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The Weekly Telegraph  
1月 25 (月曜日) 2016
【クイーンズ連邦に宣戦布告,「この上ない怒り」「深い失望」】 23:58   
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       The Weekly Telegraph

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━フリューゲル暦634年 5月30日


【号外:連邦政府、クイーンズ連邦に宣戦布告。第一、第三艦隊がサンジュブレとサントテルザを出港】



 連邦政府はクイーンズ連邦駐在大使と大使館員が殺害された事件を受けて、「この上ない怒り」と「深い失望」の表現を用いて最上級の非難声明を発表した。政府関係者によると、事件発生以前、連邦政府は48時間以内の大使館要員の相互撤収をクイーンズ連邦側に通告していたが、クイーンズ側はスラブ主義者を装い、相互撤収完了前にウェールリズセ大使館の機密資料を奪取すべく大使館を襲撃したものと見られている。クイーンズ連邦はウェールリズセ大使館への侵入又は損壊に対し使節団の公館を保護するため、及び公館の安寧の妨害又は公館の威厳の侵害を防止するため適当なすべての措置を執る特別の責務を有するが、これを事実上無視したに等しい暴挙に対して、国内からは激しい怒りの声が上がっている。

 連邦国防省の報道官は、海外派遣軍(WEF)クイーンズ方面軍の司令官に海軍総司令官のティサ・ラスロー上級大将を選任、クイーンズ全土制圧の現場指揮に当たらせる事を決定した。すでに第一、第三艦隊が国内の軍港から出港し、国内の各基地では厳戒態勢が敷かれている。
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【衛星打ち上げ成功∥レゴリス帝国足柄上級大将帰国∥渡航安全情報を更新】 22:01   
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       The Weekly Telegraph

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━フリューゲル暦634年 5月29日




【人工衛星の打ち上げに成功、アシス(Waleridse Aeronautics and Space Integrated System:W-ASIS)の運用を開始】

 ウェールリズセ航空宇宙局は、ウェールリズセ初の気象衛星及び観測衛星の打ち上げに成功したと発表し「今後の災害情報等のデータ収集の迅速化を図る」とした上で、「迎撃衛星の打ち上げも決定されており、成功すれば気象・観測・迎撃の三衛星で構成されるアシスの運用が充実化し、国民生活がよりよいものとなるだろう」と述べた。軍事衛星の打ち上げについては言及しなかったものの、専門家はENECにおける軍事連帯の枠組みが決定されれば、速やかに打ち上げられるとの見方を示した。

【足柄真瑠璃海軍上級大将にウェールリズセ海軍元帥号と名誉市民権を授与】

 大統領府と連邦国防省は、レゴリス帝国軍事顧問団長を務めた足柄真瑠璃海軍上級大将に対して、外国人としては初となる海軍名誉元帥号と、外国人二例目(外国人に対する授与はエーラーン教皇国のフランツ・フォン・ビツィンガー枢機卿が初)となる名誉市民権を授与した。ミハイル・スウィトナー大統領は式典で「ウェールリズセの海軍が、自国を守り得る矛と盾を有するに至ったのは、足柄真瑠璃名誉元帥以下レゴリス帝国軍事顧問団の寄与する所が大であり、ウェールリズセを代表し御礼申し上げる」と述べた。

【クイーンズ連邦に対し外交関係格下げを通告、ノホ・ヘレコ連邦には公式な外交関係再開設を打診】

 連邦外務省は今月、クイーンズ連邦に対し「外交姿勢に幾何の危惧を有するに至った」として、外交関係の格下げを行った。格下げが実施されたのはシェロジア共和国、ノホ・ヘレコ連邦に続き三例目。また、ノホ・ヘレコ連邦に対し、先の報告書発表を高く評価した上で、公式な外交関係の再開設を打診した。

【連邦外務省、国外安全情報を更新】

連邦外務省は渡航安全情報を更新し、邦人に対して原則【Bランク以下の国】に渡航する際(第三国経由含む)には十分な注意を、【Dランク以下の国】には原則として渡航しないよう呼びかけた。(公式な外交関係を有する国、或は利益代表部設置国を対象)

【A+】

レゴリス帝国∥成蘭連邦王国∥ヴェールヌイ社会主義共和国

【A】

エーラーン教皇国∥エルツ帝国

【A-】

アルドラド帝国∥ストリーダ王国∥ノホ・ヘレコ連邦∥コーデクス共和国∥ロムレー湖畔共和国

===========注意情報===========

【B】

ミッドガルド帝国

【C】

アリア連邦∥タヂカラオ国∥カルセドニー島共和国

===========極めて危険===========

【D】

テークサット連合∥フリュー第二帝政∥ベルサリエーレ王国

【E】

エウシウワンジャ共和国∥クイーンズ連邦



その他ヘッドライン

【ストリーダ王国とのホットライン設置がほぼ確実か】

【ヴァノミス問題の収束に向けた会合が開始】
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1月 19 (火曜日) 2016
【政府関係者、困惑を隠せず】 21:00   
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       The Weekly Telegraph

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━フリューゲル暦633年 5月29日


【大統領府報道官「コメントをする気も起きない」】

 ウェールリズセ大統領府報道官は、定例会見でストリーダ政府報道官発言に対して「ストリーダ王国政府が外交努力を怠った以上の理解をする事は出来ない」と辛辣にコメント。「同国政府がベルサリエーレ王国に対して、真相究明の為の調査申し入れを行った事実はないし、ベルサリエーレ回答はあくまで『説明∥謝罪∥引責』の三種のガトーヴィチ要求に対して『説明以外の要求は不当であり拒否する』としているのみである」とした上で「同国政府は説明の意思がある事を再三表明しているし、当時の段階で説明以外の要求、つまり謝罪及び引責の要求が不当であるとのベルサリエーレ回答は一定の適切性がある」とコメント。要求拒否はあくまでこのガトーヴィチ要求に留っており、「調査団派遣等の要請に対する拒否に言及はしていない」,「調査を拒否しているという予断に基づく制裁措置である事が明らかである以上、同国政府(ストリーダ王国政府)の外交努力/対話努力の欠如以外の表現を行う事は出来ない」と一蹴した。制裁解除を示唆した事については「一定の評価を行う」とのみの発言に留まり、外務省関係者は「読解力以前の問題なのでは」と困惑を滲ませた。



【時系列解説:政治部】

●ガトーヴィチ帝国帝国新報報道

632年7月 ガトーヴィチ帝国政府発表

"ベルサリエーレ(狙国)政府による自国民へのミサイル発射について、ガトーヴィチ(瓦国)政府は強い憤りを表明し、説明と謝罪、引責を行わなければ更に国際的に孤立させると断言した。」"



●ガトーヴィチ政府発表に対する対する回答:ベルサリエーレ王国カルタニア国営放送局

632年7月下旬 リベラトーレ・パッサリーニ宰相発言

"『再度説明するがミサイルの発射は無政府主義者に対する鎮圧活動の一つでありゴリツィアに近い東レベルギウスの治安回復は急務であり適切な取り締まりである。』

とコメント及び説明を行い説明以外の全ての要求(ガトーヴィチ要求)は不当なものであるとし拒否した。"



●ストリーダ王国、スコッチランド共産主義同盟等が制裁措置を表明



●ノホ・ヘレコ連邦が調査団派遣をベルサリエーレに打診、ベルサリエーレ側は許可



●連邦政府(ウェールリズセ),「拙速な制裁措置」表現
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【制裁措置に大統領府報道官「順序を履き違えている」】他 18:24   
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       The Weekly Telegraph

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━フリューゲル暦633年 5月18日


【ストリーダ王国報道官発言に対して大統領府報道官「順序を履き違えている」】

 ウェールリズセ大統領府報道官はストリーダ王国政府報道官の記者会見における発言について、定例会見で「順序を履き違えている」と指摘。「ベルサリエーレ王国の疑惑については同国政府に責があるが、疑惑は疑惑に過ぎないのであって、疑惑の段階で制裁に踏み切る事が適切な対応だったとは考えられない」とした上で「疑惑の段階では先ず調査を行うべきであるし、その意味でノホ・ヘレコ連邦の調査団派遣こそが本対応において最も適切。仮に本件が調査の結果、事実ではないと確認された場合にはストリーダ王国政府に限らず、制裁を実施した各国は制裁の責任を取らなければならない」とコメントし、事実確認を行ってからの制裁措置が最善であり、事実であった場合に然るべき措置をとる事に対しては反対していないとの立場を強調した。

 外務省報道官も定例会見で「事実確認を伴わない拙速な制裁は却って関係の硬化を招き、外交上の緊張を生みかねないもので、結果的に不必要な紛争事態に発展しかねない」と発言。「関係各国の理性的な対応に期待する」と締めくくった。ある政府高官は「平和主義的傾向にあったストリーダを始めとする制裁実施国の今回の対応は驚いている。世界的に社会不安が加速している証左ともいえる」と国際情勢の不安定化に緊張感を滲ませた。

その他ヘッドライン



【ノイエクルス連邦と大スラブ主義の対立が鮮明に――武力衝突に発展か?】

【クイーンズ連邦とベルサリエーレ王国の舌戦が活発化――政府関係者「極めて下品な罵倒の応酬」】 

【ENEC第三回総会、年内に開会「テークサット情勢の改善∥ヴァノミス問題の最終的かつ不可逆的な解決∥資源規制の動きに対する対処の三議題が軸か】

【数カ国と安全保障条約締結を検討――外務省高官「調整段階」】
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【ベルサリエーレ情勢に言及∥資源輸出国で広まる規制の動き】 00:30   
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       The Weekly Telegraph

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━フリューゲル暦633年 4月2日


【大統領府が公式にベルサリエーレ情勢に言及、「拙速に過ぎる」】

 大統領府報道官は、ベルサリエーレ情勢について「ノホ・ヘレコ連邦等による国際的な調査結果を待つ」とした上でベルサリエーレ側に疑惑が持たれている事は認めつつも、現段階での経済制裁措置に踏み切った各国に「拙速に過ぎる」とコメントした。ノホ・ヘレコ連邦等の調査団を受け入れる方針をベルサリエーレ王国が見せているにも関わらず、調査結果を待たずに制裁に踏み切った事は擁護のし様が無いと辛辣に指摘。「現段階では疑惑は疑惑に過ぎない。拙速な制裁は深刻な対立危機を誘発しかねず、仮に本制裁が原因で紛争が生じた場合にその責任は制裁国側にある。戦いの引き金を先に引いた側に対して、連邦は適切な措置を執る」と述べた。また、ベルサリエーレに対する今後の対応については、ノホ・ヘレコ連邦の調査報告書を吟味した上で検討するとした。

ENEC等への議案上程については、「現時点では検討していない」としながらも「情勢次第では十分に有り得るし、またテークサット情勢も絡めて第三回総会がENECの正念場となるだろう」と述べた。



【「輸出規制と題した自由貿易の阻害が我国の安全保障を脅かす恐れ」連邦上院軍事委員会】

 連邦上院の軍事委員会において、エドガールド・アルベルティーニ軍事委員長は、カルセドニー島共和国を始めとする資源輸出国が一部資源の輸出の規制を検討していることについて「連邦の安全保障に影響を及ぼす可能性がある」とした上で、輸出規制を「好ましくない」と不快感を示した。連邦が輸出要件を満たさない可能性は低いが、輸出規制を行う風潮が広まれば世界的な資源不足に拍車がかかりかねないと危惧されており、とりわけ鉄鋼や石油は国家の安全保障に密接な関わりを持つため、連邦の安全保障に対する脅威との声も挙がっている。

 連邦国防省の報道官は定例会見で「仮に輸出要件を満たさなかった場合は、我が国の安全保障に致命的な影響を与える恐れがあり、輸出規制は連邦に対する間接的な攻撃に等しいものと見做さねばならない」とした上で、「資源輸出国が良識ある判断を下す事に期待したい」と述べた。



その他ヘッドライン

【ヴァノミス問題が収束の方向へ=外務省「調整中」】

【国産長距離爆撃機の開発に着手。レゴリス・ミリタリー・インダストリーズ(RMI)が技術提供】
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1月 16 (土曜日) 2016
【政治】ウェールリズセ同時選挙、第一党に社会民主同盟が復帰 16:49   
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       The Weekly Telegraph

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━フリューゲル暦632年 11月14日


【ウェールリズセ同時選挙、国家ファシスト連合と社会民主同盟が政権与党に。共産党も躍進】

 同時多発暴動から9ヶ月、ウェールリズセでは大統領の辞任と議会の解散が同時に行われた。今回の選挙ではウェールリズセ人の結束主義を呼びかけるウェールリズセ・国家ファシスト連合と、586年から600年代前半まで政権の座を握った社会民主同盟が提携し、選挙戦を展開。社会不安問題と、ENEC諸国との連帯、ヴァノミス問題で宥和に転じた外交政策が批判を浴びたウェールリズセ・キリスト教社会同盟は選挙戦で厳しい戦いを強いられ、選挙の結果、第一党の座から転落した。民選議会では総議席数50の内、社会民主同盟が17、国家ファシスト連合が14、ウェールリズセ・キリスト教社会同盟は13、民主協働党から改称した共産党は6の議席を獲得。大評議会では総議席数35の内、社会民主同盟が14、国家ファシスト連合が10、ウェールリズセ・キリスト教社会同盟は8、共産党は3の議席を獲得した。

 大統領戦では社会民主同盟が擁立したサントテルザ経済特区委員会前委員長のミハイル・スウィトナー氏、ウェールリズセ・キリスト教社会同盟が擁立したヴェンデッタ政権時の副大統領サヴェリオ・グランディ氏、共産党が擁立したファウスティーノ・アレッシ氏が激戦を展開。選挙の結果、ミハイル・スウィトナー氏が52%、サヴェリオ・グランディ氏が41%、ファウスティーノ・アレッシ氏が7%の得票を得て、第五代大統領にミハイル・スウィトナー氏が選ばれた。



【約半世紀ぶりの安全保障政策転換】

 第五代大統領に就任したミハイル・スウィトナー大統領は、TWTの取材に対し、前政権の外交政策を批判した上で「(新興諸国経済理事会,ENECにおける)ウェールリズセが負う責務は最早ウェールリズセでは背負いきれないものとなった」と指摘。その中でテークサット連合を厳しく非難し「ENEC加盟国としての責任を放棄している」と強調。安全保障環境の速やかな改善が必要な情勢下で、ENECからの離脱も国内から一定数求める声が挙がっている中、「近日開会される第三回総会で具体的な成果が得られなければ、離脱可能性は十分にある」と厳しい見解を示した。

 また、ザイツ政権、ヴェンデッタ政権が行ってきた軍備拡大を「不十分」と指摘。経済規模にあわせて、常時兵力を陸空海で90万、空軍の同時稼動機を700機まで増加させる必要があると指摘し、「ウェールリズセに剣と盾がある限り、如何なる者もウェールリズセの地に土足で踏み入る事が出来ないようにすべきだ」と述べた。

 カルセドニー島共和国で行われている9カ国会議についても触れ「建設的な議論が中・後進国で行われているのは喜ばしい事」と賞賛。「資源輸出国同士の経済同盟は、やがては一つの危機(=資源輸出国から輸入国への転換)に直面する。その際に適切な改革が行われなければ、厳しい運営になるだろう」とした上で、「組織運営が破綻をきたさないよう初期から確固たる基盤を築き、加盟各国の意思疎通が円滑なものとなれば、良い結果を国際社会をもたらすだろう」と述べた。



【国内治安、回復】

 内務省報道官は11月上旬の定例会見でウェールリズセ全土の治安状態が社会不安以前の状態に戻ったと発表。外国人も徐々に戻りつつあり、社会不安からいち早く抜け出した格好となった。大統領令は632年で効力を失う見通し。
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1月 11 (月曜日) 2016
【国際】成蘭外遊 ∥ 【政治】フリューゲル同時社会不安、連邦に直撃、深刻な影響も 17:48   
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       The Weekly Telegraph

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━フリューゲル暦632年 1月16日




【ヴェンデッタ大統領、初外遊に成蘭連邦王国】


ルーベン・ヴェンデッタ大統領はフリューゲル暦631年11月21日、4日間の日程で成蘭連邦王国を訪問した。

 ヴェンデッタ大統領は成蘭に到着早々、近年即位したばかりの黒石治憲新国王に謁見した。大統領が即位のお祝いの言葉と共に、「フリューゲルの政治経済文化の先駆者、先導者たる成蘭連邦王国を訪れる事が出来、嬉しく思います。我が国が成蘭から学ぶ事は非常に多く、これを機に両国関係が深化する事を願います」と述べると、黒石治憲国王からは「国際社会で圧倒的な存在感を示す一方、独自のきめ細やかな文化が発達する共和国から客人を迎えることができ嬉しく思います。両国は外交政策上、交わることが少ないといえますがこれを機に政府間交流のみならず民間レベルの交流が深化することを切に願います」との言葉を賜わり、一時間程黒石治憲国王と歓談した後、宮殿を後にした。

 二日目に訪れたのはFENA(フリューゲル経済諸国同盟)議場で、ENEC(新興諸国経済理事会)より長い歴史を持つ議場を見学。「FENAの存在がフリューゲルに安寧をもたらした事は疑いようもない」とコメント。今後のENEC運営に課題が残る中、FENAの沿革について担当者から話を聞き、議場を後にした。

 三日目に訪れたのはフリューゲルトップクラスの金融市場を有す成蘭市の金融街で、成蘭の企業関係者らと三時間程歓談した後、黒石治憲国王主催の晩餐会に出席。成蘭の政界関係者らと夕食を楽しみ、両国文化について歓談した。関係者によれば、晩餐会後、近年緊迫している安全保障環境や両国経済について成蘭政界関係者らと議論したという。

 四日目、ホテルで記者会見を開いた大統領は成蘭連邦王国を絶賛し「成蘭は政治・経済・軍事何れをとってもフリューゲルになくてはならない大国。今後もフリューゲルの安寧の為にその力を発揮される事を切に願う。我々ウェールリズセも、成蘭連邦王国を見習い、フリューゲルの安寧と、公正な世界の実現のために力を尽くす事を誓う」とコメント。途中、安全保障問題に関連して、記者団からヴァノミス問題について質問されると、「ヴァノミス問題は近々、最終的かつ不可逆的な解決を見るだろう」とのみ短く答えた。

【全土で暴動発生、政府は建国史上二度目となる戒厳令を発令】



(写真=市街地に展開中の連邦軍治安維持部隊)

 世界同時社会不安はウェールリズセをも襲った。大統領の成蘭からの帰国と同時に、ウィリーツェン証券取引場ではウィリーツェン総合指数が急落、サーキットブレーカーが三日連続で発動する事態となり、632年早々、企業のチャプターイレブンの申請が相次いだ。失業者数は前年比4.9%上昇、これによりウィリーツェン、サンジュブレ、アゼロティータ、サントテルザの四大都市では労働組合を中心に政府と大企業を対象とした批判が相次ぎ、暴動が発生。治安部隊が出動したものの、暴動が治まる気配はなく、外国人は相次いで帰国。590年代以降、初めての大恐慌に陥った。



 ウェールリズセ大統領府と内務省、国務省は相次いで会見を開き、632年中は『地方政府の権限を停止』『夜間の外出の禁止』『治安部隊の指示に従わない場合は治安部隊が一時的に違反者を拘禁する事を許可する』旨を取り纏めた大統領令の公布を宣言。また、各種世論調査で9割以上の国民が大統領の辞職と議会の解散を迫っている事にも触れ、632年の危機が去ると同時に大統領の辞職と議会の解散を行うことを確約した。

 同時に財務省も会見を開き、社会保障と社会不安の回復のため、200兆規模の追加予算の承認を議会に求めると共に、財源については連邦史上初となる国債発行により、100兆Vaをヴェールヌイ社会主義共和国政府の引き受けの上で発行したと発表した。連邦に訪れた苦難は、未だ続くと見られ、ウェールリズセ関連株は連日ストップ安に迫る勢いで急落している。

 ウェールリズセ内務省の報道官は、一連の同時多発的な社会不安の理由について「安全保障環境の急変による世界的な情勢不安に加え、QOLの低下が原因と見られるが、先進国で特に深刻化している資源不足もまた世界経済に悪影響を与えている可能性は否めない」とした上で「国外の経済的不安に対しては連邦政府も尽力するし、国内的には労働組合の求める賃金上昇や失業率の低減に全力を注ぐ」とコメントした。ヴァノミス問題以後、初となるENEC総会の開会も検討すると見られる。
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