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Re: 社会主義のお話

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ヴェールヌイ社会主義共和国

なし Re: 社会主義のお話

msg# 1.14
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1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2015/12/5 23:05 | 最終変更

社会主義のお話
社会主義≠革命路線

 

ギンツブルク「ともあれ、ドイツ社会主義労働者党は、早くも1877年の帝国議会選挙で、50万近くの得票(9%以上)を集め、397議席中12議席を獲得しました」
スヴィトラーナ「ふーん、けど前回の話によれば、帝国議会より連邦参議院やら皇帝やら帝国宰相の方が権限が大きいんでしょ?そんなのすぐやられちゃわない?」
ギンツブルク「そうですね。ビスマルクは危機感を抱いて反社会主義色を強めることになりました。翌1878年には名前もストレートに「社会主義者法」なる社会主義労働者党を狙い撃ちにした弾圧立法が成されます。しかしながら、同党は以後四回の総選挙で伸び悩みを経験しながらも堅実に支持を広げ、1890年には20%に迫る得票率で一気に35議席を獲得しました。そんなわけで、弾圧的だった社会主義者法も、同年9月末には期限切れとなります。これを機に、ドイツ社会主義労働者党は、ドイツ社会民主党(SPD)に名前を変えて、更に発展を続けていくのです」
スヴィトラーナ「ほぇー・・・真面目な感じでドイツっぽいわね。めちゃくちゃ叩いてたマルクスや革命派からしたら、議会闘争派の発展はなんだか悔しかったでしょうね」
ギンツブルク労働者の政治運動が英仏より遅れて始まったドイツでは、社会主義政党の統一化が先に実現し、この政党を中核にしながら労働者大衆の階級的連帯が事後的に形成されたわけで、その結果、労働組合が党と不可分な形で成長しました。労働者たちは、この相互扶助活動を通じて資本主義的な市場を経ない購買機会を構築すると同時に、ひとつの階級としての連帯を深めていけたのです」
スヴィトラーナ「なにそれ、超理想的じゃんか・・・」
ギンツブルク「そればかりじゃないですよー。SPDは、教育機関、研究施設、図書館、演劇や音楽やスポーツやチェスの同好会、読書会、自然愛好会、余暇クラブなどを用意しながら、がんがん労働者階級を取り込んでいきました。着実に基盤を固めた結果、1912年の議会選挙で、党員数自体は約100万人なのに、35%近い450万票を集め、120議席を獲得しました」
スヴィトラーナ「まさしく留まるところを知らないって感じね。けどさ、さっきもいったけど帝国議会って別にそんなに権限ないんでしょ?」
ギンツブルク「まぁたしかに、権限は小さいですし、一般労働者から代議士を全部出せたわけでもないんですけどね。それでも当時のドイツで、非革命型の社会民主主義が伸長した事実を、ここに確認できるというわけです」

非革命の現実

スヴィトラーナ「ふむ・・・そして東西冷戦下の西ドイツでも、再統一後のドイツでも、SPDの存在感は失われなかった事を考えると、やっぱりソビエト社会主義共和国連邦や、マルクス・レーニン主義といったものだけが、社会主義だとは到底言えないことの証左だわ!私たちももっと自信を持っていいのよね!」
ギンツブルク「それ以上自信家になってどうするつもりなんですかねぇ・・・」
スヴィトラーナ「ん、保衛省の地下で死にたいの?」
ギンツブルク「もうそんな権限もないでしょうに」
スヴィトラーナ「冗談よ。・・・けどねー・・・やっぱり・・・なんかこう、根本的なところで蟠りが解けないところがあるのよ」
ギンツブルク「なんとなく仰りたいことはわかります。議会闘争主義の限界を気にされているのでは?」
スヴィトラーナ「そうかもね。結局、既存体制下で票を集めて生き延びてる政党なんてのはさ、自分たちが生き残るために、既存の政治体制を死守しなくちゃいけなくなるのよ。それはたしかに、社会主義政党の勢力を確保しておくためには不可欠な戦略なのは理解できる。けど、結局のところ社会主義革命の延期や放棄であることには変わりないんだなぁって・・・」
ギンツブルク「選挙に出るっていうことは、そういうことですから。社会主義政党であれ共産主義政党であれ、何党だろうが選挙にでる以上は数としての票が全てというわけですね」
スヴィトラーナ「そういうことを考えているとね、革命派の立場もよくわかるだけに、悶々とするのよ」
ギンツブルク「ふむ・・ではどうでしょう。産業化が進んで、生活水準が高くて、政党や結社の自由が保障されていて、普通選挙の実施されている先進国で、労働者大衆が自ら率先して社会主義革命を起こすでしょうか?」
スヴィトラーナ「おそらく、起こさないでしょうね」
ギンツブルク「なぜでしょうか」
スヴィトラーナ「そのような国々では、労働者大衆の多くが、最低限度の衣食住を超えて、すでに失うものを手にしているからよ」
ギンツブルク「その通りです。逆説的にも、社会主義の理論や思想を学ぶ機会を有しているのは、ほとんどの場合、先進国に暮らして既存の世界秩序から多少なりとも既得権益を享受している人々であって、自らの生活を支える現体制を転覆させる革命なんて望まない人々ですよ。だからこそ、世界初の社会主義革命は、第一次世界大戦のドサクサの中で300年も前からロマノフ王朝が君臨するロシア帝国において開始されたわけですからね。ところが、ソビエト連邦は消滅しましたが、今回話しましたSPDや、フランスの社会党、イギリスの労働党が21世紀に入ってなお健在なところを見ると、何が正しい方法なのかなんてことを考えるだけ無駄なんじゃないですか」
スヴィトラーナ「ま、それもそうね!」
ギンツブルク「ぅぇ、悶々とするなんて言ってたわりに切り替え早いですね」
スヴィトラーナ「指導者はいつだって即断即決なのよギンツブルク同志!そもそも社会主義を完全に実現すること自体が不可能なんだから、その方法論で悩んだって仕方のないことだったのよ!つまりどうでもよかったんだわ!はースッキリした!」
ギンツブルク「ぇぇぇ、なんか違う・・・」

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