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ザイナル・エージェンシーのゴミ箱
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- ザイナル・エージェンシーのゴミ箱 (ゲスト, 2014/6/13 0:14)
- Re: ザイナル・エージェンシーのゴミ箱 (ゲスト, 2014/8/3 14:50)
- Re: ザイナルhttp://tanstafl.sakura.ne.jp/modules/d3forum/index.php?topic_id=255#・エージェンシーのゴミ箱 (ゲスト, 2014/10/31 1:49)
ザイナル・エージェンシーのゴミ箱
msg# 1~新興国の夜~
書類の散乱したデスクの上で、ティーゲル記者は雑務に追われていた。新興国入りしたのは良いが、仕事量に対して人材が少なすぎるのである。発展を続けるベイオールの夜は明るく、長い。
ティーゲルは伸びをすると、同じく仕事をしているムノーリシュ議員補佐に話しかけた。
「もういい加減にしてほしいよな。いっそ、日ノ本やストリーダに頼んで次からは人を援助してほしいって頼もうぜ。」
ムノーリシュはニヤニヤしながら、立ち上がって答えた。
「出来れば女性でな。俺の行ったドクツの女はゴツかったが最高だったぜ。」
ムノーリシュはドクツに留学した経験を持つ才人である。
という触れ込みで議員補佐を務めている。実のところはドクツから来た国交樹立の船に便乗して密航しただけである。一応暫くは過ごしたようなのだが、果たしてドクツの薫陶を受けた偉人なのか、ただの胡散臭い馬鹿なのかは後世の歴史のみが知る。
ムノーリシュはコーヒーを持って戻ると、南西ヴォルネスク関連の記事を手にした。ここもある意味人材不足である。しかしながら、その意味はクシミニャールとは全く違う。
「日ノ本の呪術かなんかで解決できないのかねえ。」
ティーゲルは投げやりに言ったが、ムノーリシュはふと考えた。
エーラーンは霊的に汚染されていると言ったが、本当にそうなのかもな。一部の先進国が呪術を認めて(しまって)いるが、南西ヴォルネスクの「堕落」も非科学的な原因があるのではないか。日ノ本の呪術はともかく、何か打開できるもの、例えば救世主とか…。
そういえば、あの男の死亡をしっかり確認した者はいない。南王国の者は闘いに敗れたとしか言っていないし、統一政府の報告※など、古ぼけた説明書よりも信用できない。
「南西ヴォルネスク関係の資料を見せてくれ、ティーゲ…」
ムノーリシュが話しかけようとしたティーゲルは睡魔に負けていた。人の寝顔っていいよな。女なら。男の寝顔なんて見ても癒されるどころか、幸福度が減少する。美人女性議員とかいいよなあ…。ムノーリシュはストリーダと自国の差をそこに見出した。
6/13註:死亡報告をしたのは統一政府ではなく首長国政府です。失礼致しました。
Re: ザイナル・エージェンシーのゴミ箱
msg# 1.1~民主化前夜~
協議会議長室って意外に狭かったんだな。ルブト・アクシナーは積まれた書類を片付けながら思った。
537年5月末、クシミニャール民主化選挙で国民党は第二党となった。国民党初代党首フェルガナ=パシャは、八年以上にも渡る政府首班の座から降りたのである。ベイオールにある真新しい議長室も明日には首相室。フェルガナ=パシャ一人で片付けるのは大変であるため、アクシナー議員はこうして埃にまみれた書類を搬出しているのだ。
当のフェルガナ=パシャは議長室の片隅でクラシック音楽を聴いていた。――別に怠けている訳ではない。寧ろ、一人で片付けようと無理をした結果を、腰にあるコルセットが雄弁に物語っていた。
「まだかかりそうかね。」お気に入りの『トゥオネラの白鳥』を聴きながら、フェルガナ=パシャは呟いた。
ルブトはため息をついた。「私の娘がベイオールアイスを楽しみにしてまして。」再びルブトは書類をファイルに挟む作業に取り掛かった。「店が閉まるのは何時でしたっけ。」
フェルガナ=パシャも大きくため息をついた。いや、私だって好きでこうしてる訳じゃないんだけどね。まあ、もう少ししたらムノーリシュ君あたりを呼ぶか…。そう思った時、ふと、海外の新聞記事が目に入った。
先進国の文化に関する記事である。華やかで、目のひくものが多い。我が国も明日からの規制解除で変わっていくのだろうか。のんびりとした風景は失われ、艶やかな都市文化が醸成されていくと考えると、自分のしてきたことの功罪というものも、次第に浮き彫りになるのだろう。
うとうとしてきた時に、丁度音色が高く響いた。反響するメロディは、より議長室の狭さを感じさせた。
~交渉後~
ムーノリシュ「何とか無事に終わったな…」
ガータ・ベルンダとの交渉直後、侯国全権であるムノーリシュはクシミニャールに帰る空港で煙草をふかせていた。
この交渉内容ならば本国の利益になりえるだろう、そう思った時であった。
フェルガナ=パシャ「随分と余裕だな。」
聞き覚えのある声。一瞬で体が委縮する。
ムノーリシュ「フェルガナ=パシャ閣下!?何故ここに?」
フェルガナ=パシャ「お目付け役だ。万が一の時の決定権をジェネロジーテから委任されている。」
フェルガナ=パシャは私に近寄ると、手にしていたタルペを一本抜き取って、タバコを吸い始めた。
フェルガナ=パシャ「ジェネロジーテから依頼されたのだよ。複雑な外交事案が発生したら、私が解決するようにとな」
ムノーリシュ「幸いにそのような事態にはなりませんでした。」
フェルガナ=パシャ「本国はなかなか大変だぞ。レオヴィルは銀をろくに輸送してくれないし、シベリアが鎖国して食糧自給を考えなければならなくなった。」
フェルガナ=パシャは紫煙をふかせると、話を続けた。
フェルガナ=パシャ「いずれにせよ、君のドクツで学んだ発電などのインフラ知識は役に立つ。頑張ってくれ給えよ。」
フェルガナ=パシャは吸殻を携帯灰皿にしまうと、空港の奥へと消え入った。
ガータ・ベルンダは我が国のように高度経済を遂げるのだろうか。発展と繁栄に浮かれて退廃の翳を見せる我が国のようにならなければいいのだが…ムノーリシュはふとそう思うと、ゆっくりと空港の待機室へと向かった。