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Re: 【国際友好音楽祭】

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ガトーヴィチ民主帝国

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2015/10/26 3:34 | 最終変更
ガトーヴィチ民主帝国  常連   投稿数: 53

国際友好音楽祭観覧実記
ミハイル=フルートロヴィチ=ドラーニン

私は先日、ヴェールヌイ社会主義共和国建国五十周年を記念する国際友好音楽祭を観覧しました。今年の一月にガトーヴィチ学生団団長という大命を仰せつかって以来、果してこのような大役が私に務まるのか否かが非常に不安でした。そしてその不安はウミェールイ独立経済記念ホールに「帝国の頂」の完全五度が反響するまで持続していたのです。
さて、エルツ帝国からはティルブルフフィルハーモニーが出場し、帝国の頂という曲を演奏しました。国際友好音楽祭では、その国を紹介する映像が映し出されます。エルトウェルプ大学やエルツテリア線の皇帝の矢列車の写真を見て、いかにも豪華絢爛でありいかにも帝国らしいという印象を受けました。尤も帝国の頂自体が宮廷音楽であるためまさにエルツの文化力を全面に押し出した演出でした。
次は成蘭連邦王国の東和青年交響楽団による威風堂々でした。成蘭は言うにや及ぶ我が国の同盟国にして大工業国かつ平和を愛する国家ですから、私は一層大きな拍手で迎えました。映像の方は、初めのアレグロでは優れた行政、中間部のトリオでは東和山脈の自然、後半は経済活動の盛んな成蘭市を紹介するものでした。最後のフェルマータに翻る成蘭旗は圧巻でした。
テークサット国立交響楽団は同国国歌を演奏しました。トロンボーンのファンファーレに導かれる東洋の響きは、経済発展の様子を紡ぎだす映像と相俟って未来への希望を覗かせました。先般のシェロジア砲撃以来、国際社会の表舞台から追放されたテークサットですが、着実に復帰への道を前進しているのです。
暗闇の内にトランペットのファンファーレが始まり、舞台が明転すると同時に我々は驚嘆しました。コーデクス共和国の演奏ロボットSpR6楽団によるソングオブコーデクスです。映像の説明によれば、建国以来の研究によって楽譜を読み取り演奏するロボット楽団が誕生したということでした。恐らく金管楽器を吹くロボットの唇は適切に振動するように設計されているのでしょう。これにはベラヴァダー高校管絃楽部トランペット奏者としてかつ世界に名だたる工業国のガトーヴィチ人の一人として対抗心を覚えました。
ティユリア連合王国のアドリア・フィルハーモニー王立交響楽団とカレスティア混声合唱団は、我は汝に誓う、我が故郷よを演奏しました。惑星間移住計画ロムルス計画を進行中であるティユリアのオーケストラの生音は二度と聞くことができないのです。歌詞も映像も、あらゆる愛と山紫水明の国土を称える素晴らしいアンサンブルです。感動的な旋律を幾重にも幾度も聴くことができる曲であり、他国人である私までティユリアへの愛国心が芽生える心持ちがしました。演奏を称賛し門出を祝福する万雷の拍手は五分の長きに亘り、その後休憩が入りました。

ウェールリズセ共和国からは、プラエトリア・フィルハーモニー管弦楽団が出場し、メンデルスゾーンの交響曲第4番イタリアを演奏しました。ウェールリズセ共和国はヴェネツィアの後継者たる自負を有しており、楽曲と映像からはフリューゲルのヴェネツィアを標榜するに相応しい高い文化がひしひしと伝わりました。ウェールリズセのオーケストラはベルサリエーレ王国とはやや異なり几帳面なイタリアを、誤解を恐れずに言うならばドイツ的なイタリアを紡ぎだします。絃の縦も常に揃っていました。
そして、超大国の名に相応しいレゴリス帝国のブリンスト・ライヒスヘーア吹奏楽団の登場です。ラインの護りという曲名と吹奏楽団と合唱団による演奏ということから華やかな行進曲を想像していましたが、その予想は初めのティンパニの打撃で打破され、実際は男声合唱つきの重厚なアンダンテの楽曲でした。映像も整然として行進する軍隊や戦車及び戦闘機の白黒映像であり、レゴリスの歴史と軍事力を誇示する内容でした。
ストリーダ王国のトラーバーデン・フィルハーモニー管弦楽団は進め、王国よを演奏しました。この音楽祭でのレゴリスを静と称するならばストリーダは管楽器による華やかなメロディーが流れる動と云えたでしょう。中間部のトランペットによる旋律が始まると大画面が青を基調とした同国の国旗に移り変わり、そのまま空を飛ぶ曲技飛行隊の映像に推移する演出は爽快の極致でした。
ノホ・ヘレコ連邦は海洋民族らしさが色濃く反映された連邦第21合唱団による無伴奏男声合唱です。曲の終盤にある威勢のよい掛け声がノホ・ヘレコの団結を象徴しているような点で印象的でした。入る映像も我が国の亜寒帯気候と異なる温暖そうな光景で、南国の雰囲気を感ぜられました。
少人数でホールを埋め尽くす聴衆を感動させるという点において、タヂカラオ国代表パワリハ・イル・マヒワの演奏は舌を巻くものでした。タヂカラオは我が国よりも遙かに長い歴史を有する老国ですが、戦争を嫌悪して平和を享受しています。映写機はタヂカラオの風光明媚な都市群や大自然を映し出すのです。聴衆は黙然として之に聴き入り、漸く拍手が起こったのは演奏が終っての余韻を愉しんでか20秒程後のことでした。
そして遂に、エフゲニー=スヴェトスラフ率いるガトーヴィチ国立交響楽団が登場したのです。スヴェトスラフの指揮は印象的であり、セヴェロモルスク・フィルハーモニー交響楽団を率いるモリス=フロリンスキーと双璧を為し、人の心に直接訴えかける表現を得意とします。その点でアキラ=イフクベ作曲のピアノと管絃楽のためのリトミカ・オスティナータは、ガトーヴィチ人の感性に合致するとともにスヴェトスラフとガトーヴィチ国立交響楽団の魅力を引き出すのに適した曲でした。国旗、稲、工業、鉄道に正教。加えてゲネラルパウゼの後には私の志望校でもあるイヴァングラート帝国大学の威容が映写され、ストリボーグ航空機とガトーヴィチへようこその文言で締まるのです。素晴らしい映像を提供してくれたヴェールヌイ公共放送、情熱的にリトミカ・オスティナータを弾いてくれたガトーヴィチ国立交響楽団に対して、私たちガトーヴィチ学生団は最大級の拍手を送りました。
フィナーレは、ナシノヤェネバ市民管弦楽団と国立芸術団による明日が来ればでした。私たちの殆どが平和を希求するのに、戦争が起こってしまう。しかし、この国際友好音楽祭で諸文化を有する諸外国と交流すればきっと平和は訪れるのだと伝えてくれる演出でした。最後の完全五度がホールに響き渡った時、聴衆は皆感極まって口々に思いを叫んでいました。私も無意識に大声でヴェールヌイ万歳、ガトーヴィチ万々歳と叫んでしまいました。拍手の音は絶えることを知らず、緞帳が下りても続いていました。私はもう大役を与る事への不安はありませんでした、ガトーヴィチ学生団団長として実記の執筆を除く全ての職分を務め上げたのです。以上で国際友好音楽祭観覧実記を擱筆します。
ヴェールヌイ社会主義共和国建国五十周年万歳。
ガトーヴィチ帝国万歳。
フリューゲル万歳。

ミハイル=フルートロヴィチ=ドラーニン
進学指導重点校のイヴァングラート市立ベラヴァダー高等学校二年生。我が国を代表して国際友好音楽祭に出席した学生八十七名の団長だった。

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