574年、我国は南朝の親北朝派より、南朝に拉致された三皇族が嘉川島北方の木田郡に幽閉されているとの情報を入手した。以下はその通信内容である。



20666：南朝副管領宇都宮禎康 >(秘) ...こちら嘉川南朝にて副管領を務める宇都宮禎康である。私は再度の南北対立に胸を痛めている。 (大吉備帝国皇帝直轄領嘉川島)

20666：南朝副管領宇都宮禎康 >(秘) 前に***********にて南朝側には複数の和睦派がいると言っておられた様だが私もその一人である。 (大吉備帝国皇帝直轄領嘉川島)

20666：南朝副管領宇都宮禎康 >(秘) 今回の騒動を受けて新田氏にはついていけない事を痛感した。阿蘇氏は助命依頼をしたとは思うがそれとは別に私と (大吉備帝国皇帝直轄領嘉川島)

20666：南朝副管領宇都宮禎康 >(秘) 越智家孝氏の亡命を依頼したい。無論タダでとは言わない。新田氏が誘拐したとされる皇族御三方は現在嘉川市の北にある (大吉備帝国皇帝直轄領嘉川島)

20666：南朝副管領宇都宮禎康 >(秘) 木田、即ち嘉川島(127)にある仮宮に軟禁状態である。我々はその救出の手引きを行う。救出時と共に亡命したく思う。 (大吉備帝国皇帝直轄領嘉川島)

20666：南朝副管領宇都宮禎康 >(秘) なおこの通信回線は阿蘇氏が用いたものと同じであり、新田氏に情報は入らない。くれぐれも新田氏にこの内容が漏れないようにして (大吉備帝国皇帝直轄領嘉川島)

（通信全内容。公方府検閲済み）



　情報を得た公方府は、現在の陸軍特殊部隊（中央即応部隊群）では救出は困難と判断。大幹帝国に三皇族の救出を依頼した。結果574年8月17日に幹国陸上防衛隊第一特務旅団第一空挺大隊は嘉川島木田郡の仮宮を急襲し、北朝三皇族(真備宮陛下、孝寧君太上皇婿陛下、後真備宮親王)を救出し、南朝政府高官の越智家孝氏・宇都宮禎康氏と合流、保護した。

　将軍殿下は越智・宇都宮両氏を公方府要職として暖かく迎える事を約束されるとともに、情報提供を行った宇都宮氏、鮮やかな手並みで三皇族を救出した幹国陸防隊第一空挺大隊に深く感謝の意を表した。

　また今回救出された後真備宮親王殿下は、576年6月3日、我が正統皇帝家嫡流として旭宮帝に代わり七代皇帝に即位された。後真備宮陛下は「こうして無事皇統は護持された。朕を無事救出してくれた韓国陸防隊勇士と宇都宮には改めて心からの謝意を述べたい」と曰われた。



【国際】外務省、ノイエクルス自由国大使をペルソナノングラータ。高まるノ連への不信感とCAMEへの不安感



　現在石動は、砲弾備蓄と商業再建のための建材生産のため、鋼鉄の必要性に迫られている。かつてはヴォルネスク共和国から不定期で輸入することにより賄っていたが、同国が輸出用ウランが安定しないことを憂慮してか鉄鉱山をウラン鉱山へ改築してしまい、CAME圏内における鋼鉄産出国はノイエクルス自由国のみとなってしまった。法外なCAMEレートでは諸外国が物資を輸出してくれないことは既に過去の交渉で明らかになっているとした大吉備帝国（当時）外務省は、ノイエクルスへ鋼鉄購入申請を行った。これが572年7月中旬の事である。しかし待てど暮らせどノイエクルス側からの返答はなく、南北再分離を経た573年9月中旬、さらに同年12月中旬にも問い合わせを行ったが、ノイエクルスはこれにも一切の反応を示さなかった。政府は通信不全ないしノイエクルス側でのトラブルを想定したものの、ノイエクルス政府の公式記録（ログ）は574年11月中旬にノイエクルス政府の行政指示が実施されたことを示しており、572年7月中旬・573年9月中旬・同年12月中旬の三度に渡る問い合わせをノイエクルス政府は「故意に」無視していた事となるのである。業を煮やした外務省は575年2月下旬、ノイエクルスに対し以下の様に問合わせた。



20704：第三帝国通信使 > 貴国は10期前の20694期には行政指示を実施しており、少なくとも当時我が国の20610・20655期の鋼鉄購入申請が参 (石動第三帝国)

20704：第三帝国通信使 > 参照可能であったと考えます。然るに我国は最初の申請から94期経過した現在、依然貴国からの返答を頂いておりません。これは一 (石動第三帝国)

20704：第三帝国通信使 > 一体どういう事でしょうか。CAME加盟国として早急な対応を希望するとともに、今回の事態に強く遺憾の意を表明します。 (石動第三帝国)



　これに対するノイエクルスの簡素な（この場合無礼とも言える）回答は、多くの外務省職員及び公方府閣僚を激昂させた。



20705：ノイエクルス連邦商務省 > 各部局に資源節約の命が出ており、貴国の要請には答えられない。 (ノイエクルス自由国)



　すでに過剰産出され廃棄され続けている鋼鉄をどう節約するのか理解不能であるし、また対応遅滞に対する謝意も全く含まれていない。外務省は怒号と喧騒に包まれながら、以下のような返信を送りつけた。



20705：第三帝国通信使 > 承知致しました。すでに何億tも過剰算出が廃棄されているというのに我が国に輸出頂けないという事、並びに我が国の要請への回答 (石動第三帝国)

20705：第三帝国通信使 > が大幅に遅滞した事に関し、帝国として最大限の遺憾の意を表明します。 (石動第三帝国)



　また幽閉生活で情報を遮断されていた後真備宮陛下はこの事をお耳に入れた際ひどく立腹され、尊子将軍に対し「ただちにノ国へ然るべき処置を執るべき」と仰られた。こうして尊子将軍は外務省にノ国大使のペルソナノングラータを指示するに至ったのである。

　今回の事態を受け政府内ではノイエクルスに対する不信感が非常に高まっており、一部では「CAME脱退すべき」との声も声高に叫ばれている。



閣僚の声

今川範邦管領「ノイエクルスにはがっかりした」

佐々木道興外務卿「我国には、大幹帝国に対する恩義は確かにありましょう。しかし、CAME加盟による恩恵は果たしてあったのでしょうかな？」