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Tribune de Lomeray  ロムレー共和国の新聞社
7月 05 (火曜日) 2016
共和国建国50周年、各地で記念式典が開催ほか 00:13  ロムレー湖畔共和国 
【社会】共和国建国50周年、各地で記念式典が開催 中央議会ではレゴリス帝国総統の演説も

611年5月15日、ロムレーの丘でロムレー湖畔共和国建国の誓約が交わされた。

その日からちょうど50年目になる今日、ロムレー国内各地で建国50周年を記念する式典が催された。

その中でも最大規模のものが、中央議会議事堂内外での湖畔共和国誓約50周年記念大会であり、レゴリス総統マンフレート・ハルデンベルク閣下なども招いて挙行された。

本記事ではその大会におけるオロール・オーブ・トリベール議長とレゴリス帝国総統マンフレート・ハルデンベルク閣下の演説を掲載する。



オロール・オーブ・トリベール議長の演説

引用:
 共和国は先ほど(編注:この演説は50年前に建国誓約の交わされた午後2時0分の直後に行われた)建国50周年を迎えました。国際的には50年というのは未だに歴史的な側面からは新興国に過ぎませんが、それでも我々がこの50年を紆余曲折はありつつも同じ議会主義体制のもとでいられたことは、充分に祝われて然るべきことです。それを祝わんがため、私の演説を始めます。

 さて、共和国は建国以来、二つの道の実現を同時に求めてきました。一つは小さくとも豊かで満ち足りた、安定した自由な国家の実現、そしてもう一つはフリューゲルにおいて各国と調和した国際的に重要な国家の実現です。古来より、二つのものを追い求めればどちらも実現されないといわれることは多いものですが、如何でしょうか。今の共和国はその双方を達成し、また達成し続けています。これが継続相で語られることは重要です。どれほどのものであれ、ほんの一時の繁栄に然したる意味はありません。ささやかな豊かさが永久に続くことにこそ、真に賞賛されるべき繁栄というものなのですから。共和国がそれを実現しつづけていることを、私は一ロムレー国民として誇りに思います。

 私が育った…生まれは移民船の中でしたから、そのときにはまだ共和国はありませんでしたが…湖畔共和国、私がまだレゴリスに留学する前のロムレーには、今日「ピューリタン的理想郷」と呼ばれる理念がありました。その理念は、今日にあっては必ずしも時代に適合するものではありません。しかし、その主張のエッセンスは重要なものを含んでいます。ロムレーはこの湖畔の美しい土地との共存によってのみ安寧を約束されるのであって、それを失ったとき、ロムレーの運命は儚いものとなります。歴史の中で時として変化が求められること、それは620年頃には訪れましたし、またいずれ訪れるでしょう。それでも、自然と共生し、諸国と協調し、自由な国民による自由な国制を維持することで、ロムレーはロムレーとして繁栄しつづけることができ、その繁栄の果実を盟邦レゴリス帝国を初めとするフリューゲルの諸国民に提供することができるのです。

 次の50年もまた、平穏と安寧を保ちつつ、豊かで満ちたりた、そして諸国と協調する自由な国家として、共和国がこのフリューゲルにおいて繁栄しつづけられることを願い、また為政者としてこれを誓約して、私の演説を終わります。




レゴリス帝国総統マンフレート・ハルデンベルク閣下の演説

引用:
 この度のロムレー湖畔共和国建国50周年という貴国にとって重要な、そして節目となる機会に於いて、私、マンフレート・ハルデンベルクがレゴリス帝国総統として中央議会にて演説させて頂く栄誉を賜ったことを光栄に思います。そしてオロール・オーブ・トリベール中央議会議長閣下を始めとした政府や中央議会議員の皆様、そしてロムレー湖畔共和国の国民の皆様に、レゴリス帝国を代表して、今回の慶事に祝賀の意を表させて頂きます。



 さて、ここでまずはロムレー湖畔共和国と我が国の関係についてまず述べさせて頂きます。

ロムレー湖畔共和国と我が国との関係は、建国直後に我が国が貴国に対して国交開設を打診した所から始まっております。それが貴国によって受理され、国交関係が締結されてからその関係深化の速度は早くなりました。燃料定期輸送契約に始まり、ロムレー湖畔共和国の留学生の受け入れ、軍事物資の提供とロムレー湖畔共和国軍育成のための軍事顧問団の派遣、相互安全保障条約の締結、ポワンクールの巨大隕石災害、ヴァノミス問題とトロピコ戦争………50年もの時の流れの中で、我が国とロムレー湖畔共和国の間ではこのように沢山の出来事が起きました。



 そしてその前半に於いては、ロムレー湖畔共和国の繁栄のために我が国が力や知恵をお貸しすることとなりました。留学生の受け入れに於いては今現在も引き続き行われており、その留学生の中からはロムレー湖畔共和国の政治家として大成されるお方も次々と出ていらっしゃいます。現ロムレー湖畔共和国中央議会議長であらせられますオロール・オーブ・トリベール閣下がその代表でありましょう。レゴリス帝国大学附属高等学校に飛び級という形で留学されたトリベール閣下は、そこで首席卒業した上で我が国の最難関とも呼ばれる大学、帝国大学法学部に入学され、そこでも首席で法学部を卒業しロムレー湖畔共和国に戻られました。その後官僚として敏腕を振るった閣下は出世の階段を駆け上り、遂には中央議会議長という大任を任せられるに至られました。トリベール閣下、貴女のような方が留学し、そしてその才能を開花させる機会を我が国が作れたことを、誇りに思っています。トリベール閣下の活躍により、ロムレー湖畔共和国は更なる発展を遂げようとしておりますが、我が国はこれが成功し、更なる栄達へのステップをロムレー湖畔共和国が踏まれることを信じてやみません。



 他にも、軍事物資の提供とロムレー湖畔共和国軍育成のための軍事顧問団の派遣に於いては、ルーミヤ・グドリャン陸軍上級大将を始めとした軍事顧問団の活躍、そしてロムレー湖畔共和国軍の軍人らの意欲的な学習により、今ではロムレー湖畔共和国軍はフリューゲルでも有数の軍事力を持つに至りました。今でも我が国のフランドール・バティーニュ陸軍元帥を始めとした軍事顧問団がロムレー湖畔共和国に常駐し、軍の指導や教育の任に当たっております。この間に結ばれた両国軍同士の絆は、後の両国の関係を更に深く結ぶ架け橋となりました。



 そして、相互安全保障条約の締結、そしてポワンクールの巨大隕石災害が発生致しました。相互安全保障条約の締結においては、我が国の国内から「結ぶ必要が無い」との批判もありましたが、当時の総統アプリル・ヴォルケンアンザムルング閣下はそれを無視し締結しました。結果としてこの判断は正しかったというのを後の歴史が証明しています。その後に発生したポワンクールの巨大隕石災害に迅速に対処できたからです。ポワンクールの巨大隕石災害は酷いものでした。ポワンクールを始めとした複数の都市が巨大隕石によって消滅させられ、多数の犠牲者や損害が出てしまいました。その際に迅速な救助や支援を行ったのがグドリャン陸軍上級大将を始めとしたレゴリス帝国軍や消防、警察でありました。ロムレー湖畔共和国近海に我が国の空母打撃群が展開していたという幸福もあり、帝国軍は消防と警察とともに混成救助隊として迅速にロムレー湖畔共和国に展開し、救助活動や負傷者の治療、避難所への物資配布等を行いました。我が国から派遣された救助隊の活躍は、締結間もない相互安全保障条約が有効に機能していることをロムレー国内にも、そして国際的にも証明するものとなりました。



 そうして助けられ続けていたロムレー湖畔共和国は、今度は我が国の為にその力を貸して下さいました。

ヴァノミス問題においては我が国の要請に応じてヴァノミス連邦に対して宣戦を布告され、トロピコ戦争に於いては我が国を始めとした有志連合に参加し、共に肩を並べ銃を取り戦いました。ロムレー湖畔共和国軍の活躍によって、トロピコ戦争の早期終結の一助となった他、各種資源の支援等によって我が国を支えて下さりました。それに対して改めて感謝致します。本当にありがとうございました。



 このように、貴国の歴史と我が国の歴史は沢山の糸でからみ合っており、これを解くのは至難の業と言っても過言ではありませんが、それは両国の友好関係に於いても同様といえるでしょう。そのような絡み合った糸に、私は更に糸を絡み合わせたいと思っています。というのも、更に糸を絡み合わせないと、現状の国際社会に対応できないのではないか。と私が思っているからです。



 昨今のフリューゲル情勢は、トロピコ問題が解決を見たことにより安定しているように傍から見えます。が、近年においては一方で軍事衛星の相次ぐ打ち上げ、新たな軍事機構の発足、全世界の総砲弾数の大幅な増加等、フリューゲル情勢は不安定化しそうな事柄が発生することが増えてきております。嘗て永久の盟約を結んだ盟邦ミッドガルド帝国を失って以降、我が国は自国や同盟国を守り、なおかつフリューゲルの平和と安定を維持し続けるためにPDECの発足やソサエティの成立、アズリール条約の締結など、様々な面において努力を重ねてきました。ですが、これらの努力だけではこの不安定さから我が国やロムレー湖畔共和国を守り、そしてフリューゲルの平和と安定を維持する事は難しいと言わざるを得ません。従って、我々は更なる友好関係の深化と軍事力強化を志向した政策を実施していかなければなりません。そうすることによって、我が国やロムレー湖畔共和国を守る事が出来、それによってフリューゲルの平和と安定を維持することが出来るのです。



 聡明な中央議会の皆様、ロムレー湖畔共和国と我が国との間で結ばれた絆は、今や多数の糸が絡み合い、そして硬い頑丈な紐帯を結ぶ友人のそれとなりました。このような絆を、失わないで欲しいを私は思っております。この絆は、我々やロムレー湖畔共和国の先人らが50年もの歳月を掛けて結び続け、硬く頑丈に仕上がった絆です。このような絆を失う時が、我が国の終わりの始まりと言っても過言ではありません。我が国の最も重要な友人として、共に今後のフリューゲルの歴史を築き上げていきましょう。我々の力を合わせれば、それはきっとできます。ありがとうございました。




【経済】レゴリス・ミリタリー・インダストリーズの組み立て・整備拠点が進出

630年代以来のレゴリス製の軍用機の導入などが進められるなかで、トロピコ戦役以来兵器整備能力の更なる向上が求められるに至って、レゴリス・ミリタリー・インダストリーズ社が共和国の軍事基地付近に各種兵器の組み立て・整備拠点を進出させた。

既に幾つかの拠点は稼動を開始し、ロムレー軍の兵器の供給・整備を行い始めている。

これにより、共和国国内でも兵器の整備を完結させられるようになり、運用能力の改善が見込まれている。



【国際】第3回ソサエティ閉幕、アズリール条約発効

ヘルトジブリール社会主義共和国のアズリールで開催されていた第3回ソサエティは全参加国がアズリール条約を署名して閉幕した。本条約はその後全参加国の批准により発効している。

この条約はトロピコ戦役のため中止となったテークサットでの第2回ソサエティの予備交渉で議論されていた内容をもとに、第3回ソサエティでの会談によってブラッシュアップされたもので、締約国間での戦争時に、人道的な作戦遂行のために民間人居住地域への攻撃などを禁じる内容のものとなっている。

これについて外交局は「議長国であるヘルトジブリールを始めとする諸国の貢献に感謝する。本条約がよりよい国際秩序の実現をもたらすものと願っている」と声明。また、本紙の取材に対し、ある安全保障部会の議員は「これによって諸国間での争いがより人道的に解決されることを期待したい。共和国としてはもちろんそもそもソサエティ参加国間での戦争は望んではいないのだが…」とコメントしている。



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・『Papier d'Histoire』、今月の収録論文は「フリューゲルの世界史をめざして――歴史学の探求」、「“帝国”の研究 ――今日の世界は帝国主義に覆われているのか」、「書評『ロムレー建国小史 議会主義体制創設の意味を再考する』」など(ロムレー歴史学協会)
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4月 30 (土曜日) 2016
第一回ソサエティ閉幕ほか 22:57  ロムレー湖畔共和国 
【国際】第一回ソサエティ閉幕

サン=トゥルミエールで行われていた第一回ソサエティは共同声明を発表、無事閉幕した。

この共同声明ではトロピコ問題、ボアーズィチィ帝国の混乱に懸念を示したほか、テークサット連合で発生した巨大隕石災害への弔意が示された。

心配されていたテロの発生などもなく、平穏に終わったことに関係者は胸をなでおろしている。

外交局の高官は「記念すべき第一回ソサエティの主宰という大役を成し遂げられたことに満足している。次回以降の成果にも期待したい」とコメントしている。



【防衛】軍の近代化進む

安全保障局は近年、海空ならびに宇宙での防衛能力の強化のため、軍事力の近代化を推進している。

海軍戦力としてはレゴリスからハルストア級ミサイル巡洋艦フライトIIを30隻、空軍戦力はLe-19多用途戦闘機200機を始め、攻撃機・AWACS・捜索救難機・戦術輸送機・空中給油機などの導入が図られ、既に一定の数が実戦配備されているほか、宇宙空間においては新規に軌道上レーザー砲撃システムの実用化に成功している。

この中でも特に空中給油機については軽武装派の議員の間で「国土防衛において必要なものなのか」という疑義があったが、近海での迎撃任務を考慮し、最終的には中央議会も一定数の配備を承認した。

このような軍事的近代化は大幅な財政黒字に後押しされた形であるが、その主因は近年の国際情勢にあると思われる。ただし、安全保障局は公式には「クイーンズのような異常な国家が再来した場合の独自の対応能力の獲得が目標」としている。



【経済】滞在者数2000万人へ、観光局が新計画を発表

その増加が緩やかになっていた観光者滞在数について、観光局は数値目標として2000万人を設定し、沿岸部や近海の小島嶼のリゾート開発などの施策によって滞在者数2000万達成を目指す方針を明らかにした。



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・『Linguistic Research』、今月の収録論文は「コーデクス語の語尾変化とモダリティ」「外国の影響下での現地語の変化を考える――ヴォルネスク、ヴァノミス、セビーリャ」など(ロムレー言語学会)

・休暇は高原の避暑地で、当ロッジ周辺のハイキングコースは今が旬(ロッジ・ファルリード)
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2月 03 (水曜日) 2016
9ヶ国会議代表団帰国 / 迎撃衛星打ち上げ完了 ほか 21:33  ロムレー湖畔共和国 
【外交】9ヶ国会議ロムレー代表団帰国

9ヶ国会議に出席していたロムレー代表団が帰国し、中央議会で会議の内容を報告する演説を行った。

これに対し、議会は出発前と変わらずかなり否定的な反応を示している。

かつてのウィリーツェン会談では、最終的に現在までENEC加盟という結果にこそ至らなかったものの、ウェールリズセとENECに対する国民的な好感がもたらされるなどの成果を見たが、それに比べても今回の9ヶ国会議は広く国民一般に不人気であり、資源輸出国による国際機構の結成という総論からその役割に関する各論に至るまで、ほとんどあらゆる事項について何らかの反対意見が存在する。

例えば、レゴリスを始めとする先進国との友好強化を求める風潮に加え、参加によって資源輸入国との摩擦に共和国が直面することを危惧する外交局、観光業を主産業として資源輸出部門とのリソースの競合に悩む観光局、会議の中で一部参加国に散見された軍縮主義を懸念する安全保障局など、各局の反対も根強い。とりわけ、「共和国は資源輸出ができなくなっても破綻しない。しかし資源が輸入できなくなれば破綻する可能性が存在する」という見解は、共和国全体で広く共有されている。

これに対して9ヶ国会議参加の旗振り役である通商局は「共和国の産業構成上、資源輸入が重要であるからこそ、資源輸出国の立場であることを活用して資源輸出国と結びつくことが国益に適う」という立場を引き続き貫いており、これに対する理解を求めているが、その道のりは難しいと言わざるを得ない。

参加国を再編し、6ヶ国会議として再び会議を開くとのことだが、9ヶ国会議への出席でさえ激しく抵抗し、代表団を賛成派反対派双方から構成されるものとすることによって妥結した議会において、次の会議開催において同様の方法が承認されるかは不透明であり、二度目の会議への代表団派遣への議会工作のハードルは以前よりも高まったといえるだろう。



【防衛】迎撃衛星打ち上げ成功

635年10月11日、安全保障局は隕石迎撃衛星の打ち上げに成功したと発表した。

ポワンクール市を壊滅させた巨大隕石災害から4年、これにより共和国の巨大隕石のリスクは大きく軽減されることとなる。

これについて安全保障局は「もはや中堅国でも迎撃衛星を保有するのが当たり前の時代だ。共和国もそれらの国と同じように巨大隕石の恐怖から少しは解放されるということだ」とコメント。

今後の運用については、エルツ帝国の迎撃衛星がエネルギー不足により完全な性能を発揮できなかったとされる事例などもあって、常に充分なエネルギー残量を維持するように注意深く行われるとのこと。



【経済】ロムレー島沿岸部の干拓政策概ね成功、食料自給体制回復

共和国では島の内側の高地ばかりが開発される一方で、島の周縁部の海岸沿いはほとんどが保護区指定されて放置されてきたが、今回の国際社会を騒がせた一連の騒動に対応すべく海防のため沿岸部に関する調査研究が行われた結果、沿岸部に広がる海は遠浅で、干拓に適していることが示された。

これを受けて行われた第一次干拓計画により作られた北西部と南東部の干拓地では園芸農業と酪農が行われ、共和国の食料事情は観光者向けの高級食材まで充分に国内で賄える自給自足状態に回復した。

そのほか干拓地でのコミューンの設置が行われ、行政部各局は対応する事業にとりかかった。観光局は、「ロムレー産の食材を含めて更なるアピールを強化し、滞在客1500万人への行程を加速させたい」と発表。

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1月 16 (土曜日) 2016
巨大隕石災害から一年 / 世界社会不安、共和国には影響なし ほか 16:21  ロムレー湖畔共和国 
【政治】巨大隕石の被害に関して合同対処委員会は報告書を中央議会に提出

去年10月に共和国の北東部ポワンクール市近郊に落下し、ポワンクール市全域に壊滅的な被害をもたらした巨大隕石災害からの一年が経過した。復興にあたって、合同対処委員会は報告書をまとめ、中央議会に提出した。報告書の内容の概略は以下の通り。



・巨大隕石の落下地点である国有地について、本災害に関するメモリアルパークとする方針の議決に伴い、被災状況の保存、慰霊碑や記念館の建設、国立墓地の設置を決定した。国立墓地については既に犠牲者遺族からの希望が殺到しており、この整備事業を他事業に先行して行うものとする。

・クレーター跡にリプフェール湖の湖水が流入して発生した水没について、排水活動の迅速化のため、ハザードマップの見直しを求める。

・観光資産の集中する南西部は被害を免れたため、これを活用することで国内経済は維持できると見込まれるが、それにあたってはポワンクール市の復興と両立するべく適切な方策が必要である。

・隕石の衝撃に伴う地盤変動によってリプフェール発電所の一時的な稼動停止について、一部で再稼動の遅さに対する指摘がなされている。本件についてはその過程の確認を要する。

・安全保障局で進行中の隕石迎撃衛星開発計画について、その実現を急ぐべく特別の措置を求める。



・レゴリス帝国からの救助隊の活躍は、締結間もない安全保障条約が有効に機能していることを国内的にも国際的にも証明するものとなった。

・ストリーダ王国からの援助物資として送付された資材について、中央議会には復興のため適切な配分決定を期待する。

・以上の国際的支援について、改めて感謝の意を表明する。



・災害という極限状況下にあっても総じて国内の安寧秩序は保たれていた。被災後に発生した世界社会不安の影響も確認されていない。

・復興は遠い道のりではあるものの、社会的安定があればそれは可能である。そして我々の社会は今も安定していることを確認する。





【国際】世界的な社会不安発生、共和国には影響なし

フリューゲル暦623年初頭、中程度の社会福祉制度の整備された先進諸国の社会情勢が不安定化、一部の国では大規模な暴動に発展する事態が発生した。

これについて、巨大隕石で最大都市が消滅するという未曾有の危機にある共和国ではあるが、共和国の社会保障水準は世界標準から見ても既に著しく高い水準となっていることから社会不安の影響は確認されておらず、ロムレー市及びサン・トゥルミエール市は平穏を保っており、災害復興への影響は今のところないとのこと。国際的な満足度指標においても共和国はこの事態の前後を通して世界最高水準を維持している。

本件について各国は社会保障給付を拡大することで対応にしたが、これは各国の財政支出を悪化させ、国際経済に影響を及ぼす懸念がある。これについては今後の動向を注視したい。





【政治】レゴリスとの相互安保で深まる軍事面の連携

レゴリス帝国との相互安全保障条約の締結から3年が経とうとしている。

先の巨大隕石災害の際の同国からの救助隊の活躍は未だ記憶に新しい。これにおいては初動から混成救助隊の派遣までの対応も迅速であり、救助された被災者の多くが彼らの速やかな対応によって得られたものである。

また、この災害を受けて急ピッチで進められている迎撃衛星の開発計画においても、レゴリスの軍事技術の貢献するところは大きい。

巨大隕石災害からは目を離してもレゴリスとの相互安保は共和国に大きな軍事的利益をもたらしている。レゴリス軍事顧問団の指導の下、共和国軍の練度は大きく上昇したし、装備の改善にも大きく寄与した。

救助隊の活躍に感謝の意を表明する中央議会の決議の際のプロスペール・アルベリク・ジャンベール議長の演説で「最上の盟邦」と表現されたレゴリス帝国との連携は、今後も強化されていくことになるだろう。





【経済】滞在客1000万人強で安定、今後の観光業拡充の方策は

共和国の滞在客が1000万人に到達して以来、共和国の観光客の増加ペースは巨大隕石災害の影響もあって弱まり、結果としてここ2,3年の間滞在客は1000万人をやや超える程度の水準のままで推移している。

このような現状において、観光局は次の目標として滞在客1500万人を掲げ、更なる観光客誘致と観光業の振興を図ろうとしている。

その目標の実現にあたっての方策は、既に国際的に高い集客力を持っている避暑・保養地としての長期滞在客やパッケージツアーを利用する短期の観光客を拡大するというだけではない。

次なる観光客誘致のターゲットとして、世界社会不安の影響によって給付水準が拡大した先進国の年金生活者や障碍者などの社会保障受給者、既に国内の福祉水準が高いことも活かしてこれらの層に対しても訴求力のあるサービスを提供していこうというのが今回の観光局の観光業振興政策の骨子になる。
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12月 18 (金曜日) 2015
気象衛星打ち上げ成功ほか 22:29  ロムレー湖畔共和国 
【科学】大気海洋局、気象衛星打ち上げに成功

昨日、大気海洋局は気象衛星Wesat-Iの打ち上げに成功し、今日からその観測データの配信が開始された。Wesat-Iは可視光・赤外線カメラを搭載した標準的な気象衛星である。

なお、大気海洋局は引き続き惑星観測衛星の打ち上げを計画しているほか、安全保障局が隕石迎撃衛星の研究に着手しているようだが、これらの実現時期は未定とのこと。



【国際】ヴァノミス国内における“演習”事件、各国が武器輸出の見直しや調査団派遣、非難声明など発表

警察国家体制で知られるヴァノミス王国が国内で大規模な“軍事演習”を実施、それが実態として自国民の虐殺と疑われる事案の発生に伴い、各国が武器輸出管理を巡って声明を発表、またヴァノミスへの調査団派遣、非難声明などを行った。

一方、この件が中央議会の議題に上るやいなや、「レゴリスからの輸入に頼る共和国の砲弾備蓄は大丈夫なのか」という指摘や、「そもそも観光客対応係と化している今のロムレー軍に弾薬が必要なのか」という野次が飛び交い、一時議場は騒然となったが、ともあれ現時点での共和国としてはこの件に関してはヴァノミスに対し強い懸念を表明するという決議が行われるのみの対応となった。



【政治】福祉医療局設置法案、医療費無償化法案ほか各種社会保障関連法案が可決、福祉国家への転換へ

観光業の好調による恒常的な経常黒字の更なる拡大により、財政的な余力の拡大しつつある中で、夜警国家的な体制を維持するよりもフリューゲル諸国に倣って福祉国家への転換を図るべきであるという風潮が強まり、中央議会は各種社会保障関連法案の可決を決議、管轄部門として福祉医療局を設置した。

これにより、共和国の社会保障制度は世界標準レベルとなったが、共和国の人口の少なさのため、その費用は「当初想定されていたものよりはるかに少なく、教育局や社会基盤局の予算に比べると微々たるもの」(福祉医療局広報部談)とのこと。



【経済】観光局、共和国の観光業規模世界一達成を宣言

観光局は共和国の外国人滞在者数は700万人を突破し、世界最大規模となり、また観光部門の就役は建国以来常に最大の収入源であった燃料輸出による収入を超えたと発表した。

観光局は引き続き観光業の振興を図り、滞在者1000万人を目標に、現在の主力となっている長期滞在者だけでなく短期滞在のリピーター客の取り込みも図るとのこと。
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10月 11 (日曜日) 2015
海外留学プロジェクトの始動 他 16:42  ロムレー湖畔共和国 
海外留学プロジェクトの始動。第一弾がレゴリスへ

フリューゲルにおいて独自に発展した文化を摂取することを目的として計画が進みつつあった海外留学プロジェクトについて、中央議会はレゴリス帝国の受け入れ許可を取り付け、第一陣が留学に出発した。

広くロムレー中の老若男女のうちから募られ選考を通過したメンバーは中央議会の長老からまだ十代の子女まで老若男女幅広く、中でも最年少のオロール・オーブ・トリベールさんは出発前のコメントでは「だっ、大丈夫よっ、私はどこでだってちゃんとやっていけるし」とコメントしていた。

いずれにせよ、彼ら彼女らが将来の共和国を担う人材となって帰ってくることを期待したい。



カテドラルの建設、自然保護区の設定など各コミューンで独自の施策実施

大国との交流の進展、資源輸出部門の好調により経済的な余裕のでてきた共和国内では各コミューンが様々な施策、主に文化政策と自然保護政策に予算を投入している。

特にカテドラルの付設学校は公的な教育機関の整備が進んでいない共和国における数少ない中・高等教育機関として機能している。

一方で先述の通り進まない公的教育機関の整備のように、全国的な政策の実施はほとんど行われておらず、集権化の必要が叫ばれている。



中央議会の制度改革の議論開始

中央議会を除いて中央政府と呼べるほどの機関を持たない状況の続く共和国ではあるが、入植面積の拡大に伴い、政府機構の整備の必要性を訴える声が高まりつつある。

とりわけ公的な初等教育や交通網の全国的な整備の必要性が叫ばれていることを受けて、中央議会では官僚制度の整備や、中央議会の制度改革による近代的議会政治の確立といった主張が見られるようになっている。

一方で、これらの実施がロムレー的自由を失わせるのではないか、共和国をピューリタン的あるいはアーミッシュ的なある種の理想郷に近い状態から遠ざけるのではないかという懸念も根強い。このような現状への満足と保守的傾向を導いている大きな原因が、移民先でしばらく厳しい生活をすることを覚悟してきた我々にとって、実際上食料にも燃料にも困らない生活が営めていることであることは明らかであろう。

ともあれ、我々はこの議論を通じて共和国の目指す国家像を明確化させ、進むべき道を定めなければならない。
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9月 14 (月曜日) 2015
共和国建国から一年 23:57  ロムレー湖畔共和国 
【挨拶】トリビューン・ド・ロムレー国際版発行について

フリューゲル社会の皆様、初めまして。

共和国建国一周年にあたり、弊紙も試験的に国際版の配信を開始しました。

今回は事務的な問題から一記事のみの配信となりますが、今後配信記事の拡充を図る予定です。



【国内】共和国建国から一年、今後の方針は

共和国建国から一年が経過した。現下国内ではウラン鉱が発見され採鉱が開始、農業生産も十二分に自給が可能な状況にあり、入植地の状況はひとまず安定した。

今後の共和国の方針について、内政においては周辺環境と調和した漸進的な発展を続けつつも今後の成長に向けた下地を固めること、外交的には、いくつかの国家と接触を持ち、国交を樹立しているが、これら諸国を通じて国際社会との相互理解を深めることが急務であると考えられる。

また、顕著な問題として挙げられるのはフリューゲルの国際水準と比べたときの政治体制・法制度・科学技術の差異であり、当面の目標はこのギャップの解消になるだろう。
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