【宣戦布告】セニオリス共和国による、ヴェニスグループに対する

　フリューゲルにおいて公正・公平な資本主義社会が繁栄するためには、基本的人権の尊重及び企業間の健全な競争が必要不可欠である。しかしながら、近年その勢力を伸ばしつつある独占的な民間軍事企業の存在は、これらの前提を大きく覆す危険な存在である。彼らは表向き"警備会社"を名乗りながら、その名を逸脱する軍事兵器を多数保有している上、その独占的な資本を以て各産業に根を張りながら、有力株主の意向によりあらゆる営利活動を行うだろう。その極致は、すなわち企業利益のための戦争に他ならない。そもそも民間人による兵器の所有は国内の治安を脅かし、公共の福祉にも反するものであることは言うまでもない。弊国は、民間軍事企業による世界秩序の崩壊を阻止するため、昨年8月、特定民間軍事企業規制法を制定し、民間軍事企業の経済活動を禁ずるなど、徹底的な取り締まりを行っている。そうした中にあっても、忌々しくも未だその勢力を保ち続けている独占的民間軍事企業が存在する！我々はこの度その筆頭であるヴェニスグループを強く糾弾する。
　ヴェニスグループは、一時204万人にも上る膨大な数の警備員を抱えており、更には近年、「多用途警備母船」と称する事実上の空母や、対テロ用と称する軍事衛星の配備を進めるなど、世界最大の民間軍事企業としてその勢いを一層強めている。先日公安当局により実行された弊国内における同企業体の支社――セニオリス-VSS社及びその関連企業の接収は、弊国内での同社の経済活動を規制するにあたり一定の効果をもたらした。しかしながら、事前に接収を察知した同社は、大量の資産及び保有兵器を接収前に弊国からヴェニス島へ持ち出したとの事実が軍関係者により明らかになっている。
　さらに、残された内部資料から、会社ぐるみで行われた巨額の脱税や、同社社長カール・ゴルツが自らの報酬額を有価証券報告書に実際より過小に記載した事実も発覚し、経営陣の不正も次々と暴かれつつある。
　我々は、こうした同社の姿勢に強く抗議するとともに、ヴェニス島内のセニオリス-VSS社保有資産・兵器接収のため、ヴェニスグループに対し、実力行使を行うことを宣言する。

宣戦布告ターン　29248期
攻撃開始ターン　29256期

なお、講和条件を以下の通り定める。
・ヴェニスグループ全体の警備員数を100万人以下に削減すること
・衛星レーザー砲を搭載する衛星を放棄すること
・脱税資産及びその利子50兆Va相当をセニオリス共和国政府に納付すること
・セニオリス-VSS社所有の兵器(口径20mm以上の火器及びそれらを搭載した車両・船舶・航空機等)を全て放棄すること

フリューゲル暦 29248期　812年 6月3日

補足及び各国への勧告
　本事案は、国対企業の紛争であり国家間紛争ではないため、エルドラード条約第五条第二項「締約国は、一又は二以上の締約国が第三国から宣戦布告を被った場合、直ちに宣戦布告を行った第三国に対し宣戦布告を行わなければならない。」及び第三項「締約国は、全締約国が宣戦布告を行っている第三国に対し、単独で講和を行ってはならない。」については該当しないものとみなす。
　その事実を確認したうえで、本事案に関し万が一直接的な手段をもってこれに介入しようとする国家が現れたときは、弊国単独による紛争から、エルドラード条約機構全体を相手にした国家間戦争へ変質することを留意しておかなければならないだろう。

本件に関し、対話ではなく武力による解決を迫るセニオリス共和国政府に対し遺憾の意を示します。
当グループは対話により妥協案を見出せるものと信じており、武器をおさめ、セニオリス共和国政府が対話の席に着くことを強く要請します。