66年3月22日号



12月に行われた立法院選挙に基づいて行政院長が本会議で指名され、瓦人同盟中央執行委員長（党首）のポップコ・エイサイハラマスコイ（Попко Эйсайхарамаской）女史が即日行政院長（首相）に任命された。ポップコ・エイサイハラマスコイ新首相は北部漫州族自治区出身の瓦族であり、初期瓦族指導者であるブクーブ・オーカワ氏の下で瓦族の権利拡大を訴えてきた。

今回の民共瓦連立内閣成立により国民党習政権には大きな痛手となると見られている。

ポップコ氏は記者会見で喜びのあまり在夏ガトーヴィチ人伝統舞踊と言われるエイサイハラマスコイ踊りを披露し、瓦族の希望を身体で表現した。

（写真：喜びのあまり踊り出すポップコ・エイサイハラマスコイ首相）







【経済】食料生産量が建国以来最大に

食糧生産量が建国以来最大となった。政府は昨年1月に締結したストリーダ王国との農業振興及び定期取引に関する協定に基づいて食糧生産を拡大する方針に転換した。その結果先進国随一の食糧生産を実現し、さらなる対外輸出可能となるまでに成長した。国内の農業従事者の割合も大幅に増加し、安定した供給先が見つかればこの先も国家的成長が期待できると有識者は見ている。

766年1月1日



12月11日に公示された立法院選挙投開票が行われ、国民党が惨敗するという政権にとって厳しい結果となった。

一方で、民主進歩党（民進党）が国民党に代わって第一党となるも単独過半数には届かず、同じく左派である共産党の156議席と合わせても過半数とはならず、民族政党ながら奮闘した瓦人同盟が56議席と伸ばしたこともありキャスティングボードは瓦人同盟が握っていると思われる。尤も、近年の国民党政権による瓦国との軋轢に反発していることから、瓦人同盟側も民共瓦合作には前向きの姿勢を示している。瓦人同盟のピッピミ・オーカワ書記長は「我が党が国民党につくことはないが、しかし行政院の主導権はほしいところだ」と表明し、「国民党が行政院長の座をいち早く確約しているが？」との質問に対しては中指を立てて否定するなどすでに情勢は国民党に不利な状況となっている。

民共瓦合作体制が成立すれば、悪化していた中瓦関係改善にむけて政権に打撃を与えられることは必至だ。

（写真）記者の質問に中指を立てて応えるピッピミ・オーカワ書記長











【社会】ガトーヴィチ駐屯軍再建

先月23日にガトーヴィチ駐留軍の再建式典が開かれ地元の政財界から商店街店主まで幅広い階層の人々が集まった。しかしながら駐屯地は密林の奥深くであり電気も水道もなく、また地元はマラリアの発生地域であることもあり早くも不満の声が吹き出している。政府はこれについて「慎重に検討したい」としている。

華夏共産党機関紙「紅旗」



スターリニストカルセドニー労働党は新体制発足と称して国際社会の場に突如として登場した。

しかしこれは彼らの閉鎖的性質が変化したものではない。

我が党はこれに対し強い批判を表するものである。

まずカ国における鎖国体制を行ってきた彼らが鎖国時代に何をやってきたのかということを改めてここに記しておかねばならない。

まず第一に、共産主義者は国境を越えプロレタリアの階級的団結によってのみ革命を遂行せねばならないという大原則に則って行動せねばならない。しかし彼らは鎖国期間中、共産主義者が本来獲らねばならぬ国際主義をかなぐり捨て、ただただ国粋主義に陥り、政権の座にありながら各国の革命を支援もせず、各国の労働者階級と手を携えることもせず引きこもっていただけである。共産党宣言におけるカール・マルクスの「万国のプロレタリアよ団結せよ」の文言を100万回復唱するべきである。

第二に、彼らはプロレタリアだけではなくブルジョワ階級にも発言権を与えた。これこそが今回の選挙の敗因であるというほかなく、彼らがプロレタリア独裁こそが労働者階級にとっての最高の民主的形態であるということを理解せず、ブルジョワ階級に対して敗北主義的になっている証左である。そんな彼らにはレーニン全集を贈呈しなければならない。



われわれ労働者人民によって立つ共産主義者は国際主義とプロレタリア独裁を決して忘れてはならない。万国のプロレタリアよ団結せよ！

761年1月2日発刊



【経済】政府、砲弾輸出開始。財政改善に大いに期待。

60年決算で深刻な財政難に直面した民国政府は61年より砲弾の輸出を開始することを決定した。

商品及び燃料取引での支出増で財政は大いに逼迫しており、さらにガトーヴィチ・ローレル両国からの莫大な債務を抱え将来的に財政破綻が予想される中で起死回生の策として立案された。

むやみに砲弾を販売することに関して国内外から非難の声が上がっているが、1月国会の政府答弁で李爆弾国防部長は「兵器輸出はあくまで途上国に限り、また一度の輸出量も5000メガトンまでとするとしている。これは途上国が自力で怪獣討伐を行えない現状を救済する目的でもあり、我が国が戦争の要因を拡大せしめんとする死の商人的意図に基づくものではない」と応じた。野党人民党の林修主席はこれに対して「途上国から金を巻き上げる帝国主義的発想」と批判し、他の野党もこれに同調した。共産党は「瓦国からは債権放棄の提案がなされているのだから政府の懸念は杞憂にすぎない。むしろ詭弁にしか聞こえない」とデータを駆使して国民に訴える形で非難を浴びせるも、兵器輸出法案は圧倒的多数で可決された。



【社会】東海油田枯渇

我が国の石油産業に大いに寄与してきた東海油田の石油産出量が昨年から激減している。

乱採掘による地下資源枯渇が考えられ、政府によれば地下資源発掘チームを結成し、新たな原油採掘先を調査しているという。

754年11月1日、姜節世前大総統の国葬がしめやかにおこなわれた。葬儀会場には300万の人民がその別れを惜しみ嘆き悲しむ声も多数聞こえた。

（写真：嘆き悲しむ参列者）



【政治】大総統選挙公示

国葬ご速やかに行われるとされた大総統選挙が11日公示された。

大総統の民選は約300年ぶりであり、復活した民主主義国家のありようを世界に示すための通過儀礼として注目されている。

出馬を表明したのは以下の通り（届け出順、敬称略）

習遠安　国民党　副大総統　57歳

林修　人民党　タレント・予備校講師　52歳

志位参　共産党　党中央委員　31歳

馬九赤　諸派　実業家　69歳

李永健　無所属　無職　71歳

姜節世大総統は754年8月15日、静養先の泰湾省泰北市内の病院で老衰のため逝去した。724年の就任以来30年に及ぶ在任期間であった。

姜大総統は軍閥が割拠する中夏地域を安京政府の下に統一することに成功し300年ぶりに祖国を統一した。

その任期の大半は強権的な政治から多くの批判を受けたが、300年に及ぶ中夏大陸の混乱を収め、中夏の急速な復興と偉大なる大国としての地位を取り戻したことへの功績が評価され最末期には支持率が上昇傾向があるなど長期政権にしては珍しい現象が起こっていたことでも知られる。

葬儀は近日中に行われる予定で、報道機関は全局ともに大総統逝去の報道を行っている（テレビ安京はアニメを報道していた模様）。



大総統職務は病気療養中から引き続き習遠安副大総統が代行、姜大総統の国葬後速やかに大総統選挙を実施することを発表した。

（写真：全国民に向け大総統逝去を伝える習副大総統）

745年3月発行



【経済】国内経済安定期へ

744年度決算が政府商務部から発表された。

経済白書によれば民国内戦からの復興から20年が経過し、国内経済はついに安定期を迎えた。

ガトーヴィチ帝国から多額の借款を受け入れての経済建設であったがすでに外需に頼らない内需中心の経済へと以降が完了し、第一期借款返済は滞りなく行われた。

最も大きかったのは急激な民間企業への依存ではなく国営企業への積極的な投資だったと思われる。

民間投資はリスクがあまりにも大きく、また成長度も緩慢であったことから政府内では国営企業を中心とするインフラ建設が急務であるという声が大きかった。

貿易に関しては従来の対ガトーヴィチ貿易に限定されていたものが、ヴォルネスク戦争の事実上の終結に伴う対ノイエクルスとの貿易開始が外貨獲得の重要な要素となっている。



【外交】ヴォルネスク講和会議始まる

744年2月18日、ストリーダ王国ルンドストレームにおいてヴォルネスク戦争の講和会議が始まった。事実上の戦争終結に在留スラヴ系夏人は大いに沸き返った。

民国政府はこの戦争終結に対して歓迎のコメントを発しており、世界平和が世界経済の安定と人類の繁栄をもたらすとの声明を発表した。

政府は、講和会議終了後ノイエクルスとの正式な国交樹立を目指すとしており、より多角的な外交関係を構築していくものと思われる。



【政治】訓政終了憲政移行宣言へ

内戦以来長らく戒厳令が敷かれていたが、国内外の情勢が安定し、また、経済も順調な発展を遂げていることを受け、政府は来年度国民大会選挙、ならびに大総統選挙を実施し中夏国民党以外の政党の参加を容認する移行を示した。大総統選挙には現職の姜節世氏も出馬するものとみられる。ただし、中夏共産党は極左暴力集団であるとして要監視対象のため政党要件を満たさないとし、選挙への参加を認めないこととされた。これにたいし中夏共産党の天暗文主席は「許されない暴挙だ。立憲政治民主政治を志すならば我が党の参加も認めるべきだ。それさえ認められれば我が党は暴力革命路線を凍結する用意がある」とコメントした。



（写真）国民大会議場で憲政移行宣言を行う姜節世大総統