日ノ本帝国史書

帝国議会の日常

午前九時、政府閣僚や官僚、議員らが登院を果たす。
午前十時、十の法案が政府側から衆議院に提出される。同時刻、十の法案が政府側から貴族院に提出される。
午前十一時、衆議院で提出された十の法案が採決に入る。同時刻、貴族院で提出された十の法案が採決に入る。双方とも満場一致で可決する。
正午、昼食
午後十三時、貴族院で可決した法案が衆議院に送られる。同時刻、衆議院で可決した法案が貴族院に送られる。
午後十四時、衆議院で採決に入る。同時刻、貴族院で採決に入る。双方とも満場一致で可決する。
午後十五時、国際問題や社会問題ついて個別議論され、国内外向けに共同声明が出される。
午後十六時、閉院。政府閣僚や官僚、議員らは帰宅する。

とある官僚の話

国会に議論なんてものは必要ない。どこぞの国は牛歩戦術とかで法案の成立を妨げる輩がいるらしいが、我が国ではあり得ない。
とにかく早く成立するのが良い。時は金なり。国民は無駄な税金を法案審議のために費やしたくないし、俺らも議員も仕事を定時に終えて帰りたい。これぞ利害の一致だ。
え？　法案に瑕疵があったらどうするのかって？　そんなまさか！　俺らの作る法案に瑕疵なんて微塵もあるわけないさ！　何しろ最高頭脳を誇るコンピューターが決定しているんだからね。
コンピューターが決めるなら官僚や議員は要らないって？　まあそれもコンピューターが決めることだからね。　それに世界じゃ民主主義が流行りのスタイルだから、流石に「コンピューターで決めてます」なんて言えるわけないじゃないか。
ちなみに世界各国の言語を国際共通語に翻訳する機能があるから外交文書もコンピューターに任せてるみたいだね。ただ困ったことにアドミラル語だけは翻訳対応してないんだ。本当に困ったことだよ。