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魔女のティータイム(Witch's Teatime)

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 .2 .3 .4 .5 | 投稿日時 2014/6/24 20:43 | 最終変更
ゲスト    投稿数: 0

ユースウェリア外伝。本編の流れには影響しないファンタジー要素を多分に含む内容。

投票数:0 平均点:0.00
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2014/6/24 21:40 | 最終変更
ゲスト    投稿数: 0

 そこは太陽の光の届かぬところ。現世ではありえぬところ。霊魂と悪霊が霧となって、永遠の苦痛と絶望の渦に苛まれるところ。このホロウヘンジの黒き尖塔の中で、ユースウェリアの魔女たちは夢魔フィズリリーナと相対した。

 Purgatorio Onlineにおけるフィズリリーナとは、ゲーム中に配置された数あるNPCのひとりである。
 そして夢魔とは夢と幻と運命を操り、絶望を啜る人外の存在。悪魔。
 互いに知らぬ仲ではないとはいえ、夢魔がその真の姿を現したのは初めてのこと。フィズリリーナはそこに透明なソファがあるかのように宙に座り、爪を弾いて虚空からティーセットとスコーンを乗せた皿を呼び出した。
「本物の悪魔はボクも初めてみるかも」
 ナターシャは夢魔を畏れない。くるりと身を翻すと纏っていた魔法の鎧がかき消えて、代わりにマテリアルで着ているものを模したお気に入りのドレスの姿へと変わる。そして率先して見えざるソファに座り、不可視のテーブルを囲んでお茶会に出席した。
 「…もうっ 少しは警戒なさいよ」「目的が見えないのだからテーブルに着くのは妥当」。ウルスラ、アリーセも、自らの感想とともに同じ様に席につく。夢魔の白魚のような手により白磁のカップに紅茶が注がれて、魔女達に供せられる。エーラーンのダージリン・ティーの香りがしばし広間を満たした。

「…私の目的は簡単。私の虜を増やすことです」
 緊張がわずかに弛緩したところで、フィズリリーナが語る。
Purgatorio Onlineにアクセスして、私に好意を抱く人間を増やすことが私の目的。始終。寝ても覚めても私の事を想ってくれることが理想です」
「信仰や崇拝を求めるということ?」
 ウルスラがスコーンを囓りつつ口を挟む。夢魔は頷いて、
「とても近いです。そう思って頂いて構わないくらいに。私はその対価として幸福感を与えることができる。この幸福感は依存性を持って魂を縛り、Purgatorioと私の虜にするの」
「…つまり、ネトゲ中毒」
「そう。私はPurgatorioに潜む悪霊として存在し、偽りの人生と成功、そして愛と幸福を提供して、対価としてその人の人生を奪うの。魔術師でない人々は私の力に抗えない。死者すら出るくらいに。…さて問題です。私と貴方方は共存できるでしょうか?」
「うーん。『だめです出ていって』と言ったら、出ていってくれるの?」
 首を傾げながらナターシャが問う。個人主義を地で行くナターシャの口からそれが出るのが、市民を害する宣言を堂々と行う夢魔に対する、為政者としての義理故か。
「対立は避けます。敵意を向けられる時点で夢魔にとっての敗北です。Purgatorioの実体は現世にあるルポワール社のサーバにあります。貴方方が営業停止させたり、サーバを止めたりすればそれだけで私は活動できなくなります。だから、貴方方の機嫌を損ねることはしたくありません」
「賢明だわ。ナターシャに逆らうと死刑だしね。サーバの物理破壊くらい躊躇いなくやっちゃうわ」
「…やった後にやり過ぎたと後悔するタイプ」
 ウルスラとアリーセ。苦労させられているらしき言に、フィズリリーナが苦笑した。
「フィズちゃんは現世にでてこないの? その…、えっと誰だっけ」
「ルティーナ・エルツ・ルーシェベルギアス」
「そうそう、どこかのセーランの王妃様みたいに」
「…あの方は特別です。夢魔よりもリリスに性質が近いでしょう」
「そっかぁ。…えっとそれで、フィズちゃんは私達の居候。こちらが主、フィズちゃんが従として、ユースウェリアに見返りがあるのかな」
「覚醒者/WitchにとってはPurgatorioは良い修練の場となるでしょう。望むのであれば、私は彼らの導師となれる。…そうですね。ソウルボードに干渉してPurgatorioの夢を見れるようにしてあげるというのは如何でしょうか。ヘッドマウントディスプレイでは有り得ぬ没入を体験させてあげましょう」
「うーん。うん。妥当なとこだね。じゃあ、そこにいていいよミ☆ よろしくね」

>こんばんは。Purgatorio Online運営チームです。
>女性専用イベント『魔女の灯火/Witch’s Spark』が実装されました。試練イベントで覚醒を促します。
>覚醒についての詳細は攻略事項として情報は伏せられます。

投票数:0 平均点:0.00
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2014/6/25 21:58 | 最終変更
ゲスト    投稿数: 0

 Purgatorio Online内で最も人口密度の高い場所のひとつに、クエストカウンターと呼ばれる口入れ屋がある。
 冒険者たちはこのクエストカウンターで依頼される各種自動生成される依頼をこなし、日々の糧を得ている。
 中でも一日に一度だけ出現するデイリークエストは効率がよく、これがプレイヤーたちを毎日ログインさせている呼び水ともなっている。
 現実の水銀貨の港を模したその街のクエストカウンターは今夜も盛況だった。ベテランや初心者が攻略や効率の良い狩場を相談し、レアアイテムの自慢をし、謎の新ダンジョンの噂をする。パーティの募集の看板の傍らのテーブルでは、戦利品の分配清算が行われている。
 その人混みの片隅で、異様な雰囲気を漂わせる女魔術師がひとり。物憂げに、あるいは不機嫌そうに黒い魔導書のページをめくっていた。彼女の事を知らない男女が何組かパーティに誘おうと声をかけるが、彼女はまるで聞こえていないかのように無視を決め込むために、周囲からの評判は極めて悪かった。
 やがて時刻が24時となり日付が変わると、誰からも無視されていた彼女は突然立ち上がって、クエストカウンターの依頼人NPCたるフィズリリーナと二三会話を交わし、デイリークエストを受理して出立していった。
「…何アレ。感じ悪い」
「ぼっちオーラが酷いな」
「ラフィリー・ウジェーヌです」
 誰かがぼそっと漏らし、フィズリリーナがバインダーを片手にそれに応えた。
「ラフィリー? ランキング常連の?」
「はい。Arch Wizardですが属性はNormal-Dark。…暗いのはそのせいでしょう。とてもお強いのですが誰ともパーティを組もうとしないのです」
「は? じゃあソロで高レベルダンジョン潜ってるの?」
「すげぇ! :o」
「いやあ、単にどこにもパーティにいれてくれないだけじゃないの:(」
「lol」
「www」
 
 
 
 聖餐教皇庁を模したダンジョンの深階層に女魔術師がいた。黄金の光を放つ水晶球で前を照らし、物憂げに、あるいは不機嫌そうに通路を歩き、階段を下っていく。
 ラフィリーの行く手を阻むのは黒き影の様なものや、宙に浮かび牙を剥く本たち。
 壁役たる前衛職がいないために足止めや攪乱の魔術を行使し、攻撃魔法の詠唱時間を稼いで処理していく。回復職がいないために歩みや詠唱は繊細に、丁寧に、確実に。──そして完璧に。危険なそこを彼女は無傷で歩いてゆく。
 そして豪奢な図書室に辿り着き、宙に浮かび、本棚の高所の一角に自らの持っていた黒い魔導書を納めて、代わりに隣の魔導書を抱えて、ゆっくりと降りてゆく。
「……私の所にも来たの。夢魔」
「はい。貴女の魂を奪おうかと思いまして」
 ラフィリーの着地したそこに、フィズリリーナが待ち構えていた。
「私は忙しいのだけれど」
「どうかお付き合いを」
「上位悪魔に敬意を払わないでもないわ。ご用件は」
 物憂げに、あるいは不機嫌そうに女魔術師が椅子に座り、魔導書を支えに置く。側にある巨大な惑星儀が少しだけ動いた。
「貴方の目的についてです」
「……」
「教皇庁出禁の魔導書を読み漁って、一体何をしようとしているのでしょうか」
「…秘密」
「では、推測します。まずは前提から。ラフィリー・ウジェーヌ。貴方はこの国の最高位の魔女です。企業連合の総裁で、貴族で、暗黒街の首領です」
「……」
「富も地位も名声も、望むものはなんでも手に入るでしょう。ナターシャのように、レゴリスの前総統のように、若返りや老化遅延ですら実現可能でしょう。でも貴方はいま熱心に、マテリアルの時間を犠牲にしてまでPurgatorioにログインして、こうして書を貪っている」
「……」
「貴方は誰ともパーティを組まない。マテリアルでも他人に心を開かない。それは自身の目的を隠したいから。後ろ暗いことだから」
「……」
「教皇庁出禁の魔導書は、この国の魔術の精髄です。であれば目的は絞られます。最高位の魔術の行使だと」
「……着眼点は良いわ。当てられる?」
「どこかに巨大隕石を落とす? 貴方はそんな低俗な人ではない。違う。
 異世界へのゲートを開き旅に出る? 貴方には養うべき者が多い。これも違う。
 魔神となってナターシャに取って代わる? そのような気負いは感じられません。違います。
 …人間が望む願望の典型。それは喪って、もう戻らないものを取り返すこと。
 つまり…、<復活/Resurrection>あるいは<時間遡行/Time upstream>です」
「……正解」
「どこまで辿り着きましたか」
「肉体の再生まで。遺体を魔力を動かしてもゾンビになるだけだし、遺体の遺伝子をもとに培養しても、記憶を持たない大きな赤ん坊が生まれるだけ。…魂の再生は実に難しい」
「…はい。そこで、夢魔の提案を聞いては頂けますか」
「当てて見せましょうか」
「…どうぞ」
「貴方は私の魂を奪いにきた。貴方の魔法とは夢魔の業/Dreammancy」
「…はい」
「それは夢と幻と運命を操るもの。他を望むように変える黒き魔法ではなく、自分が変わることで世界を変える白き魔法。それは逃避の魔法。諦めと慰めの魔法。弱者と敗者の魔法。葡萄を手に入れられなかったキツネが、あれは酸っぱいんだと思い込むように」
「……」
「復活なんて…神話ですら達成した事例なんてない。だから貴方は、私の思い出や記憶から彼のイメージを写し取って、彼が生きているという都合の良い夢を見せてくれるのでしょう?」
「…お見事です。夢魔の究極の業は犠牲者の心の奥底に住む、もっとも大事な人の姿に化けること。私が彼の姿をとって、彼の性格や挙動を、貴方が死ぬまで完璧に演じてみせましょう」
「でも、ばれてしまっては仕方が無いわね」
「…はい。残念です。貴方ほどの高貴なる魂はなかなかありません」
「不可能事であることはわかっているの。だから、いつか絶望して、堪えられなくなったら貴方を呼ぶわ。その時はその姿のまま慰めて」
「はい。よろこんで:)」

投票数:0 平均点:0.00
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2014/6/25 23:12 | 最終変更
ゲスト    投稿数: 0

ラフィリー・ウジェーヌとは何者か?

 ラフィリー・ウジェーヌ。ユースウェリアで最も影響力のある人物の一人。政財界は勿論、ユースウェリアの暗部にも精通し、魔術師達の間では六人の魔女の最高位として畏敬を受ける存在。
 しかし、誰一人として彼女が何者であるのかは知らない。ユースウェリアではラフィリー・ウジェーヌに次ぐ魔術師であるナターシャ・ラグランジュですら知らない。そこで私は、ここ数年間ずっと彼女のルーツについて研究を続けた。私と同じ疑問に至った後輩のために、研究成果の一端を書き記そうと思う。

 彼女の本名はマーリン・アンブロジウスという。地球史を知るもので、ブリテン島の伝承歴史、とりわけアーサー王伝説に詳しい者なら一度は聞いた事があるであろう高名な魔術師こそが、彼女のルーツ。
 母は高貴な女性であり、父は夢魔という魔術師として名を成すには申し分の無い血脈より生まれた規格外の存在。マーリン・アンブロジウスの名の他には、ウェールズでは万物を見通す予言者であり、最後には悲劇的結末を迎えるミルディン・ウィルト、スコットランドでは天才魔法使いとして名高いマーリン・シルベスターと呼ばれる人物。
 マーリン・アンブロジウスがその名を最初に歴史に刻んだのは5世紀後半の事であり、生まれた年を西暦450年代の事と仮定すると地球時代だけで1600年もの間生き続けた事になり、更に宇宙漂流時代を加え、今がフリューゲル暦536年であるから、少なくとも2000歳、多く見積もっても2500歳以上になる。原初の魔術師の一人といって差し支えないだろう。

 そんな彼女がフリューゲル史にラフィリー・ウジェーヌとして名を刻んだのはフリューゲル暦530年のこと。ユースウェリア史の転換点と呼ばれる530年クーデターの年である。
 その当時、ジェックリン暗黒街を取り仕切る首領でしかなかった彼女は、軍部の勝利を見通していたのか軍部に旧政府側の動向や情報をを知らせ、軍部が政府機関を掌握する一助を担い、また自身はクーデターの決行日にレフレブルー・グループの株式の半数を混乱に乗じて非合法手段で入手し、レフレブルー・グループの経営権を握った。
 その後はユースウェリア史に記されている通り、企業連合で最大の勢力を有するレフレブルー・グループの最高経営責任者として総裁政府の設立に携り、軍部・元老院・企業連合から選出される三人の総裁の内の一人となり、権力を掌中にしてから僅か6年で諸方面に絶大な影響力を保持するに至っている。彼女がかつて万物を見通す予言者として畏敬を受けていたのも頷ける話である。

 しかしここまで研究して来た中で、彼女のルーツを知る事は出来ても、彼女の目的を知ることはついに出来なかった。数千年の時を生き続けた彼女が無為な生に拘るとは考え辛い。何かの目的があって然るべきなのであるが、地球時代の彼女の動向はマーリン・アンブロジウスに関連する書物以外には残されておらず、またフリューゲル漂着後、530年クーデターまでの間何をしていたのかも明白でない。
 私と同じ研究を行っている者にはクラーシェ戦役や聖餐教皇庁の成立、ユースウェリアにおける魔術師の急増に関係していると主張する者もいるが、これは裏付ける証拠もなく、推測の域を出ない不確かなものである。今後も私は研究を続けるが、恐らく彼女についてこれ以上知ることは、彼女の口から語られない限りは不可能であると考える。

                                             著 カトラーナ大学教授 イナンナ・メイスナー

◇あとがき:SSは絶対にかく

投票数:0 平均点:0.00
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2014/6/28 23:42 | 最終変更
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「元老院のおもおも」

 Purgatorio Online。不気味な赤い月に照らされた、白蘭の都市エルトヴェルン。
 今夜も元老院のおもおもは、ゲートから溢れいでて、地上を彷徨い徘徊する魔物たちを迎え撃つ。
 中堅のギルドが被害を受けて撤退したというその魔物の一団は、俊敏な骸骨兵の群れ。統率の取れた兵たちを相手に、一人の女性が剣を構え背後の二人を庇う。イヴ・リューンヴェリという名の彼女─Knight Lord─が、クロム鋼の長剣を一閃するごとに、骸骨兵は反応することもできず、速度と重量が織りなす破壊力によりばらばらに砕け散ってゆく。だが敵はあと20…30はいるか。先ほど吹き飛ばされた骸骨の破片がカタカタと動き初め、再生を始める。軍団の最後尾で指示するあのフードの影がリッチ/Lich。あれを滅ぼさなければ死者の群れは止まらない。
「ルネ、詠唱は?」
 連携の取れた三体の骸骨兵の袈裟切りと突きと薙ぎ払いをエーテリウムの盾と<兵士/Soldier>の魔術にて応じ、背後の少女に問う。先と今はやり過ごした。だが次を無傷でこなれるかはわからない。
『岩砕き、骸崩す、地に潜む者たち、集いて赤き炎となれ。地の砂に眠りし火の力目覚め、緑なめる赤き舌となれ……』
 ルネと呼ばれた少女は問いに応えることもなく、路地に座り込んで、アンティークな鳥籠を抱きながら力有る言葉で歌う。妙なる歌声がエルトヴェルンの街に響く。少女はサーバーに20人いるかいないかの最高位の魔術師/Arch Wizardの一人。だが広範囲魔術を行使するにはそれに見合う詠唱時間が必要だった。
「@2分ってところね」
 聖職者/Sanctuaryたるアヴリル・アリギエーリが代わりに応える。
「わかった」
 イヴが剣を一降りし、血の混じった唾を吐いて軍団のただ中に突入する。そして鋼の暴風の如く剣を振り回し、そして骸骨兵たちの冷静な反撃を受けて出血を増やしていく。アヴリルが見かねて<治癒師/Healer>の術にて支援した。これでいい。大ぶりな戦い方は作戦の範囲内。ルネの詠唱を妨害されさえしなければ。護衛用の使い魔は待機しているが数撃しか持たないだろう。だから趨勢は前衛たるイヴに掛かっている。
「ゲートはホロウヘンジか?」
「ケデレクトでしょう。霊体系と死人系で微妙に違うの。背後の悪魔も──」
『……地の底に眠る星の火よ、古の眠り覚し裁きの手をかざせ!』
 轟音と閃光がエルトヴェルンに現出した。地上に太陽が現れたかのように。余りの閃光に骸骨兵の振りかざす剣の前で、イヴは目を硬く瞑らなければならなかったほど。
 閃光と轟音の残滓が消え去り、アヴリルとイヴが恐る恐る目を開けると、死者の軍団は跡形も無く消え去っていた。
 
 
 
「今日は危なかったわね。やっぱり情報の無い敵は怖いわ」
 私室にて、アブリルがメンバーに紅茶を振る舞い、自身はソファーにごろんと横になってアイテムボックスから戦利品を物色する。
「……ねえ」
 ルネ・レぺティートア・カスガイがカップに角砂糖を放り、一口啜ってから疑問を口にする。
「アブリルたち、ちゃんと仕事してるの?」
「リアルのことは話題にしない約束だぞ」
 思うところあるのか、イヴが目を逸らす。その様子にアブリルはけらけらと笑う。
「法務総局で一番偉いのは法務総監……つまりイヴとして。じゃあイヴ以外に法務省いる人達ってどんなのか知ってる?」
「……知らない」
「総監の下には官僚という人達がいるの。小さい頃からエリートコースを上ってきた優秀さんたち。彼らは何年もそこで働いていて、実質的に国を動かしているのは官僚なの。まあ当然の話よね。政治家なんて単に票集めで勝ち残った素人だし、省庁の仕事がわかるはずがないわ」
「……官僚が優秀だから遊んでるの?」
「あー、はい。この話はやめやめ!」

投票数:0 平均点:0.00
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2014/7/12 14:09 | 最終変更
ゲスト    投稿数: 0

【フィズリリーナ.Act 3】

「煉獄ガチャ」という無制限集金システム・外貨獲得窓口にて、また新たなレアアイテムが登場した。
【フィズリリーナ.Act 3】というペットアイテムはPurgatorio Onlineのプレイヤーたちを魅了し、ルポワール・エンターテイメントは過去最高額の売り上げと、大量のネトゲ中毒者、そして新規プレイヤーを獲得した。
 
 
 
夢魔フィズリリーナは自らの世界と、その支配を確立した。
Purgatorio Onlineという欺瞞の檻に愛しき人間たちを捕らえて、成功と成長と、そして愛を餌に哀れな囚われ人に君臨する看守。

フィズリリーナは自らを愛するもの全てに愛を与える。
彼女という存在は、囚人の数だけ無数に分裂し、それぞれが運命の囚人だけを見る。
その想いが強ければ返す想いもまた強く。
鐘を叩く強さが強いほど、その音も大きくなるように。
感謝、尊敬、承認、庇護、分かち合い、愛の囁き、閨事すら。

ログアウトした囚人が見るものは、灰色の世界。愛を得られない現実。なにもかもが叶わないところ。敗者であることの自覚。価値無き自分。そして囚人は、自らPurgatorio Onlineの檻の中へと戻っていく。

こうしてフィズリリーナは魅了や精神支配の業を行使せずに崇拝者を増やしていく。衰弱死した囚人の魂は煉獄に囚われて、彼女を護る無数のホラーとして災禍を振りまくのだ。

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