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Re: 魔女のティータイム(Witch's Teatime)

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なし Re: 魔女のティータイム(Witch's Teatime)

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2014/6/25 23:12 | 最終変更
ゲスト    投稿数: 0

ラフィリー・ウジェーヌとは何者か?

 ラフィリー・ウジェーヌ。ユースウェリアで最も影響力のある人物の一人。政財界は勿論、ユースウェリアの暗部にも精通し、魔術師達の間では六人の魔女の最高位として畏敬を受ける存在。
 しかし、誰一人として彼女が何者であるのかは知らない。ユースウェリアではラフィリー・ウジェーヌに次ぐ魔術師であるナターシャ・ラグランジュですら知らない。そこで私は、ここ数年間ずっと彼女のルーツについて研究を続けた。私と同じ疑問に至った後輩のために、研究成果の一端を書き記そうと思う。

 彼女の本名はマーリン・アンブロジウスという。地球史を知るもので、ブリテン島の伝承歴史、とりわけアーサー王伝説に詳しい者なら一度は聞いた事があるであろう高名な魔術師こそが、彼女のルーツ。
 母は高貴な女性であり、父は夢魔という魔術師として名を成すには申し分の無い血脈より生まれた規格外の存在。マーリン・アンブロジウスの名の他には、ウェールズでは万物を見通す予言者であり、最後には悲劇的結末を迎えるミルディン・ウィルト、スコットランドでは天才魔法使いとして名高いマーリン・シルベスターと呼ばれる人物。
 マーリン・アンブロジウスがその名を最初に歴史に刻んだのは5世紀後半の事であり、生まれた年を西暦450年代の事と仮定すると地球時代だけで1600年もの間生き続けた事になり、更に宇宙漂流時代を加え、今がフリューゲル暦536年であるから、少なくとも2000歳、多く見積もっても2500歳以上になる。原初の魔術師の一人といって差し支えないだろう。

 そんな彼女がフリューゲル史にラフィリー・ウジェーヌとして名を刻んだのはフリューゲル暦530年のこと。ユースウェリア史の転換点と呼ばれる530年クーデターの年である。
 その当時、ジェックリン暗黒街を取り仕切る首領でしかなかった彼女は、軍部の勝利を見通していたのか軍部に旧政府側の動向や情報をを知らせ、軍部が政府機関を掌握する一助を担い、また自身はクーデターの決行日にレフレブルー・グループの株式の半数を混乱に乗じて非合法手段で入手し、レフレブルー・グループの経営権を握った。
 その後はユースウェリア史に記されている通り、企業連合で最大の勢力を有するレフレブルー・グループの最高経営責任者として総裁政府の設立に携り、軍部・元老院・企業連合から選出される三人の総裁の内の一人となり、権力を掌中にしてから僅か6年で諸方面に絶大な影響力を保持するに至っている。彼女がかつて万物を見通す予言者として畏敬を受けていたのも頷ける話である。

 しかしここまで研究して来た中で、彼女のルーツを知る事は出来ても、彼女の目的を知ることはついに出来なかった。数千年の時を生き続けた彼女が無為な生に拘るとは考え辛い。何かの目的があって然るべきなのであるが、地球時代の彼女の動向はマーリン・アンブロジウスに関連する書物以外には残されておらず、またフリューゲル漂着後、530年クーデターまでの間何をしていたのかも明白でない。
 私と同じ研究を行っている者にはクラーシェ戦役や聖餐教皇庁の成立、ユースウェリアにおける魔術師の急増に関係していると主張する者もいるが、これは裏付ける証拠もなく、推測の域を出ない不確かなものである。今後も私は研究を続けるが、恐らく彼女についてこれ以上知ることは、彼女の口から語られない限りは不可能であると考える。

                                             著 カトラーナ大学教授 イナンナ・メイスナー

◇あとがき:SSは絶対にかく

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