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Re: 社会主義のお話

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ヴェールヌイ社会主義共和国

なし Re: 社会主義のお話

msg# 1.7
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1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2015/4/1 22:40

スヴィトラーナ「なるほどねぇ・・・とにかく、そのオリビエ法っていうのが認めた団結権やストライキ権というのは、困窮した一般労働者や移民労働者の為じゃなかったわけね。それじゃあ一体何のためだったのかしら」
ギンツブルク「想定していたのは熟練技術を持つ職人層の団体ですね。ナポレオン三世は、発言能力のあるエリート労働者層を体制に取り込もうと考えた。上からの独裁的な指導によって、労働者階級を社会主義的な体制に統合しようとしたんです」
スヴィトラーナ「小賢しいぃぃ~許せないわ!そんなの、制度が社会主義的であったとしても、労働者の主体がないんじゃ、貧困層の富は増えないかもしれないじゃない!皇帝をプロレタリアート(賃金労働者階級、無産階級とも)に挿げ替えないといけないわね!」
ギンツブルク「人はそれをプロレタリア独裁といいまして、20世紀に誕生した社会主義国と同じです。その結果は悲惨でしたね(ニッコリ)」
スヴィトラーナ「ぐぬぬ」

【一般労働者によるストライキの頻発】

ギンツブルク「まぁしかし安心してください。この皇帝社会主義の思惑は、少なくとも結果的には大ハズレします。ナポレオン三世の算段に、第一インターナショナルの側は、まったく付き合いませんでした。そして「政治権力の奪取が労働者階級の第一の義務」と規約に明記したんです。すなわち、現体制内で労働者階級の地位を確立するのではなくて、あくまで政治権力の奪取を謳ったと。マルクスの発想なら、当然そうなりますね」
スヴィトラーナ「さすがマルクス!頼れる~」
ギンツブルク「おまけに、条件は限られていたとはいえ、オリビエ法によって団結権とストライキ権を手にしたフランス労働者たちは、熟練層に限らずストライキを頻発させました。しかもそれは、時に攻撃的な性格を帯びたものになり、治安当局と衝突して、銃撃されて多数の人々が亡くなる事態まで発生してしまうんです。(1歳の子供が犠牲になった例もある)皇帝にしてみれば懐柔策のつもりだったのに、これでは大惨事ですね」
スヴィトラーナ「犠牲者の方には気の毒だけど、やっと労働争議っぽくなってきたじゃない」

【マルクスの戦略に利用された労働争議】

ギンツブルク「そのうち最も画期的な出来事は、リヨンの工場が起こした大規模争議でしょうね。争議の参加者の殆どが女性の下層工員であり、しかもその大半は農村出身か移民労働者だったんです。それでいて、何と一ヶ月以上にも亘って繰り広げられました」
スヴィトラーナ「なんだかシンパシーを感じる・・・」
ギンツブルク「(そりゃあんたの経歴を考えた時の元ネタだからな)マルクスはこの機会を見逃しませんでした。ストライキの指導者であったフィロメンヌ・ロザンを、この争議が起きた1869年9月の第一インターナショナルのバール大会に招こうとしたんです。これ自体は実現しなかったんですけど、手詰まり状態になっていたストライキ参加者たちは、国際的な組織の後ろ盾を得たことで、一応の成果を獲得することができました。この出来事を機に、リヨンの同工場の委員会は第一インターナショナルの支部組織になります」
スヴィトラーナ「ぉぉーつながってきたわね」
ギンツブルク庶民層女性による社会運動の先駆けであったと同時に、社会主義が、フランスの労働運動に入り込んで行く重大な転換点となったんです。まさに画期的出来事でした」
スヴィトラーナ「( ̄ー ̄)ふふん」
ギンツブルク「この頃から、フランスをはじめ、大陸諸国の労働運動は、社会主義と不可分な形で発達していきます」
スヴィトラーナ「さすがマルクス!」
ギンツブルク「あ、けどそれは必ずしもマルクス主義ではありませんでしたけどね?議長同志はマルクスお気に入りみたいですけど、社会主義の歴史を、マルクスやマルクス派の記述ばかりに依拠して理解しようとすると危険ですよ。特に1871年のパリコミューンに関しては、その良い例です」
スヴィトラーナ「パリコミューン?」

~パリコミューン編に続く~

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