（写真1:伝統的な軍装で祝砲を放つ直参親衛軍）

（写真2:観閲行軍を行う六〇式重戦車ジハ）

（写真3:観閲行軍を行う陸軍将兵）

（写真4:伝統的な軍装で観閲行軍を行う直参親衛軍将兵）

（写真5:観艦式に参加する空母いざなみ）







　明日香宮皇帝紀元200年（フ歴611年）5月11日、我が石動第三帝国は遂に200回めの紀元節を迎えた。公方府は国交を有するほぼすべての国へ招待状を発送し祝典を挙行した。祝典には実に16カ国の国々が参加し、帝国臣民4900万とともに我が石動第三帝国の紀元200年を慶賀した。



〇式次第

・国歌斉唱

・祝砲（直参親衛軍・海軍戦艦あまてらす）

・開会の言葉（細川之子管領）

・各国来賓の御言葉

・皇帝陛下ご玉音

・将軍殿下の御言葉

・陸海宙親衛軍閲兵式

・舞踊奉納

・演奏会（宮内省雅楽部・近衛軍楽隊）

・観艦式（玉緒鎮守府へ移動。出席者は観閲艦へ乗艦）

・閉会の言葉（細川之子管領）



〇皇帝陛下ご玉音

「本朝二代皇帝明日香宮帝皇土平らけく政治め初国治らししより、是年二百年に至りぬ。この間本朝或いは二度社稷を失し、或いは二流に皇統を分かつ。然れども本朝これが困難に打ち勝ち遂に大国の座に復す。皇統一にして文武百官均しく朕が第一の臣下が下に列す。今や臣民は富みてその家門に明かりを絶やさず、軍兵は足りてその干戈研ぐるを怠らず。これ並べて汝臣民の努力の精華にして、朕その努力を労わんとする心甚だなり。後世億兆の悠久にまで本朝を遺さんが為、汝臣民一層奮励し朕が第一の臣下のもとに或いは糧を献じ、或いは剣を集め、以て天壌無窮の皇運に身を委ね、皇国の栄華一層輝かさんが為各々その生業に勉るべし」



〇将軍殿下お言葉

「この度我が石動第三帝国は遂に紀元200年という大きな節目を迎えることが出来ました。この吉日に各国の皆様にお集まりいただきその祝意を集めました事、深く御礼申し上げます。さて、先程陛下も仰いましたように、我が石動は実に様々な困苦を味わいました。第一帝政瓦解、第二帝政の国土喪失、そして南北朝動乱。しかし今や我が国はこれらを克服し、人口5000万にも達さんとする大国へと発展を遂げました。はっきり申し上げますと、今石動は有史以来もっとも発展しております。これは勿論帝国臣民のみなさんの弛みなき努力によるものではありますが、動乱を終結させた我が祖母、戦後の国づくりに腐心し今の我が国の礎を築いた我が母の偉業もまた忍ばれるものであります。しかし、これからも石動は発展し続けることをお約束します。帝国は皆様帝国臣民の努力のもと今後も弛みなき成長を続け、諸友邦と連携してフリューゲルの平和と秩序の維持に努め、一層帝国の威光を輝かさんとする事でしょう」



　皇帝陛下と将軍殿下の見事なお言葉に、会場には拍手の渦が巻き起こった。

　祝典は無事に式次第通りに終了し、会場では祝典記念章・記念金貨・記念絵葉書などが頒布された。また閉会後、宮中にて皇帝陛下主催の御陪食が執り行われ、各国来賓の方々は皇帝陛下はじめ閣僚・上級武家・公卿・高級軍人・名士らと広く交流された。



〇各国来賓の方々（確認順）



スコッチランド共産主義同盟

　カーク・マール革命評議会常任幹部会議長代行閣下



トリヴェント連邦

　三脳会議外交長閣下



アリア連邦

　大統領閣下



アルドラド帝国

　ヘクター・リーツマン外相閣下



ラングラード連邦共和国

　シュルマン首相閣下



昭栄国

　融江皇太子殿下

　領蓮帝室諮問会議長閣下



ガトーヴィチ帝国

　キスラロート君帝陛下

　リュドミラ皇女殿下



成蘭連邦王国

　黒石治家国王陛下

　伊村重雄連邦首相閣下



エーラーン教皇国

　ゾロアスター３世教皇猊下



ノホ・ヘレコ連邦

　プゥインゴ・リアッカ首相閣下



ティユリア連合王国

　ヘラクレイオス２世・ティユリア国王陛下



ベルサリエーレ王国

　レーナ・アレッシア女王陛下



大和寧帝国

　燕海君皇帝陛下

　有子皇后陛下



秋津皇国

　公卿不死原道則公



ストリーダ王国

　シャルガーナ国王陛下

　クリスティーナ王妃陛下



レゴリス帝国

　ヴォルケンアンザムルング総統閣下



エルツ帝国

　ヴィクトリア女王殿下

　グナグレイブ外相閣下

　609年５月１日、開催期間から２ヶ月の遅れを出しながら、国際スポーツ大会山岡大会は表彰式を以て終了した。大会会長を務めた甕宮王殿下は「各国の皆様のご協力により、この素晴らしい大会を成功に導くことが出来た。会長である私はこの87名の、名誉あるメダリスト達を讃えることによってこれが礼に代えたい」と仰られ、全29種目87名のメダリスト達に直接メダルを授与された。各国のメダル獲得数は出場種目数なども関係してかまちまちとなったが、我が国は金３枚、銀３枚、銅１枚と、計７枚のメダルを獲得することが出来た。惜しくも野球に於いては選手の調整などが難航し試合数を稼げず10位となったが、伝統的スポーツである柔道や、大幹移住時代の影響により競技人口の多いテコンドーで金を獲得したほか、第一回国際スポーツ大会で他の追随を許さぬ比類なき強さを発揮し見事金メダルを獲得したバレーボールは本大会で二連覇を果たした。帝国臣民らは「東方の魔女の再来」と評し大いに歓喜した。今回代表チーム最年少だった古河紗理菜選手(18)は「初めての世界大会ですごく不安でしたが、絶好のコンディションで先輩たちといい試合ができました！みんなで金が取れて本当にうれしいです！」とはにかみながら語った。

　また、意外にも銀に終わった競技として、本大会で新たに追加された銃剣道があった。銃剣道は地球時代に日本で編み出された武道であるが、その性質上このスポーツは日系国家に細々と伝わるのみで、競技人口が最も多いのは石動と思われていたが、銃剣道はルールさえ順守すれば海外の銃剣術と応用が可能で、銃剣道を知らない西洋系国家も大いに善戦し、結果エルツ帝国に金メダルを譲る形となった。銃剣道代表の石動銃剣道協会師範、佐古博史氏は、「エルツ代表の強さには驚いた。こうして銃剣道というスポーツが世界に広まって欲しいものだ」と語った。



【国際】国債販売するも急遽中止



　610年当初、帝国は友邦和寧帝国の荒廃による燃料不足・商品不足から重篤な経済危機を迎えており、評定院は急遽国債の対外販売開始を可決。エーラーン教皇国が名乗り出るなどした。ところがその直後ミッドガルド帝国が石動第三帝国に150兆Vaの無償支援を決定。国債発行などで負債を抱えるべきではないとして将軍殿下は直ちに国債の販売中止を指示した。急な販売中止でエーラーン側での不信感が高まっている。洞院外務卿は声明に於いて「当時それだけ財政状況が逼迫していたという事で、まさか当時は他国から無償支援が得られるとも思っていなかったので、これはやむを得ない処置である。国債の販売中止についても我が国の今後を考えればやむを得ぬ判断であり、すでに購入を表明していたエーラーンに対しては聊か無配慮な行為であったかもしれないが、同国に対する外交的敵対行動の如きものでは無いという点どうか御理解いただきたい」と答弁した。

　609年3月20日、遂に山岡府室満京市東区城東の国立競技場に於いて、第二回フリューゲルスポーツ大会山岡大会開会式が執り行われた。44年ぶりとなる本大会には我が国含め18カ国の国々が参加した。ヴェールヌイ社会主義共和国・長州国・コーデクス共和国・シェロジア共和国など我が帝国と国交を有していない国々からの参加表明もあったが、準備委員会当局は外務省と協議の上「ハレの場である文化的な祭典に政治的事由を持ち込むことは望ましくない」として、これら四カ国に対し開催期間中並びにその準備期間に滞在を限定した特赦ビザを発給する事を決定した。

　また協賛団体は我が国団体含め44団体に上り、各国の名だたる企業・マスメディアの協賛を集めた。大会会長の甕宮王殿下は「まさに世界を代表するスポーツの祭典にふさわしい。本大会に対する各国の意気込みがうかがい知れる」の仰られた。開会時は各国の国歌と共に各国代表が入国し、オープニングセレモニーとして航空宇宙軍特別教導隊による曲芸飛行が行われた。五機の練習機が会場上空に五つの輪を描くと、会場からは拍手が巻き起こった。

　会場は、計画当時予算の増大が懸念されていた当初のダナイファード案が採用されていた。本会場は結局当初の20兆Vaや文部省が要求した50兆Vaを大幅に下回る3兆Vaという総工費で建設されていた。工事を請け負った大工建設によると「ダナイファード案のキール構造を活かしつつ、廃材の再利用やアルバイトの補助採用などで材料費・人件費などを極力切り詰めた。それにしても20兆Vaはこうした巨大スタジアムの建設費用としてもかなり持て余す金額であったので、強度に於いて問題は無い」とコメントしている。



（写真：山岡国立競技場）



【国際】ラングラード＝カルス民主化

　608年3月20日、足利晶子前将軍殿下のご国葬が公方府前広場にて執り行われた。国葬には以下の方々が出席された。（確認順）



我が国

　後真備宮上皇陛下

　烏帽子宮皇帝陛下

　足利滿子征夷大将軍殿下

　公方府閣僚級職員

　陸海宙親衛四軍高官



スコッチランド共産主義同盟

　ハーター・ラーク労働者最高評議員会議議長閣下



レゴリス帝国

　アプリル・ヴォルケンアンザムルング総統閣下



成蘭連邦王国

　黒石治家国王陛下



ガトーヴィチ帝国

　レガーナ皇女殿下



　ご国葬に際し、足利滿子将軍殿下は初めて国民にその御姿を示された。国葬に当たり殿下は「この度四か国の方々に我が母晶子将軍の葬儀に参列頂いたこと、誠に有難く思います。志半ばにして倒れた母の遺志をしかと継ぎ、足利将軍家三代の歴史を汚さぬよう努めるとともに、母の遺志の一つであった国際スポーツ大会山岡大会は必ずや成功させる所存です」と仰られた。

　殿下の御遺体は火葬の後、殿下の生前の遺言により、観林寺にある南朝の忠臣、楠木雅貫の墓所の隣に建てられた宝塔に収められた。

（写真＝足利滿子将軍殿下）



足利滿子将軍殿下の大判写真はこちら



【国際】大和寧帝国、情勢急速に悪化。商品輸入相手国の危機に財界動揺



　我が第三帝国の友邦であり、我が国が殆どの商品輸入を依存している大和寧帝国が、あわや崩壊の危機に瀕している。同国は数年前から機能が低下しており、インフラ低下や食糧不足により遂に暴動や国民の国外逃亡が発生。国土の荒廃が始まっている。公方府は食糧不足の原因となっている我が国への輸出食料の一部返送などを試みているが、4000万人近く居た人口も今では1600万にまで落ち込み、崩壊の危険性は極めて高いと思われる。事実上第三帝国が商品供給の大半を同国に依存している以上、万が一同国が崩壊などの事態に陥った場合、新規の輸入相手国を見つけない限り帝国の経済を維持することは極めて難しいと考えられている。実際現在では燃料欠乏により商品生産がストップしていた状況であり、友邦の凋落を嘆く声が上がる一方、経済界でも悲痛な叫びが上がっている。

　紀元197年（フ歴608年）1月6日、足利晶子征夷大将軍殿下がご逝去遊ばされた。殿下は5日の宮中参賀に臨席されたところ急に体調を崩し、急きょ山岡帝国大学病院へ搬送された。診断の結果殿下はアルコール性急性肝炎の末期であった事が明らかになった。搬送された頃にはすでに手遅れな状態であり、治療もむなしく殿下は静かに息を引き取られた。

　ご逝去を受け、尊子将軍殿下、晶子将軍殿下と二代にわたりその右腕を務めた今川管領は「殿下は（初代将軍）尊子様同様嫌煙家でタバコはお吸いではなかったが、尊子様に似ずかなりの酒豪でいらっしゃり、焼酎を三升空けても平然としておられた。しかし今にして思えば血気盛んな南北朝時代からの諸臣を抑え石動をここまで引っ張ってこられた殿下は、酒という手段で様々な鬱屈を晴らしておられたのかも知れない」と語った。

　殿下のご逝去を受け皇帝陛下は1月9日、現統合参謀本部主席参謀陸軍少将の晶子さまご嫡女、足利滿子様を第三代征夷大将軍に任ずる宣下を下された。

　これを受け滿子様は「母上、もとい前将軍殿下の御遺志を受け継ぎ、石動をより強く成長させる。また、当面の目標として国際スポーツ大会山岡大会は必ず成功に導く」と仰せになった。

　公方府は晶子前将軍殿下の国葬を3月10日に設定した。同時にこの日に滿子将軍殿下が我ら帝国臣民の前にその御姿を現されるものと思われる。

　603年5月21日、正一位海軍元帥伊坂三依連合艦隊名誉永世司令長官閣下の国葬が帝都にて行われた。エルツ帝国よりクラウベル少将が参列した。国葬は16時の墓所への納骨を以て終了したが、直後石動東海において強い揺れが発生。東海岸において高波が発生したほか、播淡道・因城道の海上住宅が多数倒壊し、因城道造兵廠が施設倒壊により重大な被害を被った。死者・行方不明者は100万人に上り、ベルサリエーレ王国、成蘭連邦王国より支援物資が送られた。

　国葬直後の地震に人々は大いに動揺し、巷では「元帥閣下の祟りだ」「伊坂元帥が封印していた邪神が目覚めた」などの流言飛語が飛び交っている。

　将軍殿下は「地震の発生は全くの偶然です」と呼びかけるとともに、「被災者の救助及び復興を急ぐとともに、観測衛星などの修理を行い天災に対する一層の警戒を強める所存です」と仰せになった。



【国際】ラングラード=カルスで皇帝陛下ご崩御。第二皇子クーデターか。



　我が石動第三帝国と片務安保条約を結ぶ友邦であるラングラード=カルス帝国に於いて、皇帝陛下が崩御された。

　ここに於いてラングラード=カルス皇帝陛下が帝位継承を明らかにされず崩御された事から、同国に於いて皇位継承争いが激化、イールハイム第二皇子殿下によるクーデターが発生した模様である。

　同国の報道ではすでに帝都では火の手が上がっているとの報道があるが、今のところ詳細は不明である。第三帝国ラングラード=カルス派遣軍総司令官である今川沙代陸軍中将は「既に我国邦人及び各国駐留大使を安全地帯である我が軍の駐屯地へ保護した。帝都の状況は今のところ把握できていないが、恐らくイールハイム第二皇子の勢力が優勢を保っていると見られる」と語った。

　これを受けて洞院外務卿は「友邦であり我国が重要な権益を有している同国に於ける内乱は大事である。無用な内政干渉は国際情勢に於いても好ましくない事ではあろうが、もし事態が収束を見ないのであれば、帝国としても事態に介入せざるを得ないであろう」と語った。

　603年1月21日、海軍連合艦隊名誉永世司令長官、伊坂三依海軍元帥閣下が、原因不明の呼吸困難により息を引き取られた。

　伊坂閣下の生年は詳しく分かっていないが、彼女は少なくとも456年の菜良島奪還作戦に於いては既に海軍少将として艦隊の指揮を取っていた模様である。その後彼女は龍鮮戦争で友邦支援の為活躍したほか、第二帝政瓦解後には大幹帝国海軍元帥としてオセアニカ=アースガルド戦争（491年戦争）で芳しい戦果を収めた名将であった。

　歴史の表舞台に出て既に百数十年が経とうとしていた彼女はいつまでも若々しい容姿を保ち続けていたため、海軍将兵らは「妖怪」「海の怪物」と呼び恐れていたが、死期が近づいていた彼女は百数十歳の老婆の如く衰弱していたという。「まるでここ百数十年の時が一気に元帥閣下に降りかかったかの様だった」と、最期を看取った人々の一人である名和長政海軍卿は言った。

　伊坂閣下の逝去を受け将軍殿下は「伊坂閣下は百数十年もの間491年戦争や東方の諸戦役で活躍された名将でした。どれも私が生まれるよりも前の話ではありますが、閣下が我々石動人の民族的英雄であった事には変わりはありません。閣下が我ら石動人の悠久の歴史を守護して下さった事に感謝し、国民一同で彼女の死を悼みたいと思います」と仰られ、国葬の開催を明らかにした。

　公方府は国葬予定日を5月下旬と布告している。

　紀元190年（フ暦601年）12月1日より、7月11日に践祚された烏帽子皇帝陛下の即位の礼が帝都にて執り行われた。即位の礼に関わるすべての儀式は即位翌日の勅使発遣の儀に始まり実に半年間を要し、南北動乱期以降途絶えていた皇帝即位の礼を盛大に再興するに至った。即位の礼には12ヵ国の国々から出席者が集まり、皇帝陛下のご即位を祝した。

　以下は即位礼の日程である。



7月12日 賢所・皇霊殿・神殿に期日奉告の儀、參社皇太神宮・皇帝陵等に勅使発遣の儀

7月14日 參社皇太神宮・駿河宮皇帝・前四代皇帝陵奉幣の儀

7月18日 斎田点定の儀

7月21日 大嘗宮地鎮祭

8月1日 斎田抜穂前一日大祓（悠紀田：埴輪県埴輪市月田町）

8月2日　斎田抜穂の儀（悠紀田）

9月10日　斎田抜穂前一日大祓（主基田：加賀県高橋市備中川面町）

9月11日　斎田抜穂の儀（主基田）

12月1日　即位礼当日賢所大前の儀

同日 即位礼当日皇霊殿・神殿に報告の儀

同日 即位礼正殿の儀

同日 祝賀御列の儀（オープンカーでのパレード）

同日 - 3日 饗宴の儀

12月3日 園遊会・征夷大将軍夫妻主催の晩餐

12月4日 參社皇太神宮に勅使発遣の儀

12月5日　一般参賀

12月6日　大嘗祭前二日御禊・大祓

12月7日　大嘗祭前一日鎮魂の儀・同大嘗宮鎮祭

12月8日　大嘗祭当日神宮に奉幣の儀

同日 大嘗祭当日賢所大御饌供進の儀

同日 大嘗祭当日皇霊殿・神殿に奉告の儀

同日 大嘗宮の儀・悠紀殿供饌の儀

12月9日　大嘗宮の儀・主基殿供饌の儀

12月9日 - 11日　大饗の儀

12月10日　大嘗祭後一日大嘗宮鎮祭

12月12日 - 13日　即位礼・大嘗祭後神宮に親謁の儀

12月14日　即位礼

12月15日　大嘗祭後駿河宮皇帝・前四代皇帝陵親謁の儀

同日　茶会

12月16日　即位礼・大嘗祭後賢所・皇霊殿・神殿に親謁の儀

同日 即位礼・大嘗祭後賢所御神楽の儀

12月17日　皇帝陛下御即位記念祝賀会



　以下は各国からの出席者である（確認順）。

アリア連邦

　大統領閣下



エーラーン教皇国

　ゾロアスター3世教皇猊下

　イーゼンステイン教皇騎士団長閣下



成蘭連邦王国

　黒石治教国王陛下

　鴻池克剛駐石成蘭大使閣下



昭栄国

　山閤外交長官閣下



レゴリス帝国

　アプリル・ヴォルケンアンザムルング総統閣下



トリヴェント連邦

　三脳会議外交長閣下



スコッチランド共産主義者同盟

　カーク・メイ議長閣下他同盟代表団



ガトーヴィチ帝国

　リュボーフ皇太子殿下

　オゴーニナ為政院総理大臣閣下



ベルサリエーレ王国

　レーナ・アレッシア女王陛下

　ネリオ・パリーニ王国宰相閣下

　ヴィート・カッローニ外務官閣下



エルツ帝国

　ヴィクトリア・メル・エルヴァシウス女王殿下

　フランデル王サリオン・エル・イヨーテ殿下



ティユリア連合王国

　ヘラクレイオス2世・ティユリア国王陛下



ストリーダ王国

　シャルガーナ国王陛下

　クリスティーナ王妃陛下



　また即位の礼に於ける皇帝陛下の勅語は以下の如きである。



即位礼の勅語

朕惟うに本朝地球大八洲の弥栄の神皇が血筋を悠久の刻を共にし受け継ぎて既にして壱百九拾年の隔たりあり。而して朕此れが大器賜り皇祖大皇祖日本神皇本朝人皇が神霊の守護したる帝室の大統を継がんとする事を爾親愛なる臣民に告ぐ。

皇祖大皇祖に扶けられ本朝人皇が初め駿河宮皇帝国を建つること、俄かに弐百年に届かん。而して今朕かかる時局に皇統を継ぎ日嗣の霊前と賢所を守護するは本朝国史の大局にして負う所多し。

朕万世一系にして十善の帝たらんと欲し、而して内は社稷を悼み皇民を偲び世々人皇に悖らぬ大営を修め、外は万里の友邦と親しみを深め世相を安んずに社稷を供し以て帝国の栄業を輝かさんと欲す。而して爾皇民或いは稼業に勤しみ或いは公に奉じ国法を護持し朕が第一の臣下が幕下に凡ゆる精華を集結し以て皇土の弥栄一層輝かさんが為朕と心を一にしてこれにあたるべし。



　即位の礼を以て皇帝陛下の践祚は無事内外に示された。これを以て公方府は軽犯罪者200人に恩赦を出すと共に、皇帝即位記念金貨・切手・絵はがき、恩賜の煙草、皇帝即位礼出席記念章を頒布した。

　601年（紀元190年）7月3日、畏くも皇帝陛下は皇太女烏帽子宮殿下へのご譲位の天気を仰せ給われた。よって7月11日、ただちに八代帝ご践祚の義が宮中にて執り行われ、烏帽子宮皇太女殿下が八代皇帝に践祚なされた。

　このご譲位は真備宮上皇陛下ご崩御を受けてのものと思われ、践祚の義ののち後真備宮皇帝陛下は太上皇帝陛下になられ、お住まいを仙洞御所に移された。

　畏くも烏帽子宮新帝陛下は「朕を以て八代続く石動皇帝家の名を汚さぬよう努めたい」仰せになられた。



　この践祚について、柏宮流皇帝家の烏帽子宮皇帝陛下が践祚されたことは、南北朝動乱終結時に柏宮家と近江宮家で交わされた皇位継承に関する約定に背いているとの批判がなされたが、勧修寺宮内卿は「長押宮殿下のご長女である瓶宮殿下はご病弱であり、皇帝陛下としての国事に耐えられぬという判断により、烏帽子宮陛下が践祚なされる事となった。恣意的な意図はなくやむを得ない事情であり、長押宮殿下・瓶宮殿下も了承しておられる」と語った。



　またこれを以て12月1日より即位の礼が執り行われる事が決定した。



【文化】スオミ王国より亡命したChildren of Botom,Sonata Arkticalら初の「亡命ライブ」



　崩壊したスオミ王国より亡命したメロディックデスメタルバンドChildren of Botom,パワーメタルバンドSonata Arkticalらが、601年7月12日、笠岡スーパーアリーナにて「亡命ライブ」を決行した。





Children of Botomによる演奏の様子。



　本来この「亡命ライブ」はフ暦600年に行われる予定だったが、真備宮上皇陛下ご崩御を受け自粛されていた。



　動乱期以降HM/HRの人気が高い我が石動では彼らの演奏を聴こうと一万人以上のメタルファンが押し寄せ、会場は大混乱となった。Children of Botomのヴォーカル、アレキシ・ライホネンが姿を現した際は、会場から黄色い声が聞こえた。



　ライブを終えChildren of Botomのアレキシ・ライホネンは「国は滅んだが俺たちCOBは不滅だ！イスルギはまさに俺たちの新天地だ！ありがとうイスルギ！」と述べた。

　600年（紀元189年）5月12日、真備宮太上皇帝陛下は、室満京仙洞御所にて崩御なされた。心臓麻痺によるご崩御であらせられた。

　南北動乱の最中、皇統と国体の護持にその御玉体を酷使あそばされた上皇陛下のご崩御に、帝国臣民4800万は悉く悲哀の涙を流した。

　上皇陛下御大喪の礼は600年7月30日に執り行われ、四カ国から代表が出席された。以下は参列者である。



我国

　後真備宮皇帝陛下

　足利顕子征夷大将軍殿下

　ほか皇族方々、公方府閣僚級職員、四軍高官。



ベルサリエーレ王国

　レーナ・アレッシア女王陛下



ガトーヴィチ帝国

　リュボーフ皇太子殿下



スコッチランド共産主義者同盟

　ハーター・ラーク首相閣下御夫妻



ストリーダ王国

　フェリックス王太子殿下



成蘭連邦王国

　黒石治教国王陛下

　伊村勝雄首相閣下



　御大喪の礼に於いて、皇帝陛下は次のような御誄を披露された。



「後真備宮慎みて

皇考の神霊に白す

皇位に座しては乃ち禁裏より民草を慈しみ、皇位譲ららば乃ち仙洞より社稷の在実を憂い、或いは和漢古格を手解かるる大恩、或いは共に南島に於いて逆賊の辱めを共にせらる辛苦、御霊柩を見送る今ぞ回顧さるるは哀れなり。縦い人皇の定めとは言えども、嘆かぬ民草無し、哭かぬ百官無し。嗚呼悲しい哉」



　大喪の礼は無事終わり、上皇陛下のご遺体は帝都近郊の御陵に埋葬された。