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エルツ通信  エルツ帝国政府公認の新聞社。帝都内の帝国本局と辺境部の連邦支局がある
12月 20 (日曜日) 2015
速報【政治】宰相と首相直接討論される。 19:15   
628年5月



国民は、宰相と首相を決める選挙にあたり、両者の直接討論を望んだ。両者はこれに快く応じ、本日帝国内元老院にて両者の討論会が開催された。



宰「まずは、この機会を与えてくださった国民の皆様に感謝申し上げます。そしてこの場を開かされた皇帝陛下にも心からの感謝を。今私はここで私の政治の何たるかをすべての臣民に伝えたいと思います。帝国万歳。」

首「首相、クロード・トゥシャールであります。先日の宰相へあてた罵声を、ひとまずはお話の前に皆様に謝りたいと思います。相手をただ非難するだけのことに意味はありません。我々を国家を導くものにして、両者の道に、正しいも誤りも、正義も悪もありません。ただどちらかの道が帝国をより素晴らしく導けるか、それのみを私も皆様に伝えていきたいと存じます。とはいえ私はヴァノミスは壊滅さるべきと考えます」

宰「トゥシャール氏の言うとおりである。どちらが正しいかなど愚問。どちらが帝国を栄えさせるか。私は生まれてよりこの方50年近く、帝国貴族として政に関与してきた。父祖の代より100年以上続く、我らが一族の帝国へ与えた繁栄を忘れたものがいようか。私にはその父祖の智と経験とが引き継がれている。その私が申し上げる。ヴァノミスの地にはエルツ人を出すべきである。かつて帝国は連邦であった頃にとある両者の矛を収めるべく猛進した。結果的に理性ある両国の判断によっていま振り下ろされんとした矛は収められた。しかしながらこれでは不完全である。あの時はまだ小国家の集まりでしかなかった帝国は、事態の詳細を知る由もなく、外からそれを宥めることしかできなかった。その結果両国の間にはこれが楔となり、大きな穴が穿いてしまった。真に国際融和を求めたわが国の欲する結果は事なかれで他国を分断することだったろうか。いや違う。我々は生半可な覚悟で沼に足を踏み入れたがゆえに、結果を失っただけでなく、その大きな理想さえも白昼夢へと消え去ってしまった。我々は同じ過ちをするべきだろうか。否、帝国は今度こそ救いを求める人々を救わねばならぬ。すべての帝国民ががエルツの民ヴァイセン人として誇りを持ち、ともに協力するように、かの地にも結束と友愛とがあらねばならぬ。たとえこれが夢と罵られる類いであろうと、帝国は再び夢を取り戻さねばならない。それが開祖カイホスローより続く帝国の勝ち得た真理なのだから。」

首「宰相閣下のおっしゃること尤も。しかし、夢見る少年でいられる時期はとうに過ぎました。帝国は巨大国家として束縛も大きい。遠方の国家の中には帝国を切り分けんとする国家もあることです。かつての帝国の宥和策が帝国に何をもたらしたか。それは恐怖と衰退だけではないか。帝国人に戦はいらぬ。我々は建国より100年守って来た専守防衛の精神にのっとり、他国への介入を辞めるべきだ。ヴァノミスをこれ以上掻き乱すというならば、それは帝国の100年の伝統を壊すこととなる。帝国は100年にわたり、他国に対し攻撃を仕掛けた歴史はない。降りかかる火の粉を払うことはあろうとも、他国を侵略することは一度もなかった。建国の祖である、ドクツや帝国の支えであったシベリア、両国の志を継ぐことこそが帝国の与えられた使命であり、それを守る事こそが誇りである。帝国に永遠の安泰を。エルツ帝国万歳。」

宰「何も我々は侵略をしたいがために、他国へ介入するのではない。途上国が立派な国家としてフリューゲルで存続できるようにする。これが我々先進国の使命であり義務である。帝国は夢見る少年ではいられなくなってしまった。しかし、これから発展する国家に夢を見せることは出来る。なにも彼らを甘やかすことが帝国の支援ではない。帝国政府はこれまでも支援しか望まぬ国に支援は送らなかった。実際帝国が600年より支援を行った国は皆無である。これは途上国を支援という名で蝕まんとする国家との帝国の決別を表している。我々は彼らの自主独立を支持している。それこそが帝国がドクツやシベリアより受け継ぎし意志である。ポツダムのように各国家が協力し自立していく組織が今フリューゲルに誕生している。帝国の意思は今、帝国の次の世代へ継がれんとしている。ならば我々は彼らに手本を見せねばならぬ。悪しき搾取国家へと彼らがならぬように。しかれど、国家の発展には資源が必要である。それは人でもあれば鉱石でもある。だからこそ帝国は彼らの発展を見守りつつ、彼らの成果に金という評価をつけて彼らを応援したのだ。そして今、彼らの成長が途絶えんとしている。我々のするべきことは彼らを夢無き廃国とすることであろうか、それとも活気あふれる新興国として彼らを歓迎することであろうか、私は後者だと考える。帝国に寛容さを、そして少しの度胸を。帝国臣民の血税が他国へ流れるのをおかしいという方がいる。しかし帝国の繁栄は誰の血税によってなしえられたか、それを考得ねばならぬ。我々はどうするべきか、カイホスローの子らよ、君たちの選択を私は期待している。帝国万歳。」

首「私は平民の生まれである。宰相閣下ほど遠い道は見えない。しかし一歩一歩堅実に歩くことは可能である。帝国に必要なのは、国内の安定である。他国の民に夢を見せる前に、帝国人に夢を見せねばならぬ。それこそが私の仕事だ。私はエルツ人に最高の帝国を見せるために来た。外国人に最高の帝国を見せるために来たのではない。帝国は大国であるが、超大国ではない。やれることには、限りがある。我々は我々で自立する。ならば、他国にも他国で自立をしてもらおうではないか、帝国がいなければ滅びる国など、滅んでしまえばいいのだ。それが自然の摂理である。国民たちよ驕ってはならない。我々は神ではなければエルバンシアでもない。何もかもができるわけではないのだ。今の一日を堅実に生きようではないか。帝国万歳。」



両者が退室した後議場は大騒ぎであり、さっそく国内ではこの討論を反映してどちらにつくかといった議論が白熱している。

夢を与えるエルツ帝国を唱えたダウエンブルク宰相閣下。今日をしっかり生きるエルツ帝国を謳ったトゥシャール首相。

当初の想定とは大きく異なった二人の立ち位置であるがさあ結果はどうなるのか。選挙戦は2週間後である。国民諸君よ己に問いただせ。どちらの描く帝国が見たいのか。帝国政府万歳!エルツ帝国万歳!

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【政治】議会紛糾。宰相と首相の対立 03:54   
628年4月



本日首相は、宰相に対し、辞任を要求した。庶民院にて首相は開口一番宰相の辞任を要求した。宰相の強権路線には、前々から与党内でも非難が行われていた。首相はそれを陰で支援していたが、今回のヴァノミス問題で両者の対立が決定的ととなった。首相は「宰相は貴族としてヴァノミスに手を出した。その結果帝国は大きな災厄に巻きこまれようとしている」と痛烈に宰相を批判。締めくくりには「とはいえ私は、ヴァノミスは壊滅さるべきと考える」という言葉で宰相を挑発した。

一方、貴族院にて盤石な体制を持つ宰相は、貴族院にて首相の発言をこう非難した。

「肥えた妻に痩せろということは誰にでもいえる。だが私は加えて妻を痩せさせることができる」これで貴族院全体を沸かせた宰相は、終わりにこの1句を付け加えられた。「とはいえ私は、ヴァノミスは存続さるべきであると考える」



この論争をもって始まった両者の対立を決するのは国民の意見でしかない。宰相は宰相権に基づき、首相国民選挙の実施を宣言。首相はそれに対し、議会の解散を要求。解散案は同日受理され、帝国議会は解散した。



女王殿下はこの議会の内紛に対し「議論は多様性を持つことに意味がある、今回は二人の意見が食い違ったおかげで、帝国は二つの道を見ることができた。両者とも素晴らしき指導者です。これからも素晴らしい指導者が帝国を導いていけますように、祈ります。」とおっしゃられた。女王殿下万歳!



さあ、諸君らよ!女王殿下の言葉を胸に刻め!覚悟せよ。我らで真の指導者を決定しよう。さあ選挙へ行こう!



【国際】ゴルカ連邦共和国でデモが発生。

民主化を求める人々と、急進的な改革を求める、大統領との間で対立が発生している。



【国際】世界の観光国ロムレー

我が国でも最近人気が高まってきているロムレーであるが、滞在者数が帝国を抜き、世界最多となった。連合王国滅亡でようやく世界1位の観光国となった帝国だが、再び世界2位へと戻ってしまった。あらたな観光立国の誕生に乾杯!エルツ帝国万歳!

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12月 09 (水曜日) 2015
【社会】帝国文化を世界に 23:34   
626年7月



【社会】帝国文化花開く

帝国の華々しい文化を世界に広めるため、政府主導で文化拡散プロジェクトが発足された。その名も『クールエルツ』計画である。

政府は帝国の長い歴史に反して、その実情や文化が他国によく理解されていないことを危惧している。そのため帝国の文化や帝国のことを知ってもらうため、今回の計画を打ち上げた。

帝国の食文化、スポーツ文化、サブカル文化を三つの柱として、他国にアピールしていく構えだ。食ではエーラーン、スポーツではコーデクス、そしてサブカルでは石動などが有名であるが、これらの国のように帝国の文化が世界に浸透していくのか、政府の手腕が試される。



【社会】過激する若者文化

保守国民党は政策路線として、古き良きエルツを掲げて行動しているが、その政策は一層貴族に負担を持たせるものであり、一方で庶民は多くの制約から解放されることとなった。

貴族には一層の責任増加、式典の厳格化を求める一方、市民にはその多様性から国家の発展を求めていた与党の政策は、若い市民によもすれば反伝統主義の行動を進ませることとなり古き文化は悪いものだという考えが、庶民の間に蔓延するようになった。

その結果が、昨今の過激なファッションやパレードと化したハロウィン、ニコラウスである。皇帝通りに現れた若者およそ2万人は大きく騒ぎ、所によっては乱痴気騒ぎとなっているところもあり、国民の間では自制を求める声も上がっている。



【政治】二重帝国国籍法成立

帝国政府は、ノルベルト陛下の即位40周年を祝うとともに、同君連合下にあるアルドラド帝国との関係強化に乗り出した。

アルドラド国籍をエルツ国籍と同一とする『二重帝国国籍法』である。同法は庶民院を与党の賛成多数で通過し貴族院での認可をもって成立した。

これによって、エルツにおけるアルドラド人の活動範囲が大きく広がることとなった。



【社会】EALS成立

エルツ帝国とアルドラド帝国の両国の航空産業を新たに担う企業が誕生した。エルツメッサーシュヒット社がアルドラドALT社の傘下に入る形で、新たな航空会社EALSが誕生した。

メッサーシュヒット社はエルツの航空産業1位でALT社はアルドラドの航空部門では1位を占める大航空産業会社であり、両者の協力による新会社設立は両国の航空宇宙開発を大きく躍進させることだろう。

両国の防空産業を担う企業が合体したことに対し政府は「これからも両国の友好深化を進めていく、次は陸海だろう」と、説明した。



【政治】帝国建国100周年記念式典

帝国は617年に建国100周年を数えた。同時期に建国した国家にはストリーダやアルドラド、長州国などがあり、同時期国家が世界を牽引していることから、帝国もそれに遅れることなく、世界をけん引していける存在になりたいものだ。



帝国の100年を振り返る

519年の議事堂完成により帝国は、先進たる民主主義国家として成立した。

523年のSLCN成立により、帝国は国際社会にその名を知らしめた。

520年代の長い春の夜事件は、ドクツとの間に危機を発生させたが、逆に関係が深化し帝国の躍進とつながった

530年代後半のヴォルネクス動乱では、帝国にその無力さを痛感させた。

537年の五国協商対日の本の争いは帝国を大いに恐れさせたとともに、世界を震撼させた。

540年代から続く共産主義者との戦いは帝国の国力を大きく低下させた。

554年に帝国は共和政府に乗っ取られるが、580年に正当なる王を帝国は取り戻した。

586年から30年近く続いたフランドルとの戦いは帝国の権威を大きく傷つけた。

600年より帝国は停滞期に入る。これまで激動の歴史を刻んできた帝国は、この年より他の大国と同様に悠久にして緩緩な時間を過ごしていくこととなる。



617年建国より100年、第6代皇帝ノルベルト陛下の下で帝国はこれからも繁栄していくことだろう。

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