わねばならぬ言葉や、取らねばならぬ態度もあるでしょう」

「それだけ解っておられるなら怖いものは何もございません。むしろ我が君に粗相がないか心配するくらいです」



※上記文書はイメージであり実際の外交に影響を及ぼしません。

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5月 12 (日曜日) 2013
【国際】成蘭連邦への合併交渉を拒絶 13:55   
【国際】成蘭連邦への合併交渉を拒絶

ルティーナ・エルツ・ルーシェベルギアス公爵の最初の仕事は大国成蘭連邦からの合併提案を拒絶するという、ある意味で大変危険なものとなった。

「国家は判断力の欠如によって同盟し、忍耐力の欠如によって同盟破棄し、記憶力の欠如によってまた同盟する」とは公爵の言。

同時期にアクアマリン王国との国交開設打診があり、こちらは締結されている。
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5月 11 (土曜日) 2013
【外交】ルーシェベルギアス外交開始 02:43   
【外交】ルーシェベルギアス外交開始

 公国外務部は現在発生している各国通信システム障害の復旧に先立ち、国交及び外交の準備を開始した。ルーシェベルギアスは人口30万人に満たない都市国家であり、自衛軍自体を保有していない。そのため、いずれかの国が進駐/占領を宣言した時点でルーシェベルギアスは占領されるものとする。

 経済援助等についてもすべてフレーバーとして処理される予定。



【国内】ルティーナ公女殿下がオペラに出演

 カベルネ・ソーヴィニヨンの誇るオペラハウス"シャドウムーア"にて、新作のオペラ"苦花/nigabana"の初公演が11日、行われた。

 初公演に列席した観客を驚かせたのは、妖精の女王役としてルティーナ公女殿下が特別出演した事。これは初日のみのサプライズイベントとしてオペラハウスが公女殿下に企画し、容れられたものだという。



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