当国はフリューゲル農業組合の一翼を担う立場から本件に関し有意義なアドバイスを行い得るものと考え
思うところを述べさせていただく為に参上いたしました。
率直に申し上げますに当国はユーフォリア帝国の提案に一定の前向きな評価を与える事が出来ると思います。
建材産業は確かに普及率の高い業種ではありますが、その生産規模は多くの国で1億〜数千t/1期という
程度に過ぎず単独で他国への販売を行いうる生産能力を有する国家は限られていると考えます。
また一定規模の建材製造能力を有する国であっても常時備蓄されている建材量が4億tを超えている事は
極めて稀な例であると考えられ、数億から10億t以上の大規模発注も珍しくないこの業界においては
注文生産が常態化しているなど円滑に取引が行われているとは言い難い現状にあると言えるでしょう。
ユーフォリア帝国の提唱する製造組合が実現されるとすればこうした現状に一定の改善が見られる可能性はあるものと考えます。
しかしながら否定的な要素がない訳ではありません。
当国が主として懸念するのは以下の二点についてです。
・資源産出国と建材製造国の利益分配
この製造組合への参加資格を鑑みるに、組合には建材製造を担当する製造国と原料供給を担当する資源国が
存在することになるものと考えます。組合の主要な収入源は建材販売における売上金になるものと考えられますが
その場合、製造国に対する利益分配と資源国対する利益分配はどのように決定されるのでしょうか?
製造国と資源国に求められる役割が異なる以上、売上金の平等な分配は却って不公平を生ずると考えます。
当国としては鉱山さえあれば原料の採掘と輸送のみを求められる資源国に比べ建材工場の拡充及び建材製造を
求められる製造国の方がより重い負担を強いられると思います。
・食肉の取り扱いについて
食糧自給率100%の貴国におかれましては或いはご存知ないかもしれませんが、フリューゲル農業組合は
今のところその参画国全てが食肉生産を行っており一定の輸出能力も保持しています。
同組合の規定には食肉輸出の協定価格も需要に対する供給分担も明記されており、食肉の取り扱いに
関しては農業組合と競合する事になる上に食肉の原料となる食糧の供給はまさに農業組合の本領です。
その辺りについてどうお考えになりますか?