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ヴェールヌイの報道  ヴェールヌイ社会主義共和国メディアの報道を集約して紹介
3月 28 (土曜日) 2015
【第12号584年1月】憲法改正。ヴェールヌイは新時代へ。 21:24  ヴェールヌイ社会主義共和国 
・憲法改正。新国政制度施行へ。

583年6月、労働者評議会は、閣僚評議会が提出した憲法改正と、新国政制度案について、全会一致をもってこれを可決した。新憲法により、労働者評議会は人民議会に改変され、これまでの各党ごとの信任投票方式から、直接選挙方式となる。また、これまでは労働者評議会議長が閣僚評議会を任命、指導していたので、立法と行政が一元化されていたが、今後は議事進行と監督は人民議会議長に、行政府の長は閣僚評議会議長と分担されることとなる。議会の直接選挙化によって、より民意が反映される民主的国家運営が期待される一方で、建国以来我々が築き上げてきた世界に誇るべき社会主義制度を維持発展させていくことは、人民大衆が、ただ一人の落伍者もなく、平等に豊かさを享受するために必要な唯一無二の方針であり、これを永続しなければならない。新憲法では、生産を社会的に統制し、富を社会的に分配することが明確に規定されると同時に、改正要件を、これまでの「労働者評議会の過半数の賛成、党中央委員会の承認」から、「人民議会の3分の2以上による議決、有権者による国民投票で投票率90%以上、賛成95%」に改めた。また憲法の理念に基づく国政を担保するため、社会主義憲法委員会を新設し、人民議会と閣僚評議会に対する精査を行う。

新制度は即日実施であるが、選挙実施等、部分的に移行準備期間が設けられている。第一回人民議会選挙は584年7月公示とし、それまでは旧労働者評議会代議士により人民議会を運営する。人民議会発足に先立ち、各党の届け出に基づき、政党も大幅に再編された。ヴェールヌイ社会農民党の半数と、社会主義国民戦線の大多数はヴェールヌイ労働党に合流。両党は共に解散した。社会農民党の半数と社会主義国民戦線の若干名、またヴェールヌイ労働党からも僅かな人数が政党結成を届け出し、新党となる「文化自由連盟」を発足させている。第一回人民議会を前に、他新党結成の動きも各地に見られることから、政党数は増加することになる見通しであり、人民議会は近い将来、複数政党制を採用する議会として活気溢れるものとなるだろう。(写真は議会の入る政府庁舎に掲げられた新国旗。掲揚時には集まった人民から歓声があがった)

・ヴェールヌイ労働党、責任与党に絶対の自信。

最後の労働者評議会の閉廷後、ヴェールヌイ労働党書党中央委員会は声明を発表した。

声明では、新憲法と新国政制度の実現は、結党、建国以来の悲願であり、これが達成されたことの成果を強調するとともに、今なお国家、人民が貧しさに耐え、社会主義建設の歴史的事業を遂行しつづけていることに最大限の敬意と感謝を示した。労働党は本日をもって指導政党の地位を失ったが、新議会においても、世界に冠たる純粋社会主義国の枠組みを構築し、維持してきたヴェールヌイ労働党こそが、国家を率いるに足る組織であり、支持は揺るがないものであると自信を示した。

声明では、党書記長であるスヴィトラーナ同志による「党は指導政党の地位にあぐらをかいたことはただの一度として無く、自ら指導政党の地位を捨てた。このような事は、人類の有史以来はじめての歴史的偉業であり、ヴェールヌイ社会主義共和国の党と政府、人民大衆が、民主的で幸福に満ち溢れた社会実現しようという意思が、真実であり、その決心の硬さを示したのです。」とするコメントも紹介された。



他掲載記事

・レゲロ消滅秒読み。希望するレゲロ人の無条件移住許可でレゲロ政府と合意。

・鈍重なFENA。責任を果たそうとしない国家の存在。

・火山噴火。被害皆無、ウランまたも2回で発見。「何かの加護か」
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Referer  (55)
3月 21 (土曜日) 2015
【第11号582年10月】 シベリア自治凍結/新制度草案発表 他 13:56  ヴェールヌイ社会主義共和国 
・シベリア自治、一時凍結へ。

先の隕石災害により、シベリア自治区のシベリア人幹部が多数死亡したことを受け、労働者評議会は、自治区内において新たに選挙や選任作業を行わず、シベリア人自治を一時凍結することを議決した。経済の先行きが不安定となり、開発計画遅延も避けられない状況下、国内全域における指揮系統を纏める必要性があるとの判断によるもの。これまで自治区として制定されたベイクラント島内においては、シベリア人は「特別な地位」が保証され、国内法の一部適用除外を受けており、独自の教育、経済活動における私的所有権が認められてきた。今回の議決により、シベリア人の私有企業や経済活動は共和国政府管理下に置かれることとなり、生産活動の合理化が図られる見通し。一時的な処置であり、これら私有企業の国有化や財産の没収手続きは行われない。

・新民主制度(議会制度)草案を発表。

労働党は、共和国の人民主権を一層強化し、真に民主的で活力ある国家建設を目指す方針から、かねてより既存制度の不足を建国時より認めており、将来的に抜本的改革改造を行う方針を示していた。スヴィトラーナ書記長は、自身の任期中に新民主制度を実現させなければならないとの強い意志を示し、これを受けて党内での新制度案の作成作業が本格化していた。今回示された草案では、現在の複数政党制が、建国以前の権威主義、共産主義勢力との抗争を収めるための妥協的処置の産物であるとした。また憲法において社会主義堅持が明記されていることや、建国黎明期に比べ国内反動勢力も今や存在しないことを鑑み、特定政党の指導性を排することの弊害はもはや存在しないと判断、労働者評議会の議員選定を自由選挙化する。これを実現する為には憲法の改正が必要である。現在の憲法は「社会主義擁護」「労働党の指導性」のみを漠然と示し、裁量権は指導政党に存在したが、これを改正し「社会主義統制経済」と「人民主権」を明確に規定し、この範囲内であらゆる政治活動を完全自由化する。このため新憲法は、その不滅性を保ち、更なる改憲を困難なものとしなければならず、改正発議要件もより厳しくする方針。合わせて政治警察組織でもあった国家保衛省の改変も必要となる。つまり、新制度が施行されれば、社会主義国家としてはより強固なものとなり、一方で国家建設の方法や、外交政策等においては、より民意が反映され、柔軟化するということだ。

この草案は党中央委員会で大筋が承認され、現在は野党(社会農民党及び社会主義国民戦線)と制度移行に向けた調整作業に入っている。新制度で選挙が自由化されれば、労働党自らが指導政党の地位を失うこととなるが、これを機に共同戦線のもと存在が認可されていた野党と統合することにより、必要な期間は政権政党の地位を保持することになるだろう。













国家保衛省本庁舎にて(会話のみ)

「今朝は冷えますね。昨晩はいかがでした?」

「つまらんパーティーだったよ。党の連中はよほどFENA入りが嬉しいらしい」

「そうですね。しかし準加盟となれば、我々も忙しくなります。昭栄関連は情報も不足しておりますし・・・。こちら、昨晩あがりましたレゲロ関連の報告書です。たいした進展はありませんが」

「・・・(ページをめくりながら)エルノークの様態が回復しないな。少々強すぎたのではないか?」

「解毒処置を行えば二週間もすれば回復するレベルだったのですが。どちらにせよ、彼の生死に我々が関心をよせる必要はありません。むこうさんの面子の問題です。我々は十分に配慮しました。もう良いでしょう」

「気にくわんな・・・これは?」

「そちらはSLCN関連、私も目を通しましたが、つまらんもんです」

「また共産テロかね。彼の国はよほど治安組織が脆弱とみえるな」

「大掛かりな発破解体か、施設管理の水準が我々の予想を越えてお粗末だったのかどちらかでしょう。発表にあったような共産派によるテロという線は薄いとみています」

「とはいえ、今回の爆発は軍の失態を隠蔽するための方弁にしては度が過ぎているのではないか?」

「爆発の直接的原因はわかりませんが、先のレゲロのように、自分たちで創りだした共産派の亡命工作をまた活発化させるおそれはあります。海外進出のカードとしては、まだ諦めていないのでしょう」

「いくら手段が稚拙であっても、強行に出られれば脅威であることにかわりはない。よくよく注意するよう指示しておいてくれたまえ」
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3月 16 (月曜日) 2015
【第10号581年12月】ミサイル問題平和解決に道筋 / 甚大な隕石被害 ほか 22:14  ヴェールヌイ社会主義共和国 
【国際】共和国監督下でレゲロ新体制。ミサイル問題解決に道筋。

ミサイル発射問題で揺れるレゲロ社会主義人民共和国で、エルノーク政権に反対する軍勢力(人民防衛軍)によるクーデターが発生。同日中に全国の掌握し、臨時政府とも言うべき「国家改造委員会」の設置を表明。穏健・民主・社会主義への体制転換を宣言した。かねてから、同国のエルノーク大統領は入院状態が続いているとの情報もあり、旧政権の体制維持に綻びが生じ、ノイエクルス連邦との交渉も暗礁に乗り上げ、共和国政府も関係打ち切りを示唆していた最中でのことであった。レゲロでのクーデター発生に伴ない、また政府は、万一の事態に備え、共和国国内のレゲロ軍駐屯地に対して武装解除勧告した。レゲロ軍部隊は抵抗なくこれに応じ、現在も国家人民軍の監視下に置かれている。翌日には新政府より、共和国に対して政務顧問の派遣要請が行われるなど、ミサイル問題発生後も、あくまで友好関係を維持しながら、粘り強い説得を続けていた共和国の姿勢が功を奏したか、今や「ヴェールヌイ・レゲロ統制条約」締結により、レゲロの全権に対し監督権を行使するに至った。共和国の政府と党は、既にノイエクルス連邦への全面謝罪と必要な賠償を行うための交渉を行うようレゲロ政府に指示しており、ミサイル問題の平和的解決が大いに期待されるが、幹国による石動への最後通牒によりCAME情勢がまたも緊迫化しており、これに追いやられる形でミサイル問題の全面解決に向けた交渉が遅延するのではないかとの見方も出ている。

【国内】隕石群により全国に被害。ウラン鉱消滅に迅速対応。

581年11月、共和国域内に多数の隕石群の落下、各地で甚大な被害をもたらした。現在までに計9つの落着が確認されており、北中部の工業都市で甚大な被害をもたらした他、ベイクラント島シベリア人自治区では隕石が区庁舎を直撃し、シベリア人自治区幹部らと内務省の管理官ら多数が死傷した。既に警察局、消防局、軍によって救助活動と治安維持処置がとられている。また、マルチェロ半島の根っこに位置し、経済の要となっていたウラン鉱が消失したことにより、国内では動揺が広がった。燃料源喪失という非常事態に、政府は緊急に採石場閉鎖を指示。大急ぎで既存採掘予定分を搬出し、即時閉鎖。続く2回の探査によって既にウラン鉱を復旧させている。燃料は最重要動力資源であると同時に、国内二次産業開発途上にある共和国にとって、燃料輸出は現在まで最大の外貨獲得手段であり、早期安定化が望まれる。

共和国政府は、かねてからの開発計画の中で、採石場の閉山、ウラン2個体制を念頭においた都市近代化と各種産業の拡充及びインフラ整備を進めており、既に着手が行われ、期ごとに維持費も増加をはじめていた中、突如鉱山喪失に直面した形となる。計画の遅延、変更は避けられない見通しであり、輸出を継続しながら現状維持が可能か調査が行われる予定となっている。たとえ現状維持が可能であったとしても、高騰した維持費と開発のストップによって、国内生産利益が計画値に届かなくなることから、経済危機が発生するのではないかという観測もあり、国内での不安の声が強まっている。党は今回の隕石災害を受け「犠牲者に哀悼の意を表し、また冷静に日々の仕事に専念することが何より重要であり、混乱や焦りは敵である」との国内向け声明を発した。

その他の記事

【国際】フランとの協定満了。共和国より記念碑贈呈。

【国際】鈍重なFENA総会。腰を据えて臨む政府代表団。















思い付きの恥文



(12.12)採石場(現ウラン鉱)

「監督同志急いでください!もう中央から調査団が着く頃です、はやく出ちまわないと・・化工省の役人もついてくるらしいっすから、もしかしたら政治局の連中にどやされるかもしんないっすよ!」

「馬鹿野郎!でっけぇ声だすんじゃねぇ!俺はここが炭鉱だったころから働いてんだ!てめぇに言われなくても、自分の間ってのがあんだよ!」

暗く、すでにあたりを照らすものは黄色くくすんだ注意灯だけとなった採石場のトンネル内に、声が幾重にも響く。1212労働石鉱山。何の飾り気もなく、名前にはただ座標名があてがわれた鉱山だが、その歴史は共和国最古のもので、黎明期には炭鉱として共和国の動力を支え続けた。新しいウラン鉱が発見されてからは『社会主義国土は我らの石で!』のスローガンのもと、採石場に転換、現在の規模まで国土造成を賄い続け、その後は外貨獲得手段としてではなく、ノルシュテイン政権の方針により、新興国支援にその殆どがまわされた。共和国が石材によって得た収入は、無償で国外に輸出された分量と比較すれば、その差は100倍や200倍では下らないものだった。国際貢献、新興国支援といえば耳障りはいいが、当初から提起されていた鉄鉱山への転換は流れ、燃料の国内消費が増大して行く中、採石維持は経済停滞の最大の要因であったのも、また事実だった。現場の鉱夫らは、はじめこそ国を作ったのは自分たちだと誇りを持つこともできたが、現在では、それが党の方針であったにも関わらず「毎日敵とも味方とも知れない資本主義国を太らせるために石を切り出している」と揶揄され、言いようもない屈辱を味わってきたのだった。国内志向のスヴィトラーナ政権が誕生し、そんな1212労働石鉱山も「10年内のウラン鉱転換」が決定された。監督とよばれた男は、炭鉱時代からこの1212鉱山に務めてきたベテランだが、年齢もあり、ウラン転換の実施作業日程が決まり次第、引き継ぎから引退となる。それでもまだ5年はいられるだろうか、と、後指さされながらも懸命に働き続けてきた自分の職場への愛着なのか、数年前には影すら無かった南東部の摩天楼の光を遠目に、終業のタバコを吸うのが日課になりつつあった。しかし、ウラン転換決定が発表されたわずか二週間後に発生した隕石災害は、発見当時から今にいたるまで国家財産として持て囃されてきた既存ウラン鉱を跡形もなく消し飛ばした。翌朝には既に採石場に国の役所からの電話が引っ切り無しで鳴り続け、受話器の向こう聞こえる喧騒に、中央の焦りがわかるほどであった。国の最終的な決定は「一日以内の全面撤収」それも他の災害現場対応で手が回らず、応援なしという代物であった。10年内のウラン鉱転換は、5年どころか10年まるまる繰り上げられることとなったのだ。それも最悪の形で。

「なにまたわけのわからないこといってんすか・・・自分先出てますから、監督同志もおはやく!」

鉱員はそう言って小走りで出口へと駆けて行った。

「自然にゃ社会主義精神もかないません・・・ってか」

監督は、自嘲するように呟いて、足元に転がる石(ありふれた花崗岩だ)に目を落とした。
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3月 07 (土曜日) 2015
【政治】第二代党書記長にオベルタス・スヴィトラーナ ほか 13:05  ヴェールヌイ社会主義共和国 
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【Рабочий победа 】労働者の勝利(第9号579年7月)

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◆紙面

【政治】第二代党書記長にオベルタス・スヴィトラーナ

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◇第二代党書記長にオベルタス・スヴィトラーナ

579年7月となり、共和国全域で党書記長選挙の投開票が行われ、第二代ヴェールヌイ労働党書記長としてオベルタス・スヴィトラーナ氏が当選となった。外国籍党員を除いた労働党員中、投票率は79%(有効票72%)となり、有効票のうち67%の支持を集めた。ライバル候補であったマクシム・シチェドリン氏は首都サンサルバシオンをはじめとした中部の都市化地域での支持がスヴィトラーナ氏を上回っていたものの、北部や南部の農村・地方都市では苦戦、スヴィトラーナ氏が圧倒的支持を集める格好となった。スヴィトラーナ氏は地方経済の自主管理下とインフラ投資に言及していたことに加えて、シチェドリン氏が社会主義国との関係強化を訴えていた中、レゲロのミサイル発射問題が発生したことで裏目になり、支持を下げてしまったと見られる。選挙の結果をうけ、党書記局はスヴィトラーナ氏を党書記長とすることを正式に発表し、これを党中央委員会をはじめとした党組織に下令。追って開催された7月下旬の党大会(党大会は1月と7月の半期ごとに開催される)においてノルシュテイン前書記長が退任の挨拶を行い、続いて新任となるスヴィトラーナ書記長が就任の挨拶及び今後5年間に渡る党方針について述べた。またノルシュテイン前書記長の偉業を讃え、同氏に共和国最高勲章である「国家英雄勲章」の授与を決定したとする政府決定も紹介された。なおノルシュテイン前書記長は、党中央委員会から委員会責任顧問就任の要請を断っており、退任後は党職を離れ党運営から引退する意思を示している。

古参大国の復活や、幾多の新興国の現出、また喫緊の課題である友好国レゲロの国際秩序への挑戦ともとれる行動等、課題や留意すべき問題は山積しており、スヴィトラーナ書記長は就任まもなくして難しい舵取りを迫られることとなるが、卓越した党領導に従って進軍する勤勉で勇気ある我ら人民が、一層力を増してこれを支えれば、共和国の前途には勝利のみが存在することだろう。

スヴィトラーナ新書記長の就任挨拶より一部抜粋

「私達が社会主義強国を建設しようというのは結局、人民の生活を向上させようというところにその真の目的があります。人民の生活を決定的に高めてこそ社会主義の優越性が理解され、これを守り、幸福の歌声をさらに高く響かせることができるのです。共和国は若く未熟で、強風下にゆれるマッチの火のように弱い国です。しかし、幸か不幸か、フリューゲルにおける社会主義世界において、いまや私達は最も円熟して洗練された革命の党と政府であり、私達の失敗は即座に世界における真の人民主権確立を目指す闘争の死滅を意味します。私は六年以上を工場労働者として過ごしました。同僚や先輩の同志達より手先は器用だったので、装飾類の作業では特に活躍した経験があります。手先の器用さというのは、ただ生まれ持ってそうだというわけではなく、つまるところ作業手順や段取りといったものにどれだけ興味や関心をもち、どれだけ真面目にそれらに対処しているかも重要な要素であると私は考えています。共和国が、より進んだ人民民主主義制度に移行し、活力ある経済を建設して、世界で責任ある地位を確立しようというのであれば、これは重要な要素となりえます」

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製作-党広報部 監修-党書記局/党政治局

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↓オマケのつづき



事前にこちらが提示していた視察希望先について、クシミニャール政府はその殆どを認め、イレーリと警護の警官1名をつけた。

たかが途上国の公務員からなる視察団である。警護が必要とは到底思われないが・・・。

ベイオールは45年以上前に建設されたクシミニャール侯国の首都であり、政治と文化の中枢であると同時に、商工業でも栄える同国の中心的都市である。道中の車窓からは、行き交う大勢の市民、我々の感覚すれば少しカラフルすぎる気もする看板や旗(商店のものだろうか、ザイナル語はわからない)がそこかしこで翻り、活力に満ちた姿を垣間見ることが出来た。(観光で一人ぶらぶらできたらどんなに良かったろう)

我々はまずベイオール南部の工業地帯を視察した。ハイラル財閥所管の工場であり、工場長が自ら工場内をついて解説してくれた。(キーシンが警官から一番離れた場所を歩くので、私は警官の近くを歩くようにして、あの重苦しい男の目線と威圧的な空気を避けることができた。なるほど警護はありがたいものだなぁと、内心ほくそ笑んでしまう)

工場長「ベイオールの工場地帯では日用品が作られてますね。あとは製薬工場とかですか」

ギンツブルグ「国内での消費財は、それらを流通させるだけのインフラも重要かと存じますが、この工場の生産品はどのようにして流通するのですか?」

工場長「生産物はハイラル倉庫などを通して、ベイオールや各都市に輸送されてます、主にトラックでですね」

トラックなぁ・・・首都圏以外じゃ舗装もままなっていないから、やはり基礎のインフラがなくては模倣のしようもないところだろう。

と、ジューコフ団長がラインに並ぶ瓶をおもむろにつまみ上げて(いいのか勝手に触って)底を覗き込むようにしながら質問した。

ジューコフ「なるほど・・・見たところ製品の質も高い。これはガラス製のように見えてはるかに軽い。我が国のもののように気泡も見当たらない。品質保持や規格はどうされているのか」

工場長は一瞬ジューコフ団長の振る舞いに少し動揺しつつ(そりゃそうだろう)困ったように答えた。

工場長「うーん、規格ですか?多分ストリーダの規格なんじゃないですかね…この世界にどのような規格が存在するかわかりませんが・・・」

イレーリがフォローするように重ねた。

イレーリ「FENA統一規格とか旧PTO規格などで、侯国独自の規格ではないんです。このラインは主に国内向けの日用品ですからね、そこはまだ厳しくない、でまかせなところですよ。」

工場長「はは、イレーリ先生にはかないませんな。管理はストリーダ系企業のセンサとか、人の目を通して行っています。(生産ラインを指さしつつ)あのような形ですね。」

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Referer  (53)
3月 05 (木曜日) 2015
【政治】ノルシュテイン書記長退任へ 【国際】レゲロのミサイルに政府困惑 ほかオマケ 20:42  ヴェールヌイ社会主義共和国 
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【Рабочий победа 】労働者の勝利(第8号579年4月)

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◆紙面

【政治】ノルシュテイン書記長退任へ 次期書記長選はじまる

【国際】レゲロのミサイル発射強行 政府困惑

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◇ノルシュテイン書記長退任へ 次期書記長選はじまる

共和国建国最大の功労者であり、社会主義ヴェールヌイ繁栄への道筋を示す我が労働党代表(書記長)であるユーリ・ノルシュテイン同志が間もなく任期満了となり、退任する見通し。

5年3期、計15年の歳月に渡り党と人民を導き、国内においては経済の土台を築き、外交においては自主独立を守り、平和と人道主義の旗を振り続けたその功績は、共和国の歴史の基礎に相応しい輝かしい功績として一層に輝きを増し続けることだろう。

579年7月の退任まで半年をきり、共和国各地では次期書記長選挙の準備が進んでいる。労働党書記長は、共和国の指導政党のトップにして、評議会議長を兼務する国家元首である。党規約により、書記長選挙は党員資格を持つ全ての人民が投票権を持ち、各地域の党支部で投開票作業が行われる。立候補もヴェールヌイ国籍及び党員資格さえあれば誰しもが可能であり、全国をまわっての論戦が繰り広げられる。共和国人民にとり最大の関心事、イベントであるといえるが、過去には立候補がなく、正式に行われるのは今回がはじめてのこととなる。規模が規模であるだけに、党本部はもとより、各地域支部は激務となるが、ミスなく円滑に、無論公平性を保ちながら、運営を行っていただきたいと思う。

【候補者紹介(二名)】

マクシム・シチェドリン~クラヴィス出身。サンサルバシオン総合高等専門学校(大学に相当)卒業。卒業論文のタイトルは「革命社会における改善」。卒業後は党本部に勤務、党政治局員として指導実務の経験を積む。現在は党政治局の推薦と閣僚評議会の信任により工商行政管理総局に党責任指導員として在籍。諸外国との貿易・外交について党政治局の立場から指導業務を行う。2児の父。【主な主張】黎明期の都市産業計画によって形作られた歪な構造を一新し、経済・安全保障上に必要な置き換えを推し進める。そのために必要な、各省庁に対する党の指導権限を拡充し、意思反映を迅速化する。同様に歪な国防組織の構造も改革、安全保障に関する全ての事項の一元化を目的として、軍務省を廃止し軍作戦総局を国家保衛省の管轄下とする。外交政策については、現在の状況を「受け身の外交」であると捉え、より間接的な革命支援を強化する為、主体的な外交を展開。社会主義国との関係強化をより強め、相互発展と平和維持構造の構築を目指す。

オベルタス・スヴィトラーナ~ バイウリェーニャ出身。職業訓練校において建築用タイル製造の訓練を受け、その後同町の工場に配属され六年間勤務。この間、党専従職員試験に3度挑むも不採用となっている。4度目で合格し党支部職員となってからは、会計から渉外活動まで様々な部門を受け持つ。現在はバイウリェーニャ党支部監察部補佐役として活躍。独身女性。【主な主張】出身地の苦境を念頭に、地域振興・産業施設の分散配置を推進。各種権限を下部組織に振り分け、地域ごとの独立した自主管理制度を強化する。既定路線であるインフラ整備の段階的実施も、より速度感をもって進める。また、より進んだ民主制移行に関する制度設計もはじめる。対外的にはノルシュテイン同志の掲げた平和主義・反帝国主義路線を継続するが、社会主義を言葉にするだけで友邦とし、反民主的な独裁に沈黙する態度を改め、強硬的な世界革命論をはじめとした社会主義・共産主義勢力に対しても明確に反対する。

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◇レゲロのミサイル発射強行 政府困惑

579年3月、レゲロ社会主義人民共和国がノイエクルス連邦ヴォルネスク自治国(旧ヴォルネスク社会主義共和国)の領海内に一発のミサイル発射を行った。レゲロ及びノイエクルス連邦ともに正式な発表や意思表明は現在のところ行われておらず、双方が沈黙している。レゲロはかねてよりヴォルネスクに対する非難や顧問団追放など、同国に対する敵対姿勢を強めていた。ミサイル発射を仄めかすような発言も以前より行われており、政府は外務省を通じて自制を求めていた。これに対しレゲロは一定の配慮を示していたが、発射は強行された形となった。共和国政府は即座に遺憾の意をレゲロに伝えるとともに、本件に対する説明を求めている。レゲロと共和国は友好協力条約を結ぶ友好関係を築いており、政府内では困惑が広がっている。政府は「情報収集を急ぐとともに、あらゆる手段でレゲロ側との意思の疎通を図っている段階であり、これが明確になるまでは条約破棄であったり制裁行動といった対応策は検討しないようにする」とした。

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製作-党広報部 監修-党書記局/党政治局

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↓オマケの続き↓



クシミニャール視察団 名簿

ドミトリー・ジューコフ(工商行政管理総局 / 団長)

エフゲニー・キーシン(工商行政管理総局)

タマラ・ギンツブルク(化学工業省 産業統括部 均等施政管理課)

エフレム・クルツ(化学工業省 産業統括部 均等施政管理課)

イワン・ゴンチャロフ(農務省 生産局 農産課)



「思ったより冷たいんだな」

空港のターミナルビルを出て、ようやく外気に触れて出てきた最初の印象だ。共和国はクシミニャールと同じ温帯に区分されるが、年間の平均気温は遥かに低いので、冬場とはいえ、こちらは暖かく感じるのではないかと考えていたからだ。この通気性やらの配慮のかけらもない重たい背広(国産と誇らしげに宣伝する人民公社の看板を思い出すと恨めしい)では、汗ばむだろうと心配していたのだが、杞憂だったか。

「いやぁいよいよですね!本当にありがとうございます。自分、こうやって海外に出るのが夢で―」

「わかったから大人しくしておいてくれよ、一応俺の補佐ってことなんだから」

クルツは目を輝かせながら、興奮気味に、もう何度も聞かされた話をしてくるのだった。化工省に入省して2年の若手、少々落ち着きはないが、優秀な男だ。今回の視察は、実務的に有用性の高い情報を得ることは勿論だが、国民の海外渡航に制限がある中(所得的にも難しいだろう)若者に外の世界を見せる良い機会だと考え、私が推薦して視察メンバーにクルツを加えてもらった経緯がある。

「静かにしたまえクルツ同志。我々は任務の事だけを考えればいい。そうですね?」

クルツを睨み付けたあと、メンバーを見渡しながら、不自然なまでに抑揚のない口調でキーシンが言った。化工省にいれば、海外交易を司る工商行政管理総局への出入りも多々あるが、私はこの男を総局内で見たことが無い。彼の上司であろうはずのジューコフ同志も、キーシンと名乗るこの男と見知った仲のようには見受けられない。まぁ、特段珍しいことでもないだろう。大方の察しはつく。

「ようこそいらっしゃいました。エッカーマン総研のイレーリです。本日は私が皆様の案内を務めさせていただきます」

「ジューコフです。イレーリ先生、話はうかがってます。よろしくお願いします」

団長であるジューコフ同志があいさつし、すすんで握手を求め、イレーリも笑顔でそれに応えた。

エッカーマン市に本拠を置く総合シンクタンクの研究員、ベイオール大学の客員教授も務めるなど多くの分野で博識な人物・・・彼が案内人を務めてくれることは事前に文書で確認していたが―こうも若いとは。たしか36歳のはずだが(それでも十分若い)目の前の人物は、20代と言われても、それを疑うものはいまい。外見上の肌ツヤだけではない、彼が持つ生気というか、そういったものが、相対する人間に若いという印象を与えるのだろう。国は人を見れば判るというが、闊達な社会では、こういった人間も現れるのだろう。少々大げさか。

「なにか?」

私があまりに見とれてしまっていたからか、視線に気づいた彼は少し訝しげに尋ねた。

「い、いえ!いやぁお若いとお聞きしてましたが、実物はもっと若く見えたものですから・・・ハハハ・・・ぁ、すいません・・・申し遅れました、化学工業省のギンツブルクです。よろしくおねがいします」

「ギンツブルクさんですね。えーとたしか・・・うん、やっぱりそうだ。若いだなんて、貴方は私と同じ歳の筈では?」

完全に取り乱している。我ながら失態だ。

「ギンツブルク同志はいつから男色に目覚めたんだ?ガハハ」

ゴンチャロフが下品に笑った。










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2月 25 (水曜日) 2015
【政治】混迷のフラン情勢 【外交】ノホ・ヘレコ連邦と治安維持協定 ほかオマケ 21:15  ヴェールヌイ社会主義共和国 
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【Рабочий победа 】労働者の勝利(第7号577年12月)

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◆紙面

【政治】混迷のフラン情勢 共和国にも責任の一端

【外交】ノホ・ヘレコ連邦と治安維持条約締結へ

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◇混迷のフラン情勢 共和国にも責任の一端

共和国の国外開発事業のモデルケースとすべく、巨費が投じられたフランドル・フランセーズ。鉱脈探査における労働者弾圧等の人権抑圧問題が記憶に新しいが、現在は当初の開発目標を達成し、順調に天然資源の採掘が行われ、期待通りの成果をあげている。フランはこれを元手とし、既に数か国と海外交易を実施、大国との定期交易も纏まるなど、経済において自立を成し遂げつつある。今後、我が共和国にとって、相互扶助関係を構築すべき対等な立場の友好国となることが強く期待される。

しかし一方で、経済発展と、共和国支援による国土の拡張、人口の増加は、急速な治安の悪化をもたらしており、国内統治の経験が浅いフラン政府は、適切な対応を執れていないのが現状である。前述のように、経済収支は確実に上向きであろうはずにも拘らず、改善策実行に係る予算が一定期間にわたって無い状況が続くなど、財務管理も杜撰の一言だ。結果として、もはや不要と結論していた追加での財政支援を、状況を見かねた諸外国が行ったことは、共和国政府として重く受け止めるべきである。またミッドガルド帝国により行われた財政支援の大半が、現状に不満を唱える国民を更に抑圧する一時凌ぎに費やされたことは、残念と言わざるを得ない。早々に民主化を志向したフラン政府の勇気と正義は、大いに支持声援されなければならないが、その実態は、それが確かなロードマップ無しに行われた愚策としてのみ評価されても致し方ない状況だ。共和国政府は、開発協定の目的、すなわち「途上国を早期に政治経済的に自立せしめ、もって世界経済の底上げを図り、広範な国際貢献とする」に今一度立ち返り、フラン政府を携えるべきだ。さもなくば、共和国の国益を損ねるのみならず、フランと交易関係をもつ諸外国及び、支援に踏み切った有志国家を落胆させることとなるだろう。

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◇ノホ・ヘレコ連邦と治安維持協定締結へ

ノホ・ヘレコ連邦は574年に建国されたばかりの、7つにも及ぶ部族からなる連邦国家であり、建国当初より共和国とも交流がある。開発途上の時期にあると同時に、資源面でハンデを背負って生まれた事で、ノホ・ヘレコ人民の闘争はその困難さを増している。そのような状況にありながらも、彼らは自らが持つ聡明さ勤勉さにより、冷静に民族と国家の将来を見据え、準備を怠らない。

577年11月、共和国はノホ・ヘレコ連邦の要請を受け、必要な期間中、当該国の治安維持に関し一定の役割を担うことで合意に達し「ヴェールヌイ・ノホ・ヘレコ治安維持協定」を締結した。協定発効に伴い、現状の調査及び連絡要員として、国家人民軍より担当官が派遣される見通し。

マルシャーク外相は調印式後のコメントで「フランにおける開発事業に続き、我が国の持てる能力を途上国の発展と安定の為発揮できることは光栄なことであり、共和国の党と人民はノホ・ヘレコ人民の国家建設における闘争を支持声援しつづけることだろう」と述べた。

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製作-労働党広報部 監修-労働党政治局

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↓(チラシの裏)



化学工業省 庁舎5階 産業統括部 均等施政管理課

「今朝の新聞読んだか?」

ギンツブルクはぶっきら棒に言った

「党機関紙のことですか?ギンツブルク同志が機関紙の話題を口にするなんて、余程暇なのか拷問でも受けたんですか?」

ギンツブルクの部下であるクルツは茶化すように言った。他の上司と違い、ギンツブルクは「堅」くないからこそ許される反応であり、クルツもそれを承知していたし、彼自身、そうやって反応される方が気が楽なのだ。

「馬鹿言え、南部ではじめての都市現代化が始まった直後だ。お前は七時には帰れるだろうが、俺はそうもいかんのだぞ。昨日だって党委員の―」

「同志、それでその新聞がどうしたんですか」

クルツの被せに、ギンツブルクは一拍間をおいた後、ため息まじりに続けた。

「フランの記事だよ。こりゃなんだ。『交易関係をもつ諸外国及び、支援に踏み切った有志国家を落胆させることとなるだろう。』って、いつから共和国はそんなに偉くなったんだ?」

「そうは言っても、当初より安定してきたとはいえフラン人は何をしでかすかわかったものじゃないじゃないですか。巨額の費用がかかってるんです。もとより回収するつもりはなかったにせよ、国体が維持できないような事になれば我が国の恥です」

「だからさ、そもそもその考え方がいけない。当初の目標は達成して、こっちに鉄鋼だって搬入されはじめてるし、フランが豊かになる土壌もできた。十分だよ。もううちがとやかく言う段階じゃない。それなのにこれではまるで体の良い勢力拡大策みたいだろうが」

「まぁ・・・けど国際貢献なんですよ。崇高じゃないですか?なんちゃら食らわば皿までって言いますし」

クルツの返しに、ギンツブルクは大げさに眉をしかめて見せた。

「国際貢献ってお前なぁ・・・資金をジャブジャブ垂れ流してるような先進国ならいざ知らず、うちみたいに貧乏な途上国がそんな事できるわけないだろうが。ノホ・ヘレコの件もそうだ。軍事同盟ではないにせよ、あれは立派な軍事援助だろう。軍にはそんな余裕も無いし、だからといって、どうせ国防費は増額できない。軍務省も反対だったらしいが、ありゃあ見栄で無理したようなもんだ。飢えはしなくなったにせよ、人民の生活はまだまだ貧しいだろ。国内の課題に粛々と取り組んでいかなきゃならん時期なんだよ」

そこまで言って、ギンツブルクは胸ポケットから煙草を一本取り出し咥えた。

「実に愛国的だな同志ギンツブルクくん。保衛省に出向すしてその愛国心を更に磨く訓練を受けたらどうだ?」

クルツの声とは違う、明らかに野太く、若干の怒気をはらんだ声が背後からこだました。ギンツブルクはギョッとして振り返る。

「あ、ああ。こ、これは大臣閣下!こんな部署にわざわざ直接いらっしゃるとは!内線いただければ飛んで参りましたのに!」

ギンツブルクは咥えた煙草をデスクに放り、おもむろに席から立ち上がって即座に頭を下げた。クルツは合わせて礼をしたあと「私は仕事がございますので!」と言い放ち、そそくさと自分の席に帰っていった。

大臣と呼ばれた恰幅のよい男はしばらく険しい顔をしていたが、ギンツブルクのあわてぶりに「フッ」と息をもらし、口元を緩めた。

「顔を上げたまえギンツブルク同志。冗談だよ。私は信任先の部下をMнBに引き渡したりはせん。しかし、よく気をつけたまえ」

「は!ありがとうございます!」

答えるギンツブルクはなおも頭を下げたままだ。

「時に、君のいうことは正しい。だからこそ君にぴったりの仕事を持ってきたのだ」

化工相はそう言うと、背広の内ポケットから四つ折りになった紙を取り出し広げ始めた。

ギンツブルクは恐る恐る頭を上げ、取り出された紙に目線をよせた。

「これを仮のものだがね、追って正式に辞令があるだろう。読むぞ、『共和国閣僚評議会は、偉大なるヴェールヌイ労働党の領導とその方針に基づき、社会主義祖国発展と―』長いな、この辺は飛ばそう『タマラ・ギンツブルク、化学工業省代表官として海外視察任務を命ずる』」

「か、海外視察ですか?」

「君のような危惧を抱く人間は、幸いなことに党内にまだそれなりに居るのだ。しかしそれも、ノルシュテイン同志が退任となればいつまでになるかわからん。国内で成果を得れば、海外政策にも良い影響が出よう。共和国にたりないものは知識と経験だ」

海外渡航が厳しく制限されたヴェールヌイでは、中央官庁職員でさえ、その機会は少ない。海外視察の代表官は羨望の的であり、事実出世コースでもあった。しかしそれでも、ギンツブルクの心は躍らなかった。仮に渡航が許されたとしても、今や衰退著しい所謂社会主義圏とされる国々か、自国以上の途上国に限定されたようなものだったからだ。そして話の内容、目的からして、今回はレゲロしかないだろう。目的に適した国であるのかは甚だ疑問ではあるが、共和国の外交範囲からいって、それが限界であり現実なのだ。

「光栄です大臣閣下・・・しかしあの、視察先はどこなのでしょうか」

表情でわかるのか、はたまたニュアンスが正直すぎるのか、ギンツブルクの問いに化工相は苦笑いした。

「政府から直々に海外視察任務を命令されているのに、君はなんだか不満がありそうだな。良いんだ、だからこそ君を推薦すべきだと聞いていたからな。その通りのようだ」

「はぁ・・・どういうことでしょうか」

「これを見給え」

いやに勿体振るものだと思ったが、手渡されたもう一枚の紙に目を通した刹那、ギンツブルクは目を疑った。

「『貴国視察団の派遣要望に対しこれを認め・・・クシミニャール献酌府』く、クシミニャール侯国!?」

「他国資本による急速拡大と警察国家化、そして民主化からさらなる飛躍を遂げた準先進国だ。共和国の現状を鑑みて、もっとも視察先に相応しい国だ。ギンツブルク同志、世界を見てきたまえ」

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2月 19 (木曜日) 2015
【論説】社会主義国の仲違い 即時中止を 20:50  ヴェールヌイ社会主義共和国 
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【Рабочий победа 】労働者の勝利(第6号576年12月)

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◆紙面

【論説】社会主義国の仲違い 即時中止を

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◇社会主義国の仲違い 即時中止を

信頼と平和・・・我が共和国の標語であり、ゆえに共和国人民にとって馴染みのある言葉であり、代える事のできない普遍的価値であり、手入れを怠れば一度に枯れてしまう、あまりにも弱い概念である。

ヴォルネスク社会主義共和国がノイエクルス連邦の軍駐留を認める条約に調印した。ヴォルネスクの状況はあまりに痛ましい。今や、同盟の相互扶助の枠のみならず、ノイエクルス連邦への編入も現実性を帯びるほど、国家はその主体を喪失し、国土は荒れ果てている。共和国が世界に国家樹立を宣言した当時、彼の国は先進国の一角であり、我々は勿論のこと、社会主義を掲げ後に続こうとする平等を志する人民、苦難の闘争を戦う新興社会主義国の兄であった。彼の国の指導を自ら望んで受け、今や一定の発展を享受するに至ったレゲロ政府をして、それを否定できるものだろうか。手を差し伸べることもせず、状況を座視し、没落させ、他国直接介入を許し、その段になって修正主義と非難することが、社会主義者のすることだろうか。既存国際組織の枠組みや経済圏が、これを妨げる言い訳には断じてならない。これが修正主義だとするならば、我々も同罪である。

共和国の党と政府は、痛烈かつ最大の悔恨の情をもって、ヴォルネスク社会主義共和国及びレゲロ社会主義人民共和国の政府、党に対して、現状の軋轢を修復する努力を行うことを強く求めるものである。

ヴェールヌイ労働党中央委員会 576年12月

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製作-労働党広報部 監修-労働党政治局

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2月 12 (木曜日) 2015
【政治】国家建設最終案示す 【政治】フランの人権抑圧、評議会で指摘 20:20  ヴェールヌイ社会主義共和国 
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【Рабочий победа 】労働者の勝利(第5号575年10月)

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◆紙面

【政治】書記長同志、労働党中央委員会で国家建設最終案示す

【政治】フランドル・フランセーズで過度の人権抑圧のおそれ

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◇書記長同志、労働党中央委員会で国家建設最終案示す



ユーリ・ノルシュテイン同志は、自身の任期が残り4年余りとなったことを受け、党の最高意思決定機関である党中央委員会において、共和国が社会主義強国としての建設を遂行する闘争において、社会主義強国が「人民経済と生活を幸福に保ち、これを死守する能力を持つ国家」であるという定義のもと、その最終勝利段階(国家建設最終案)を改めて示した。党はこの提言に基づき、政府閣僚評議会に対し指導を強化する方針。各分野における骨子は以下の通りである。



・経済/生活

各産業において過度の偏重を無くし、国家の維持と人民生活が求められる水準内において自給しうる経済規模を確保する事を基盤とし、統計上の成長率については低調推移であっても、これを忍ぶものとした。また、国産天然資源の海外輸出を現水準より引締める必要性にも言及し、計画では定期での交易収支が大幅減となる。同時に二次産業の育成をもって可能な限り補うとしているが、目標値は定めない。国家としての収益力は減退するが、福祉とインフラは時期を見て段階的に拡充される。

・外交/軍事

外交方針は、これまでの平和主義、人道主義路線を引き続き堅持する。合わせて、過度の非民主、教権、軍国主義に反対する立場を鮮明とするが、各国人民が自決すべき問題であり、共和国の安全が脅かされない限り、介入を模索すべきでない事も強調した。

また、世界革命論的な共産主義、社会主義思想に関しては「非反対・不支持」の方針を継続し、注意深く見守るとしている。

途上国に対しては、開発支援、対等な協力関係の構築を推進、貧困撲滅と、世界経済底上げを図ることで、広範で抜本的な国際貢献を目指す。これは共和国の経済、安全保障における国益を確保する意味でも重要である。既にフランドル・フランセーズ共和政府に対し、この新しい施策を実施しているが、これをモデルケースとすべく、成功裏に収めることが最重要任務である。

防衛力整備について、地上軍、防空軍、戦略ロケット軍の3軍は現状を定数とし、拡充は行わない。ただし沿岸部の早期警戒網はその必要性を認め、必要最小限でこれを整備することとし、装備の運用は、新たに創設する国境軍に付される。この4軍体制整備は、他部門の進捗を見て、検証の上、段階的に実施するものとする。

・政治的展望

ユーリ同志は、我ら労働党が共和国の闘争を領導していく過程において、国家権力の暴走があってはならないと指摘した。加えて、国家建設において、強力な指導母体を確保する必要性はあるが、あくまで過渡期的なものであり、我が党が複数政党制を認めたのは、真の人民民主主義国家建設の準備が目的という理念を、けして忘れてはならず、これが今日までの共和国の安定と、人民からの信頼の礎であると述べた。

けして遠くない将来において、我々の社会主義を確固として防衛しながらも、あらゆる権利を人民に信託せねばならない。これには制度設計の改革が必要であり、これを阻害する党内の反対勢力を断固として退けなければならず、前段階として、各部の政治局ならびに国家保衛省内における、これまで以上の人権意識の育成が必要だとした。



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【政治】フランドル・フランセーズで過度の人権抑圧のおそれ



労働者評議会において、社会農民党代表らは、共和国が支出するフランドル・フランセーズ(以下フラン)の鉱山開発現場で、過度の人権抑圧が発生しているおそれがあると指摘。難航するウラン鉱脈調査に対し、フラン政府が早期の結果を求めるばかり、鉱山労働者に対しその責任を追求し、その一部をテロリストとして指定、投獄や粛清が行われていると報告した。

社会農民党代表らは報告の中で「この様な事態は、共和国の国外開発事業の理念と目的に相反するものであり、けして許されるものではない。また我が政府が、フランがそのような判断を行う原因となるような直接あるいは間接的圧力を与えなかったか、検証の必要がある」と異例の強い指摘を行った。この指摘に対し、国外開発事業を共同管轄する外務省国際協力局及び工商行政管理総局は「事態は把握しているが、我々が過度に直接監督権を行使すれば、内政干渉に当たるおそれがあり難しい。また圧力を加えた事実はなく、我々としても遺憾に思っている」と述べ、既にフラン政府に対し熟慮するよう要請を出したことに加え、フランのリソースが鉱山調査に割かれている期間、フラン人民の生活環境が悪化し、また一部では共和国を支配国であるかのように錯覚する世論が形成されている問題も考慮し、鉱山に関わらない一般市民向けの援助も合わせて実施している状況を説明した。



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製作-労働党広報部 監修-労働党中央政治委員会

取材協力-工商行政管理総局 国際協力局(外務省)

     国家政治総局(国家保衛省) 社会農民党政治部

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1月 23 (金曜日) 2015
【国際】続発する途上国の政情不安 その原因と展望 16:53  ヴェールヌイ社会主義共和国 
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【Рабочий победа 】労働者の勝利(第4号572年6月)

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◆紙面

【国際】続発する途上国の政情不安 その原因と展望

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◇続発する途上国の政情不安 その原因と展望



近年、発展途上国における民衆蜂起が続いている。

具体的な対抗策を持たないこれらの国々では治安悪化が深刻化しており、経済にも大きなダメージを受け、新規開発はおろか、政府が対抗策をうたないまま、滅亡すら危惧される状況だ。

現在、蜂起によって実質的な被害が発生しているのはオーラルティン連邦共和国とナードヴァイ革進同盟の二か国である。

オーラルティンは、諸外国からの経済支援及びクシミニャール侯国の軍事支援を受け、一度は反乱勢力の抑え付けに成功したが、その後も根本的な改善策をとらなかった事から、民衆の不満は改善されず、今般の再蜂起に至っている。

途上国にとって、反乱軍ないし怪獣の出現は、自力対応が難しい上、国全体に与える影響も大きい。

しかし、自然災害である怪獣は事故であるのに対し、反乱軍は国家の責任であり、人災である。

オーラルティンは、建国当初より「大国志向」であった。

これは、新興途上国である自国の実情を無視した、誇大妄想に塗り固められている当該国のwiki記事を見ても明らかである。

実際の開発にも、この志向は悪い方向で反映された。

無計画に都市の現代化を推し進めた結果、治安は悪化の一途を辿っており、同時に経済力がないまま、過度なインフラ整備(教育・社会保障含む)を強行し、それらの維持費は国庫を急激に圧迫、ほどなくして財政破綻を引き起こし、国民の政府に対する不満はピークに達したのである。

オーラルティン政府は、今一度自国の現実に目を背けることなく、自国民と向き合うべきだろう。



この問題に、共和国はどういう立場であるのか、当紙は外務省に取材を行った。

【Q】オーラルティンで民衆達による反政府活動が活発化しているが、政府としてどう見ているか?

【A】共和国の党と政府は、世界人民の自由自主自立をいかなる場合においても支持しており、オーラルティン国民の意思は理解できる。

【Q】それは反乱軍を支持するということか?

【A】それにはあたらない。暴力的手段を支持することはない。

【Q】その他にも反乱軍により被害が出ている国があり、さらなる飛び火の懸念もある。政府として何か取組はあるのか?

【A】共和国も、遺憾ながら過去三回、それも短期間に集中して反乱軍の出現を経験しており、諸外国から多大な支援を受けた。しかし同時に、党と政府は当時できうる全ての行動を、自主努力によって行った実績がある。特に被害の限定化では大きな成果を上げ、現在はさらなる事前対策の為、各種整備を実施している。これら経験の積み上げは我々の財産となった。

【Q】オーラルティンをはじめ、政情不安を起こしている国に支援を行う考えはあるか?

【A】基本的に対話チャンネルを持たない国に我が方から働きかけることはない。国交のある国に対する支援策は常に講じている。経済低迷にあえぐポーエンラド王国に対しての包括的な開発援助など、既に協議入りしているものもある。

【Q】一部から我が国の成長率の減速について指摘もある。海外援助をする余力があるのか。

【A】途上国に物資を融通する国は、先進国をはじめ少なくないし、共和国も過去その恩恵を受けている。しかし、それらの援助は物資を与えるだけのもので、被援助国の自立と相互発展の視点を欠いたものが多いと認識している。共和国は、援助対象国の自主経済構築による貧困の撲滅、対等な相互扶助関係の構築を第一とした開発援助を考えており、これらは支出だけの援助とは違い、共和国の国益に適うものとなるだろう。何れにしろ、ただ物資を送ればよいというものではない。

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製作-労働党広報部 監修-労働党中央政治委員会

取材協力-国際協力局(外務省) 国家政治総局(国家保衛省)

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1月 13 (火曜日) 2015
【国際】レゲロとの協力条約締結 【政治】シベリア自治区に大綱 【経済】アルドラドへ石材 野党反発 17:14  ヴェールヌイ社会主義共和国 
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【Рабочий победа 】労働者の勝利(第3号570年10月)

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◆紙面

【国際】ヴェールヌイ・レゲロ友好相互協力条約締結

【政治】シベリア自治区制定に向け大綱

【経済】アルドラドへの石材輸出に野党国民戦線が反発

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◇ヴェールヌイ・レゲロ友好相互協力条約締結



570年8月、レゲロ社会主義人民共和国首都レゲロニア特別市において、ヴェールヌイ・レゲロ友好相互協力条約の調印式が執り行われた。

我が国からはサムイル・マルシャーク外務大臣、レゲロからはアミーズ・ガリフ外交通商部長官が出席し、調印に臨んだ。

社会主義体制を堅持するレゲロは、我が国建国以来の友好国であり、特に整備途上にある安全保障面において、今日の安定はレゲロの支援によるところが大きい。

将来にわたる両国の友好関係の継続と発展を志向することは、両国の核心的利益の保護に大きく寄与するものであり、本条約によって、両国の経済・文化・安全保障など、あらゆる分野においての連帯協力をはじめて明文化した。

両国間の友好協力条約の締結は、かねてから、特にレゲロ側が強い意欲を示していた経緯がある。

条約締結に向けた当局間協議においては、レゲロ側はより強い連携を提案していたが、我が国の外交方針にそぐわない為、修正に修正を重ね、両国共に譲歩した結果、今回の調印にこぎつけた。

調印の後、マルシャーク外相は以下のようにコメントしている。

「条約締結により、我が共和国と同志レゲロの関係は新しい時代を迎えた。両国の多大な努力によって、この条約は陽の目を見るに至ったものであり、この過程で得られた深い相互理解は、両国関係発展の力強い助けとなるでしょう。」

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◇シベリア自治区制定に向け大綱



旧シベリア共和国からの難民及び、我が国保有の莫大な流入資産の将来に関し、閣僚評議会(内閣)で大筋の計画決定がなされた。

計画は、現在シベリア難民の大多数が居住する南東部の島を管轄範囲として、特別自治区を制定することが骨子となっている。

特別自治区は、一部行政権を付与する他、旧シベリア共和国の流入資産管理を管轄させる方針だ。

将来、旧シベリア共和国の正統後継となるシベリア人国家が再建された場合、これを返還する必要があるが、現在の国庫管理方法では、正規予算との混同があり、また事実上、我が国の国土開発予算として支出されてしまっている現状がある。

既支出分に関しては、旧シベリア共和国からの借款として処理が行われているが、当該国が存在しないことから「事実上の国庫編入」として、批判の声も少なくない。

この借款に関する取り決めを、シベリア人自治区の代表機関と取り交わすことで、シベリア財産を法的に保護することが最大の目的になる。

また、予定地の南東部の島は我が国初の農業、牧畜開発計画予定地でもあり、この分野で進んだ技術を持つシベリア人を円滑に登用できることも期待される。

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◇アルドラドへの石材輸出に野党国民戦線が反発



余剰石材処理事業の一環として、アルドラド帝国への定期輸出を行っていることについて、労働者評議会の場において、野党社会主義国民戦線が、政府及び我が党を強く非難している。

かような情報統制、一部による資本の独占が行われている君主制国家に対して、相手を利する交易関係を持つことは不適切であるとの指摘である。

国民戦線による批判は、その内容を一部理解することはできる。

我が国の掲げる理念に反する相手国であることは明白であり、事実、我が国はこれまで、正式な外交関係を持たない方針を堅持している。

今回の石材輸出は、転換時期の確定や、別途鋼鉄確保策を検討する期間内において実施される貢献輸出の枠で実施されているにすぎず、またここで特定国家への輸出を固辞する対応をとることが、真に理性的であるといえるだろうか。

今般の国民戦線の主張は、現実と理性に反しているのである。

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製作-党広報部 監修-党中央政治局 国家保衛省国家政治総局

取材協力-軍務省国防外務局 内務省シベリア自治準備局

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